殲ー16電子戦バージョンが登場

 比較的地味な機種ですが。

http://military.china.com/important/11132797/20151221/20978161.html


中国空軍の殲ー16電子戦バージョンが姿を現す 機体の多くの箇所の外形が改変される

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:殲ー16、フェイズドアレイレーダーに交換」)

9月16日に中航工業が第3回馮如賞を発表した時、沈陽飛行機設計研究所の「空海軍特殊飛行機」プロジェクトがすこぶる関心を集めた。中国空軍モデルチェンジの重大な印の1つとして、中国版「グラウラー」電子戦機の噂が世間ですでに流れ伝わること長年になっている。我々はあなたのために2015年がまもなく終わるという時に中国航空工業が作り上げたこの成就を解読する。

現代の航空電子妨害は、妨害機と防御突破機の空間的位置関係に照らして3種の模式に分けることができる。第1種目は遠距離支援妨害で、現在我が軍の運ー8G「腮腺炎」(頑住吉注:いわゆるおたふく風邪のことで、「ほっぺた」にあたる部分が隆起していることから付いたニックネームのようです)および最も新しく出現したその世代交代製品「高新11号」はいずれもこの種の妨害機に属する。作業する時搭載機と防御突破機および相手方のレーダーとの距離はいずれも非常に遠く、このため妨害出力は非常に高いことが要求される。

このためこの種の妨害機の機体スペースは大きく、多くの異なる周波数帯に対する妨害設備を装備し、相手方のレーダーが防御突破機を捜索する時、妨害機はレーダーに対し位置決定し、アンテナ指向レーダーを装備しかつ作動させる。相手方のレーダーは防御突破機から戻ってきた電波信号と妨害信号を同時にキャッチする。一般に妨害の出力は戻ってくる電波の出力の2〜3倍を必要とし、それでやっと効果が引き起こされる。つまりいわゆる制圧である。

だが大型妨害機の生存能力は劣り、任務執行時は一般にいつも味方サイドが援護する「空中走廊」内で活動し、相手方のレーダーまでの距離は基本的に固定され、妨害出力も基本的に固定である。だが防御突破機とレーダーの距離が近づくほど戻ってくる電波の出力も強くなる。このことが安全防御突破半径という概念を生じさせた。この半径より小さいと、妨害出力は防御突破機をカバーできなくなる。

この半径の制限があり、攻撃サイドは主導権を完全に掌握し難い。このためさらに自衛妨害という種類の補充手段がある。つまり防御突破機が自ら電子妨害吊り下げポッドを搭載するのである。だがその単独使用時の効果は良くなく、むしろ「欺瞞」を行うのであって「カバー」妨害ではない。つまり戻っていく電波信号を変形させる、偽目標を生じさせるなどの方法によって、相手方の火力コントロールレーダーに捕捉し難くさせるのである。

最後は随伴妨害で、随伴妨害機は一般に防御突破機と同じプラットフォームを採用し、おおよそ固定された距離の編隊を保持し、目標に接近した時になって妨害を発する。随伴機と防御突破機の間の角度は非常に大きくはないだろうから、防御突破に適した角度は限られるが、防御突破機と随伴機が一緒に敵陣に斬り込むので、妨害出力は充足し、縦深防御突破に非常に適している。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「ネットが殲ー16の新たな機の試験飛行を明るみに出したことが関心を集める」です。)

以上3種の妨害模式が独立して運用されることは非常に少ない。近年の局地戦争の経験を根拠にすると、米軍でもいささか組織のある相手に直面する必要がありさえすれば、必ず3種の模式を結合して使用することを必要とする。また軍用無人機の勃興と共に、無人電子妨害機もコストが低い、カバー範囲が広い、滞空時間が長い補充手段として、その他の模式とコンビネーションされる。

現在我が軍の対地防御突破の主力であるスホーイー30MKKと殲轟ー7Aはいずれも比較的完備された自衛妨害手段を有する。前者は比較的古いロシア製L005系列吊り下げポッドを使用する他、近年来国産弾薬改装作業の進行と共に、さらに国産KG600スマート自衛妨害吊り下げポッドが使用できるようになり、その演習中の先進地上誘導システムに直面した時の生存能力を倍増させている。

