ロシアの新型早期警戒機の実力は

 西側や中国のそれと比べてどうなんでしょうか。

http://military.china.com/topic/vision/11138177/20150212/19305359.html


北極熊の千里眼:A-100は中印の早期警戒機を超える

導入の言葉:ロシア空軍上佐イゴール クリモフは、国防省は2015年、A-100「首相」早期警戒機に対し試験を行う計画であると言明した。A-100早期警戒機はイリューシン-76MD軍用輸送機をプラットフォームとし、PS-90A-76エンジンを採用し、アクティブフェイズドアレイレーダーを探知計測手段とする新世代早期警戒機で、2016年のロシア空軍への引き渡しを計画している。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「2008年以後ベリイェフタガンログ航空科学技術総合体と『ベガ』社は、現役のA-50機群に対するグレードアップを開始した」)

2015年早々、ロシア空軍はもうある良い情報を明らかにし、それは10年余りを経てA-100早期警戒機についに突破性の進展があったということで、ロシア国防省空軍上佐イゴール クリモフは、アハトビンスクのアストラハンに位置する国家飛行試験センターが機載システムに対する試験を行うことになるが、早期警戒レーダーと飛行コントロールシステムにだけ関わる、とした。現在ロシア空軍の早期警戒機の主力はA-50系列であるが、この初飛行が1984年で、イリューシン-76から改造されたプラットフォームはすでにロシアの近代化発展のテンポについていけない。ロシア空軍が2012年に締結した契約によれば、軍用ヘリだけでもう60機に達し、実戦機はおよそ20機で、スホーイー34、スホーイー35S、スホーイー30SMなどに関わり、特にNATO加盟国のどんどん成熟する情報化された空対地打撃体系は、ロシア空軍が何としてもソ連時代の早期警戒機に一度、大きな血の入れ替えを行うよう迫る。

A-100早期警戒機計画は最も早くはロシア・イスラエル早期警戒機合同研究開発プロジェクトにさかのぼることができる。時期はおおよそ1997年前半で、ロシアはイスラエルのIAI社に向け1機のA-50I早期警戒機の機体を送り、この内部にはいかなる早期警戒レーダー設備もなく、飛行能力だけが留保されていた。ベリイェフ設計局とIAI社はA-50Iに対し合同での改良を行うことになり、目的はファルコンレーダーと機載電子戦システムをA-50Iプラットフォーム上に整合し、しかる後にさらに良い値段で売ることだった。最終的な結果は、インド空軍とロシアが3機のA-50I早期警戒機の装備に関し契約を締結するというもので、2009年以後続々とインド空軍に装備された。ロシアはイスラエルとの協力という契機を通じ、A-100早期警戒機プロジェクトを打ち出し、かつ10年余りの長きにわたる研究過程を開始した。2011年にロシア空軍の将官アレキサンダー ジェーリンは2016年に空軍部隊はA-100早期警戒機を獲得することになり、これは更新されたイリューシン-476の機体を採用し、アクティブフェイズドアレイレーダーを使用する、と言明した。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「『ファルコン』早期警戒機が使用するのは第2世代の製品で、内部構造は3つのアクティブフェイズドアレイレーダーアンテナであり、それぞれのアンテナのアレイ面は120度の方位をカバーできる」)

A-100の早期警戒能力

現在ロシア空軍にはおよそ20機のA-50系列早期警戒機があり、タイプはA-50M/Uで、そのうち大部分は2008年以後のグレードアップから来ている。ベリイェフ航空科学技術総合体と「ベガ」社は機体、機載レーダー、衛星通信、レーダー操作員インターフェイスなどに対する全面改良を担当し、電子設備の重量はある程度低下し、より多くの燃料が搭載でき、さらにバーカウンター、機クルーの休息室が配備された。より重要なのは、新たにグレードアップされたA-50は海に対する捜索が実現でき、後半球の探知計測能力がある程度増強され、有効対空捜索距離が400km前後だということである。A-50Mの作戦性能を根拠にすると、300〜650kmの距離で各種地上、空中目標に対する識別が行えるが、およそ3平方mの空中目標(F-16のレーダー輻射面積に相当)に対する発見距離は230kmでしかない。400kmの距離の大型水上艦艇が探知計測でき、50の目標に対する追跡が行え、かつ戦闘機を誘導してそのうち最も脅威を持つ10の目標を攻撃できる。

A-50Mの性能を根拠にすると、A-100早期警戒機は作戦性能上全面的な超越を行うことが必須であることが難なく見てとれる。事実A-50Mの探知計測能力はインドが装備するA-50EI「ファルコン」早期警戒機に遜色がある。インドの当局者は第4機目のA-50EIの購入式で、この機の監視コントロール半径は800kmに達するとされ、同時に250の空中目標が追跡でき、下を見る能力はA-50Mに全面的に先んじ、地上および海上目標に対するカバーも実現できることを強調した。だがこのデータは割り引く必要があるかもしれない。EL/M-2075レーダーの最大探知計測距離が400km〜500kmだというのは比較的信頼できる。目標追跡能力は100前後で、この方面はロシア軍が使用するA-50Mより強いだろう。「ファルコン」早期警戒機が使用するのは第2世代の製品で、内部構造は3つのフェイズドアレイレーダーアンテナであり、それぞれのレーダーアレイ面は120度の方位をカバーでき、L周波数帯で機能する。このため、ロシア軍が高い期待を寄せるA-100はA-50EIを基準とし、新世代のロシア製アクティブ電子スキャンアレイの最大探知計測距離は500km以上に達し、追跡する目標の数は100に達することが有望である。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「グレードアップ後のA-50M-U早期警戒機の内部の画像」です。)

