「ズムウォルト」は量産されない?

 やはり「ズムウォルトなんて大して怖くない」論がぽろぽろ出てきてます。

http://military.china.com/important/11132797/20131101/18122952.html


専門家、DDG-1000神話を打破 「多くの問題」を挙げて批判

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「革新的戦闘艦として、DDG-1000自体には非常に多くの技術的突破がある。」)

背景となる資料:アメリカの「ワシントンポスト」の報道によれば、アメリカ海軍の最新型ステルス駆逐艦「ズムウォルト」号が10月28日に進水する時、造船工場サイドは関連の儀式を行わず、10名の現地の群衆だけがこの艦の進水過程を見た。

本来の計画によれば、この艦はエルマー ズムウォルト将軍の娘が参加して命名式が行われることになっていたが、政府の「閉鎖」の影響を受け、この式は今月(頑住吉注:記事は11月1日付ですが先月でしょう)初めに取り消された。バスアイアンワークス社とゼネラルダイナミクス社の工員は今年の冬季にこの艦に対する艤装を行うことになる。

「スターズアンドストライプス」ウェブサイトの報道によれば、第1隻目の「ズムウォルト」級駆逐艦の建造は充足した予算の支持を得、これは現在の安全保障業務プロジェクトの中で、間違いなく多くは見られないことである。報道は、排水量が1.5万トン近いDDG-1000はアメリカ海軍史上最大の駆逐艦である、とする。アメリカ海軍は、この艦の大砲、ステルス外形、その他の先進性能はこの艦を、敵を恐れさせる戦争マシーンとする、と信じている。

新華ネット特別原稿:DDG-1000はひっそりと進水したが、それでも国内の軍事マニア、ネット仲間の中に非常に大きな反響を引き起こした。この「世界で最も先進的で、最も強大な戦闘艦」の称号が与えられた新選手は、普遍的に未来の海軍水上戦闘艦の新たなスタンダード、新たな模範と見なされている。それは往年のイギリスのドレッドノート級戦艦が進水するや、その他の旧式戦闘艦の光を一夜にして全く失わせたのに大いに似ている。では一体DDG-1000は海軍艦艇の新世代の神器なのか否か、我々はこれをどう扱うべきなのか?

実験的駆逐艦

まず、アメリカの未来の新世代水上戦闘艦として、我々は現在主に3つの機種を見ることができる。すなわち、1つはこれも少し前に進水したばかりのフォード号空母。もう1つは現在すでに大量建造が開始されている沿海域戦闘艦。そして3つ目が進水したばかりのズムウォルト級戦闘艦、DDG-1000である。

この3つの水上艦艇の建造計画を対比すると、我々は1つの興味深い現象に気付く。沿海域戦闘艦はすでに量産が開始されており、50隻以上が建造される見込みであり、ネット仲間たちにふざけて「餃子を包むようだ」と言われている。フォード号も進水したばかりだが、後続の建造計画はすでに鳴り物入りで推進され始めており、アメリカ海軍の現役空母はエンタープライズ号が退役した後、残るのは全てニミッツ級一色であり、このような状況下で依然フォード級空母を作ろうとすることは、アメリカがこの戦闘艦に対し自信があり、期待していることを説明している。

沿海域戦闘艦とフォード級空母というこの鳴り物入りの建造計画と対比し、振り返ってDDG-1000の建造計画を見ると、非常に貧乏ったらしいことが目立つ。たった3隻の建造計画は、アメリカの未来の水上戦闘艦の核心たる艦種を構成するには不足であるに違いなく、明らかにアメリカ海軍はDDG-1000を単なる実験艦として扱っている。これに比べ、空母を核心とし、沿海域戦闘艦を付け加えることこそが、アメリカの海上作戦計画により符合する。

実はアメリカ海軍のかつての戦闘艦研究開発、建造の中にもDDG-1000に似た状況があった。最も典型的なのはアメリカのシーウルフ級潜水艦である。その後続のバージニア級原潜は技術的スタンダードが下げられ、当然建造コストも大幅に下がったという状況で、やっと維持され得たのである。今回のDDG-1000は将来第2のシーウルフになる可能性が大いにある(頑住吉注:シーウルフ級は冷戦終結以後高価すぎるということで3隻しか建造されなかったそうです)。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

