「ミサイル艇キラー」ヘリ

 武直ー19がフェイズドアレイミリ波レーダーを搭載したとの記事もありましたが、同系列のヘリは別の方向にも発展しているようです。

http://military.china.com/important/11132797/20180413/32306903_all.html#page_2


直-9が4発の対艦ミサイルを搭載して初お目見え 南海の「ミサイル艇キラー」になれる

昨日の南海閲兵式で、新型潜水艦、新型水上戦闘艦など多くの先進的な武器が集中してお目見えし、画面は気迫横溢と言えた。多くの装備の中で、4発のミサイルを搭載した直-9ヘリが初めて閲兵式でお目見えした。ニュース動画の中では一瞬で通り過ぎただけで、見たところ空母、新型原潜に比べ目立たなくもあるが、この装備はそれでも関心を注ぐに値し、何故ならそれは南海の「ミサイル艇キラー」だからである。

直-9Dが4発の空対艦ミサイルを満搭載しているのが初めて見られたが、2発で1隻の小型水上艦艇に大きな損傷を与えるとして計算すると、1機の直-9Dは1回の出動で2つの目標に対応できる。

直-9Dが満搭載し初めて公衆の面前に出現

直-9Dは直ー9Cを基礎に研究開発された対艦をメインとする艦載ヘリである。これまで軍事刊行物やニュース報道の中で何度も出現しているが、いずれも2発の対艦ミサイルを搭載あるいは無搭載状態でのお目見えで、今回の海上閲兵式ではヘリの短翼の下にそれぞれ2発の対艦ミサイルを搭載しており、これは初めてのニュースの公開の報道の中での満搭載状態をもってのお目見えである。

1970年代にフランスの「シュペル フルロン」艦載ヘリを導入しての歩み始めから、中国海軍は徐々に「シュペル フルロン」(国産型は直-8となった)、「ドルフィン」(国産型は直-9と呼ばれる)そしてKa-28などの艦載ヘリを装備した。駆逐艦や護衛艦の甲板および機格納庫の制限を受け、海軍は空母、総合上陸艦および補給艦で直-8ヘリを使用したのを除き、駆逐艦・護衛艦はいずれも直-9系列およびKa-28ヘリを使用し、対潜、中継制御誘導などの任務を執行した。

4トン級のヘリとして、直-9系列最大の欠陥は機内空間と搭載能力に限りがあることで、それが完備された潜水艦捜索設備や武器を搭載できない結果をもたらした。例えば直-9Cは1発の対潜魚雷を搭載した状況で対潜任務を執行し、それは機載レーダーや吊り下げソナーを使用して潜水艦捜索を行うしかなく、磁気異常探知装置、ソノブイなどの潜水艦捜索設備が欠け、潜水艦の攻撃に用いる魚雷も1発しかなく、しかも滞空時間は2時間以内だった。一方例えばNH-90、SH-60系列などの10トン級艦載ヘリは、レーダー、光電子、吊り下げソナーやソノブイなど完備した潜水艦捜索設備が搭載できるだけでなく、しかもさらに2発の魚雷を搭載でき、必要な状況ではさらに対艦ミサイルを搭載し、対艦作戦任務が執行でき、非常に強い多用途能力を持つ。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「搭載能力の制限を受け、直ー9Cは対潜任務を執行する時には一般に1発の対潜魚雷のみ搭載する。画像のソース:中国海軍ネット」)

13トン級の直-8は寸法が大きすぎ、4トン級の直-9は寸法が小さすぎ、一方導入したKa-28は共通軸ローター設計を採用し(頑住吉注:二重反転ローターのヘリは全高が大きくなるので小型の艦には搭載しにくいようです)、電子設備も比較的古く、このことは駆逐艦・護衛艦の艦載ヘリを海軍装備発展の1つの弱点とさせた。

直-20ヘリの対潜バージョンが成熟する前、現有の駆逐艦・護衛艦の主力ヘリはずっと直-9Cを基礎にポテンシャルを掘り起こすのが最も実行可能な措置で、これは直-9D誕生の背景でもある。

