中国の大型輸送機に関する動き

 中国の大型輸送機に関する報道をまとめて紹介します。

http://military.china.com/important/11132797/20121226/17602724.html


イリューシン-476第1号サンプル機完成 中国は40機を購入すると伝えられる

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「イリューシン-476はイリューシン-76のグレードアップ版である」)

【グローバルネット報道 記者 胥文g】 ロシアの「航空の門戸」ニュースネット12月24日の情報によれば、ロシアの「航空の星-SP」飛行機製造工場は、初のイリューシン-76MD-90A輸送機(イリューシン-476)のサンプル機の塗装がすでに完成した、と言明した。

報道によれば、塗装にはポリウレタンエナメル塗料が採用され、完全に飛行機の研究開発設計文書通りに作業が完成された。専門家は、この塗料は防腐を保証でき、また飛行時の空気抵抗を減少するのに有利である、と説明する。

報道はさらに、サンプル機の塗装作業の終了後、さらに継続して「ウリヤノフスク-東方」飛行場飛行テスト区のシステムと設備の完備が行われる、とする。あらゆる作業の完成を待って、機は2回の試験飛行を行い、その後モスクワ州のジューコフスキー空軍基地に送られてさらに一歩のテストが行われる。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「イリューシン-476は1セットの全デジタル飛行コントロールシステム、ガラスコックピット、および4台の新世代ペイヤムPS-90A76型ターボファンエンジン、そして改良された「クプール」-76M航空電子システムを装備している。」です。)

またロシアの「ウリヤノフ州知事と州政府」公式サイトの情報によれば、この州の州知事セルゲイ モロゾフは12月22日、「航空の星-SP」飛行機製造工場と「スペクトル-航空」社を見学した。後者はすでにイリューシン-476型輸送機の塗装を完成させている。

イリューシン-476はイリューシン-76MDのグレードアップ版である。今年10月4日、ロシア国防省と連合飛行機製造社は39機のイリューシン-476型輸送機供給に関する契約に署名した。契約の総額は1,400億ルーブル(約284.4億人民元に相当)である。イリューシン-476は2009年に製造が開始され、2012年9月22日に初飛行した。中国が40機のイリューシン-476を購入することに関する噂が関連のメディアにたびたび出現するが、なお当局の事実確認は得られていない。最近中国の大型輸送機運ー20が滑走を開始し、まもなく初飛行することに関する情報が多くの軍事マニアの熱い関心を引きつけている。中国が自ら大型輸送機を研究開発、生産する時代がすでに来ており、いわゆる「中国が40機のイリューシン-476を購入する」との噂は明らかにさらに暗く光を失う。

(頑住吉注:後のページは画像とキャプションだけです。3ページ目は「イリューシン-476輸送機はソ連のイリューシン設計局が研究開発した中、遠距離大型輸送機である。」なお次に文が続いているんですが途中の文字が脱落しているようで意味不明です、4ページ目は「イリューシン-476の巡航速度は825km/hにまでアップし、最大離陸重量は210トンに達し、搭載重量は60トンである。PS-90A76型エンジンの推力は14.5トンで、イリューシン-76が元々使用しているD-30KP型エンジンの12トンの推力に比べやや増加している。同時に、燃料消耗も13〜17%減少している。」、5ページ目は「この機は3名の機チーム人員によって操作コントロールされ、最高66トンの輸送能力を持つ計画である(C-17輸送機の輸送能力は75トン)。全長は49m(C-17は53m)、全幅は49m(C-17は51m)、主翼面積は310平方m(C-17は353平方m)、全高は15m(C-17は16.8m)、最大離陸重量は220トン(C-17は279トン)である。」、6ページ目は「ロシアの『航空港』ウェブサイトの編集長パンジェリエフは次のように指摘する。『航空の星-SP』飛行機製造工場は近いうちに最初の3機の量産型イリューシン-476大型軍用輸送機を作り出すはずである。このうちの1機は最も早ければ2013年に可能である。」、7ページ目は「ロシアはさらにその他の国、特に東南アジア諸国と関連の談判を行った。イリューシン-476の輸出ポテンシャルは総計50機と見積もられる。インドは最終的にアメリカのC-17輸送機の輸入を選択する可能性があるので、近年内にロシアがインドへのイリューシン-476機供給問題を考慮することはない。」、8ページ目は「ロシア軍事工業総合体ニュースネットの10月8日の報道によれば、ロシア国防省が10月4日に署名した39機のイリューシン-76-MD-90A、すなわちイリューシン-476軍用輸送機調達契約の総額は1,400億ルーブル近くなり、45.2億アメリカドルに相当し、ここ20年のロシア航空製造業最大の発注となる。」)


