殲ー15艦載戦闘機のコストは その1

 生産数、後継機その他の問題にも関わってくることだと思われますが。3回に分けます。

http://military.china.com/important/11132797/20170904/31274740_all.html#page_2


1機の殲ー15はいくらに値し得るか? もし販売すれば1.2億が稼げる

米軍のF-35はずっと価格が高すぎるとの突っ込みを受けており、その1億アメリカドル近い単価はかつてトランプも激怒させた。実際、F-35は「背鍋侠」(頑住吉注:他人のミスを代わって引き受ける人)でしかなく、なぜならその定価は現在の武器装備発展の新たな趨勢を正確に反映しているからである。すなわち、単価がどんどん高くなるほど、軍隊の受け入れ可能な能力もどんどん下がる。

中国の武器は長期にわたりコストパフォーマンスをもって有名だが、最近海軍航空兵飛行員の袁偉が空中の特殊な状況を処理し、1機の殲ー15を救ったニュースが中央テレビの報道を経た後強烈な反応を引き起こした。この事件の後続の報道の中で、当局メディアは初めて殲ー15の4億近い単価を明らかにしたのである。この数字は直ちに各方面の強烈な関心を引き起こした。

1機の艦載機の製造コストが4億に達することは、非常に多くの人にとって意外だったかもしれないが、もし横向きの比較を行うなら、我が国の殲ー15は依然「物は良く廉価」に属する。だが、4億の単価は我々に認識を新たにさせるのに充分でもある。我が国の軍事装備発展の道筋はどんどん一般の規律に近づきつつあるのだ、と。すなわち、単価が高いことは現在の世界の主流の武器装備発展の趨勢であり、伝統的な意味の上で物は良く廉価なことはどんどん困難なことに変わっている。このため、一国の武器の数量と質は未来の戦争の需要を満足させる必要があるだけでなく、さらに国防予算の受け入れ能力に符合する必要がある。

一方において、我が国の国防工業体制改革の推進と共に、武器装備の研究開発、生産と販売も持続可能な商業原則を遵守することが必須である。すなわち企業が充分な利益を得て生存できること。軍隊も軍事工業業界の持続可能な発展を維持するため、購入を通じて企業を激励し、企業に相当な比率の利潤を獲得させるだろう。もう一方では、中国の国防予算が長時間の「補習」を経た後、国家経済成長速度の調整と共に、その高い増加速度も長期的に維持し難くなっている。各方面の近代化が急速に邁進する中国軍にとって、金をどう使うかは人に取捨を難しくさせる選択になる可能性が高い。

殲ー15について言えば、その4億の価格はおよその数字でしかなくもあるが、それは結局のところ我々に参考にできる数量級を与える。これをベースに、さらに国外で公開されている空母および艦載機の実際の価格を結合すれば、我々に中国の空母戦闘群のコストに対し見積もりを行うチャンスを与えさせる。このことは未来の我が国の軍事装備発展の過程の中で、どういった要素が主要な拘束の要素になるかを思考する助けになる。本文はこの考え方の筋道に基づき、未熟な意見であるがより良い意見を導くため、読者の思考に供する。

「第3世代+」戦闘機の価格は第4世代機に迫りつつある

アメリカのF-16戦闘機の国際市場での中古機のオファー価格は1,100万から1,500万アメリカドルでしかない(我が国の梟竜機の新品の価格に相当する)が、F-16 Block60/62の1機あたりの価格は5,500〜6,000万アメリカドルにも達する。F-16 Block60はF-16C/Dを基礎に行った大規模改良型で、これにはより推力の大きなエンジンに交換し、戦闘機の最大離陸重量を50%以上高めたこと、AN/APG 80フェイズドアレイレーダーを装備したこと、一体型燃料タンクを追加装備し、作戦半径を大幅に増加させたことなどが含まれる。このため、価格も倍増している。

技術発展の角度から見ると、我が国の空軍の主力の1つであるスホーイー27プラットフォームとF-16プラットフォームは設計のところにいずれも一定の先見性と設計の余裕を帯びており、このため機体の外観に非常に大きな変化が発生しない状況下で、内部構造の強化、より先進的なアクティブ電子装備の取り付けにより、この第3世代機のグレードアップ版は第4世代機の基本的作戦能力に到達あるいは接近することができる。これは我が国の空軍近代化の重量な路線の1つでもあり、殲ー10、殲ー11はいずれもこうである。だがその結果として、改良型第3世代機は価格も第4世代機に接近するだろう。

殲ー15の原型は旧ソ連海軍のスホーイー33である。中国はウクライナからスホーイー33の原型機T-10Kを獲得した後、充分な研究を行い、沈陽飛行機がスホーイー27と大規模改良版スホーイー27系列を組み立てた経済および技術の累積を基礎に、殲ー15艦載機を研究開発した。だが注意を必要とするのは、これは決して殲ー15のコストがスホーイー27系列に似ていることを意味しないことである。

2017年6月、アメリカ海軍当局者は議会の公聴会で、アメリカ海軍は2018財務年度に12.5億アメリカドルを投資して14機のF/A-18E/Fスーパーホーネット戦闘機を購入すると事実確認したが、1機あたりの価格は9,000万アメリカドル(約6億人民元に相当)という計算になる。F/A-18E/Fの価格と対比すると、4億の殲ー15は主流の艦載機の中で依然ものは良く廉価と評価される。

だが我々は、殲ー15の価格が依然大幅に上昇する可能性があることも見ておく必要がある。現在の殲ー15はスキージャンプ発進に属するが、試験中のカタパルト型殲ー15もすでに明るみに出ている。スキージャンプ発進型に比べ、カタパルト発進型殲ー15は構造上強化を行う必要があり、このことは枠外の製造および試験のコストを増加させるだろう。フランスのラファール戦闘機を例にすると、空軍の単座型はラファールC、海軍の単座型はラファールMである。前者の購入価格は6,800万ユーロで、後者は7,900万ユーロにも達する。両者の主要な差異はカタパルトと制動システムに適応するために行う構造の強化である。1,100万ユーロを人民元に換算すると8,000万近い。殲ー15のカタパルト型の購入価格は保守的な見積もりに照らしても10%増加するだろうと想像でき、その価格は4.5億を超えるないし5億に迫る可能性がある。

















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