2010年に開催された中国国際警察用装備博覧会

 去年ですからちょっと古い情報になってしまいますが、今回紹介するのは中国国際警察用装備博覧会で展示された新製品を紹介するページの内容です。いつも直接リンクを避けて、URLをコピーしてアドレス欄に貼って移動してもらっていますが、この方法だとうまく表示されないので今回は直接リンクにします。なお、以前もありましたが雑誌をスキャンして漢字識別ソフトで読み取った際に生じたと思われる文字の誤りがあって意味不明な部分が多かったので、不明の字句等と共に中国朋友に教えていただきました。なお元の記事は「軽兵器」2010年5月下旬号に掲載されたものです。

第5回中国国際警察用装備博覧会における新製品を見る


第5回中国国際警察用装備博覧会における新製品を見る

第5回中国国際警察用装備博覧会は2010年4月21日より、北京の展覧館で開幕した。全国各地およびブラジル、ドイツ、ロシア、フランス、オランダ、シンガポールなど14の国と地域から来た合計300の参加メーカー、販売業者が自分たちの警察用装備における主力製品を展示した。今回の博覧会のテーマは「和諧平安社会の実現、国際安全防御ラインの共同構築」であった。展覧会には防護装備、警察官個人装備、非致命性武器装備、安全検査装備、爆発物処理装備、警察用照明具、警察用交通工具、総合装備などの9つの展示館が設置され、展示品の種類では特殊車両、警察用武器装備、警察用機械装備、防護装備、車載装備、捜査、証拠取得装備、警察用制服類など大きく分けられた7種類、119個別品種を含んだ。公安部主催による2年に1回の中国国際警察用装備展覧会は、2002年に北京で初めて開催されて以来、すでに成功裏に5回連続で開催されている。近年では博覧会の規模、影響力はは年々拡大し、専門性、国際化の特徴も年々面緒になってきている。すでに国際警察用装備展示における1つの重要なブランドとなっているのである。

展覧会の正門に行くと、まず見えるのは公安部装備財務局の大型展示台であり、公安部がすでに装備している、あるいは装備予定の製品が展示されている。警察用機械、警察用機材から防護装備まで、製品は数十品種に達する。ここには称賛されている中国警察用としては初の9mm警察用リボルバー、2009年の建国60周年閲兵式でデビューした97-2式18.4mm防暴銃があり、さらに皆さんよくご存じの6本バレル64mm防暴ランチャー、38mmリボルビング防暴ランチャー、WJ/FBQ08式38mm防暴銃、コーナー銃等もある。こうした我々が熟知した製品と一緒に展示されているものの中に、一部まさに今鑑定中、あるいは鑑定予定の製品もある。これらを見ていただこう。

10mmリボルビング防暴銃

チチハル雄鷹集団が研究開発した10mmリボルビング防暴銃は全体体積が比較的小さく、全体重量は370gしかない(頑住吉注:チーフスペシャルの2インチが約553gだそうなのでかなり軽いですね。軽合金を使っているんでしょうか)。公安部門はすでに殺傷弾と非殺傷弾を発射できる9mm警察用リボルバーを装備している。何故今になってさらに10mm口径のリボルビング防暴銃を出したのか? この問題に関し本誌記者は研究開発人員に特に問い合わせた。研究開発人員によれば、9mm警察用リボルバーでもし非致命弾を発射すると、使用距離にも制限があり、すなわち最小使用距離は15mである(頑住吉注:それより近いと致命傷になる可能性があるということでしょう)。一方10mmリボルビング防暴銃が使用する10mm布袋弾および10mm催涙弾は威力がきわめて小さく、有効作用距離は15m以内である。もし5m以内で発砲しても人体に致命傷を与える可能性はない。この銃の戦術作用はまさに9mm警察用リボルバーの持つ空白を埋めるものであり、公安幹部および警察官の心理的圧力をきわめて大きく減少し、いろいろな警察部門の任務執行に新しい選択肢を提供したのである。(頑住吉注:それなら9mmリボルバー用の布袋弾や催涙弾を開発すればいいだけなのでは? とも思いましたが、9mmリボルバーは短い弾薬ギリギリの長さのシリンダーしか持っていないので、弾丸を前後に長くして重量や容量をかせぐことが難しく、口径が1mm小さいこととも合わせて威力不足になってしまう、ということかもしれません)

