オーストラリアは本当に日本の潜水艦を導入するのか

 オーストラリアが日本の「そうりゅう」級潜水艦に強い興味を示していることはコラムでも触れましたが、この件に関する分析です。

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大洋-1000 オーストラリアの新型潜水艦購入計画を簡単に分析

外国メディアの報道によれば、近々オーストラリアの将来潜水艦プロジェクトの責任者ロン モフェットと、首席国防科学者アレキサンダー リンスキー博士は今月共に日本を訪問し、日本の3年前に就役した「そうりゅう」級潜水艦について考察する(頑住吉注:これ7月の記事ですからもう終わってます)。オーストラリアは何のために日本の「そうりゅう」級潜水艦を考察するのか、オーストラリアは世界で最も先進的な大型通常潜水艦である「そうりゅう」級潜水艦を得ることができるのか否か?

周知のように、潜水艦は海軍武器装備体系の中の重要装備の1つで、特に現代潜水艦の機動能力は高く、隠蔽性は良好で、攻撃威力は大で、多くの国の「競争で追い求める」武器となっている。能力ある国でありさえすれば全て一定数量の潜水艦を装備し、もって海軍の総合作戦能力を完備されたものにする。オーストラリアも南太平洋の重要国家として、当然潜水艦に対する嗜好性を強めている。

潜水艦部隊はオーストラリア海軍の核心戦力であり、オーストラリア海軍の最も威嚇力を持つ攻撃力でもある。オーストラリア海軍潜水艦部隊建設の歴史は1950年代にまでさかのぼることができる。1950年代後期、海軍の総合作戦能力を高めるため、オーストラリア海軍は自分の潜水艦部隊創設の論証を開始した。1963年オーストラリアとイギリスは「オベロン」級潜水艦購入に関する協定書に署名し、オーストラリア海軍はそれを「オックスリー」級と称した。1974年、オーストラリア海軍は2隻の「オベロン」級潜水艦を追加購入した。1980年代になって、オーストラリア海軍は「オベロン」級潜水艦に対し近代化改装を行い、性能は一部向上した。だがこの級の潜水艦は1950年代に設計された製品で、加えて20年余りの時間就役済みで、すでに疲れが徐々に現れていた。1980年代初め、オーストラリア海軍は新型潜水艦を装備して6隻の「オベロン」級潜水艦に取って代わらせる構想を温め、新型潜水艦に21世紀の初めの25年の作戦上の必要を満足させることを要求した。その結果が後の世界最大の通常潜水艦、「コリンズ」級潜水艦である。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「潜水艦部隊はオーストラリア海軍の核心的戦力であり、ずっとオーストラリア海軍建設の重点である。図は『オベロン』級潜水艦で、オーストラリアは全部で6隻購入した。」)

1982年、オーストラリアは西側の多くの潜水艦設計能力を持つ国に向け入札募集の文書を発し、スウェーデン、イギリス、東ドイツなど6カ国が入札に参加し、最終的にスウェーデンのKockums社が勝利した。オーストラリア海軍が選んだのは、Kockums社の471型潜水艦方案だった。オーストラリア海軍は「コリンズ」級と命名した。この級の潜水艦は全長77.8m、全幅7.8m、喫水6.8m、水上排水量3,051トン、水中排水量3,353トン、最大潜水深度300mだった。「コリンズ」級潜水艦はディーゼル・電池動力システムを採用し、最大航行速度は21ノットに達し得、航続力は11,500海里/10ノット(水上)、最大自力自給力は70日、艦員編成は42人だった。この級の潜水艦は完備されたソナー探知計測設備と作戦指揮システムを装備し、ソナーシステムは艦首の大寸法アクティブ/パッシブソナー、舷側のアレイソナー、曳航線列アレイソナーなどのソナーを含んでいた。この級の潜水艦は6門の533mm魚雷発射管を装備し、MK-48系列大型有線誘導魚雷、「ハープーン」対潜ミサイル、MK-3機雷を発射でき、魚雷/ミサイルの搭載量は22発(機雷44発)だった。

「コリンズ」は現在世界で最も先進的な通常潜水艦の1つで、潜水艦は設計および建造過程で多くの先進的設計手段や方法を採用し、潜水艦の後日のグレードアップに対して充分考慮がなされていた。新世紀の作戦需要を満足させるため、オーストラリア海軍は2000年から続々と潜水艦をグレードアップする「大洋」-1429、「大洋」-1439計画を実施し始め、潜水艦の作戦システム、電子システム、スクリューなどサブシステムに対し徹底したグレードアップを行い、作戦能力と信頼性はさらに一歩向上した。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「『コリンズ』は現在世界で最も先進的な通常潜水艦の1つで、世界最大の通常潜水艦でもある。」 これも尾舵がX字型ですね)

