インド、南シナ海問題で中国を支持?

 ちょっと信じがたい話ですが。

http://military.china.com/important/11132797/20160428/22542249.html


解析:インドは何故南海問題で中国を支持するのか?

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国の南海の島礁」)

4月19日に中ロ印外相は会談後「共同コミュニケ」を発表した。「共同コミュニケ」第21条は次のように明確に規定している。「中国、ロシア、インドは国際法の原則に基づく海洋秩序の維持保護を承諾し、この秩序は『国際海洋法条約』の中に顕著に体現されている。あらゆる関連の争いは当事国の談判と協議により解決されるべきである。外相らは『国連海洋法条約』、『南海各方行為宣言』の全面遵守、および『南海各方行為宣言』の後続の行動指針の実行を呼びかける。」 このことは、インドが南海問題の上で基本的に中国がずっと堅持する「南海各方行為宣言」に同意したことを意味している。インドは何故南海問題の上でこのような立場を持つのか? 筆者は主に以下のいくつかの原因であると考える。

まず地縁政治方面の考慮である。インドは建国以来もう大国の雄大な志を持ち、ネールはかつて「インドは生き生きとした大国になる必要がある」とした。このためインドはずっとインド洋をその内海に変えることを企図している。まさにこの種の考慮から出てインドは戦略の眼光をインド洋に投げかけ、甚だしきに至っては触手をより広い海域に向かって伸ばし始めている。このため重大な変革の色彩を持つインド海洋安全戦略を提出しており、その核心はインド洋を新たなる軍事拡張の重点方向とすることに他ならない。強大で、バランスのとれた海軍を基礎に、積極的な政治、外交、軍事手段によって、インド洋を掌握する局面の形成を極力図り、続いてこれを基礎にインド洋の近隣地域に向け影響力を輻射するのである。

インドの地縁政治の目標はアメリカの戦略目標との衝突の発生が必定である。すなわち、アメリカの冷戦後の主要な目標はアメリカに対抗できる大国あるいは大国集団が改めて出現することの防止であり、これが地域安全保障業務戦略制定の出発点である。全世界の海権体系の核心区域たるインド洋がもしインドの手に落ちたら、アメリカの海洋覇権に対し巨大な衝撃を生じさせる。双方のインド洋における矛盾は実際上構造性の矛盾であり、調和することはできない。著名な海権思想家である楊震と蔡亮はこのため「南アジア研究」で次のように指摘した。中国とインドは同じく陸海複合型の国家であり、かつ予見できる未来いずれも地縁政治発展の重心を海洋に投げかけ、このことは必ずや現在の世界の海洋覇権国家であるアメリカの猜疑と抑止に遭うことになる。アメリカの海上から来る圧力に共同で直面する時、背中合わせの中印は相互に相手方の陸上の障壁に充当されることになる。もし中印に大規模全面対抗、甚だしきに至っては衝突が勃発したら、両国の海洋大国の夢想は深刻な挫折に遭うことになるだろう。アメリカにはこのため、両面挟撃、各個撃破のチャンスが生じる。このため、インドが南海問題の上で中国の立場を支持することも理解できる。すなわち、ひとたびアメリカが南海で中国を抑止する行動が成功したら、次の一歩の行動はマラッカ海峡を越え、軍隊を指揮して西進することであり、シンガポールのチャンギ基地とインド洋上のディエゴガルシア基地がこのための戦略支持ポイントを提供する可能性が極めて高い。このことはインドが何としても見たくないことである。第三次印パ戦争の中でアメリカが空母戦闘群を派遣してパキスタンを援助しインドに対抗した歴史はおそらくまだインドの政治家たちに忘れ去られていない。

(頑住吉注:これより2ページ目)

次は外交の特徴たる慣性である。インドは独立以来、その外交の一大特色は大国の間で八方美人にうまく立ち回り、したがって利益を獲得し得ることである。冷戦の中ではこのようだったし、冷戦終結後も同様にこうである。アメリカは国際体系の中の覇権国家、世界最大の海洋国家、世界第1の経済大国、世界第2の工業大国であり、一方中国は世界最大の途上国、世界最大の陸海複合型国家、世界第2の経済大国、世界第1の工業国でもある。双方はいずれもサイズがインドをはるかに越える「巨漢」で、南海問題の上でインドは中国の立場を支持することによって、アメリカと海軍技術協力を行うがゆえに緊張した関係を緩和し、したがって中米両国間で八方美人にうまく立ち回り、インドの戦略利益の最大化を実現することができる。

最後に軍事方面の考慮である。少し前、インドとベトナムはいくつかの安全保障業務領域の協力を行った。中国は不快ではあるが、決して対抗措置は取っておらず、しかしこれは決して中国にカードがないことを意味していない。中国は完全にその鉄の盟友であるパキスタンに対する援助によってインドを抑止することができる。近年来インド海軍力量には長足の進歩があった。しかし中国という全世界で稀に見るこの工業体系が完備した世界第1の大工業国に比べれば、常に見劣りする。中国は完全にパキスタンに対する兵器輸出によってインドに対する海上の抑止を実現することができる。中国の039型通常動力潜水艦、殲ー10系列戦闘機、鷹撃系列対艦ミサイルなどは非常に大きな程度上パキスタンの海空力量の実力を強化することができる。パキスタンは海上でインドを圧倒することはできないかもしれないが、インドのインド洋における優勢を非常に大きく削減させるというこの点には、それにもかかわらず少しも問題がないのである。

また、近年来中国が南海問題の上で示す地域の平和と安定を維持保護する誠意と善意は、アメリカの南海問題での気迫に満ちて人に迫る姿とでは鮮明なコントラストを形成している。中国の時代の潮流に順応した海洋政策と「国連海洋法条約」の精神との符合、かつ中国は海権の発展と同時に大国の責任を担い、海洋というこの地球の表面最大の公共空間のために安全製品を提供し(例えばアデン湾航路護衛)、中国の国際的イメージを向上させている。深思熟慮を経た後、インドは中ロと上述の声明を発表することを選択した。中ロ印三国外相の南海問題に関する合同の声明は南海問題を解決することはできないかもしれないが、それは少なくとも南海問題解決の道を指摘して明らかにした。この解決の道に比べ、ややもすれば空母打撃群や対潜哨戒機および戦略爆撃機を派遣して他国の島礁に接近させ、かつこれをもって自由航行の有効性を試す行為はより危険で、より戦争に近くはないだろうか?(馬尭 上海外国語大学国際関係公共事務学院特約研究員)


 現状の分析もそうですけどインドの動機の推測に関しても恐ろしく主観的で自分の都合のいいように解釈する人ですが、現実はこの人の思うようには進まないと思いますよ。















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