(頑住吉注:これより2ページ目)

38mm自動防暴ランチャー

現在の警察用38mm防暴銃は全て非自動あるいは半自動方式であるが、湖南軽火器研究所が研究開発した38mm防暴銃は全自動方式を採用している。この銃は1人の人間の手で持って使用できるが、トライポッド、装甲車、巡視艇など機動プラットフォーム上に装備して使用することもできる。400m以内の密集した生体目標の殺傷、400m以内の装甲目標の損傷に用いる。使用されるのは現用の非致命弾薬であり、セミ・フルオート射撃ができる。分解組み立ては工具の助けなしにでき、使用や維持に便利である。この銃は全長840mm、全体重量4.5kg、5連および15連のドラムマガジンを採用している。

(頑住吉注:この記述には、用途が殺傷、装甲に対する攻撃とされているのに使用されるのは非致命弾薬とされるなど疑問点が多かったので中国朋友に質問したところ、補足説明をいただきました。

「湖南軽火器研究所が研究開発した38mm防暴銃は、実はQLZ87式35mmオートマチックグレネードランチャーを基礎に改修してできたもので、ただ中国警察用グレネード(防暴弾ともいいます)の標準口径が38mmであるため、これに対応する改修がなされているだけです。原形は正真正銘の軍用武器であり、その殺傷力と射程はもっぱらどんな弾薬を発射するかによります。ただし私は現在のところまだ38mmグレネードに殺傷型があるというのを見たことがないので、この「400m以内の密集した生体目標の殺傷、400m以内の装甲目標の損傷」というのは恐らく展示者、すなわち湖南軽火器研究所が提供した宣伝資料に誤りがあったということでしょう。実はこの武器を見ると外観上まだ多くの荒削りな加工跡があり、たぶん展示者が急遽大急ぎで作った試作機でしょう。それなら対応する資料上に誤りが起きることもありそうなことです。」)

18.4mmエア防暴ランチャー

この銃は高圧の気体の圧力により球状の防暴弾を発射するものである。その突出した特徴はバレル上方に位置した回転式マガジンによる給弾を採用したことである。弾丸は駆動スプリングによって押し動かされて給弾される。漏斗状マガジンを採用したエア防暴銃(防暴弾は自身の重量により発射管内に落下する)(頑住吉注:一部のペイントボール銃に似たものでしょう)と比べると、この銃の装弾数はより大きく、かつ使用時マガジンが傾斜したり逆さになったりを心配する必要がない。(頑住吉注:12ゲージショットガンと同じ口径の大口径空気銃を暴動鎮圧用に使おうというわけです。バレル下にあるのが圧縮空気のボンベでしょうか。マガジンの形式はちょっとマルシン製のガス式モスバーグを連想させます。弾丸はゴム球ということでしょうか)

38mmライフリング付き防暴銃

防暴銃は通常スムーズボアのバレルを採用している。だがこの防暴銃はライフリング付きのバレルを採用しており、有効射程が高められている。この銃は手で持つ形式の非致命防暴武器であり、主に230m以内の騒乱人群の追い散らし、建築物内に隠れた不法分子の追い出し、近距離内の犯罪容疑者の制圧に用いられる。全長は640mm、ストックをたたんだ時の全長は450mm、空虚重量は1.8kgである。この他、一般的なシングルバレル防暴銃がブレイクオープン式装弾、排莢の構造を採用しているのとは異なり、この防暴銃のバレルは横向きにスイングしてオープンする。使用はさらに便利である。

(頑住吉注:これに関し、「射程は2〜30mの誤りと思われますが、それではライフリングによって射程が伸びたとは思えません。いくらなんでも射程が230mもあるとは思えませんし」と疑問を提示しました。中国朋友の回答です。