 大型輸送機は戦闘機よりも中国の経験が乏しいジャンルであり、次世代戦闘機の戦力化まで相当の時間がかかるのでスホーイ-35を輸入しようかというような状態でそんなに早く大型輸送機がものになる可能性は低いと思われ、ロシア機の輸入は充分あり得るでしょう。さて、その中国製の大型輸送機です。

http://military.china.com/important/11132797/20121228/17606332.html


ロシアメディア:運ー20の性能はイリューシン-76を超える ウクライナの大きな力を入れた支持を獲得

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国の大型軍用輸送機の存在はついに当局の事実確認を得た。これは我々が長年不断に累積してきた、大変に苦しい努力の結果である。中国の戦略投入力量はもうすぐ質的改変を獲得することになる。」)

【グローバルネット総合報道】 「ロシアの声」ラジオ局の12月27日の文章 原題:運ー20 中国航空建設の進歩の、また1つの証拠

中国のインターネット上に出現した中国大型軍用輸送機運ー20の画像は、この機がまもなく初飛行することを示している。ロシアのイリューシン-76に比べ、運ー20のサイズはより大きく、かつ重大な改良がなされている。「大型軍用輸送機の数の増加は、単に軍事目的からのみから出ているのではなく、同時に中国のグローバルな影響力の不断の増長が要求するものでもある。」とロシアの戦略分析・技術センター主任のワシーリ コーシンは考える。

画像からは、原型機が発着用の滑走路上で前進しているところなのが見て取れる。このことは、この中国国防工業の新しい複雑な計画が全体的に予定の期日通り徐々に実施されていることを意味している。その実施は今後中国人民解放軍の区域作戦能力を非常に大きく向上させることができ、中国により素早く緊急状況に対応させ、本国公民の国外における人身の安全を確保できるようにする。

周知のように、1990年代初めには西安飛行機工業集団が大型軍用輸送機の研究開発作業を開始し、体積と性能方面でロシアのイリューシン-76輸送機を参考にした。だがあまり大きな進展は得られなかったようで、2006年にこのプロジェクトは中国の中長期科学技術発展計画に列せられた(頑住吉注:要するに短期的には実現不可能なものに分類されたということですね。どうでもいいですけどロシア人が中止になった中国の計画を「周知のように」なんて書きますかね。)。

中国メディアの報道によれば、中国国務院総理温家宝は2008年5月に西安飛行機工業集団を視察し、労働者たちと話をした時、大型輸送機計画の重要性を強調した。しかも中国メディアはさらに、機は2012年に初飛行するはずだ、とした。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「ロシア製のイリューシン-76輸送機は現在中国空軍が装備する唯一の大型軍用輸送機である。技術レベル、輸送能力はいずれも非常に理想的とは決して評価できない。だが今我々は最も良い大型輸送機を手に入れることができた。」です。)

コーシンは、現在獲得されている情報を根拠に、初飛行は2013年第1四半期に行われる可能性があると推測できる、とする。これは何年か前に予定された期日とあまり大きな食い違いはない。この種の大型で複雑なプロジェクトは開始から最終的実施まで、計画の改変は見慣れてしまって珍しくもなく、作業の完成はしばしば予期よりも何年も遅れる。

西安飛行機工業集団は研究開発過程で、ソ連空軍輸送機の主要な研究開発者、すなわちウクライナの「アントノフ」航空科学技術総合体の専門家たちの大きな力を入れた支持を獲得した。運ー20は実質上2007年初めの中国・ウクライナ合同プロジェクトに始まった。プロジェクトには「アントノフ」An-70および中国人が比較的研究し尽くしたイリューシン-76の技術が総合された。 (頑住吉注:純国産では実現できないことが分かってウクライナの援助を得た、ということですね。)

イリューシン-76に比べ、運ー20の体積は大きく、非常に多くの改良がなされている。電子装備とコックピット設備が完備されている。全てのテストの完了から最終的な量産までは非常に多くの時間を必要とする。おそらく中国はこの前にウリヤノフスクの新型イリューシン-76も購入するだろう。また、中国はロシアといくつかのCIS諸国の空軍の、何機かの中古イリューシン-76をすでに購入済みである。

ここ何年か続いて発生したこうした出来事は、中国が大型軍用輸送機を必要としていることを非常にはっきり示している。中国空軍に就役するイリューシン-76は2008年の四川地震の災害救援の中で、また2011年のリビアおよびキルギスタンの騒擾の期間、中国の公民の疎開の中でいずれも重要な役割を演じた。大型軍用輸送機の数の増加は単に軍事目的からのみ出たものではなく、中国のグローバルな影響力の不断の増長が要求したものでもある。同時に国際的関係を拡大することもでき、最終的に中国当局がどんどん海外同胞の利益に関心を注ごうとする願望を満足させる。

