中国の対艦弾道ミサイル脅威論は大げさ?

 中国のアメリカ空母に対する切り札とも見られていますが‥‥。

http://military.china.com/important/11132797/20121219/17589827.html


解放軍のDF-21Dは威力が誇大に言われていると指摘される 容易に電子攻撃に遭う

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:DF-21D弾道ミサイル」)

スイスのチューリッヒ安全・衝突研究センターが12月18日に発表した文章は、現在解放軍にはアメリカと短時間交戦する能力はあるが、対米持久戦に打ち勝つ能力はない、とする(頑住吉注:「半年や1年は存分に暴れて御覧に入れますが」って奴ですか。いや時代が違うからどんな展開になるにせよもっとずっと短時間でしょう)。ある分析は「空母殺し」の東風-21Dは中国が中米戦力バランスを変える切り札になり得る、としている。だが文章は、東風-21Dミサイルの威力は誇大に言われており、容易に電子攻撃に遭い、カギとなる重要な問題はアメリカが電子戦能力に長期的投資を行い、中国のミサイルの脅威を制することを望むか望まないかだ、と指摘する。

文章は言う。現在解放軍海軍はまさに遠洋行動能力を作り出そうとしているところである。だが一部の分析家は、中国が遠洋能力を作り出すことが体現するのは、決して中国の実力の向上ではなく、中国の軍事力の薄弱なところだ、と指摘する。‥‥中国にはアメリカの東アジアにおける衝突への介入を阻止し、台湾を武力で統一する力はない。

しかも、文章はさらに一歩次のように指摘する。解放軍海軍のインド洋における行動が関心を集め、しかも中国はスリランカ、ビルマ、パキスタンの港に建設活動を行っていることも外界の注意を引き起こしているが、これは決して中国の安全に関する考え方が依然地域に重点を置いている事実を変え得るものではない。しかも、台湾と海上の主権紛糾問題の影響を受けて、中国近海の環境は北京に対して不利であり、このことは解放軍海軍の区域外行動の展開を難しくさせる。このため、中国は主要な海上強国となり、まずその直接行動環境内に優勢な地位を確立する必要がある。このために解放軍海軍は対介入/区域拒止能力、特にアメリカの能力に照準を合わせた能力を向上させることが必須である。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「東風-21D系列中距離弾道ミサイルの発展は今、すでに解放軍装備序列の中で先進度が最高の武器となっている。」です。)

現在解放軍海軍はその潜水艦戦力を強化しているところで、その潜水艦の数は60隻から75隻にまで増加すると見られる。潜水艦の他、解放軍海軍はさらに予想を超える速度でその水上艦隊を近代化している。文章は指摘する。解放軍海軍の軍事力建設の重点の置き方は、その意図が、海上コントロール能力ではなく強大な海上拒止能力を作り出すことにあることを証明している。しかも、長期的に見て中国は空母建造を通じ全地球に到達する能力を備えた海軍戦力を作り出すことを希望してはいるが、アメリカと肩を並べる能力を持つことは不可能である。もし2020年に2隻の国産空母を持っても、アメリカ駐太平洋空母に対応することは不可能である。‥‥アメリカ駐太平洋空母は中国空母の数の2倍になる可能性があるのだ。

ある分析は「空母殺し」の東風-21Dが、中国が中米戦力バランスを変える「切り札」になる可能性があるとする。これは敵艦が中国沿海地区に接近する前に、東風-21Dミサイルがこれを破壊でき、したがってアメリカの東アジアにおける衝突への関与に大打撃を与える目的を達成するからである。だが、文章は一部の海軍専門家の話を引用し、東風-21Dミサイルの威力は誇大に語られており、容易に電子攻撃に遭う、とする。

文章は指摘する。カギとなる重要問題は、アメリカが電子戦能力に長期的投資を行い、中国のミサイルの脅威を制することを望むか望まないかである。現在関連の情報は少ないが、技術方面において、中国海軍に比べアメリカ海軍は明らかに重大な優勢を占めている。しかも、現在中国の対潜戦能力は不足しており、さらに空母の行動を保護する航空資産も欠乏している。もし中国が関連の資産を持ち、空母の航空行動を掌握したければ、中国はやはり多くの時間を費やす必要がある。

文章は最後に、現在中国の軍艦の建造数はすでにナンバーワンであるが、予見し得る将来においてその海軍戦力は依然アメリカの敵ではない、とする。しかも、中国の周辺地域において、北京は依然冷戦情勢の困難に直面しなければならない。この種の情勢、さらに加えて内部の騒乱があり、このことは東アジアの戦略的形勢に変化が発生するまでは、中国が海上強国になることはない、ということを説明している。

(頑住吉注:以後のページは画像とキャプションだけです。3ページ目は「東風-21Cは多種の弾頭デコイの追加装備によって対ミサイルシステムの迎撃を難しくさせ、打撃精度は巡航ミサイルに近く、真に大型基地の破壊能力を持つ。」、4ページ目は「東風-21系列弾道ミサイルとアメリカ、ロシアの元々ある中距離弾道ミサイルを比べると、非常に高い打撃精度と敏捷な戦略機動性をを兼ね備え、静態性能指標は世界トップレベルに達している。」、5ページ目は「東風-21Cはさらに多種の弾頭デコイを装備しているため、非常に強い防御突破能力をも具備している。」、6ページ目は「中国の強大さは国土の安全を維持保護するためだけのものであり、地域、あるいは世界に覇を唱えるためのものではない。」、7ページ目は「東風-21は一般に空母殺しと呼ばれ、普通の状況下では迎撃され難い。」、8ページ目は「東風-21がもし空母に命中すればこれを撃沈することは必定である。」です。)


 これも本文にキャプションが必死で反論するパターンです。中国はミサイルの迎撃突破能力を高めたり、無人機でアメリカ空母の位置を正確につかむなどの努力を行い、一方アメリカも対艦弾道ミサイルの射程外から飛び立って攻撃を行える無人機、レーザーによるミサイル迎撃技術を開発するなどの対応を行っていますが、やはり技術的にアメリカが優位の状況が近い将来に変わる可能性はないでしょう。ただしアメリカ経済の苦境からくる軍事費削減が悪影響を与える可能性は高いと思われます。















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