冷戦終結後、オーストラリアはそれまでの国防安全戦略の新たな見直しを開始し、国防安全戦略の調整はオーストラリア海軍発展戦略の転換をも促した。特に21世紀に入ってアジア太平洋地域の地位は日増しに上がり、オーストラリアの国防戦略は「本土防御」から「越境防衛」の戦略に転換し、2001年8月、オーストラリア軍は「21世紀のオーストラリア海軍」の発展青写真(すなわちプロジェクトブルー)を発表した。「プロジェクトブルー」の戦略発展構想に基づき、オーストラリア海軍は21世紀の初めの25年内に3つの段階に分けて現役艦艇に対する改造、世代交代を行う。また海軍機構、部隊教育訓練に対する改革を行い、その意図は2030年までに比較的強い攻防能力を持つ「未来海軍艦隊」を建設することにある。

潜水艦部隊はオーストラリア海軍の核心的戦力として、ずっとオーストラリア海軍建設の重点であり、現役の「コリンズ」級潜水艦の後継を探すことは「未来海軍艦隊」の必然の要求であり、さらに加えてオーストラリアの周辺国が次々新型潜水艦を装備していることがあり、不断に高まる水中の脅威に対抗するため、新世代潜水艦を開発することはすでに焦眉の急である。こうした状況下でオーストラリア海軍は「大洋」-1000計画を提出し、新型潜水艦を購入して「コリンズ」級潜水艦と交代させることを計画したのである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「新世紀に入って以来、オーストラリアはずっと比較的強い攻防能力を持つ『未来海軍艦隊』建設に向け努力している。図は2012年7月5日に進水した『キャンベラ』級強襲揚陸艦の『アデレード』号。」)

2008年10月27日、オーストラリア国防省は正式に新型潜水艦の事前研究作業を始動させた。オーストラリア海軍は、オーストラリアは非常に長い海岸線を持ち、近海に一定数の潜水艦を配備する必要があり、さらに加えて潜水艦を海外に配備する必要があり、現役の6隻の潜水艦はすでに需要を満足させることができず、潜水艦部隊の規模を拡充する必要があり、論証を経てオーストラリア海軍は12隻の潜水艦を必要とすると考えた。動力システム方面においてオーストラリア海軍は、新型潜水艦によって組織される水中艦隊はオーストラリアに「アジア太平洋地域の他国の海軍が急速に発展する」中で「戦略的に先んじた地位」を保持させるもので、原子力潜水艦はこの目標実現の重要な手段だと考えている。ある報道は、オーストラリア海軍はアメリカの「バージニア」に非常に興味を持っているとしている。だが原子力潜水艦の建造コストは非常に高く(「バージニア」は約20億アメリカドル)、さらに加えて人が皆知り尽くした原因があり、アメリカが原子力潜水艦を輸出する可能性は非常に小さい。このためオーストラリア海軍は新型潜水艦はAIPシステムの装備が必須だと考えている。艦載武器方面では、オーストラリア海軍は新型潜水艦の攻撃能力が「コリンズ」級潜水艦より強いことを要求している。新型潜水艦が魚雷、対潜ミサイル、機雷などの伝統的艦載武器を装備することを要求しているだけでなく、艦対地攻撃巡航ミサイルおよび無人潜航器(UUV)を装備することも要求している。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「オーストラリア海軍は『バージニア』級潜水艦に興味津々だが、多種の要素の制約はオーストラリア海軍が原子力潜水艦を得る可能性をほとんどゼロにしている。」)

