中国のホバークラフトと地面効果飛行機

 「ヨーロッパバイソン」の用途」に続き、中国のホバークラフトと地面効果飛行機関連の記事をまとめて紹介します。

http://military.china.com/important/11132797/20130427/17804877.html


ロシア:中国がウクライナから買うホバークラフトはロシアの「ヨーロッパバイソン」のコピー生産品

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ネット上に流れ伝わる中国・ウクライナのバイソンホバークラフト上陸艇引き渡し式の画像。中国とウクライナの軍事技術貿易協力はロシアサイドの『嫉妬』を引き起こしている。」)

ロシア世界武器貿易分析センターウェブサイト4月25日の報道によれば、ウクライナの「曙光-機器設計」ガスタービン製造科学生産総合体は先日中国海軍が発注した第4セット目のホバークラフト上陸艇用動力システムの引き渡しに向けたテストを行った。

「曙光-機器設計」総合体のニュース事務部は、中国サイドの代表も今回のテスト活動に出席した、と明らかにした。説明によれば、この動力システムは中国軍が購入した958型ホバークラフト上陸艇(ロシアの12322型「ヨーロッパバイソン」のコピー生産品)に装備するのに用いられる。ここに至り、中国が発注した4セットのホバークラフト艇用動力システムはすでに全部生産が終わったことになる。

ウクライナ特殊装備輸出社は2009年7月2日に中国国防部と4隻の958型ホバークラフト上陸艇販売の契約を締結した。約定によれば、ウクライナの「大海」造船工場は最初の2隻の上陸艇の建造作業を担当し、かつ中国向けにこの艇に関するフルセットの技術資料を提供する。その後中国サイドはウクライナの専門家の助けの下に国内で自らもう2隻を生産する。この契約の総額は3.15億アメリカドルである。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「ロシアの専門家は、中国がウクライナから購入するバイソンホバークラフトは完全にロシアの『ヨーロッパバイソン』ホバークラフト上陸艇のコピー生産品であり、中国・ウクライナ交易はロシアの技術パテントを侵犯している、と考える。これはソ連解体時、ロシアとウクライナが『分家』したことが生み出した問題である。」です。)

958型は現在世界で投入、輸送能力が最強のホバークラフト上陸艇であり、主に戦闘装備と海軍上陸部隊先遣上陸分隊隊員の輸送に用いられ、構築物がない岸辺での上陸、砂浜の部隊に対する火力支持提供ができ、同時に機雷の輸送、アクティブ雷障の敷設もできる。この艇は3両のT-80型メインバトルタンクあるいは8両のBMP-2型歩兵戦闘車両、または10両のBTR-70型武装兵員輸送車を搭載できる。兵力投入に用いる時、この艇は140名の作戦人員および装備、および重量130トンの物資を搭載できる。

958型ホバークラフト上陸艇の標準排水量は480トン、満載排水量は555トン、全長57.3m、全幅25.6m、全高21.9m、喫水1.6m、最大航行速度60ノット、巡航速度55ノット、航続距離300海里、航続時間5日、満載上陸時の航続力1日、乗員27〜31名(4名の将校、7名の准尉)、波の高さ2m、風速毎秒12mの海の状況下で平穏に航行できる。

ウクライナ・中国双方のこの交易に対し、ロシアサイドはかつて疑義を提出した。あるロシアの専門家は、958型は実際上完全にロシアの「ヨーロッパバイソン」ホバークラフト上陸艇をコピー生産したものであり、これに関わるあらゆる技術パテントは全てロシアのサンクトペテルブルグ市に位置する「ダイヤモンド」中央海軍設計局に帰属する、と考える。ロシアサイドは、中国は国外の先進軍事装備をコピー生産することに非常に長けており、しばしば少量のサンプル品を購入する方式を通じてコピー生産を行い、さらにはいわゆる国産装備として国際市場に出してくるのだ、と心配する。(範尭)

(頑住吉注:3ページ目)バイソンホバークラフト上陸艇の引き渡し式で、中国海軍代表とウクライナ代表は握手を交わしたとされる。(頑住吉注:される、って完全にしてますわな)

(頑住吉注:4ページ目)とっくにネット上に流れ伝わっている画像。バイソンホバークラフト上陸艇の前の人々の中に東洋人の顔がはっきり識別できる。

(頑住吉注:5ページ目)中国海軍の大型ドック上陸艦が搭載する国産ホバークラフト。報道によればこのホバークラフトは中型ホバークラフトに属するに過ぎず、実際の作戦能力はバイソンとではやはり隔たりがある。