(頑住吉注:以後のページは画像とキャプションだけです。3ページ目は「1992年、イリューシン-76輸送機は即チベット入りしての飛行任務を開始した。イリューシン-76の就役は中国軍の遠距離快速投入能力を極めて大きく変えた。だが機の数が少なすぎることに制限され、この種の投入能力も大きく制限を受けている」、4ページ目は「長期にわたり中型輸送機は我が軍の主要な空中輸送戦力だった。これは戦術レベルでのみ優勢を発揮し得る。」、5ページ目は「我が空警ー2000大型早期警戒機はイリューシン-76を飛行プラットフォームとしている。だが同様に数の制限を受け、我が軍が空戦情報プラットフォームと戦略空輸能力を併せ配慮し、同時平行的に建設することを不可能にしている。今運ー20が出現し、この問題には円満な解決が得られることになる。」、6ページ目は「輸送機の作用と意義は軍事作戦のみに限られない。災害救援などでも重大な作用を発揮する。2008年、中国四川大地震発生後、20分にもならずに我々の大型輸送機が即災害救援物資を搭載して緊急発進し、災害区域に飛んだ。しかも後続の救援任務でも重大な作用を発揮した!」 7ページ目は「ロシアもイリューシン-476大型軍用輸送機の開発に一段と力を入れている。一定程度上、この機は中国の運ー20就役前、中国市場で争奪可能な最後のパイの1切れを奪うだろう。」、8ページ目は「さらに見ておく必要があるのは、我々は世界先進レベルとではまだ相当大きな隔たりがあるということだ。我々はさらに努力して追いつき追い越す必要がある。」)


 「またウクライナか!」です。本題と関係ありませんが「四川大地震発生後、20分にもならずに我々の大型輸送機が即災害救援物資を搭載して緊急発進」というのは事実なんでしょうか。もし事実とすれば見習うべき点がありそうです。もう1つ運-20関連です。

http://tuku.military.china.com/military/html/2012-12-26/211533_2289426.htm#pic


運ー20はC-17に比べ依然そんなに劣っているのか?

運ー20関連の説明図 (頑住吉注:これは補足説明は不要ですよね)

運ー20の最もはっきりした外部の特徴は非常に太短いことに他ならず、イリューシン-76のような流線型の構造タイプではない。このことは運ー20が先進的な貨物室設計を採用し、つまり貨物室の幅と高さを大きくしたことを示している。これは現代の輸送機の最もはっきりした外部の特徴の1つでもある。(超大軍事 小飛猪の評論に感謝)

(頑住吉注:2ページ目)技術の発展につれ、現代の戦闘車両はどんどん多くの光電子探知計測システム、付加装甲、ミサイル・砲一体防空システム、自動対空砲、武装ヘリ、甚だしきに至っては弾道ミサイルなどを追加装備し、このようにすれば直ちにその幅と高さが増加し、こうして貨物室の幅と高さいずれに対してもさらに高い要求が提出されている(頑住吉注:いくら何でも武装ヘリは積まんでしょう)。

(頑住吉注:3ページ目)アントノフ-70を例にすると、この機の貨物室の長さはイリューシン-76のように長くないが、幅と高さはいずれも4m前後である。一方イリューシン-76は3.4mしかない。このように搭載適応性方面においてアントノフ-70はイリューシン-76よりずっといいと思われる。かつてある人が、アントノフー70はワルシャワ条約機構の80%以上の武器装備を輸送できるが、イリューシン-76は40%に満たない、と言ったことがある。輸送機にとって全長の増加は非常に容易なのである。

(頑住吉注:4ページ目)イリューシン-76MFの貨物室は原型機に比べ6m延長されている。一方C-130にもC-130-30という延長型があるが、幅と高さの拡大はそれほど容易ではない。このため新型輸送機は最初から充分な高さと幅を確定する必要があり、それでやっと以後のグレードアップのための基礎を打ち立てることができるのである。

(頑住吉注:5ページ目)もう1つのあまり明確ではない変化は、運ー20が採用しているのは超臨界翼かもしれないということだ。これは現代の輸送機のもう1つの印であり、超臨界翼は主翼の臨界マッハ数を向上することができ、主翼の高亜音速時の抵抗が急激に増大する現象の発生を遅らせ、したがって機の揚力:抵抗比を高め、機の航続距離を延長し、経済性を高める。

