マカロフPM 東ドイツ、擬似ブローバックバージョン製作記

これはマカロフPMの製作情況をリアルタイムでお知らせしたものです。なお、他のページと重複する画像は削除しました。

 マカロフを製品としてモデルアップするのはこれで3回目になります。1作目はモナカ構造で外部にはセーフティ、トリガー以外可動部分のないガスガン(マルシン製ワルサーPPKベース)、2作目はスライドは短いストロークで動き、ハンマーがトリガーと連動してSAで機能するもののセーフティも含めそれ以外には可動部分のないコッキングエアガン(アカデミー製PPK/Sベース)でした(厳密にはそれら以前にマルゼン製PPK/Sガスガンやマルシン製PPK/Sモデルガンをベースに手作りしたものをごく少数販売したこともありますが)。マカロフは何故量産メーカーが手を出さないのか不思議なくらいの、私が造るにしては非常にメジャーな機種であり、再製品化の希望は多かったです。それでも今まで手を出さなかったのは、1つにはPSMピストルをすでに製品化しており、次にモデルアップするとなれば擬似ブローバックしかなく、ギミック的にPSMとほとんど同じものにしかならない、つまり銃の外観もギミックも過去に例のあるものにしかならないので作る側としてはあまり面白くない、という理由からでした。しかしいろいろ考えるうちにこうすれば、ああすればPSM以上のギミックが組み込めるのではないかというアイデアが浮かび、再挑戦に至ったわけです。



 しばらく前から作り始めていましたが、大きな問題が生じる可能性のないマガジンキャッチ以外のメカがほぼ固まったので発表することにしました。異常とも言えるほど薄いのが特徴のPSMでは擬似ブローバック作動の他には準フルサイズマガジンの着脱、実銃通りのフィールドストリップ、セーフティの可動(ただし機能はない)くらいしかギミックが組み込めませんでした。しかしマカロフはPSMよりはるかに厚みがあるので、やってみると予想以上にいろいろなギミックが組み込めることが分かりました。まず、当然PSM同様実銃通りのフィールドストリップが可能です。ハンマーはSAのみですがトリガーと連動して作動し、ディスコネクトもします。トリガーバーがスライドに押し下げられることによるディスコネクトを試作し、一応機能しましたが、スライドに与える抵抗が大きすぎるので残念ですがディスコネクトはM1900同様トリガーの引ききりによるものとしました。リアルロックドショートリコイルタイプを除き擬似ブローバックでは初めてスライドストップもライブとしました。ただしマガジンには機能がないのでスライドを引き、指でスライドストップを押し上げてホールドオープンさせることができるだけです。M1951を購入された方ならお分かりでしょうが、この機能は装填時に便利です。そしてこれもリアルロックドショートリコイルタイプを除き擬似ブローバックでは初めてですが、マガジンがフルサイズになります。マガジンはまだ作っていませんが、M1951同様上部に1発のみカートをセットしてスライドの前進によってチャンバーに送り込むこともできると思います。セーフティには可動するだけでなくスライドをロックして擬似ブローバックを止める機能も持たせます。グリップは実物がそのまま使えるようにしたかったんですが、そのままではメカが収まらず、後部の内側を削る必要があることが分かりました。しかし外部は実銃通りになります。

 進行状況はこのコーナーで随時お伝えしていきます。

10月17日


 マガジンキャッチも含めメカが全て出揃った状態です。これから細部の造形に入ります。ギミックは予定通りになりそうですが、唯一現時点においてマガジンからチャンバーへのカートの送り込みがスムーズに行かない状態です。マガジン前端からバレル後端までの距離が短く、傾斜が急すぎるためで、弾頭形状の工夫などによって改善できる可能性もありますが、あるいはこのギミックは断念せざるを得ないかも知れません。

10月21日


 フレーム側の造形がほぼ終わりました。後はスライドの造形をして仕上げに入ります。細かいことですが今回初めてマガジンキャッチ先端の鉄板を曲げて作ったリング状の形状を再現してみました。ちなみにグリップ固定ネジは唯一1作目から同じものを使用し続けています。

10月28日


 造形が大筋終わりました。これから仕上げに入ります。11月中旬までには試作第一号が完成し、末頃には発売できるのではないかと思います。価格は未定ですが完成品20,000円、キット12,000円程度と思われます。

11月2日


 間もなく型取りに入ります。実銃にないトリガーの回転軸が露出してしまう点は残念ですが、これはどうしようもありませんでした。またセーフティはスライドをロックして作動を止めるだけでデコックの機能はなく、この状態でトリガーを引くとハンマーが倒れます。要するにモーゼルHScやH&K HK4のような感じになります。トリガーはSAオンリーで、ハンマーをコックしても後退はしません。このように再現しきれなかった点もいくつかはありますが、まずガレージキットとしてはこれ以上のものは望めないという内容にできたつもりです。

11月11日

 昨日試作第1号が完成しました。と、言うことで、


 
 とは言うもののまだいくつか問題が残っており、発売までにはもうしばらくかかりそうです。まあ今月中には発売できるのではないかと思いますがまだ分かりません。なお、非常に残念ではありますが、セーフティはダミーにすることにしました。原型では問題なく機能しており、理屈上は何の問題もないんですが、精度、剛性の低い複製品ではうまく機能しないことが分かったためです。具体的に言うとセーフティによってスライドをロックし、トリガーを引いても確かに作動しませんが、セーフティを解除した瞬間に作動してしまう、これを避けようとすりあわせを精密にしていくとパーツにかかる負担が大きくなってすぐに破損してしまう、ということです。もし手間をかけて調整してもパーツの収縮や磨耗によっていつ問題が生じるか分からず、セーフティの機能は事実上再現不可能と判断しました。それ以外のギミックは予定通り再現できそうで、全体として非常に魅力的な製品にできると思います。





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