報道は、「そうりゅう」号をターゲットにする前、オーストラリア海軍がそれまでに選択可能だったものにはヨーロッパのある2,000トン級通常潜水艦しかなかったとしている。その潜水艦とはスペインのS-80A型潜水艦に他ならない。S-80A型潜水艦はスペインが歴史上初めて自ら設計した第1号の潜水艦である(頑住吉注:普通この時点で大丈夫かと心配しますよね)。S-80A型潜水艦は外形の特徴と構造上、スペインのイーザーグループとDCNが合同で設計した「スコルペヌ」級潜水艦に類似している(2000年、バザン船工場とスペインのその他のいくつかの主要な造船工場が合併してイーザーグループとなり、2005年に深刻な財政危機に見舞われ、スペイン海軍によってナファンディヤグループとして再建された)。全長71.05m、全幅7.3m、水上排水量2,198トン、水中排水量2,426トン、艦員編成32人である。動力システムには伝統的なディーゼルエンジン・電力推進システムとAIP非大気依存推進システムの組み合わせが採用されている。S-80Aは欧米の先進電子技術と設備を大量に採用し、作戦システムは非常に先進的である。武器装備は6門の533mm魚雷発射管、スペインがS-80Aのために選定したドイツのDM2A4「Seehecht」大型有線誘導魚雷で、魚雷以外にこの艦はさらに「ハープーン」対艦ミサイルと、「トマホーク」巡航ミサイルが発射できる。

S-80A型潜水艦は世界先進レベルの中型通常潜水艦で、この潜水艦はアメリカ・スペイン合作の製品なので、アメリカの許可さえあれば簡単に「トマホーク」巡航ミサイルをS-80A型潜水艦と組み合わせることができ、この潜水艦に非常に強い遠距離対地正確打撃能力を付与できる。日増しに密接になるアメリカ・オーストラリアの同盟関係を考慮すれば、オーストラリアが「トマホーク」巡航ミサイルを得るのに何の困難も存在しない。近年オーストラリアとスペインの安全保障上の協力も比較的密接で、オーストラリアはスペインから「ホバート」級イージス駆逐艦と「キャンベラ」級強襲揚陸艦を購入済みである。このため、オーストラリアがスペインからS-80A型潜水艦を購入するのにもいかなる障害も存在せず、さらに価格上割引が得られる可能性もある。理屈からして、オーストラリアがスペインからS-80A型潜水艦を購入するのは最も手っ取り早い選択である。それではオーストラリアは何のためにさらに日本の「そうりゅう」級潜水艦を考察しているのか?

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「S-80A型潜水艦は世界先進レベルの中型通常潜水艦であり、この潜水艦は「トマホーク」巡航ミサイルを装備している。」)

オーストラリア海軍が「そうりゅう」級潜水艦を考察している理由は主に、S-80A型潜水艦のサイズがオーストラリア海軍の要求を満足させられないからである。オーストラリア海軍は当初「コリンズ」級潜水艦を選択したが、その主要な原因はまさに3,353トンの海中排水量を評価したことだった。より大きな排水量は潜水艦がより大きな寸法を持つことを意味しており、より大きな寸法は潜水艦により多くの燃料と艦員生活の必需品の搭載を可能にし、潜水艦の航続力と海上持久力を高める。オーストラリアの非常に長い海岸線を守護するため、潜水艦の航続力と海上持久力の増加は、オーストラリア海軍が限られた潜水艦の数に直面しての必然の要求である。より大きな寸法はさらに潜水艦により多くの、より大きな電子設備を搭載させ、武器搭載量も相応に向上し、潜水艦が多種の任務を執行するのに有利である。特にオーストラリア海軍は新型潜水艦に対地攻撃巡航ミサイルと無人潜航器(UUV)の搭載を要求しており、もしオーストラリアがS-80A型潜水艦を選択したら、この潜水艦は最多でも18発の魚雷/対艦ミサイルしか搭載できない。もしさらに対地攻撃巡航ミサイルと無人潜航器を搭載しなければならないならば、S-80A型潜水艦の対艦/対潜作戦能力に影響するのは必然である。だが対艦/対潜作戦能力はオーストラリア海軍潜水艦の最も主要な作戦使命なのである。「そうりゅう」級潜水艦の水中排水量は約3,300トンで、この排水量はオーストラリア海軍で現役の「コリンズ」級潜水艦と大差なく、S-80A型潜水艦に比べ1,000トン近く大きくて、オーストラリア海軍の新型潜水艦の寸法に対する要求を満足させる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「オーストラリア海軍は新型潜水艦に対地攻撃巡航ミサイルの装備を要求している。図はイギリスの『スウィフトシュア』級原子力潜水艦が『トマホーク』巡航ミサイルを発射しているところ。」)