空警ー2000を超越

A-100はロシア空軍の新世代早期警戒機に属するが、全体的な作戦能力はNATOのE-3早期警戒機と比べると依然小さからぬ隔たりがある。イリューシン-476はA-100早期警戒機の新たなプラットフォームであり、ペルミエンジン社が提供するPS-90A-76エンジンを使用しており、1台の推力は14.5トン、最大離陸重量は120トンに達する。E-3早期警戒機はボーイング707-30Bの機体を使用し、最大航続時間は11時間を超え、空中給油能力を持ち、当番時間は1日持続でき、安全性と快適性はイリューシン-476より高いだろう。E-3早期警戒機が使用するAN/SPY-1/2系列レーダーの対空監視距離は600kmを超え、600の目標を同時に処理し、その中の100の目標に対し追跡を行う。2008年、ボーイング社はBlock40/45のE-3早期警戒機群に対するグレードアップを完成し、2014年にボーイング社は再度NATO加盟国のE-3早期警戒機をグレードアップし、メインモニター、敵味方識別システムおよびLink 16データリンクなどを増強した。

米軍は2019財務年度にE-3早期警戒機の世代交代の決定をし、より先進的な早期警戒プラットフォームを使用してE-3機群に取って代わらせる計画であり、この時間的ポイントはまさにA-100早期警戒機が大規模に装備される時期で、ロシア軍は35機以上のA-100を生産して現有の早期警戒機に取って代わらせると見積もっている。だがA-100の設計思想は1990年代に起源があることにかんがみれば、このことはそれが装備されたばかりですぐNATOの新たな早期警戒プラットフォームに立ち後れる可能性があることを意味している。アメリカやNATO加盟国が装備する大型早期警戒機の他に、中国空軍もKJ-2000型早期警戒機を持ち、それはA-50と同じイリューシン-76輸送機を使用している。KJ-2000はイスラエルの「ファルコン」早期警戒機購入失敗の代替品で、その性能は少なくともA-50EIのレベルに達しているだろう。南京電子技術研究所はKJ-2000のためにアクティブ電子スキャンアレイを研究開発した。A-50EI同様、KJ-2000も3つの固定アレイ面を使用し、探知計測距離は400〜500kmで、追跡目標数は100を超えない。KJ-2000とA-50EIの作戦能力は基本的に同等で、一方ロシア軍現役のA-50M/Uはやや劣ると考えられるが、A-100登場後はこの局面は変わり、総合作戦能力は中印の現役早期警戒機の水準を超え得るだろう。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「イリューシン-476はロシア空軍に装備されようとしているだけでなく、さらに中国やインドに対し輸出されようとしており、その生産数が改装の需要を満足させられるか否かも問題である」)

直面する問題

A-100早期警戒機の引き渡し時期は少なくとも2016年以後になることを要し、この時NATO加盟国は次世代早期警戒およびコントロールプラットフォームへの換装準備を開始している。もしA-100が進度の基準通り引き渡せたら、ロシア空軍の早期警戒指揮能力は短時間内NATOの早期警戒機との隔たりを短縮することができる。だが米軍は残る24機のE-3 Blok 30/35を全部Block 40/45にグレードアップする計画で、同時に新世代E-8対地監視指揮機への世代交代を研究しており、この隔たりはまた引き離されるだろう。特にステルス攻撃プラットフォームの大規模装備後は、A-100早期警戒機にレーダー反射面積0.1平方mを超えない目標に対する有効な探知計測ができるか否かには依然疑問が存在する。

去年11月、ロシア軍は第1機目のイリューシン-476輸送機を受領し、タイプはイリューシン-476MD-90Aだった。イリューシン-476はイリューシン-76から改良されたものだが、フルセットのレーダー設備を取り付けるには依然いくらかの時間を必要とし、イリューシン-476はロシア空軍に装備されようとしているだけでなく、さらに中国やインドに対し輸出する必要があるからなおさらのことで、その生産数が改装の需要を満足させられるか否かも問題である。A-100早期警戒機最大の不確定要素はベガ社が研究開発するアクティブフェイズドアレイレーダーにあり、何年か前この機構は何度もアクティブフェイズドアレイのテストの進度を遅延させ、A-100早期警戒機の完成時期も2017年まで順延された。この状況はロシアがアクティブフェイズドアレイレーダー研究開発方面においていくつかの問題に遭遇したことを暗示しているが、インドのためのA-50EI早期警戒機の改装、スホーイー30MKIの機載アクティブフェイズドアレイのグレードアップで獲得した経験のおかげで、A-100早期警戒機のレーダーアレイ面は今年試験を行うことが有望である。もしA-100がスムーズにロシア空軍での就役に入ったら、生産数も要求に追いつけ、ならば一定程度上ロシア空軍の作戦能力を向上させることができ、少なくともNATOの空中基地早期警戒力量との隔たりがどんどん大きくなることはないだろう。


 ロシアの最新兵器というと凄い凄いという論調が多いんですが、この分野では西側の最先端レベルには及ばないようですね。





















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