「雑誌の原文を見ると、38mmライフリング付き防暴銃の射程は確かに230mです。このためこれは実際上はグレネードランチャーでもあり、何故この種類の武器を防暴銃と呼ぶかというと、私が思うに中国が最初に導入したイギリスの38mm多用途防暴銃(Schermuly 38mm Anti-Riot Gun)と関係があるのかもしれません(頑住吉注: http://www.partsofsw.com/images/schermuly.gif )。この種の単発グレネードランチャーは中国でコピーされ、かつ広く装備され(WK683-01防暴銃と呼ばれました)、現在ではすでに順次大規模に新装備に交換されているものの、多くの場所でまだ見ることができます。この銃にもライフリングがありますが、そのタンジェントサイトの最大射程は150mにすぎません。実際の使用時の最大射程はおよそ100mです。この時の展示会における、このライフリング付き防暴銃の射程が230mに達し得るという話は、たぶん改良を経た弾薬を使用してのことでしょう。」

確かに実質グレネードランチャーならば射程が230mあってもおかしくありません。例えばゴム弾を230m先の人間に正確に命中させ得る、というのは考えにくいですが、230m先の暴徒の群れの中に催涙弾を撃ち込むことができる、ということならあってもおかしくありませんね。



いただいた画像です。これが中国でコピー生産されたWK683-01防暴銃だそうです。)

(頑住吉注:これより3ページ目)

18.4mm半自動防暴銃

この銃は機構の交換を必要とせず、銃にあるエネルギー量調節機構の操作だけで殺傷弾と非致命弾の発射を即座に実現できるものである。研究開発した人員によるとこの設計は世界唯一のものだという。この銃はガスオペレーション式作動原理を採用しており、外形および操作使用方法は95式自動小銃と似ていて、95式自動小銃を使用したことがある人に関して言えば習熟が非常に容易である。この銃にはマニュアルセーフティとボルト不完全閉鎖セーフティが設けられ、使用の安全が確保されている。銃には汎用のマウントが設けられ、レーザー照準器、タクティカルライトなどの付属品が装備できる。この銃は18.4mm殺傷弾を発射することもできるし、18.4mm催涙弾、ゴム弾等の非致命弾を発射することもできる。主に10〜50m以内の騒乱人群の追い散らし、10〜50m以内の不法分子の制圧に用いられる。全長は790mm、全体重量は3.6kgである。この銃のバレル下にはさらに38mm防暴ランチャーが追加装備でき、武器の戦術作用が拡張されている。

中国兵器装備集団第208研究所(略称208所)のブースも今回の博覧会のハイライトである。展示された製品に見学者は足を止めて注目していた。(頑住吉注:この文に対応する画像は次のページの見学者がスナイパーライフルを構えてスコープを覗いている画像で、この「5.8mm高精度スナイパーライフルシステム」とその次の「快速麻酔弾発射システム」が208所の製品だということです)

(頑住吉注:これより4ページ目)

快速麻酔弾発射システム(頑住吉注:原文では「快速致暈発射器系統」 非常にややこしいのですが、この銃の画像は前ページの下の画像です)

この発射器は注射弾を発射するもので、生体目標に遠距離から効果の高い麻酔剤(頑住吉注:原文では「失能剤」)を注射することで、短時間のうちにターゲットの行動能力を喪失させる。麻酔剤は人体に対し永久性の障害を起こさず、注射を受けたターゲットは救護を必要とするが、一定時間後自ら覚醒できる。この発射器のストックは折りたたみ式でレシーバー頂部および左側面にはピカティニーレールが追加装備され、必要に応じてレーザー照準器、タクティカルライト等の付属品を装備できる。発射器の口径は12.7mmで、重量は1.5kg、ストックを伸ばした時の全長は560mmである。30mにおける注射弾の最大散布直径は30cmであり、50mにおいて部隊の冬季制服を貫通して注射が行える。

5.8mm高精度スナイパーライフルシステム

208所が登場させた5.8mm高精度スナイパーライフルシステムは去年展示会において展示されたが、今年も依然として見学者の注目の的の1つだった。この武器システムは目下依然として不断の改良過程にある。今回展示された製品はストック/ハンドガードのプラスチックに最適化設計が進められ、同時に銃全体の加工技術および表面処理技術にも改善点がある。