「そうりゅう」級潜水艦は日本が「おやしお」級潜水艦に次いで研究開発した新しい級別の新型潜水艦で、日本初の実戦型AIP潜水艦でもある。「そうりゅう」級潜水艦は全長84m、全幅9.1m、喫水8.5m、水上排水量2,950トン、水中排水量3,300トンで、日本が戦後に建造した最大の潜水艦である(少なからぬメディアがこの潜水艦を紹介する時しばしば「そうりゅう」級潜水艦の水中排水量を4,200トンと書いている。資料を調べたが、「そうりゅう」級潜水艦の水中排水量は決して4,200には達しておらず、約3,300トンである)。この潜水艦は多くの新技術、新材料、新工程を採用しており、潜水艦の水中航続力、隠蔽性、探知計測能力、攻撃威力いずれにも非常に大きな向上があった。「そうりゅう」級潜水艦はディーゼル・電池と「スターリング」AIPシステムで組成される混合動力システムを持ち、先進的動力システムは潜水艦に水中連続潜航3週間前後の時間を可能にし(5ノット未満)、水中航続力は「おやしお」級潜水艦の5〜7倍である。「そうりゅう」級潜水艦は多くの先進的電子設備を装備しており、その作戦指揮システムはZYQ-4型潜水艦作戦指揮システムである。このシステムは同時に6発の魚雷をコントロールして6つの目標を攻撃することができる。潜水艦の総合ソナーシステムは、「おやしお」級潜水艦に装備されるZZQ-6総合ソナーシステムから改良されてできたもので、このソナーシステムは艦首の大型アクティブ/パッシブソナー、舷側のアレイソナー、曳航線列アレイソナー、避雷ソナーなどのソナーを集成したものである。先進的かつ完備されたソナーシステムは「そうりゅう」級潜水艦に世界一流の水中音探知計測能力を持たせている。この潜水艦は6門の533mm魚雷発射管を装備し、日本国産の89式大型有線誘導魚雷、「ハープーン」対潜ミサイルを発射できる。魚雷/ミサイルの搭載数は22発である(一説には20発とも)。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「『そうりゅう』級潜水艦は現在世界で最も先進的な大型通常潜水艦であり、各方面の性能がいずれも非常に優秀である。図は『そうりゅう』級潜水艦『そうりゅう』号」)

「そうりゅう」級潜水艦は現在世界で最も先進的な大型通常潜水艦であり、各方面の性能はいずれも非常に優秀で、その寸法もオーストラリア海軍の要求を満足させる。世界に目を向けると、現在国際潜水艦市場でオーストラリアが選択するAIP大型通常潜水艦を提供できるのは、日本の「そうりゅう」級と韓国のKSS-3(輸出型はDSX-3000AIP潜水艦と称する)しかない。韓国のKSS-3潜水艦は頻繁に各種の安全保障業務展に参加しているが、韓国自身もまだ装備しておらず、当然オーストラリア海軍はこれに対し興味を持てない。筆者は思う。オーストラリア海軍が全ての希望をS-80A型潜水艦に託していないのは、寸法がオーストラリア海軍の要求を満足させられないだけでなく、S-80A型潜水艦の就役時期が再三遅延していることもオーストラリア海軍の調達計画に影響していると。2004年初め、スペイン国防省、スペイン海軍とイーザーグループは正式に建造契約に署名し、最初の艦は2011年に引き渡される計画だった。しかし、スペイン海軍は作戦システム選択の時、アメリカのロッキード・マーティン社とRaytheon社との間で躊躇して決めず、S-80A潜水艦の細かい工程設計は2007年11月になってやっと全部完成した。2007年12月に最初の艦の竜骨が敷設され、2013年の引き渡しが計画された。最新の情報はS-80A型潜水艦の就役時期が2014年まで遅延したことをはっきり示している。就役後オーストラリア海軍はさらにS-80Aの就役後のパフォーマンスを見る必要があり、これにも時間を必要とする。さらに加えてS-80A型潜水艦はスペインが初めて自主的に設計、建造する潜水艦であり、その就役後のパフォーマンスは依然未知数である。このため、オーストラリア海軍の「心変わり」も正常な挙動である。

