中国の警察リボルバー批判

 同じテーマの文章は過去複数回紹介したと思いますが、別の切り口からの論点もありました。

http://war.163.com/14/0430/10/9R2SC4AH00014J0G.html


05式警察用リボルバーの威力は世界最低

装弾数も6発しかない


導入の言葉 05警察用リボルバーは中国の歴史上初の公安部門によって自ら投資が行われ、プロジェクト論証が組織され、かつ研究開発され生産に投入された警察用銃器である。このため「中華警察用第1の銃」とも呼ばれる。しかしその位置付けと性能設計には深刻な錯誤が存在し、それに法執行射撃の任務を良好に担うことが全くできなくさせている。

05警察リボルバーは中国初の専業警察用拳銃

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「05警察用リボルバーは『中華警察用第1の銃』と呼ばれ、公安部門が自ら投資を行い、プロジェクト論証を組織し、設計、生産、装備した初の銃器である。画像は05式警察用リボルバー」)

05警察リボルバーは公安部が自ら研究開発を行った初の専業警察銃器である

05警察リボルバー関連の宣伝を熟知する読者は皆覚えているはずだが、この「中華警察用第1の銃」と呼ばれるものは公安部門が自ら投資を行い、プロジェクト論証を組織し、設計、生産、装備した初の銃器である。体制の慣例に照らせば、中国が自ら装備を行う銃器のプロジェクト研究開発は全て軍によって責任が担われ主宰される。この種の背景の下で警察用銃器は既存の軍用銃をそのまま使うしかなく、このことは警察の中の公安部門が不可避的に怒当接盤侠(頑住吉注:スラングらしく意味不明)があった時、止むを得ずいくつかの設計が低劣で問題が非常に重大な軍の淘汰した機種を引き継ぐことになり、77式拳銃、79式サブマシンガンはいずれもこうである。

2000年に入って以後、公安部門は新たな拳銃に54、64、77式拳銃といった日ごとに古さが目立つ装備に取って代わらせることを探求し始めた。この種の需要は2つの方面の成果が出ることを促した。すなわち、一方においては2001年の公安部4.24会議で、92式拳銃のうち9mx19弾薬を使用するタイプが54式拳銃に取って代わるものとして選択された。もう1つの方面では、不合理な歴史的慣例に対する反発から、公安部門が自ら全く新しい専業警察用銃器を開発することを決定し、このプロジェクトが最終的に今日の05警察リボルバーに発展変化したのである。

軍と警察には銃器に対しそれぞれいくつか異なる使用上の需要があり、これは客観的に存在する事実である。もし同一系列に属する92拳銃でも、今日の局面はやはり軍は5.8mm口径を選択使用し、一方警察は9mm口径を選択使用する、というものである。前者は装弾数がより多く、後者は銃口の火や光、騒音がより大きく、銃を鳴らして警告する効果がより良い。

低エネルギー暴動鎮圧弾薬の発射は05警察リボルバー最大の特徴

専用警察銃器の研究開発は、体制の進歩という角度から見ると、公安部自身にも小火器業界にも、非常にポジティブな意義を持つ突破性の試みである。だがもし位置付けの差異を過度に強調し、第一線の実際の銃器使用経験、教訓の尊重と総括、帰納を軽視し、有効な法執行、戦術理論の導きと支持を明確にすることが欠け、そしてわざと設計のために設計したら、最終的な機種に技術と実際の使用機能の上でかえって歴史的退歩が形成されるのも決してあり得ないことではない。

05警察リボルバーは非常に不幸なことに典型的な反面教師である。プロジェクトの必要性を体現するため、05警察リボルバーには92拳銃との明確な位置付けの差異が出現することが必須で、92拳銃には持てない機能を有する必要があり、構造、外形から92拳銃とは一目で区別できる必要があった。こうした要求を満足させるため、威力が非常に低い(銃口エネルギー17.5ジュール)の非致命弾薬の汎用を強制することが極めて適した指標となった。92拳銃にこの種の弾薬を用いれば必然的に後座エネルギーが不足するためジャムが引き起こされ、リボルバーのような非自動拳銃だけが達成し得るのである。