直-9Cに比べ、それは外形上差異は大きくなく、最大の変化はヘリの中央部に湾曲したビーム式搭載架が追加され、4つの外部搭載ポイントがあり、4発のミサイルが搭載できることである。必要な状況下では、魚雷を搭載して直-9Cとの相互コンビネーションに参加し、対潜任務を執行することもできる。

関連の資料によれば、直ー9Dは改良型KLC-1対海捜索レーダーを採用し、このレーダーの作動はX周波数帯で、放物面アンテナを採用し、100km前後の小型海上目標が探知計測できる。

直接的に機載対艦ミサイルのために火力コントロールを提供できる他、データリンクシステムによって探知計測した海上戦術態勢や目標情報を地上あるいは艦上の指揮所に伝達し、遠距離対艦ミサイルのために中継制御誘導を提供することができる。

直ー9Dがしばしば056型ミサイル軽護衛艦と合同訓練していることから見て、その作戦の使命は主に陸上基地飛行場から発進して臨時に護衛艦上に搭載され、近海対潜任務を執行することである。任務の分業の上では、056型護衛艦は主に対潜、パトロール等で、直ー9Dが搭載する空対艦ミサイルはもっぱら敵サイドのミサイル艇、パトロール艇など小型水上艦艇に対応し、したがって海軍の近海に対する支配能力を増強する。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「直ー9Dが056型護衛艦の甲板上に降着する。それが2発の空対艦ミサイルを搭載しているのが見える。画像のソース:「艦船知識」誌」)

「ミサイル艇キラー」の名に恥じず

近海海域は一般に各種島礁が分布し、曲折ある海岸線が加わり、その作戦環境は比較的複雑で、防御サイドはミサイル快速艇など小型水上艦艇を使用し、複雑な近海作戦環境の援護を利用しての作戦は攻撃サイドに少なからぬ困難をもたらすだろう。だが艦載ヘリは通常レーダー、光電子捜索装置などの捜索センサーを配備しており、多種の捜索手段はヘリが複雑な沿海作戦環境下でレーダー反射面が小さい水上目標を発見するのに有利である。それは一方において軍艦のために早期警戒を提供し、もう一方でヘリは自身の搭載する対艦ミサイルを使用してこうした目標を攻撃することができる。

小型水上目標が搭載する艦対空ミサイルは射程に限りがあるため、ヘリは艦対空ミサイルの射程範囲外で攻撃を発動することができ、両者の対決の勝負は一目瞭然で、このため速度が速く、機動が敏捷な艦載ヘリはこうした小型水上目標に対応する有力な武器となる。またミサイル快速艇、パトロール艇などの小型水上目標は寸法が比較的小さく、満載排水量も500トン以下で、大型空対艦ミサイルは主に大中型水上戦闘艦を攻撃するのに用いるもので、その戦闘部の威力は小型水上目標に対応する要求を超過している。この種の状況下で、戦闘部の威力が適度な小型空対艦ミサイルは近海対艦作戦の主力となり、それはこのため近年来ヘリの空対艦ミサイルファミリーの中の発展が最も速いミサイルとなっている。

1960年代にフランスのアエロスパシアル社戦術ミサイル部門は世界初のヘリ空対艦ミサイルAS-12小型空対艦ミサイルの研究開発に成功した。このミサイルはAS-11機載対戦車ミサイルを基礎に発展したもので、後にフランスはまたAS-12ミサイルを基礎に非常に有名なAS-15TT空対艦ミサイルを開発した。フランスのAS-15TTの研究開発成功後、いくつかのその他の軍事強国も次々にヘリ空対艦ミサイル研究開発の行列の中に入ってきた。イギリスの「Sea Skua」、イタリアの「マーズ-1」、ノルウェーの「ペンギン」などはいずれもAS-15TTミサイルの後に出現した著名なヘリ空対艦ミサイルである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「4発のAS-15TT空対艦ミサイルを搭載する「ブラックパンサー」ヘリ」)

