中国、電磁カタパルト技術を掌握?

 1月31日のコラムで「中国の新型054B護衛艦は全電力推進へ カギとなる重要技術はすでに攻略」という記事を紹介し、その中に「前述のように、馬偉明は艦船全電力推進のカギとなる重要技術を攻略した」という記述があり、前述なんてしてないと突っ込みましたが、これはその関連の記事です。

http://military.china.com/important/11132797/20140128/18321004.html


中国空母の「電弾弓」、アメリカをぴったり追う

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「建設中の電磁カタパルト試験施設」)

電力には音も形もないが、驚くべきエネルギーをはらんでおり、しかも人類によって心ゆくままにコントロール、調整でき、非常に速い高速鉄道が一大イメージである。同様にこうしたメリットを持つ電磁カタパルトは、伝統的な蒸気カタパルトを見劣りさせ、空母の新たな人気製品となることが有望である。

ここ何年か以来、「中国が電磁カタパルトを開発」との説がずっと世間の伝説の中に存在し、無数のネット仲間に「何だかよく分からないけど凄そう」という印象を残している。

先日、アメリカのあるウェブサイトが公開した衛星写真は、中国の某地の露天の電磁レール高速牽引装置を明るみに出した。このウェブサイトは、これをアメリカに続く世界第2の電磁カタパルト地上実験施設であると称している。この情報は、人々の常識に大いに挑戦するものである。

この情報が国内ネットワークで広範に発酵すると同時に、中国工程院院士で海軍工程大学教授馬偉明少将が国家科学技術進歩賞を受賞した時の感想の言葉が広範囲に転載された。評論界は普遍的に、この国宝級の技術少将が明らかにした情報は、「中国の電磁カタパルト技術研究がすでに成功を獲得している」というものだと考えている。

味わい深いのは、1世代立ち後れた蒸気カタパルトの国内における研究開発の進度が、決して電磁カタパルトに比べ速くないことである。

アメリカですら電磁カタパルトはまだ就役していない。世界初の電磁カタパルト空母「フォード」号は2ヶ月前にやっと進水し、なお非常に長い艤装を行っているところである。この領域において、中国はアメリカよりたった「一馬身」立ち後れているに過ぎないのである。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「画像は中央テレビが馬偉明と海軍科研人員の某型実験設備での作業現場を報道したもの」です。)

省エネ、飛行機を保護、メンテナンスしやすい

電磁カタパルトのメリットは多々ある


いかにして電気の力を用いて艦載機を青空に送るのか? 「現代艦船」誌の編集長崔軼亮は記者に向け、電磁カタパルトの基本原理を説明した。

「通電導体は磁場の中で磁場の力の作用を受け、強い電流を用いると、電磁石によって強い磁場が生まれて牽引器に作用し、牽引器は磁場の中の一部の通強電流(頑住吉注:意味不明。検索しても全くヒットしません)に位置し、磁場の力は牽引器を連動させ、飛行機を牽引して前に向け加速し、発進速度に到達させる。」

一方蒸気カタパルトは、空母の蒸気タービンが発する高温高圧の蒸気をもってシリンダーの中のピストンを推し動かし、結果的に艦載機を牽引して発進させる。

映画、記録フィルムやニュースビデオの中で、しばしば米軍現役空母が飛行機をカタパルト発進させる時、レール上にいつも煙霧が立ちこめているのを見ることができる。「何故なら1回のカタパルト発進に600kg余りの蒸気の消耗が必要で、毎回のカタパルト発進が終わるといつも大量の蒸気が排出され、エネルギーの浪費が非常にひどい。」

崔軼亮は記者に、米軍の蒸気カタパルトの効率の低さは驚くべきもので、たった4〜6%しかない、と教えた。アメリカ空母は原子力を用いているので、どうにかこのような浪費ができるが、通常動力空母がこのように燃料を浪費したら、航続能力は大いに割引になるだろう。

比較すると、電磁カタパルトの効率は60%前後に達し、空母のために大量のエネルギーが節約される。同時に、電磁カタパルトシステムにはさらに容積が小さい、重量が軽いなどのメリットがあり、しかもあの蜘蛛の巣のように密な高温高圧蒸気パイプラインを検査修理する悪夢はない。

「出力はカタパルト発射される飛行機の寸法、重量を根拠に柔軟に調節できるので、電磁カタパルトは各種の有人機あるいは無人機に用いることができる。射出力が非常に安定しているため、非常に大きくカタパルト発射の飛行機の構造に対する衝撃が軽減され、艦載機の機体の寿命を31%延長させることができる。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは2ページ目と同じです。)

強制的にエネルギーを蓄え、ゆっくりと電力を蓄え、爆発的に放電する

電磁カタパルトのカギとなる重要技術の突破は絶対に易しいことではない


現在までに世界ですでに電磁カタパルト研究開発を展開している国は、アメリカ、イギリス、旧ソ連、中国だけだとされる。実物大の大型電磁カタパルト地上試験施設を建設しているのは、米中両国だけである。

アメリカのウェブサイトが発表した衛星写真から推測すると、この試験装置は全長およそ120〜150m、このうち電磁レールは長さ80m前後と見積もられる。

スーパー大本営軍事ウェブサイト編集長 李小健は、このように大規模な実験施設を建設できることは、中国がすでに全面的に大型直線感応電気・機械設備、高強度強制エネルギー貯蔵装置および高性能パルス発生器など電磁カタパルトのカギとなる重要技術を検証し掌握していることを証明している、と考える。

「大型直線感応電気・機械設備、ディスク式交流発電機、大出力電力コントロール設備などの技術的要求は非常に高いとは評価されない」  李小健は、技術上のトップのボトルネックは、高強度強制エネルギー貯蔵装置にある、と明らかにする。

電磁カタパルトは、短時間に巨大なエネルギーを放出する必要があり、空母の発電器の最大瞬間出力をはるかに超える。強制エネルギー貯蔵装置の作用は、平時にゆっくりとエネルギーを蓄え、発射時に巨大な出力を何秒間か以内に放出することである。これは高速鉄道の機関車のような出力が恒常的な設備とは全く異なる。

「蒸気カタパルトには蓄気容器があり、ボイラーの蒸気のエネルギーを貯蔵できる。」 李小健は説明し、「電磁カタパルトの難しさは、電気エネルギーが蒸気のような大容量貯蔵に適さないことにある。」とする。

注意に値するのは、電磁カタパルトを研究開発するアメリカのゼネラルアトミック社は、強制エネルギー貯蔵装置に対し一言も言及していないことで、その技術の高度の機密性が一般とは異なり、突破しようというのが決して易しいことではない、ということが見て取れる。

この角度から見て、中国の電磁カタパルトシステムの研究開発成功の価値は、間違いなく並大抵のことではない。

(頑住吉注:4、5ページ目)アメリカが建造する「フォード級」空母の電磁カタパルト。そのミゾ型構造にご注意ありたい。

(頑住吉注:6〜8ページ目)米軍のF-18戦闘機のカタパルト発進


 確かに大規模施設を建設するということは基礎研究段階を脱しているということだと考えられますが、だからといって応用する段階で問題が生じていないとは限らないでしょう。中国の専門家でも、国産初の空母に電磁カタパルトが搭載されると予測する人は多数派ではないようです。














戻るボタン