中国の「東風ー41」大陸間弾道ミサイル

 中国の核ミサイルに関する「軍情視界」の記事です。

http://military.china.com/zh_cn/jqsj/051/


「東風」-41ミサイルの再度の試験の意義は重大

中国の核兵器は世界の核バランス維持の作用を果たしている

イントロダクション:アメリカメディアの報道によれば、中国の第二砲兵隊は先日山東省某ミサイル基地で成功裏に「東風」-41大陸間弾道ミサイルの最新の試射を行った。ほとんど同じタイミングで、アメリカも「ミニットマン」-3ミサイルの試験を行った。あるいはまさにこの原因のためか、アメリカの上から下まではかつてのように「小さなことを大騒ぎ」することは決してなく、事実に即して中国のミサイルの性能に対し「客観的」評価を行っただけだった。しかし、外人の「冷静」さは、「東風」-41試射成功の重大な意義を全く覆い隠すことはできない‥‥

中国最強の戦略ミサイル

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「アメリカメディア、『東風』-41は10個の分弾頭を搭載可能とする」)

「東風」-41、山西で発射に成功

アメリカの新聞「ワシントンフリービーコン」12月17日の報道によれば、アメリカの安全保障業務担当の当局者は、中国最新の大陸間弾道ミサイル「東風」-41が12月13日に山西省中部の五寨ミサイル・航空宇宙テストセンターで成功裏に着弾目標区に向けた発射を行い、これは中国の第2回目のこの新型ミサイルの試射である、と語った。「東風」-41ミサイルは2012年7月24日に初めて試射を行った。アメリカの情報機構の見積もりによれば、このミサイルは10発もの分離誘導式核弾頭が搭載できる。だが、ペンタゴンのスポークスマンは「ワシントンフリービーコン」がミサイル試験につきコメントすることを要求する電子メールに返信していない。今年5月、アメリカ空軍国家航空宇宙情報センターはレポートを発表し、現有の「東風」-31および「東風」-31A機動大陸間弾道ミサイルの他に、中国はさらに分離誘導式多弾頭を搭載可能な新型遠距離ミサイルを開発中であると提示し、かつ中国の大陸間弾道ミサイルのアメリカに対し脅威を生む弾頭の数は100発を超えるだろう、と指摘した。あるアメリカの国防業務担当当局者は、このレポートの中で言及されているかの新型ミサイルこそ「東風」-41ミサイルである、とする。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「『東風』-41ミサイルは車載機動方式を採用」)

中国最強ミサイル

既知の資料から見て、「東風」-41大陸間弾道ミサイル(NATOのコードネームはCSS-X-10)は「東風」-31ミサイルの発展改良型で、現在中国軍が対外的に発表している戦略核ミサイル系統の中で最も先進的なシステムの1つである。「東風」-41ミサイルは3段の固体燃料運搬ロケットを動力とし、その最大射程はほとんど地球上のいかなるポイントをも打撃できるようにさせる。「東風」-41は多弾頭独立大気圏再突入搭載具(MIRV)技術を採用し、6〜10発の分離誘導式核弾頭が搭載でき、したがって運搬ロケットと分離弾頭のセルフ適応軌道変更を実現している。このようにすれば、それぞれの迎撃ミサイルは最多で1つの分弾頭しか迎撃できず、したがって敵サイドの対ミサイルシステムの機能を大いに下げることになる。車載機動方式を採用しているため、輸送・発射の一体化が実現され、ミサイルの準備から発射始動までを本来の75分間から34分間まで短縮させ、非常に大きく戦場生存能力を向上させている。別の方面では、コンピュータ制御の慣性制御誘導システムを採用すると、ミサイルの最大打撃精度は、1回の修正で精度範囲355m、2回の修正では300m未満となる。

中米ロミサイルの比較

アメリカ空軍グローバル打撃司令部が現地時間12月17日にバンデンバーグ空軍基地から成功裏に1発の「ミニットマン」-3型弾道ミサイルを発射したため、このことは人に、「東風」-41とアメリカ、ロシアなどの国の同類ミサイルにごく自然な連想を行わざるを得なくさせた。まず射程の上で、かつてある外国メディアは「東風」-41は14,000kmに到達できる、としたが、その機動方式が車載であることを考慮すれば、ミサイルの外形寸法が厳格に制限され、このことは射程に影響する。このため、「東風」-41の具体的な射程は、ロシアの「白楊」M(頑住吉注:РТ-2ПМ2)に似た10,000km前後のはずだというのが比較的科学的である。このように、アメリカの「ミニットマン」-3が11,000〜13,000kmをもって首位にランクされ、「東風」-41とロシアの「白楊」-Mは射程方面で同等である。敏捷性の上から見ると、「東風」-41と「白楊」-Mはいずれも機動配備であり、当然より便利に地下発射サイロ内に配備することもできる。一方「ミニットマン」-3は地下発射サイロ内にしか配備できない。このように、中ロのミサイルはいずれもその高度の機動性を利用して射程上の劣勢を補うことができる。命中精度から見ると、当時の「ミニットマン」-3のレベルはずっとロシア、中国などの国がたゆまず追求してきたものだが、現在見ると間違いなく中ロに追い上げられる趨勢にある。