日本とオーストラリアの関係の深まりもオーストラリア海軍の視線を「そうりゅう」に移させた。2007年6月、日本とオーストラリアは外交および安全保障部門トップの「2+2」安全保障協議を行った。その意図は両国の安全保障業務、安全協力の推進、両国とアメリカの同盟関係の深化である。この協議は外界からは両国が「準軍事同盟関係」を正式に建立したとみなされ、両国関係深化のターニングポイントだった。近年におけるオーストラリア軍の軍事力増強は「中国の勃興の不確定性」に対応するためであり、これは日本の「中国抑止」戦略とははからずも一致した。だからこそ日本はオーストラリアに「そうりゅう」級潜水艦を考慮させたがるのである。「そうりゅう」級潜水艦の輸出はさらに一歩両国の安全保障業務協力レベルを高めることができる。我々は、日本の「武器輸出三原則」の規定が日本に世界のあらゆる国に向けての武器輸出を全面的に禁止していることを知っている。このことは日本の武器製造コストが高い状態で下がらないという結果をもたらしており、もしこの潜水艦が輸出できれば「そうりゅう」級潜水艦の製造コストも下げることができ、日本の軍事工業企業の収入も増加する。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国の勃興に対する危惧から日本、オーストラリア両国はどんどん接近し、2007年6月、日本とオーストラリアは外交および安全保障業務部門のトップの「2+2」安全保障協議を行った。外界はこの協議を、日本とオーストラリアが団結して中国に対抗する挙動と解読した。上の漫画のイメージは日本とオーストラリアの団結の意図を反映している。」)

今回日本がオーストラリアに自分たちの最も先進的な潜水艦を考慮させたがったことは、日本にこの潜水艦を輸出する意向があることも説明している。だが意向は意向に留まり、いくつかの越え難い障害が、オーストラリアが「そうりゅう」級潜水艦を得る希望を水の泡とする可能性も非常に高い。まず、日本は2006年から徐々に「武器輸出三原則」を緩和しているが、武器輸出は依然日米の対ミサイル領域あるいはいくつかの国に向けた巡視艇のたぐいの非進攻性武器援助に留まっている。もし突然上述の武器輸出行為から、オーストラリアに向け潜水艦のような種類の大型の攻撃性武器を輸出する方向に転じれば、周辺国、特に中国や東南アジア諸国の強烈な反応を引き起こすことになる。日本政府の通常のやり方に従えば、「武器輸出三原則」の突破は順序だてて徐々に進む過程であって、小火器の輸出、さらにその他のいくつかの比較的大型の防御性武器の援助を通じて「武器輸出三原則」をゆっくりと突破するのである。次に日本はさらに東南アジア諸国の感情に配慮する必要がある。「中国抑止」戦略実行のため、日本は南海問題に介入し始め、積極的に東南アジア諸国を丸めこんで中国を抑止している。東南アジア諸国はオーストラリアの軍拡に警戒心を抱いており、もし日本がこれからの何年かでオーストラリアと潜水艦購入に関する協議を成立させれば、さらに一歩オーストラリアと東南アジア諸国の軍事力の隔たりを広げることになる。この種の行為は必ずや日本の東南アジア諸国と連合して中国を牽制する戦略に影響する。最後に、オーストラリア海軍はイージス駆逐艦、強襲揚陸艦など大型軍事調達プロジェクトを始動させており、多くの軍事費の支出を必要としている。もしさらに12隻の潜水艦を購入すれば、さらに多くの国防経費の損耗が必要になる。外国メディアの報道によれば、2012年5月にオーストラリアは国防支出の大幅カットを宣言した。国防支出のカットはすでに新型潜水艦調達計画にも影響するに至っている。さらに加えて日本の潜水艦の建造コストは国際的な同じトン数クラスの潜水艦よりはるかに高く、さらに一歩オーストラリア海軍が「そうりゅう」を得る可能性を低下させる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「『そうりゅう』級潜水艦の各方面の性能はいずれもオーストラリア海軍の要求を満足させるが、いくつかの越え難い障害はオーストラリア海軍が『そうりゅう』級潜水艦を得る希望を水の泡にする可能性が非常に高い。」)

新世紀に入って以来、我が国が直面する水中の脅威は日に日に高まり、いくつかの以前は潜水艦を装備していなかった国が続々と新型潜水艦を購入し、いくつかの以前から潜水艦を装備していた国が、一方では新型潜水艦を忙しく研究開発あるいは購入し、一方では忙しく自分たちの潜水艦部隊の規模を拡充している。潜水艦は隠蔽性と攻撃性が比較的強い武器であり、有効に潜水艦に対処するのは依然世界が認める難題の1つである。近年我が国海軍の対潜能力は強化されたところがあるが、海軍強国との隔たりは依然非常にはっきりしており、日増しに高まる水中の脅威に有効に対応することはできない。海軍の対潜能力強化は依然、任重くして道遠しである。


 どうなんでしょう。日本がオーストラリアに潜水艦を仮に輸出したとして、中国、北朝鮮、韓国くらいしか強く反発する国はないのではないかとも思いますが。





















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