自衛妨害吊り下げポッドに比べ、性能に対する要求がより高い随伴妨害設備はずっと我が軍の弱点たる項目で、2007年になって海軍型殲轟ー7/7Aはやっと国産随伴電子妨害吊り下げポッドを搭載しての公然登場を開始した。左右両側の吊り下げポッドは下部のアンテナの外形上やや差異があり、1つは相手方の信号キャッチに用い、1つは信号に対し対応する周波数帯の妨害を作り出す可能性があると推測される。

注意に値するのは、空軍の殲轟ー7Aにはこのタイプの妨害吊り下げポッドを搭載しての公然出現が全くなく、ずっと編隊援護能力を持たないKG600型自衛吊り下げポッドを使用していることである。このことは国産1世代随伴妨害吊り下げポッドは環境が複雑な陸上の防御突破作戦に用いるには性能が依然明らかに不足することをも説明しているし、空軍の「飛豹」は使用に関する位置付け上、強行防御突破能力を強く求められていないことをも説明している。

随伴妨害機は搭載荷が投弾前の防御突破機に比べてやや軽いだろうが、それらは機群の中で最も敵の火力範囲に深入りするため、さらに全過程で能動的に「開嘲諷」(頑住吉注:本来皮肉、当てこすりを言う、というような意味のようですが、ここでは文脈上妨害をONにすることでしょう)、防御突破機群を援護することを必要とし、このため直面する危険も最大である。このため随伴妨害機は充分な機動性(推力増強版「太行」はグッドタイミングである)、航空電子、武器を有して自衛性能を保障することが必須である。

搭載機の電力供給システムに限りがあるなどの原因により、「飛豹」が搭載する吊り下げポッドは、持続無故障作動時間、出力のピーク値、使用模式、スマート化の程度上(頑住吉注:どう見ても意味が通らず、「劣っている」というような内容が欠けていると思われます)、かつこの種の吊り下げポッドの使用はさらに機載火力コントロールレーダーの一部の機能に影響し、これは現在殲轟ー7Aが電子戦吊り下げポッドを搭載するのと同時にその他の正確制御誘導武器を搭載することが非常に少ない1つの原因である。

国産第2世代殲ー11系列である海軍の殲ー15や空軍の殲ー16の研究開発開始と共に、両者の機体スペースはより充足し、機動性能もまた「飛豹」をはるかに超え、かつ機体の大部分が構造上改装の共通性があるため、これこそ2つのプロジェクトの「2つを1つに合わせる」の条件を持たせ、これは「海空軍特殊飛行機プロジェクト」と総称され、科研力量を節約した。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「殲ー11B、海軍南海艦隊への装備が開始される」です。)

殲ー16はすでにアクティブフェイズドアレイレーダーの使用を開始しているが、その電子戦型のレドームの外形は殲ー16とは顕著に異なり、殲ー11Dの上に向け傾斜した設計ともちょうど反対である。このことは、そのレーダーの機種にもやや差異があるかもしれないことを説明する。参考としてEA-18Gはアクティブ電子戦能力を持つAPG-79レーダーを持ち、殲ー16電子戦型のレーダーもこの重要な機能を持つ可能性がある。

空いた機首スペースは、電子戦型により多くの設備を追加装備させることができる。特に完備された無線電信号収集分析設備で、これは代役で吊り下げポッドを搭載した戦闘機とは異なる随伴妨害機の一大特性である。依然タンデム複座レイアウトを採用しているが、電子戦型の後部座席の飛行員は専門の電子戦将校で、「専用座席コックピットディスプレイコントロールおよびコントロールロジック設計」を必要とするはずである。

この機の殲ー16とのもう1つの外観上の差異は、機体右側の航空機関砲がなくなっていることで、節約されたスペースは同様に設備の配置に用いられ、これは各国のスホーイー27系列の中で初の航空機関砲のないタイプでもある。空戦能力は留保されているが、EA-18G同様電子戦型の空戦能力は完全に自衛に用いるもので、この機を制空権奪取作戦に用いるのは賢いことではない。