(頑住吉注:6ページ目)各種のヘリやホバークラフト上陸艇が不断に装備されるにつれ、中国海軍の上陸作戦能力はすでに世界最先端レベルのグループに身を置き始めている。

(頑住吉注:7ページ目)国産中型ホバークラフト上陸艇が「D島」(頑住吉注:釣魚島の発音の頭文字?)の「海か陸へ」の上陸作戦を直接完成させるシミュレーションを行っているところ。ホバークラフト上陸艇の巨大な威力がはっきり表れている。

(頑住吉注:8ページ目)国産中型ホバークラフト上陸艇と艦載ヘリが空海立体突撃上陸作戦を執行。


 まあロシアも分かっていながらまだ中国にスホーイ-35やアムール潜水艦を売ろうとしてるんですから同情の余地はありませんな。航空エンジン同様ホバークラフト用ガスタービンエンジンのサンプルが手に入っても中国に満足なものがコピー生産できない可能性も高いですが、その場合もウクライナから輸入してホバークラフトを量産することはできるはずです。あるいはウクライナもそれで当面商売になるという読みで資料を全部渡すのかもしれませんし。しかしこの異常に巨大なホバークラフトを高い金を出してでも買いたがる国は比較的近距離の島を強引に奪い取ろうとする中国くらいしかないのでは。

http://tuku.military.china.com/military/html/2013-04-28/215343_2342644.htm

 ウクライナが中国に向け発送しようとしているヨーロッパバイソンの画像集です。

 次は大型、というかヨーロッパバイソン登場で中型に格下げされる(?)ホバークラフトの画像集です。


中国の新型ホバークラフト上陸艇の性能はアメリカの現役のLCACを超える!(頑住吉注:ちなみに画像自体に入っている赤い文字は「ホバークラフト上陸艇が大型戦車を搭載し満載航行訓練を行う」です。)

中国の726型ホバークラフト上陸艇

国産最新式大型ホバークラフト上陸艇が初めて上陸作戦の画像でお目見えした。このホバークラフト上陸艇はすでに正式に海軍部隊に装備され、しかも998崑崙山号ドック上陸艦と共にアデン湾航路護衛任務に参加し、重大な作用を発揮した(頑住吉注:海賊をホバークラフトで追いかけたりしたんですかね)。

中国海軍はホバークラフトに対し決してよく知らなかったわけではないが、当時は技術的基礎が不足だったためLCACあるいはバイソンのような大型ホバークラフトは作れず、またLCACのようなホバークラフトはドック上陸艦あるいはより高級な強襲揚陸艦と組み合わせて使用するものだが、中国海軍には以前比較的伝統的な上陸艦の機種しかなく、このためホバークラフト上陸艇の最大の機能が発揮できない結果がもたらされた。

だがこのような状況下でも中国海軍はやはり非常に先見の明を持って一定数の724型小型ホバークラフト上陸艇を作って海兵隊の使用に供し、技術戦術を検証しまた使用経験を獲得した。同時に限られてはいるが南海島礁地域の作戦手段を増加させた。

(頑住吉注:これより2ページ目)

724型ホバークラフト上陸艇が標準搭載時に搭載する上陸兵員数は8人、つまり1個分隊である(画像は726型ホバークラフト艇が96式戦車を搭載して上陸作戦を行うところ)(頑住吉注:それは前ページの画像でしょう)

南海の島礁地域において、ホバークラフト上陸艇はその高速をもって一度に完全武装の1個歩兵分隊を輸送し、敏捷、有力に海兵隊の島礁守備あるいは争奪を助けることができる。こうした島礁は通常ごく小さな場所で、あるいは大海に時に隠れ時に現れる一塊の礁石に他ならない。1個分隊の兵力でもう争奪の結果が決定され、さらに多くの人が行っても逆にかえって下ろすことができない。

南海の島礁海域でホバークラフト上陸艇を使用する他、724型ホバークラフト上陸艇は一部の通常の上陸作戦演習の中にも出現し、海兵隊の輸送や特殊部隊の上陸に用いられる。

我が国の新型726型大型ホバークラフト上陸艇の外形寸法と搭載能力はいずれもアメリカ軍で現役のLCACホバークラフト艇より優れている。画像は上がアメリカ軍で現役のLCACホバークラフト艇、下がわが軍の726型ホバークラフト艇である。


 大きければ大きいほどいいわけではないのはもちろんですが、戦車が輸送できるというのは強みになる場合があるでしょう。

 続いて地面効果飛行機関連の記事です。

http://military.china.com/news/568/20130427/17805853.html


地面効果船は中国にとって独特の価値がある すなわち南海における低コストの輸送兵力

【グローバルネット総合報道】 「ロシアの声」ウェブサイト4月26日の報道によれば、ロシア、アメリカおよびその他の西側諸国はいずれも地面効果船を好意的に見ていないが、中国の武装部隊がロシアあるいは西側諸国が遭遇していない独特の地理的条件に直面していることにかんがみれば、この種の装備は中国にとって存在価値ありだと言える。台湾に対する島奪取作戦の中で、ひとたび中国空軍が空中の優勢を掌握すれば、地面効果翼船は航空降下部隊に補給を提供するのに用いることができる。このため、中国は全世界の地面効果翼船研究開発の中心になる事が有望である。