設計当初との差異

我々は現行のDDG-1000が当時の計画の中のDDG-1000と比べ少なからず縮小していることに気付く。当初の計画の中の全く新しいこの戦闘艦には2つの核心的艦載武器があった。すなわち、レールガンと艦載レーザー砲である。しかし現在見たところ、進水したばかりのDDG-1000にはこの2つの装備はいずれも搭載されていない。単に155mm超遠距離艦砲が代替品として搭載されているだけである。このような技術配置から見て、当初の計画と比べての縮小がかくのごとく大きいことはアメリカがまだ過渡的状態にあることを説明している。つまりアメリカはまだ新世代の海軍艦載武器が全面的な突破を実現するのを待つ必要があり、その後やっと当初の予定の技術指標に到達し得るのである。

高すぎる建造コスト

アメリカ海軍は一貫して金があるがゆえに鼻息が荒いところを見せているが、実際には彼らは非常にコスト効率を重んじている。最も早く生産された低コストのペリー級護衛艦からその一端を見て取ることができる。沿海域戦闘艦にもコスト方面の考慮があり、何年か前にアメリカ海軍が登場させたアーセナルシップの概念にもコストの要素が考慮されている(頑住吉注:構想段階で放棄されてます)。

だがDDG-1000はこのコストコントロールの上で恐らく非常に苦しく、本当にこれをアメリカの未来の海軍戦闘艦の核心戦力にして大量生産する必要があったら、経済的にアメリカに対しきっと非常に大きな圧力をもたらす。以前西側の海軍のある著名な人物は、「経費によって沈没させられた戦闘艦は海戦の中で沈没した戦闘艦に比べはるかに多いのだ。」と語った。DDG-1000は将来このような困った状況に直面する可能性が高い。

適した作戦区域がない

DDG-1000がもし空母の援護から離脱したら、この艦が高い脅威のある海域の中で何事かをなしたいと思っても、見通しは楽観を許さない。だがもしこのような非常に高価かつ複雑な戦闘艦を低脅威の海域に置いてちょっと補助的任務をさせるというのもまた明らかに役不足である。

このため実際上DDG-1000の出現は決して、アメリカ海軍の空母を核心とするという海軍の戦力構成を変えることはできない。DDG-1000はむしろ中等の脅威海域で多種の汎用任務を執行するのに適している。この角度から見ると、DDG-1000の就役は現在のアメリカ海軍にとって決して特別に有用ではないかもしれないと言え、もし低層の任務を執行しようとするならば沿海域戦闘艦でその任に足り、しかもずっと安価である。

もし単に空母の航路護衛をし、空母艦隊の一部分となるなら、その搭載する対地火力は明らかにやや余計なのが目立つ。さらに艦隊防空任務を執行する時は、DDG-1000であっても決してこれまでのイージス戦闘艦に比べ何の突破性の優勢もないからなおさらである。このため現在見たところDDG-1000の作戦環境と作戦対象はいずれも十分はっきりしてはいないのである。

学ぶことができる部分

革新型の戦闘艦として、DDG-1000自体には非常に多くの技術的突破がある。例えば新型の艦の形、ダブル周波数帯レーダーシステム、新型艦砲、および完全電気推進システム等々である。これらの1つ1つの項目の技術がそれぞれなすことは、全て未来の海軍の発展の趨勢を代表していると言うことができ、これらは当然軽視できない。

アメリカ人はずっと領風気之先(頑住吉注:検索すると無数にヒットするのに意味を説明したページは全く見つからない慣用句)に長けており、このためDDG-1000に直面して我々は冷静であり、これを過度に神話化してはならない。中国海軍は模倣の段階を脱しつつある。未来の装備研究に対し、私はより重要なカギとなるものは自主創新であると考える。我々の需要に基づき、我々の海上作戦の戦略的要求に基づき、我々の戦場環境に基づき、我々の作戦の相手に基づき、我々に最適な戦闘艦と技術装備を選択するのである。

(頑住吉注:以後のページの画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)


 これを作ろうと思えば作れるが自国には適していないから作らない、というのではないわけで、現状では酸っぱい葡萄と言われてもしょうがないのでは。ただまあ私もこの艦は急進的すぎる感じがして、このまま順調に量産されていくことはなさそうな気がしているんですが。

 もう1つ紹介します。

http://military.china.com/news2/569/20131104/18127224.html


アメリカの技術者、DDG-1000には致命的弱点がある、とする 激しい悪天候に遭遇するとあるいは沈没するか

アメリカ海軍のこれまで最大の駆逐艦「ズムウォルト」号は10月28日メイン州で進水した。「安全保障業務ニュース」は、技術者たちは「ズムウォルト」級駆逐艦が大波の試練を受け入れられるか否か、決して確信を持っていない、とする。