全く誇張でなく言うが、低エネルギーの暴動鎮圧弾薬の発射こそ05警察リボルバープロジェクトがよって立つ根本だったのである。しかしこの種の殺傷性武器と暴動鎮圧武器の位置付けを混淆するやり方は誤りであり、それは銃器の作戦機能に対し極めて大きなマイナス面の影響を形成しただけでなく、しかもより直接的に法執行行為の権威性、有効性、社会的影響に対し深刻な潜在的リスクを形成したのである。

05警察リボルバーが発射するゴム弾の威力は小さく震撼させる力が欠乏

(頑住吉注:原ページのここにある上の画像のキャプションです。「画像の中のものはゴム弾のローダー。色が実弾を装填するローダーと異なる。」)

05警察リボルバーが発射する2.9gゴム弾の暴動鎮圧効果は劣る

殺傷性銃器と暴動鎮圧銃器は銃器作動原理の上で非常に近い、あるいは全く同じであり、いずれも薬莢内の火薬をエネルギー源とし、爆発的燃焼以後形成される高圧の気体が投射物(弾頭)を駆動してバレルの中から加速させて目標に向け飛ばす。差異は往々にして投射物の構造と速度だけにある。この点はまさに05警察リボルバープロジェクト論証の中で、1つの銃をもって同時に殺傷、暴動鎮圧機能を併せ配慮する理論の基礎の在処でもあった。

しかしいかにして目標に行動能力を失わせるかの上で、殺傷性銃器と暴動鎮圧銃器の原理は全く異なる。前者は弾丸の人体への侵入を極力求め、かつできる限り体内に充分な深度、直径を持つ大範囲の破壊を形成する。目標に対する停止作用は、主に人体の生理機能に対する構造的破壊に頼って実現する。

一方暴動鎮圧銃器はこれとは異なり、人体への侵入、回復し難い傷をもたらすことを極力避けるのと同時に、人体表面に向けできる限り大きな運動量、運動エネルギーの衝撃を加える必要がある。目標に耐え難い痛みを感じさせ、筋肉群に正常な瞬発力、協調機能を喪失させ、したがって抵抗の意志ないし行動能力を失わせるのである。目標の生命の安全を保証するため、その弾頭は充分低い飛行速度と充分大きな人体への接触面積を持つことが必須で、運動量と運動エネルギーの増加は主に自身の重量に頼る。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像は05式警察用リボルバーの赤色の実弾ローダー」)

設計の矛盾が05警察リボルバーに爆発すること非常に先鋭的である。ゴム弾の硬度は比較的高く、変形の幅が小さく、運動エネルギーをより大きな人体面積上に伝達することは非常に難しい。このためひとたび飛行速度をより高くする、あるいは弾頭重量をより大きくすれば、ゴム弾は非常に容易に高すぎる断面積あたりの運動エネルギーを形成し、人体に侵入して重傷をもたらし、障害を残し、甚だしきに至っては死亡させる。05警察リボルバーのバレルは直径9mmの弾頭しか収容できず、断面積は非常に小さく、このためそのゴム弾は厳格に重量(2.9g)と初速(110m/s)を制限することが必須で、もって安全性能を保証する。銃口エネルギーに関しては17.6ジュールしかない。

ある容疑者は20発のゴム弾の命中を受けてもまだ制圧されなかった

直径が小さく運動エネルギーが低いゴム弾は05警察リボルバーの暴動鎮圧任務執行の安全性と機能をいずれも非常に劣るものにしている。皮膚を露出している目標に関して言えば、05ゴム弾の断面積あたりの運動エネルギーは1平方cmあたり27.6ジュールに達し、これは安全制限(皮膚を打ち抜かない)の3倍近い。生きた豚に傷をもたらす試験によってまたさらに一歩深刻な傷害をもたらすリスク性が実証された。このことは警察の一部の専門家にゴム弾の使用を慎重にし、最も好ましくは遠距離で目標の下肢だけを射撃するようアピールさせた。だが絶対多数の状況下で射撃距離が7〜10m以内である警察拳銃にとって、このような指導意見は実際の意義が全くないと言える。

