殲ー10Bは実質ステルス戦闘機?

 A型から大きく改良されているのは確かなようですが。

http://military.china.com/critical3/27/20131105/18128971.html


空気取り入れルート、大きな秘密を隠す:中国戦闘機の画期的改良、西側を揺るがす (頑住吉注:「画期的」は原文では「転覆性」で、訳語として弱すぎる感じですがこれ以上近くて違和感のない日本語が思いつきませんでした。本文中では「コペルニクス的転換」とか訳すこともあるんですが。)

J-10Bの機首から機腹部には非常に顕著な改変があり、継ぎ目なく一体成形され、世の人に成都飛行機の知恵と設計レベルに対し感服させる。殲ー10Bの画期的進展はロシアのスホーイの専門家にすら驚愕を感じさせ、彼らは殲ー10Bは基本的に殲ー10Aと同じマシンではないと考えている。

彼らは、J-10Bは小規模改修ではなく、外形、内部を包括する非常に大きな改良である、と指摘する。見えないだろうか? J-10Aの空気取り入れ口上面のいくつかの「小さな棒」がすでになくなっている。J-10Bの外形は非常に美しいが、より重要なのは性能であり、筆者は個人的にJ-10Bの性能はアメリカの最新型のF-16**(頑住吉注:伏字?)(惜しいことに弾薬搭載量と火力がやや劣る)を超越しており、第3世代機の中の優秀者で、一部第4世代機領域に足を踏み入れている、と考える(機体にはプラズマステルストランスデューサが装備されている)。

A,空気取り入れルート

空気取り入れルートの設計は高性能戦闘機にとって非常に重要なカギである。何故なら戦闘機が異なる高度、速度、姿勢で飛行に必要な異なる空気取り入れ量で燃焼を行い、エンジンとの緊密なコンビネーションが必須で、それでやっと最良の燃焼効率が得られるからである。空気取り入れルートの設計は飛行機の動力に直接影響し、これは簡単なことではなく、やり方が悪いと甚だしきに至ってはエンジンの空中停止がもたらされ、これは非常に危険なことである。高空でのエンジン始動には高いリスクがあり、非常に多くの飛行員がこのために命を失っている。

J-10Bは最も先進的なDSI空気取り入れルート(「蚌」式空気取り入れルートとも呼ぶ)(頑住吉注:巻貝の一種)を採用している。図を見よ。読者はJ-10Bの空気取り入れルート上方に1つの隆起をはっきり見ることができる(頑住吉注:元々の記事には画像があったんでしょう)。これこそ「蚌」式空気取り入れルートの設計である。この隆起の形状は調節可能で、空気の取り入れ量の制御に用いる。

DSI空気取り入れルートには2つの大きなメリットがある。

a、エンジンのブレードが遮蔽され、非常に大きくレーダー反射断面積とレーダー特性を低下させている。

b、空気取り入れルートと機体の隔壁が省略され、J-10BはDSI空気取り入れルートにより180kg重量が軽減された。

DSI空気取り入れルートはアメリカが最初に発明したものだが、F-35にしか用いられておらず、しかも調節は不可である。中国は直ちにこれに追随し、しかもこれを大いに発揚し、調節可能な「蚌」式空気取り入れルートとし、超音速飛行の効率を向上させた。成都飛行機設計社はすでにこの先進的空気取り入れルートをJ-10、FC-1(「梟竜」)、J-20に成功裏に応用しており、その発明者であるアメリカのロッキード・マーティン社に比べ、より多くの応用の経験がある。

B、アクティブフェイズドアレイレーダー(Active Electronically Steered Array、略称AESA)

「アクティブフェイズドアレイレーダー」は一般に第4世代戦闘機の標準装備と定義されているが、J-10Bはすでに装備しており、このためJ-20はきっとアクティブフェイズドアレイレーダーを装備している。

今日すでにJ-10Bが中国国産のフェイズドアレイレーダーを装備済みであることが事実確認されており、明らかに大陸はこの先進的電子製品をまずJ-10Bで実験する計画である。

中国の周辺国はすでにフェイズドアレイレーダーへの換装を開始し、あるいは間もなく開始する。例えばフランスの「ラファール」、ヨーロッパの「タイフーン」(頑住吉注:中国の周辺国でこれ装備しようとしてる国はないはずです。日本と韓国が検討はしましたが)、ロシアのスホーイー35S、インドのスホーイー30MKI、韓国のF-15Kでさえアメリカのアクティブフェイズドアレイレーダーへの換装を計画している。一方日本は2000年にとっくに自ら研究開発したアクティブフェイズドアレイレーダーを装備済みである。こうした第3.5世代(西側基準)、あるいは第4世代後期(ロシア基準)の戦闘機は中国に対し脅威を構成し、J-11BもJ-10Aも電子システムでは圧力に直面し、このためJ-10Bが中国国産のアクティブフェイズドアレイレーダーを装備したことはごく自然なことである。