CS/LA 2型18.4mm散弾銃

この銃はガスオペレーション式自動方式、チューブラーマガジンによる給弾を採用しており、軍用散弾を発射する。ストックの後方にはゴム製の緩衝パッドがあり、チークピースは必要により高さが調節できる。レシーバー頂部にはレールが設けられている。この銃の外形は米軍が採用しているM1014散弾銃と非常に似ており、現代のトップクラス製品の風格を備えている。

吊り下げ式散弾銃

この散弾銃は口径18.4mmであり、単独使用はできず、95式自動小銃の下に吊り下げるしかない。そのコッキングハンドルはレシーバー左側にあり、下向きに折りたためる。散弾銃を95式小銃に吊り下げた後、そのレシーバー尾部は95式小銃のグリップ前方にあてがわれ、リング状のトリガーはちょうど95式小銃のトリガー下方に位置する。使用時、小銃のトリガーを操作する指を、吊り下げた散弾銃のトリガーを引きやすいように移動させる必要がなく、設計は非常に人間工学にかなっている。(頑住吉注:このトリガーは中指および薬指で操作するのだそうです。 http://ww2.gun-world.net/china/rifle/qbz95/95-1b.jpg この95式の改良型95-1式に装着するグレネードランチャーも同様のトリガーを使っています)

(頑住吉注:これより5ページ目)

手持ち式スナイパー探測器


安龍社が展示したドイツ製手持ち式スナイパー探測器は、スナイパーのために提供される一種の対スナイパー手段である。これは遠距離においてスコープ、レーザー距離測定器などのような光学機器を捜索し、敵スナイパーの所在位置を発見できる。さらにビデオカメラ、カメラ、望遠鏡、夜視機材等のような多種の光学機材も探測できる。ただし、現在この種の探測システムの探測誤差は比較的大きく、±10mとなっている。正確な狙撃のためと言うにはなお隔たりがあり、もしより正確な探測距離が実現したらスナイパーのよい助手となるに違いない(頑住吉注:大体の位置が分かるだけでも大いに有用な気がしますが。余計なことですがタレントがパパラッチがいないか探すなど、別のことにも応用できそうですね)

NP18拳銃およびその解剖教学用銃(頑住吉注:いわゆるカッタウェイモデルですね)

山東軍興機械社は一連の輸出用コピー拳銃を展示した。これにはFN M1935ブローニングハイパワー(頑住吉注:ちなみにブローニングの漢字表記は「勃朗寧」、ハイパワーは「大威力」です)拳銃をコピーしたNP18、FN3をコピーしたNP36、および54式拳銃を基礎に近代化改修を行ってできたNP17拳銃等が含まれる。この他、使用者が銃の内部構造および機構の作動原理を理解しやすくするため、社は教学、訓練用のカッタウェイモデルも展示した。

(頑住吉注: http://slide.mil.news.sina.com.cn/slide_8_966_3825.html?img=7176#p=6 ここにそれらのピストルがありますが、画像と説明が合わないのでこれに関しても質問しました。中国朋友の回答です。

「NPというのはNorinco Pistolの略です。あなたの見方は正しく、NP18はFEG P9Rのコピーであり、一方NP36はハイパワーのコピー品です。中国北方工業集団社と中国兵器工業集団社は実は1つの会社で、異なる場面で異なる呼び名を使うことがあるに過ぎません。貿易業務に従事する時はたいてい前者の名を使い、英文では縮めてNorincoと書きます。海外の民間用中、低価格銃器市場向けに、パテント権はとっくに切れているが、依然として広く人気のある製品を専門に選択してコピーし、輸出しています。こうしたコピー銃器は価格の割に性能がいいので、北米の若い(「貧乏」と読んでください)射撃愛好家の人気を集めています。Norincoのコピー品とブランド大メーカー製品との差は、主に表面処理がひどく劣る、操作快適性が低い、ケースのグレードがひどく低いという3つの方面です。私は一部の初期Norinco製品の詳細画像を見たことがありますが、銃には随所に金属切削加工生産によるツールマークが見られ、多くの部分の鋭利なエッジが研磨によって充分丸められておらず、ケースもただの低品質な木製の箱だったり、段ボール箱のものもありました。最近数年、Norincoはこうした問題に関し急速に追い上げてきており、外観、品質には大きな改善が見られます。当然やはりFN、H&K、SIGといったトップメーカーの水準には達していませんが。」