だが別の方面において衣服を着た目標に対してということで言うと、織物自身の強度が05ゴム弾の相当部分の運動エネルギーを分散させ得る。基本的な社会的規則からも気候、環境温度からも、ゴム弾の射撃対象が一日中上半身裸で活動することを期待するのはあまり現実的ではない。事実としてすでに、室内で逮捕された容疑者が20何発のゴム弾で撃たれても制止され得ず、相手の逮捕を拒み、警察官を襲撃する行為を行い、最終的に止むを得ず肉弾格闘に頼って喉を押さえて逮捕を完成させる案例が出現したことがある。事実は05警察リボルバーが信頼でき有効な暴動鎮圧能力を形成できないことを証明している。

殺傷武器と暴動鎮圧武器の機能の混淆が隠れたリスクをもたらす

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像は警察官が05式警察用リボルバーを携帯してパトロールしているところ」)

05警察リボルバーの2種のローダー。それぞれ実弾とゴム弾

もし05警察リボルバーが発射するゴム弾が良好に暴動鎮圧任務を遂行できても、殺傷と暴動鎮圧機能を一体に同居させることは、避け難い混淆をもたらし、深刻な安全、法律、政治的影響という隠れたリスクを形成することになる。

05警察リボルバーには2種の色と外形がいずれも異なるローダーが配備され、赤くて八角形のハンドルのは普通弾薬の装填に用い、一方黒くて円形のハンドルのはゴム弾の装填に用いる(頑住吉注:しかしリムの寸法や形状は同じはずですから逆にセットすることもできるでしょう)。設計師の意図は非常に明確である。すなわち、使用者は視覚だけでなく触覚でも正確に異なる類型の弾薬を区別し、かつ需要に照らして1つを選択して装填を行う。だがこれは1つのより基本的な問題を解決できない。平時拳銃のシリンダーの中にどちらの種類の弾薬を装填すべきなのだろうか?

警務法執行の過程で、絶対多数の拳銃使用は突発状況下で受動的に使用するのであり、警察官が事前にどんな状況に直面することになるのかを予測することは非常に難しい。殺傷弾を装填しても、人民内部の矛盾が引き起こす集団事件に遭遇するし、またあるいはゴム弾を装填しても、それにもかかわらず直接群衆、警察官自身の生命の安全に危害がおよぶ深刻な暴力犯罪に遭遇する。警察官はいずれにしても遅れず正確な対応ができない苦境に陥る。過度の武力使用で群衆の生命の安全に危害を及ぼすか、反応が遅れて自民警察官の生命の安全に危害をおよぼすかである(頑住吉注:ここまで読んで、私は1〜2発目にゴム弾、以後を実弾にすればよいのでは、と思いましたが)。

警察官に1挺のシリンダーの中にゴム弾と普通弾を混装させるか? この世にこれより愚かで、これより無責任なことはないと見積もられる。単に法律政策の角度からだけ言うと、人民警察官の発砲はずっと「人民警察官の警察器具および武器使用規則」の拘束を受けている。05警察リボルバーは「駆逐性、制圧性警察器具」(ゴム弾を装填しての暴動鎮圧機能の発揮に用いる)にも属するし、また致命殺傷性能を持った「武器」(普通弾薬を装填して殺傷機能の発揮に使用)でもある。混合装填した05警察リボルバーは結局のところ警察器具と評価されるのか、それとも武器なのか? 警察の発砲行為はいかにして位置づけられるのか? 事後責任はいかにして断定されるのか?

実際には今まで、05警察リボルバーにゴム弾をいかに使用するかに関しては明確な標準操作規定さえ欠けており、完全に人民警察官によって自ら決定が行われている。この種の無責任なやり方は、05警察リボルバーは専用法執行用銃と呼ばれているが、実はプロジェクト自体にもう法律上の理論的基礎と条文の支持が欠けていたことを説明している。複雑な法執行過程で、このことは必然的に第一線の警察官に巨大な法律的リスクをもたらすことになる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像は2014年1月の蘭州みかん略奪事件の中で、警察が銃器を用いて威嚇し略奪者の略奪行為を停止させたことが撮影された後広く拡散し、非常に大きな社会的論争を引き起こしたもの。実は人民警察官が持っていたのはビーンバッグ弾と催涙弾を発射する暴動鎮圧拳銃に過ぎなかった。」)