アメリカの「The Christian Science Monitor」ウェブサイト10月30日の報道によれば、このステルス戦闘艦はDDG-1000級駆逐艦の第1号艦で、アメリカの論争ある計画は今後3年で太平洋地域に3隻のこのクラスの駆逐艦を配備し、もって中国の急速に勃興する海軍戦力を監視する、というものである。

「ズムウォルト」号駆逐艦は体積が非常に大きい。全長185m、飛行甲板の面積は1,000平方mを超え、排水量は14,564トンである。アメリカの「軍隊時報」の報道によれば、この艦はその他のアメリカ海軍の現役駆逐艦に比べ約30m長い。体積は非常に大きいが、ステルスアンテナと、現役駆逐艦に比べさらにレーダーによって発見されにくくする斜角式構造は、「ズムウォルト」号をステルス駆逐艦とし、かつ火力は凶猛である。アメリカの有線テレビニュース国際会社の報道によれば、その「先進艦砲システム」の射程は100kmを超え、現役駆逐艦の艦砲の射程の3倍で、しかも極めて正確である。この艦の大規模電力供給能力は未来のレーザー兵器を支えることができると見られる。

だがまさに前に指摘したように、この空前の規模の艦艇には1つの問題がある。技術者たちは、この艦の尾部に大波が1度当たったら、直ちに沈没がもたらされる可能性がある、と語る。これはこの駆逐艦が採用するのは新型の舷側が内側に傾斜した設計だからであり、この種の設計はこの艦をステルス状態で移動できるようにさせるが、安定性はあまりよくなく、一方伝統的駆逐艦が採用するのは舷側が外側に張り出した設計である。

この駆逐艦の論争がある部分は単に致命的弱点を持つ艦体だけではなく、さらにその非常に高い建造コストもあり、これまでにアメリカ海軍が建造した最も高価な駆逐艦だと言って間違いない。

あるニュースウェブサイトの報道によれば、「ズムウォルト」級駆逐艦建造の夢は1990年代に始まり、1991年に出された「21世紀駆逐艦」計画の組成部分として構想された。1990年代、アメリカ国防省は32隻の新たなクラスの駆逐艦を建造すると宣言し、この計画は当初DD21と命名され、後にDD(X)と改名された。

だがこの駆逐艦を建造するコストはどんどん高くなり、そこでペンタゴンは進水を計画する新型駆逐艦の数を削減した。2003年、ペンタゴンは16隻の新型駆逐艦を調達するとし、後にまた7隻と言った。2008年になると、3隻に変わった。2009年、この数はほとんどゼロにまで減少しそうになった。何故なら1隻あたりの駆逐艦のコストが50億アメリカドルを超え、「ナン・マッカーディー修正案」に違反したからである。この修正案は、1件あたりの装備のコストが当初の予算の15%を超えた安全保障業務プロジェクトは棚上げにする事が必須であると規定している。当時、この計画を進行し続けることができることを保証するため、国防省当局者は第1隻目の「ズムウォルト」級駆逐艦のコストを33億アメリカドルにまで下げ、後続の駆逐艦のコストはおよそ25億アメリカドルにまで下げた。

報道は、アメリカ海軍現役の最新型「アーレイ・バーク」級駆逐艦の1隻あたりの建造コストは約18億アメリカドルであるとする。アメリカ海軍は3隻の「ズムウォルト」級駆逐艦を建造した後、改めてより安価な駆逐艦を建造すると見られる。この3隻の「ズムウォルト」級駆逐艦、「ズムウォルト」号、「マイケル モンスーア」号、「リンドン ジョンソン」号はアメリカ西海岸のサンディエゴ基地に配備され、太平洋地域の安全に責任を負うと見られる。

「ワシントンポスト」の報道によれば、最初の「ズムウォルト」級駆逐艦は2015年に海軍に引き渡される。

「ズムウォルト」号駆逐艦はすでに進水したが、決して戦闘準備は整っていない。これから何ヶ月か、Bath Iron Works社は継続して水上でこの駆逐艦の艤装作業を完成させる。この駆逐艦は元々の計画では10月のやや早い時期に命名式を挙行することになっていたが、アメリカ政府閉鎖のため遅延している。この駆逐艦は1970年代初めの海軍作戦部長エルモ R ズムウォルトの名をとって命名された。その貢献には海軍内部の民族偏見の解消や女性の軍艦での勤務を許したことが含まれる。


 まあ気象衛星などの発達によって飛行船が弱点である悪天候を避けられるようになって一部見直されているのと同じように、この艦が情報を得て極端な悪天候を避けることも平時なら充分可能でしょうが‥‥。
















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