そういえば中国語を勉強するようになるなど予想もしていなかった「知識の断片」初期に「ノリンコ製品のグレードは?」というドイツおよびスイスの銃器雑誌の記事を紹介したことがありましたっけ。当時まだ名称も正体も不明だったスナイパーライフルは88式の輸出型である97式でした。ちなみにこれらノリンコ製コピーピストルに関しては検索してもあまり情報が出てこず、中国人銃器マニアの間でもあまり関心は高くないようです。まあ「豊和 M1カービン」で検索してもたいして情報は出きませんし、当然かもしれません)

18.4mm自動防暴銃(頑住吉注:これでは上で出てきた95式とそっくりなショットガンと区別できませんが、採用されていないので正式名がないということなんでしょう)

湖南小火器研究所の製品には、公安部装備財務局の展示台に展示されたものの他に、さらに自分たちのブースで展示されたさらに多くの製品があった。画像の18.4mm自動防暴銃は同様に新型武器の1つであり、5連ボックスマガジンによる給弾も、20連ドラムマガジンによる給弾も使用できる。18.4mm自動防暴銃には2種類の型があり、1つは標準型(上)で、標準的な長さのバレル、折りたたみ式ストックを採用し、レシーバー頂部にはレールがあってスコープが装着できる。もう1つはコンパクト型(下)で、バレルがより短く、ストックなしの構造を採用している。保持しての射撃に便利なように、下部ハンドガードにレールによってフォアグリップが装備されている。この防暴銃は有効射程が50から150mである。この他、50m以内では防暴弾を射撃するべきでないという空白を埋めるため、標準型防暴銃にはさらに吊り下げ式エア防暴ランチャーを装備することができる。これは高圧の気体の圧力を利用して催涙剤を発射するものである。

(頑住吉注:これより6ページ目)

LG2型40mm銃吊り下げ式グレネードランチャー

湖南小火器研究所の研究開発による。このランチャーには異なるアダプターが備えられており、56式サブマシンガン、95式自動小銃、アメリカのM16小銃のバレル下方に吊り下げて使用できる。画像のランチャーは56式サブマシンガンに吊り下げている。ランチャーの重量は1.5kg、全長390mmで、40mm系列の 榴弾が発射でき、都市における市街戦やジャングル戦に適している。400m以内の密集した生体目標の殺傷、400m以内の軽装甲されたターゲットの損傷に用いられる。

18.4mm半自動/非自動防暴銃

チチハル雄鷹集団は、97式18.4mm防暴銃を基礎に研究開発した一連の製品を展示した。これには97式、97-1式、97-2式および多数の非自動と半自動の防暴銃が含まれる。画像には上から3種類の製品があるが、それぞれ97-2式18.4mm防暴銃、18.4mm半自動/非自動防暴銃、97-1式18.4mm防暴銃である。18.4mm半自動/非自動防暴銃は同社が最も新しく登場させた製品であり(頑住吉注:このシリーズに関しては少し前に紹介しましたが、確かにこのバージョンは含まれていませんでした)、この銃のハンドガード前端には回転切り替えノブがあって半自動あるいはポンプ式の操作方式が選択でき、構造方式は斬新である。半自動方式を選択している時、この銃は比較的特殊なボルト旋転エネルギー蓄積式原理を利用する。弾丸発射後、ボルトの後座過程で、ボルトの旋転によりエネルギーを貯蔵して薬莢の引き抜き、排出動作が行われる。ボルトが後退し切った後、貯蔵されたエネルギーの作用下でボルトの復帰、チャンバーへの装填が行われ、1つの射撃サイクルが完成する。この防暴銃には折りたたみストック型と固定ストック型の2種類がある。折りたたみストック型のレシーバー頂部にはピカティニーレールが設けられ、スコープ等の付属品が追加装備できる。

(頑住吉注:エネルギー蓄積式というのが全く理解できず、エネルギーを貯蔵するのがスプリングだとしたら普通のシステムと全く同じなのでは? と質問しました。中国朋友の回答です。