デリケートな事件の処理で警察リボルバーを用いてゴム弾を発射することは誤解を引き起こしやすい

最もデリケートな部分はやはり政治的影響の上にある。殺傷性武器に暴動鎮圧機能を賦与した後、警察官が人民内部の矛盾を処理する時に使用したのが一体致命的武力なのかそれとも非致命的武力なのかをすでに武器の外観からは区別できなくなっている。意図のない者の間違った判断だろうと、意図ある者の故意の誘導だろうと、いずれも挽回し難いネガティブな世論、政治的影響を引き起こすことになる。

2014年1月の蘭州みかん略奪事件の中で、警察が銃器を用いて威嚇し略奪者の略奪行為を停止させたことが撮影された後広く拡散し、非常に大きな社会的論争を引き起こした。幸いなことにこの人民警察官が当時用いたのはビーンバッグ弾と催涙弾のみ発射できる10mm暴動鎮圧拳銃だった。このため後の世論処理の中で政府は明確な証拠と信頼でき説得力ある通告とニュース発表を出して噂の打消しを行うことができた。

略奪は本来もう法律、道徳が許さないものであり、加えて警察は間違いなく致命的殺傷武器を使用しておらず、蘭州みかん略奪事件の社会的世論は最終的にポジティブな方向に向かった。しかし非常に多くの集団事件の起因と過程は複雑で判別困難であり、甚だしきに至っては政府自身の誤りの誘因が排除されない。もし警察官が処理中に05警察リボルバーを使用してゴム弾を発射し、暴動鎮圧任務を執行したら、何枚かのいかなる作為的処理も必要としない真実の画像さえあればもう、政府を何を言おうとも弁解できない境地に送り込むのに足りるのである。

こうした原因ゆえに、少なからぬ都市の公安機関はもし05警察リボルバーを支給したとしてもゴム弾の使用を拒絶しているのである。例えば重慶はゴム弾を装備してたった1週間後、もう交通巡邏警察がゴム弾を使用するのを禁止し、すでに支給した弾薬を全部回収したのである。今年少なからぬ警察リボルバーを支給した上海市も普通弾薬のみ支給しており、ゴム弾は支給していない。こうした例は、05警察リボルバープロジェクト論証の基礎がすでに警務の実践によって完全に誤っていたと証明されていることを説明している。

05式の威力は小さい 9mm弾はかつて33発で容疑者を制圧できなかった

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「殺傷、停止能力が劣り、火力持続能力が劣り、威嚇性が劣るのは、05警察リボルバーの克服することが絶対に不可能な3つの致命的欠陥である。画像は05警察リボルバー」)

容疑者は79サブマシンガンで3カ所撃たれて負傷し、依然500m逃げてやっと逮捕された

重慶と上海のやり方に照らし、普通弾のみ支給し、05警察リボルバーを単純に武器として使用しても、この銃はまた作戦機能が完全に不合格であるという問題に直面する。殺傷、停止能力が劣り、火力持続能力が劣り、威嚇性が劣るのは、05警察リボルバーの克服することが絶対に不可能な3つの致命的欠陥である。

92といったようなフルパワーの拳銃との差異を示すため、警察リボルバーは短縮された薬莢、火薬の量を減少させた低エネルギー量の殺傷弾薬を採用し、マズルエネルギーは101ジュールしかなく、これは92拳銃の19.6%である。この指標は世界のいかなる主流の拳銃よりはるかに低く、すでに殺傷力が弱く、停止作用が劣るがゆえに「シャオザーパオ」(頑住吉注:日本語にない漢字を使った語で、日本で言う「カネキャップ」を使うようなチープなおもちゃの銃のことを指すようです)と蔑称されている64および77式拳銃(220ジュール)の半分にさえ及ばない。