文章は、最近中国メディアが中国の新型CYG-11型地面効果翼船が南海で試験飛行に成功したと報道した、とする。ロシアのシンクタンクである戦略・技術分析センターの専門家ワシーリ コーシンは、CYG-11型地面効果翼船の外形と技術はいずれも完全にロシアのIvolga地面効果翼船をコピー生産したものだとする(頑住吉注:前回紹介した画像集はやはりロシア機のもので、コピー生産品だから参考画像にできる、ということだったようです)。このことから、ロシアと中国の地面効果翼船領域における協力はすでに実を結び始めていると推断できる。Ivolga地面効果翼船はロシアのPolet航空社によって生産され、ヴャチェスラフ コージャノフを長とする技術者によって研究開発された。

文章は、周知のようにPolet航空社と中国には接触があり、しかもコージャノフ本人もかつて2011年に中国に長期出張している、とする。このさらに前、その他のアレクセイイェフ中央設計局の地面効果翼船専門家および作業人員もかつて中国を訪問している。こうした専門家の助けの下、中国は過去何年かのうちに、いくつかの種類の地面効果翼船を設計した。文章はさらに、中国が組織的に地面効果翼船を生産することは決して難事ではなく、Ivolga地面効果翼船は2台の普通の自動車エンジンBMW S38を装備しただけであるから特にそうで、ロシアあるいは中国メーカーは簡単にこの種のエンジンを買うことができる、とする。

だが、中国の地面効果翼船は必要性を満足させられるのか否か? 事実として旧ソ連とロシアでは地面効果翼船の歴史は決して非常に成功したものではない。ソ連は地面効果翼船をリードする存在だった。この領域においては、ロスジスラフ アレクセイイェフの突破性の業績が特に有名である。KM超大型地面効果翼船はアレクセイイェフチームが研究開発したものに他ならない。KM超大型地面効果翼船の離陸重量は554トンで、非常に長時間にわたってずっと世界最大の飛行機だった(頑住吉注:例えばアメリカのグローブマスター輸送機の最大離陸重量はこの半分以下です)。また、ロシアはさらに兵員輸送に用いる「Orlyonok」級地面効果翼艇を研究開発し、しかも「Loon」型ミサイルのために試験型地面効果翼船を研究開発した。

しかし、地面効果翼船の発展は非常に速かったがソ連時代であっても軍は決してこの種の技術に夢中になってはおらず、しかも関連のプロジェクトの発展に対する資金援助を拒絶した。軍事専門家の見たところでは、地面効果翼船は速度が比較的遅いので(頑住吉注:飛行機と比べればの話で、船よりははるかに速く、ヘリともほぼ同等でしょう)飛行機に比べればより容易に戦闘機や敵ミサイルの攻撃を受ける。また、地面効果翼船は航続距離、搭載能力、武装方面でいずれも艦艇にはるかに劣る(頑住吉注:これも飛行機に比べれば優れているんですが、要するに中途半端ということですかね)。大型地面効果翼船は非常に高価でもある。最後に、普通の艦艇と飛行機を結び付ければ、軍隊により少ない手段でその目標を実現させることができる。注意が必要なのは、アメリカの武装部隊、あるいはその他の西側の国の武装部隊はいずれも地面効果翼船に興味を感じていないことだ。彼らも似た結論を出しているのだ、ということははっきりしている。

だが、中国では地面効果翼船に存在価値がある。何故なら中国の武装部隊はロシアあるいは西側諸国が遭遇していない独特の地理的条件に直面しているからである。主権をめぐる紛糾が存在する南海と東海の島々のサイズは小さすぎ、そこに飛行場を建設することはできない。だが距離が大陸から遠すぎることもあって陸上基地のヘリは到達し難い。水上機に比べると地面効果翼船は比較的不利な海の状況で着陸し、低コストでマンパワーや物資を輸送できる。台湾に対する島奪取作戦の中で、ひとたび中国空軍が空中の優勢を掌握すれば、地面効果翼船はすぐ航空降下部隊に補給を提供するのに用いることができる。このため、中国は全世界の地面効果翼船研究開発の中心になる事が有望である。(編集翻訳:葉貝茜)


 現在はまだ自動車用エンジンを積んだ小さなものに過ぎませんが巨大なものを作ることができるのは分かっており、「島奪取」に有効だと考えられていることとも合わせ非常に不気味です。


















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