フェイズドアレイレーダーは非常に重要な電子設備であり、筆者は次の一編で特にこのテーマで討論する。

C、超音速巡航

およそ1年前、筆者はすでにJ-10は短時間の超音速巡航(15分間らしい)ができるという報道を見た(頑住吉注:短時間の巡航って形容矛盾っぽい気がしますが)。筆者は、新たに研究開発された渦扇ー10II(WS-10B)の試験で到達したのかもしれない、と推測する。

だが中国大陸の航空エンジンの重点目標は「太行」に違いなく、現在試験量産と少数装備の状況にある。最近「太行」エンジンはどんどん多くの国産戦闘機J-11B上に出現しており、甚だしきに至っては未来の艦載機J-15上への装備が特別に強調され、「太行」エンジンの信頼性は一歩一歩改善を獲得することになる。

J-10Bのサイズと空虚重量(8.6トンしかない)はいずれもF-16**より小さく、機体は軽く、もし「太行」エンジンを装備したらきっと長時間の超音速巡航を行う能力を持つ。

D、ステルス

J-10Bには外形上顕著な改変があり、ネット上に明らかにされた情報はRCSが一桁低下した、というものである。実はJ-10Aは設計の時すでにステルスに関する考慮があり(例えばブレンデッドウィングボディ)、RCSが3平方mを超えるはずはない。もしJ-10BのRCSが一桁低下しているならば、そのRCSは0.3平方m前後であるはずだ。筆者の定義に照らせば、RCSが1平方m未満の戦闘機をステルス戦闘機と称する。このためJ-10Bはローエンドのステルス戦闘機に含めることができる。

E、J-10Bはローエンドの第5世代機となる

2009年11月8日、中国の空軍副司令員何為栄は、中央テレビの訪問を受けた時、中国はまさに「鳴り物入りで」第4世代戦闘機(J-10B、J-20)を研究開発中で、「もうすぐ初飛行を行い、初飛行したらまたすぐに試験飛行を行い、すぐに部隊装備されるかもしれない。」と明らかにした。2011年現在の現況判断によれば、さらにJ-10のステルス戦闘機版の出現があるかもしれないとされたのである。

(頑住吉注:これより2ページ目)

これは解放軍のヘビー級の指導者が当時国営テレビで発表した談話であり、当然重視され、中国の第4世代機は直ちに、アジア太平洋地域の勢力バランスは完全に打破される云々の熱烈な討論を引き起こし、イギリスの「週刊ジェーン安全保障業務」は現在のJ-20のモデルを根拠に、中国の新世代ステルス戦闘機の性能と打撃火力性能は部分的にアメリカのF-22やロシアのスホーイー35、T-50を超越するとさえ推測する。

中国大陸の武器開発はずっと控えめで、中国軍は一貫して大きな話を好まず、「中国脅威論」の出現を極力避けている。そこで何日か後、空軍の関係責任者は火消しに登場し、中国のいわゆる第4世代戦闘機は殲ー10の一種の改良型である、と説明したのである。当時この火消しの話は少なからぬ大陸の軍事マニアの失望を引き起こした。

今日見ると、前述の2つの説は両方正しかった。何為栄副司令員が口にしたのがJ-20で、後の空軍関係責任者の言ったのがJ-10Bだったのである。

中国大陸のJ-10はちょうどアメリカのF-16のようで、量産後のJ-10は1ロットごとに全て異なり、不断に改修と発展変化を行って性能を向上させ、現在すでに明らかになっている兆しは、J-10Bは「4S」を満足させ、少なくともローエンドの第4世代機(ロシアの定義では第5世代機)となる、というものである。

筆者は「成都飛行機社」のこのやり方に非常に共感する。極致の性能を追求せず、バランスある発展、あるいは一部の超越を要求し、終始価格を大量生産できる範囲に統制し、戦闘機を輸出したいならこれこそが正道である。

戦闘機が某特定の方面で極致の性能を追求するのは非常に愚かなことである。例えばF-22はステルスと総合戦力の上で一切の追求を遠慮なく行い、驚くべきコストをもたらした。戦闘機の作戦は一対一の一騎打ちではなく多方の共同作戦である。もし中米が本当に戦闘になったら、空中早期警戒機、衛星、各種ミサイル、長距離地上レーダーが支持する複雑な環境下で、非常に高価なF-22Aは安価なJー10Bに対し必ずしも優勢を持たない。これを判断するためには双方の戦術および先端技術の運用を見る必要がある(ちょうど米軍のF-18Gグラウラー電子戦機が電子妨害を用いてF-22戦闘機のレーダーを妨害した後、F-22に接近し、さらに赤外線追尾熱誘導ミサイルを用いてF-22を撃墜したようにである)。J-20に直面した状況では、F-22Aの優勢はさらにはっきりしたものではなくなる。


 正直そこまで大それたものになっているとは信じ難いんですが。


















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