機の腹部の中心線と主翼内側の吊り下げポイントにそれぞれ電子妨害吊り下げポッドを搭載した後、殲ー16電子戦型はさらに空気取り入れルート下方と主翼中段の吊り下げポイントを利用して4発の鷹撃-91対輻射ミサイルが搭載でき(高脅威環境下ではそのうち2つの吊り下げポイントは霹靂-15長期距離空対空ミサイルの使用に換えることができる)、外側の搭載ポイントにさらに霹靂-10格闘空対空ミサイルに使用して自衛することもできる。

EA-18G同様、殲ー16電子戦型の翼端にも一対の電子戦吊り下げポッドが搭載される。スホーイー27/30搭載のL005とは異なり、電子戦型の翼端ポッドの形状のディテールはEA-18GのALQ-218に酷似しており、やはりブロードバンド信号感知と識別の機能を持ち、表面の4つの無線電信号受信アンテナの外形とレイアウトが異なるだけで、これは搭載機の空力レイアウトが異なることがもたらしたものである。

一方「大出力負荷と電力供給システムの両立性設計」から分析すると、殲ー16電子戦型が搭載する電子妨害吊り下げポッドはALQ-99のように吊り下げポッドの風車に頼って発電するのではなく、機載配電設備の大改造に頼っていかなる速度の下でも妨害を始動でき、しかも過度に抵抗を増大させないことをも実現している可能性が高い(EA-18Gは肥大したALQ-99搭載後超音速飛行できない)。

ALQ-99にまだAPG-79との相互干渉問題が存在することを考慮すれば、このため「全機電磁両立性設計」をうまく行った殲ー16電子戦型が使用する類似の吊り下げポッドの、一部の主要な指標がALQ-99中期型の水準に到達することは決して不可能ではない。このようなら米軍の次世代電子妨害吊り下げポッドNGJの就役前、電子戦装備ハードウェア領域における世代間ギャップはずっと縮小できる。

だがEA-18Gの出色さはこのEA-6B後期型と同じ吊り下げポッドにあるのではなく、ましてや単に自衛能力や飛行性能の進歩だけにあるのではない。EA-18Gは初の敵サイドのレーダーに対し妨害するのと同時に、相手方のレーダー信号を継続的にキャッチしかつ分析できる電子戦機で、これは本機の設備の進歩だけではなく、さらに強大なデータリンクシステムの支持を必要とする。

これまでのEA-6Bを含む電子妨害機は、機能する時往々にしてまず計画通り一定の時間妨害し、その後妨害を停止してさらに相手方の信号を収集し、しかる後に第二波の調整した妨害を行ったが、これでは周波数跳躍技術を採用したフェイズドアレイレーダーに直面した時効果を獲得し難い。だがこの種の制限がないEA-18Gはロシア製先進地対空ミサイルに対応する時、確実により「趁手」(頑住吉注:ここでは「便利さ」?)を加える。

(頑住吉注:これより4ページ目)

非常に多くの人は随伴電子妨害機はまるで人の群れの中でずっと懐中電灯を点灯させている人のようなもので、非常に目立つと考えている。だがEA-18Gのような先進的な電子戦機では、その「懐中電灯」は相手方の目を瞬間的にくらませることができるだけでなく、甚だしきに至っては目を見えなくさせて光がどこから来るかさえ確認できなくさせるかもしれない。EA-18Gが将来継続してグレードアップされるにつれ、その牌も「どんどん不按套路」になる(頑住吉注:定石以外の手に出る、といった意味らしいです)。

まさにアメリカの先端軍事工業領域の先んじた地位ゆえに、後から来る者の追跡はしばしば人に「米帝化」と評論される。だが異なる戦場環境の需要の牽引の下で、追跡の産物にはあるいは多くあるいは少なく「葉徒相似、其実味不同」(頑住吉注:葉の似た木でも果実の味は異なる)の状況が出現するだろう。非常に多くのディテールが似てるものの、殲ー16電子戦型は具体的妨害手法や作戦理念の上でEA-18Gとでは必ずや差異もある。