中米ロ3国の戦略ミサイル

中国の「東風」-41戦略ミサイル

アメリカの「ミニットマン」-3戦略ミサイル

ロシアの「白楊」-M戦略ミサイル

中国にもたらすのは単に尊重だけではない

アメリカの頑固なミサイル防衛システム開発は世界の核バランスを破壊した

核独占の地位がソ連によって打破された後、アメリカが核の優勢を再構築することを図っていなかった時は全くない。1950年代からアメリカはもうミサイル迎撃システムを作り出すことを開始した。1983年になって、レーガン政権が提出した「スターウォーズ」計画は米ソ対ミサイル競争をピークに押し上げた。冷戦終結後、アメリカは決して対ミサイル計画を終わらせず、それに対する削減を行った上で逆に実戦配備に投入した。2001年、小ブッシュ大統領は米ソ「対ミサイル条約」からの脱退を宣言し、かつ東欧などの地に加速して陸上基地迎撃ミサイルおよび海上基地対ミサイルプラットフォームを配備することに着手した。オバマ就任後は東欧などの地における対ミサイル計画を放棄したが、1項目の分段階をプッシュし、これはより目的性と操作性を持った対ミサイル方案である。アメリカ人が一歩一歩迫り来るのに直面し、国力衰退のロシアはすでにアメリカと肩を並べる核戦力を保持するのは不可能だった。比較検討の後、ロシアは最終的に「白楊」系列ミサイルに代表される核戦力を優先的に発展させる決定をした。しかし、技術と経費のダブルの重大な制限は、「白楊」ミサイルをアメリカの対ミサイルシステムの面前で明らかに、実力が意気込みに追いつかないものにした‥‥

中国の切り札が核のバランスを取った

近年来、中国の先端国防科学技術領域の急速な発展により、米ロの国力の隔たりゆえに破壊された核のバランスに回復の兆しが現れた。米ロ両国に比べ、核小国である中国が数量膨大な核兵器に頼って敵サイドから来る第1回目の核打撃を防ぐことは不可能である。このため、「我々にもいくつかの核兵器があることは間違いない」の形式をもって「簡単な核バランス」を維持するしかない。まさにこの背景の下に、中国は相次いで「東風」-5、「東風」-31系列大陸間弾道ミサイルを登場させ、もって戦時に第二次核打撃を実行するのに備えている。新世紀に入った後、国力が徐々に増強されるにつれ、中国の核武器庫は数と質いずれの上でも長足の発展があった。「東風」-41に代表される新型ミサイルは射程が長く、威力が大きく、正確に打撃できるだけでなく、数の上でも初歩的な保証が得られた。一方陸上基地中段対ミサイル試験の相次ぐ実行は、中国がまだ核の「長い矛」を磨く努力をしているのと同時に、核を「防ぐ盾」を作り出すことを軽視していないことを示している。中国人の努力は、世界の核バランスを維持する作用を果たしたのである!

各方の声

彭光謙:中国が核兵器を発展させるのは自衛のため

中国は少数の限られた核兵器を開発したが、このようにする目的は自衛のためであり、その他の国の核独占を打破するためであり、決して他意はない。これは「有限にして有効な防御」である。

さらに多くの声

アメリカの専門家、「東風」-41にはあるいは「防御突破装置」があるのではないかと推測

ロシアメディア、「東風」-41の外形は「白楊」-Mに酷似している、とする

アメリカ:中国は「東風」-41を元に「巨浪」-3を研究開発

李彬:中国の核武器庫は「第二次核打撃」を保証できる

中国の核兵器は数の上で、核大国と比べれば非常に多いとは言えないが、我々の限られた数は、敵がこちらに核打撃を行った時、我々も敵に対して有効な第二次核打撃を行うことができることを保証することができる。

さらに多くの声

外国メディア:中国の核威嚇力の向上は「アメリカを不安にさせる」

香港メディア:アメリカはずっと中国を核打撃対象としている

中国の核戦力発展は世界の核の安全に対しメリットがある

ネット仲間の調査

あなたは「東風」-41を次のうちどのように思いますか

遠くを打撃でき、精度が高く、威力が大である 25.76% 308票

依然試験段階にある 13.47% 161票

アメリカの対ミサイル迎撃網を突破できる 19.9% 238票

数が少なすぎる 32.2% 385票

作用が誇大に言われている 5.61% 67票

はっきり言えない 3.1% 37票

総票数 1,196票

中国の陸上基地対ミサイル体系の3つの層

中国戦略ミサイル防御システムの研究開発は「反撃一号」から始まった。これは当時七機部二院(現在の中国航空宇宙機電集団社二院)によって担当されたプロジェクトである。1967年10月、国防科学委員会は「640」工程会議を招集し、正式に対ミサイルに核弾頭を用いる研究開発作業展開の提案を提出した‥‥

結びの言葉

この「東風」-41試験の後、ある外国メディアはそれに関し、中国のために「外部の尊重」をもたらした、とした。実は、この文章の筆者は明らかに中国の核政策を理解していない。近年来中国の核武器庫は数の上でも質の上でも一定の発展があり、しかも初歩的に威嚇力を形成した。だが中国の防御性の核政策は終始変わっておらず、核大国の中で中国だけが依然「核兵器先制不使用」の承諾を遵守しているということもある。この政策は、「東風」-41の平和的属性を決定付けているのだ‥‥


 他国の防御兵器は平和を破壊するもの、自国の攻撃兵器は平和を守るもの、ってよく納得できますね。
















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