艦載ヘリが空対艦ミサイルを使用して作戦に参加したケースは1982年のマルビナス島戦争(頑住吉注:フォークランド紛争)で発生した。戦争中、イギリス海軍の軍艦上から発進した「ワイルドキャット」ヘリは「Sea Skua」空対艦ミサイルを使用して1隻のアルゼンチン海軍のパトロール艇を撃沈し、また「サンタフェ」号潜水艦および1隻のパトロール艇に損傷を与えた。

湾岸戦争はヘリ空対艦ミサイルが大いに異彩を放った戦争だった。フランスのAS-15TTとイギリスの「Sea Skua」空対艦ミサイルはいずれも喜ぶべき戦果を獲得した。

戦争中サウジアラビア海軍はAS-15TTを使用してイラクの5隻の攻撃快速艇を一挙に撃沈、撃破し、一方イギリスのワイルドキャットヘリは20発の「Sea Skua」ミサイルを発射してイラクの11隻の艦艇を撃沈した。ヘリ空対艦ミサイルの出色のパフォーマンスは、イラク海軍の多国籍軍に対する脅威を排除するため少なからぬ貢献をなした。

公開の資料によれば、直-9Dが使用するのは鷹撃-9空対艦ミサイルであり、このミサイルはかつて2016年の珠海航空展でお目見えし、輸出型はYJ-9E(鷹撃-9E)である。このミサイルは外形上見たところ縮小版鷹撃-83K空対艦ミサイルのようで、ミサイルの射程は15kmを超え、アクティブレーダー末端制御誘導を採用する。

実は、中国は非常に早くからもう鷹撃-9に似た小型対艦ミサイルを研究開発しており、例えばかつて航空展に出現したC-701型小型対艦ミサイルで、このミサイルは機載、艦載あるいは陸上基地発射ができる汎用ミサイルである。この後またTL-10などの小型機載ミサイルが開発されており、ヘリや無人機に使用できる。

作戦時、直-9Dは機載レーダーを使用して自ら目標を捜索でき、データリンクによってその他のプラットフォームが提供する目標情報を獲得することもでき、ヘリの快速機動の優勢を利用し、敵サイドのミサイル艇、パトロール艇などの小型水上艦艇の視距離外まで飛行して攻撃を発動する。もし敵サイドの小型水上艦艇が超近距離あるいは近距離防空武器システムを装備していても、射程不足ゆえに直-9Dに対し基本的に脅威はない。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「東南アジア某国の「閃電」級ミサイル艇。それは16発の「天王星」対艦ミサイルを搭載し、対艦火力は非常に強大である。」)

現在、南海周辺国海軍はいずれも大量のミサイル艇、パトロール艇などの小型水上艦艇を装備しており、「空、潜、快」作戦体系の重要な組成部分となっている。

東南アジア某国を例にすると、その海軍は「黄蜂」級、「閃電」級など多くの機種のミサイル艇を装備し、その数は20隻を超え、こうしたミサイル艇は「冥河」、「天王星」などのロシア製対艦ミサイルを装備し、特に「天王星」ミサイルの改良型は射程が200kmを超え、水上戦闘艦に対し一定の脅威がある。

その前に、その国はさらにBPS-500型、TT-400P型など10隻あまりの高速パトロール艇を持っていた。こうしたトン数が小さく、航行速度の速い小型水上艦艇は戦時にそれ自身の優勢を利用し、快速打撃快速撤退ができ、もしその相手に完備された海軍作戦体系と専門にこうした目標に照準を合わせた武器がなかったら、対応するのにやはり比較的骨が折れる。

だが逆に、もし相手が完備された海軍作戦体系とヘリ空対艦ミサイルを持っていたら、こうした小目標がひとたび戦闘区域に入ればもう早期警戒機、偵察機などによって発見され、進攻を発動する前にもうヘリ、固定翼実戦機そして水上戦闘艦の何度もの対艦ミサイル掃射に遭い、しかも自身の防空対ミサイル能力の不足という欠陥に制限を受け、攻撃してくる対艦ミサイルに対する迎撃が有効に組織できず、「まな板の上の鯉」となる。


 最後の某国はベトナムのことでしょう。将来的にはより大型の艦に武直ー10のバリエーションが搭載されより多数のミサイルが搭載できるようになるでしょうね。
















戻るボタン