「私はこのエネルギー蓄積式原理」はすなわちイタリアのベネリ社が発明した慣性後座原理であると考えます。この原理の詳細解説は「槍砲世界」の関連する内容で見ることができます。 http://ww2.gun-world.net/italy/benelli/benelli.htm チチハル雄鷹集団のこの種の散弾銃の構造原理はベネリM3に近いものに違いありません。」

ベネリのイナーシャシステムについてはこんなページがありました http://benelli-remington.blog.so-net.ne.jp/2009-03-02 )

(頑住吉注:これより7ページ目)

ブラジル、タウルス社のPT709およびPT24/7シリーズピストル

シンガポールのDefence Security社は代理でブラジルのタウルス社の製品を展示した。タウルス社の拳銃製品は鮮明な個性的特色を備えており、系列製品を形成している。展示された製品の最大の特徴はマガジンフォーロワに比較的明るい黄色を採用し、もって使用者が一目でマガジン内にまだ弾薬があるかないかを識別するのに便利にしている。画像のPT24/7PRO DS拳銃は9mmx19口径を採用し、マガジン容量は17発、銃の全体重量は900gである(頑住吉注:このシリーズに関しては「知識の断片」最初期に「Visier」誌の記事を紹介しましたっけ)。

GWQSM-92コーナー射撃システム

展示会において展示されたコーナー射撃システムにはいくつものメーカーのものがあり、成都恒安警察用装備社は画像のコーナー射撃システムを展示した。画像で分かるように、コーナー射撃系統の上部は95式小銃のバレルにかぶせられており、後部は95式小銃の前部小グリップにあてがわれていて、挟んで固定する装置で装着、固定されている。その前部の旋回可能な台座には92式9mm拳銃が装備される。さらにビデオカメラヘッドが装備され、これによって捕捉されたターゲットの画像はケーブルで95式小銃の左側にあるモニター上に伝送される。このコーナー射撃システムにはさらにバイポッドが装備され、便利に、安定してコーナーの向こう、あるいは障害物の後ろのターゲットを視察できる。展示会において展示されたその他のコーナー射撃システムと異なるのは、このシステムが使用者に、同時に2種類の火力を持たせることである。直射火力で前方のターゲットにあたることもできるし、コーナー射撃の火力でコーナーあるいは障害物の向こうのターゲットにあたることもできるのである。

(頑住吉注:ダミーでもいいから拳銃を装着すればいいのに、空の状態なのでこの画像ちょっと分かりにくいですね。公式ページはここです。

http://www.haqc.com/index.php?module=product&action=show&id=97



 下が今回取り上げられたシステムで、拳銃が装着されています。上はこれまで取り上げてきたシステムに近い拳銃だけを使うシステムです。「発射座回転コントロールボタン」というのがあるんですが、あるいは中国朋友が「自由変線射撃システム」の改良案として挙げてくれた電動回転システムなのかもしれません。ちなみにどういうわけなのかこの社の公式サイトは英語版があるのに中国語版とは紹介されている製品が違います。

http://www.haqc.com/upload/product/2009-05-11/200905111117185668_b.jpg

 英語版のコーナー銃は明らかに違うシステムで、右は95式小銃と92式拳銃という組み合わせは同じですが明らかに形式が違うもの、左はそもそも79式サブマシンガンと77式拳銃という組み合わせ自体からして全然違うものです。これはひょっとして『「自由変線射撃システム」公式サイトによる説明』の中にあった「中国武装警察部隊は「ビデオ照準転角射撃武器システム」(79式小型サブマシンガンをキャリアとし、77式拳銃を吊り下げた)を開発した」というあれではないんでしょうか。)

(頑住吉注:これより8ページ目)

中国人民解放軍総参謀部第60研究所の無人機システム

(頑住吉注:これに関してはここにたくさん画像がありました。

http://slide.mil.news.sina.com.cn/slide_8_3006_4286.html#p=1

画像の右でクリックすると次の画像に進み、左でクリックすると前の画像に戻ります)