2004年の雲南鳳慶8.30戦闘では、犯罪者が6mの距離で警察官の79式小型サブマシンガンによって右腕、右足、右胸を撃たれた後その場に倒れたが、完全に行動能力を喪失することはなかった。警察官が79式小型サブマシンガンのマガジンを交換するのと同時に戦術的チャンスをつかんで自らの54式拳銃の再装填を終えただけでなく、しかも成功裏に500m離れたところまで逃げ、生け捕りされるまで隠れた。

この種の現象は絶対に個別の例ではない。中国の関連のデータはまだ見ていないが、アメリカの法執行機構の、致命的銃創を受けた者に対する統計、研究は、20%もの人がその場で行動能力を失わないことをはっきり示している。そのうち13%の人は傷を受けて以後5分間行動能力を維持でき、別の7%はさらに長かった。もし92拳銃が使用する9mmx19弾薬であっても、アメリカには犯罪者が33発命中弾を受けた後でやっと行動能力を喪失した例があるのである。

非常に多くの事実は、殺傷作用に比べ、銃弾の停止作用を実現しようとすることははるかに複雑で予測できず、信頼性がずっと低いだろうことを証明している。運動エネルギーが不足し、良好な殺傷能力のない弾薬が、有効に目標を命中以後行動継続能力を喪失させるということは絶対にあり得ない。マズルエネルギーが100ジュールしかない05警察リボルバーに有効な殺傷ができ、犯罪者の凶行を制止できると考えるのは、ひとりよがりの憶測でしかない。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像は新疆警察が15発マガジンの92式拳銃を使用して近距離速射を練習しているところ。」)

アメリカのリボルバーを使った早撃ち手も止むを得ず自動拳銃に換えた

弾薬の威力不足は数によってしか補えないが、銃の装弾数、リロードの速度はそれにもかかわらずリボルバーの克服することができない最大の鬼門であり、直接的にリボルバーが世界の軍、警察領域において自動拳銃によって全面淘汰される結果をもたらした。05警察リボルバーのシリンダーには6発の弾薬しか収容できず、銃を鳴らして警告する1〜2発を除くと、実際に用いることができる弾薬は4〜5発に過ぎない。実戦の中で拳銃の照準効率と命中率がずっと非常に低いこと、しかも05警察リボルバーの威力もまた特別に小さいことを考慮すると、シリンダーの弾薬を撃ち尽くした後、犯罪者が依然犯罪行為を停止しない可能性は非常に高い。

このことは災難性の局面をもたらすだろう。05警察リボルバーのリロード過程は煩瑣で難儀させられ、警察官は10〜15秒にもわたる時間火力の空白期に置かれる。この銃は排莢時、右手の親指でシリンダーラッチを前に押し、シリンダーを左にスイングアウトした後銃口を上に向け、左手でエジェクターロッドを動かし、これでやっと薬莢が全部落下する。その後射手は銃口を下に向け、左手でローダーを取り出し、弾頭をチャンバーに正確に向け、ローダーのハンドルを回して弾薬をリリースしてチャンバーに入れ、しかる後に左手でシリンダーを戻す。

事実としてこの欠陥は全く克服できないものである。アメリカのリボルバーの早撃ち手は世間を驚かし俗人をびっくりさせる技巧のデモンストレーションに事欠かないが、1986年のマイアミ銃撃戦でFBI人員が2名死亡、5名負傷して以後、全米の法執行機構は一様に自動拳銃を用いてリボルバーを全面淘汰した。何故なら自動拳銃は装弾数が多く、15発に達し得、甚だしきに至ってはさらに多いだけでなく、しかもその古いマガジンの排除と新しいマガジンの取り出しはそれぞれ右手と左手で独立であり、同時進行されるからである。新しいマガジンの挿入以後、射手は右手の親指でスライドストップを押し下げるだけでスライドはもう自動的に復帰して弾薬を押し動かしてチャンバーに入れて射撃が継続でき、全過程は2〜3秒に満たない。