(頑住吉注:6ページ目)我が国は1980年代から超臨界翼の研究を開始し、さらに今世紀初めに1機のJL-8超臨界検証機を改装し、関連の技術に対し検証を行った。このため運ー20が採用したのは超臨界翼で、機の揚力:抵抗比を向上させ、結果として機の航続距離および飛行性能を向上させた可能性がある。

(頑住吉注:7ページ目)運ー20が手直ししなかったのはエンジンだけかもしれない。画像から見て、そのエンジンのバイパス比は比較的小さく、Dー30あるいは国産の渦扇-18の可能性がある。D-30はロシアの第1世代大バイパス比エンジンであり、技術的穏当さを考慮してそのバイパス比は比較的小さくせざるを得なかった。だがエンジンのバイパス比が大きくなるほど経済性は良くなる。

(頑住吉注:8ページ目)関連の資料によれば、国内の大バイパス比エンジンの研究開発能力不足ゆえに、関連の動力発展の上ではダブルステップの方針が採られている。すなわちまずD-30をコピー生産して渦扇-18を研究開発し、その後渦扇-10の核心機を使ってより大きなバイパス比の渦扇ー20を研究開発する。このため現在運ー20のエンジンは応急的設計に過ぎない可能性があり、将来はやはり渦扇-20が用いられる可能性がある。

(頑住吉注:9ページ目)その他の改良にはさらに、運ー20がより先進的な航空電子システムを採用することがある。国産輸送機はすでに航空電子の総合化とガラス化コックピットを実現しており、例えば空警ー200はARINC429データバスを中核とする連合式航空電子システムを採用しており、気象レーダー、通信、ナビゲーションおよび自動操縦装置などが有機的に1つの全体航空電子システムにつながっている。

(頑住吉注:10ページ目)システムの主要な表示器はコックピットの多くの液晶モニターによって提供される。(頑住吉注:どうもここのあたりで内容が抜けているようで意味不明になってます)黄強と603所の当時の文献から見て、新世紀には100トンクラスの機から200トンクラスへの飛躍が必要で、このため運ー20の最大離陸重量はおよそ200トン、搭載貨物は55〜55トン程度に違いない。

(頑住吉注:11ページ目)運ー20の貨物室の幅と高さはイリューシン-76に比べずっと大きく、このためその搭載適応性はイリューシン-76に比べより良いと思われる。この機はイリューシン-76の比較的良好な代替製品と言うことができる。将来の発展に関しては、まずはやはりエンジンである。渦扇-10の核心機は国外のCFM-56と同じものなので、CFM-56系列のレベルを根拠にする。CFM-56-5系列の最高推力は150,000ニュートンである。渦扇ー10がこのレベルに達し得る、あるいは達することが計画されているという結論が得られる。

(頑住吉注:12ページ目)このようにすれば継続して運ー20の最大離陸重量を向上させることができ、同時に機体の長さを延長し、貨物室の容積を大きくし、機の搭載重量を大きくすることもできる。運ー20輸送機の長い航続距離は中国の戦略投入能力に質的飛躍を達成させ、中国人民解放軍は運ー20機の強大な性能によってより多くの軍事任務が執行できる。

(頑住吉注:13ページ目)「中国の利益がそこにあれば、中国軍はそこにいる必要がある」というのはもはやスローガンではなく、運ー20は中国の自国の戦略的利益と海外資産を維持保護する能力に充分な保障を得させる。アメリカ軍が建設する戦略空中輸送戦力の模式に照らせば、中国がもし100機の運ー20機を装備したら、中国の空中輸送能力はアジア太平洋地域の首位となり、もし200機の運ー20機を装備すれば、アジア太平洋地域全体、環インド洋地域、そしてヨーロッパ、アフリカの戦略的利益ある地域への素早い投入が基本的に実現できる。

(頑住吉注:14ページ目)中国は1週間以内にギリシャあるいはスーダンに向けて5個機械化師団を輸送できる。3日の時間で日本の6つの重要都市に向け15個空挺師団を投入することもできる。もし300機の運ー20およびその改良型機を装備すれば中国の戦略空中輸送能力はアメリカ軍のレベルに接近することになる。


 立派なイラストや性能比較、予想データが出てきますが、実際には12ページ目にあるむっちゃ不鮮明な画像くらいしか材料はなく、まあ夢物語に近いという印象はぬぐえません。しかし中国が本気で日本に大部隊を投入しうる輸送機戦力を目指していることは間違いありません。

http://tuku.military.china.com/military/html/2012-12-27/211580_2290117.htm#pic

 こんなページもありますが、当然このデータもあまり根拠のない想像です。







戻るボタン