Z5型無人ヘリコプターは先進的な観測制御、ナビゲート、センサー、自動コントロール、画像伝送技術を採用し、自動的に離陸、着陸する、あらかじめ設定されたルートを自動的に飛行する等の機能を備え、異なる任務、設備に配備される。偵察、国境巡視、無線中継、航空測量、航空写真撮影、消防対応、科学研究試験等軍および民間の領域で使用できる。この機は最大離陸重量450kg、任務積載量100kg、航続時間4〜6時間、巡航速度時速160km、上昇限度2500m(海抜高度)、抗風能力6級である。同研究所の宣伝資料によれば、さらに多種類の遠隔操作標的機が研究開発されている。その中のII 70型遠隔操作標的機(頑住吉注:一番上の画像)は回避飛行、夜間飛行、同じ空域で複数機同時にコントロールしての飛行など多種の任務飛行が実現可能である。この標的機は曳光管、パラボラ反射鏡、コーナーリフレクター、レーダーエコー増強器など多種の任務設備を搭載でき、高射砲、中低空誘導弾武器システムの標的射撃、レーダー目標捕捉等の訓練の必要を満足させることができる。その高地改良型は海抜5000mの高地から離陸し、我が国の高地における防空演習の空白を埋めた(頑住吉注:この方面詳しくないんでよく分かりませんが、従来のこの種の標的機は標高が高いと空気が薄くて離陸できなかった、ということでしょう)。この研究所が研究開発している一連の無人機に関しては「軽兵器」誌は引き続き関心をもって報道する。

QFB35-04型背負い式防暴噴霧駆散器

これは高圧の気体を利用し、刺激剤を急速に、大面積にわたって目標地域に散布するものである。霧状の小顆粒の刺激剤は比較的長時間地面から2m前後の空気中に浮遊でき、風によって拡散し、短時間で騒動を起こしている人の群れを追い散らすことができ、対テロ作戦にも使用できる(頑住吉注:まるで火炎放射器のような外観ですが、要するに巨大な催涙スプレーのようなものですね)。

(頑住吉注:これより9ページ目)

瑞g社が輸入したイギリス製の、爆発物の疑いがある物品の遠隔破壊装置

この破壊装置は口径40mm、無反動発射方式を採用し、爆発物、砲弾の雷管、パイプ爆弾等の遠距離からの破壊ができる。異なる破壊対象により、水弾、円錐形穿甲水弾、柔らかい漆喰弾、旋転漆喰弾等が発射できる。

(頑住吉注:「水弾」等に関し意味が分からなかったので中国朋友に質問しました。その回答です。

「これはこの水砲で発射する高速水流で爆発物を破壊するということです。私はこの瑞g社の官方のウェブサイト上にこの製品の紹介ページを見つけました。 http://www.ritchiest.com/ProductInfoExhibit/&id=53a9f8f2-f2a8-4669-8b46-61f04f8b028d&comp_stats=comp-FrontProduct_list-001.html 画像を見ると、水はパイプ状の容器の中に入れられ、容器の発射口にごく近い端にたぶん薄い膜のようなものがあって一時的に密封の作用をするのでしょう。」

公式ページによればスチール弾を発射する25.4mmのバレルもあるということです。水の速度は305m/s以上というんですから驚くほど速いです。水弾の有効距離は1mまでとごく短いですが、遠距離旋転漆喰弾の有効距離は15から25mとなっています。)

非接触式爆発物探測器

思卓特社が展示した09型爆発物探測器は蛍光性ポリマーセンサー技術を採用しており、TNT硝基類炸薬、ニトロアミン炸薬、ブラスチック爆薬、乳化炸薬等よく見られる炸薬に対し、痕跡の検査測定が行える。鉄道、空港、政府部門、重要会議場所、重点建築物などの安全保安作業に使用できる。探測器は爆発物が揮発する臭いの検査測定を通じて識別を行う。ちょうど爆発物探知犬と同じで、爆発物の臭いを嗅ぎ出せるのである。この探測器は非接触サンプリングを行い、サンプルの揮発量が多い時、サンプリング距離は30cmに達する。操作および検査測定の結果はLEDタッチパネルに表示され、使用が便利である。








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