05警察リボルバーのリロード時間が実際長すぎるため、警察拳銃の速射訓練審査の二級(リロード1回)、三級(リロード2回)は全てそのまま使うことが出来なくなっている。現在では05警察リボルバーの射手に15秒以内に銃を出し、掩体に入り、15m離れた半身ターゲットに対し6発中3発命中することしか要求できず、それでもう審査合格と評価されるのである。しかし15mをもって計算しても、10秒の時間は犯罪者が警察官のそばまで突進するのに足りる。反応速度が一切を圧倒する近距離戦闘の中では、リボルバーのリロード完成を期待するよりむしろ、中国警察が54式などの装弾数の少ない拳銃の使用経験を発揚し、銃のグリップを直接犯罪者の頭に叩きつける方がいい。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「05警察リボルバーは6発の弾薬しか収容できず、銃を鳴らして警告する1〜2発を除くと、実際に使用可能な弾薬は4〜5発に過ぎない。05警察リボルバーのリロード過程は10〜15秒必要とする。画像は装弾。」)

54式の信頼度と社会心理的基礎との関係は非常に大きい

05警察リボルバーは作戦機能が劣るだけでなく、しかもそれが比較的良い威嚇能力を持つこともあり得ない。このことはまたさらに一歩法執行時の難度を増加させ、犯罪者が逮捕を拒み、暴力で反抗する可能性を高める。拳銃の威嚇力は3つの方面から来る。外径寸法が大であり、銃口のノイズやフラッシュがはっきりしていることの他に、世間の評判も非常に重要な一部分である。

警察の法執行過程で、54拳銃の威嚇性が特別に突出していることは、その威力がずっと過度に誇大化されているが、また群衆によって深く信じて違われないという社会心理的基礎と非常に大きな関係がある。警察が普遍的に64、77拳銃を用いて54拳銃と交換して以後、警察銃器の威嚇力低下は警察の法執行をずっと困難なものに変えた。05警察リボルバーは寸法で優勢を占めないだけでなく、弾薬がいずれも低エネルギー弾薬で火薬の装填が非常に少ないので、発射特性が決して顕著ではない。このような武器は威嚇はもちろん、高度に緊張した状況下で犯罪者に警察官が発砲したことを察知させることができるか否かさえ問題である。

現在05警察リボルバーの支給数はあまり多いとは評価されず、使用時間も比較的短い。以後05警察リボルバーによって撃たれる、特にゴム弾で撃たれたことのある犯罪者がどんどん多くなるにつれ、例えば「警察のリボルバーは全く人を殺せない」といったような、自ら経験した者が自ら述べる形式をもって出現する情報は、監獄システムの中で広く伝播し、さらには犯罪者たちの常識となるだろう。64、77「シャオザーパオ」拳銃の威嚇力の上に出現したことのあるあらゆるネガティブな事情は、全て05警察リボルバー上に、前よりいっそうひどくなって再現されるだろう。

結びの言葉

05警察リボルバーは結果自体から言えば錯誤の産物であるが、このために公安部門が自身の要求を根拠に新型銃器を導入するという研究開発のやり方を全部否定することは決してできない。装備プロジェクトの推進はユーザーサイドの真剣な自らの需要の思索も必要とするし、研究開発サイドの努力も必要とし、それでやっと実現できるのである。

05警察リボルバーの経験、教訓を真剣に取り入れさえすれば、専用警察銃器の研究開発は、公安部門が第一線の実際の法執行経験、戦術的需要、訓練方式、促成理論と体制上の進歩を真剣に総括することに対しても、我が国小火器産業がより多くの機種の研究開発経験を獲得し、技術レベルを向上させることに対しても、非常に有利な良いことである。東トルキスタンなどの脅威がどんどん深刻になり、社会治安情勢がどんどん複雑になる今日、この種の発展は人民群衆と公安人民警察いずれにもより良い安全保障を獲得させることができる。


 いろいろな問題あるんですねー。何と言っても日本は平和で民度が高いのが幸いです。少なくとも今のところ深刻なテロの脅威はないですし、群衆が事故でぶちまけられた品物を争って略奪することも、現場の警察官が低威力の拳銃しか持たず、まず絶対と言っていいほど発砲しないと分かっていても犯罪者が増長して狂暴化するなんてことはほとんどないですからね。中国の警察リボルバー弾薬の薬莢が小さいと言っても9mmパラと同等くらいの容量はあるはずで、それに近いパワーに上げることも理論的には可能でしょうけど、これでは問題の解決にはならんかもしれませんね。















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