「巨ソフトウェア規模システム研究開発」を必要とする殲ー16電子戦型は、進攻作戦の中で各種防空システムに対する制圧妨害を必要とする他、米軍が習慣的にデータリンクによってコストパフォーマンスの高い多プラットフォーム隠蔽正確打撃を行うため、攻勢防御作戦の中で、そのJTIDSというこの種のデータリンクに対する積極妨害も(非常に困難ではあるが)その重要な使命である可能性が高い。

また電子戦型の機体の上のその他のいくつかのアンテナのレイアウトも殲ー16とはやや異なる特徴を持つ。例えばそれは殲ー11B/殲ー15の背部の無線電子コンパスアンテナというこの伝統的な設備が回復し(殲ー16/殲ー11Dではいずれもなくなっている)、その目的はひとたび機載電子戦設備が作動した時飛行機のナビゲーション設備に影響しても、予備設備があって正常な航行方向が保持できることである可能性が高い。

また空気取り入れルート側面に一対のアンテナが追加装備され、位置はスホーイー27の横向きレーダー警告アンテナと同じだが、整流カバーがなく、補助無線電信周波数正確方向測定に用いる可能性が高い。電子戦機の多くのディテール設計の中からは、科研人員の努力がこの「鷹の雛」を最初からもうもう少し完備させ、できる限り中米のこの領域における巨大なギャップを縮小させていることが見て取れる。

当然、プラットフォームないし一部のハードウェアの性能上殲ー16とF/A-18Fにはそれぞれ長所があるが、国内電子戦機のトップレベル設計能力とシステム整合経験の上で存在する隔たりを決してカバーできない。国内機載電子戦設備は実戦の経歴が極めて少ないため、殲ー16電子戦型のいくつかの実戦の検証を必要とする設計理念が、演習経験に頼って推敲するするしかなくさせることが免れ難い。

だがこのためいたずらに自らを卑下する必要もない。この領域において、米軍は何十年もの1回1回の「サム」(頑住吉注:9K34対空ミサイル)系列に直面しての実戦の中でやっと運用をこのように熟達したものにした。客観的隔たりをはっきり認識し、自身の需要を照準し、もって殲ー16/15S電子戦型というこの絶対に低くない起点から独立した探索発展を開始しており、中国の早期警戒機の今日は中国の電子戦機の明日かもしれないのである。

どうであろうと、若干年後再度振り返った時、殲ー16電子戦型の就役は中国軍が攻防兼備に向かうことを記録するまた1つのマイルストーンとなる。中国空軍は初めて大型戦闘機と同一プラットフォームの先進的な電子戦機を持ち、戦闘航空兵は独立して戦役縦深正確打撃の職責を担うことができるようになり、爆撃航空兵との打撃範囲の結びつきはさらに緊密になる。

外国メディアの報道によれば、殲ー16は2011年11月に初飛行し、そして4年後に殲ー16がまだ大量就役していない時、殲ー16電子戦型がもう初飛行し、このことは殲ー16研究開発開始時にはとっくに空軍が「咆哮柘榴」(頑住吉注:アメリカの「グラウラー」は「咆哮者」でそれをもじった殲ー16のニックネームのようです)というこの極めて重要な機種を開発する決心を下していたことを説明する。この速度を参照すると、2012年に初飛行した殲ー15S、その電子戦バージョンは2016年に出現する可能性が高い。

第3世代機の改良型として、それらの未来は必ずしも軍事マニアたちのより多くの関心を集めないかもしれないが、それらはそれにもかかわらず中国航空兵が兵力構造が完備され、作戦思想が独立、成熟した空中力量に向かう道の上で欠くことのできない目撃者である。「次の米帝になるのではなく、最初の自分になる必要がある。」

(ソース:澎湃ニュース)


 これが米軍や自衛隊に対しどれほどの脅威になり得るのか私には全く分かりませんけど、たぶん専門家にも平時にはその真の実力を推測することが難しいのでは。












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