朝鮮半島2題

 南北朝鮮に関する直接関係のない記事を2つまとめて紹介します。

http://military.china.com/important/11132797/20141127/19012978.html


朴槿恵、軍の中の腐敗を怒って調査 千億の軍艦が「豆腐渣」と証明される (頑住吉注:「豆腐渣」とは直接的にはおからのことですが、「豆腐渣工程」は建築材料に品質の悪いものを混ぜる手抜き工事を指します。)

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「韓国海軍の先進的な駆逐艦」)

【グローバル時報駐韓国特約記者 王剛】 韓国メディアから「腐敗のデパート」と呼ばれる国防産業調達のスキャンダルは発酵を続け、大統領朴槿恵は何度もこれにつき態度表明している‥‥「絶対に妥協せず、徹底調査し、一罰百戒を図る」と。韓国メディアは連日来、最も先進的な軍艦が「漁業用レーダー」を装備していることを痛烈に批判し、「腐敗を厳密に調査し、制度建設を強化すべし」との声を上げている。韓国の監察院はすでに史上最強の「ドリームチーム」調査団を編成して兵器調達の腐敗に照準を合わせ、コンビネーションパンチを繰り出す準備をしている。

韓国の「京郷新聞」26日の報道は、国防産業にはスキャンダルが絶えず、大統領朴槿恵は25日国務会議を主宰した時に火力全開で、「国防産業には多くの腐敗の弊害があり、財政税収を浪費する鎖状の連なりを断ち切り、国民に向け問題をはっきりと語ることが必須であり、この問題の上で妥協の余地はない。」とした。朴槿恵はさらに、国防の腐敗に関わった嫌疑のある「ダニ」を捕まえ、「一罰百戒」とすることは大いに必要だが、より重要なのは制度の上で遅れず問題点を調査して欠陥を補うことだ、と強調した。

朴槿恵を激怒させたのは韓国海軍最新世代救援艦「統営」号のスキャンダルである。2012年9月、韓国の1,590億ウォン(1人民元は約180ウォンに相当)の資金を費やした新型多機能救援艦「統営」号が進水し、当時メディアはそれを「韓国初の自主研究開発された最先端の海上救援艦」と描写した。この艦は去年10月に海軍に引き渡される計画だったが、ソナーなど核心的設備に故障が頻出したため、海軍は今に至るも受領を拒絶している。今年の「歳月」(頑住吉注:セウォル)号沈没事件発生後、本来厚い期待が寄せられていた「統営」艦は何と救援に参加できず、兵器調達の不正事件が明るみに出た。

韓国司法部門は事後調査し、海軍が41億ウォンの価格で、実際の価値2億ウォンのソナー設備を購入したことを発見した。人を驚かせるのは、このソナーが何と1970年代に建造された「平沢」艦のそれと同一の機種だったことである。メディアは次々に、韓国最新軍艦が装備するソナーは何と「漁業用ソナー」であると痛烈に批判した。11月6日、この事件の「ブローカー」と指摘された元海軍大佐金某はアメリカのソナー会社から金品を受け取ったことが原因で逮捕され、この事件は依然調査中である。

(頑住吉注:これより2ページ目。キャプションは1ページ目と同じです。)

韓国の「中央日報」は、韓国監察院は24日「国防産業腐敗特別調査団」を始動させ、これは同院が1963年に創設されて以来、軍の腐敗問題に照準を合わせた最強の陣容である、とする。責任者はかつて軍隊の腐敗の徹底調査を主導し、かつ2名の国防大臣と4名の将軍を引きずりおろした監察院第二事務次長文浩承で、その下には腐敗摘発の専業監察官、検察官、部隊検察捜査官および警察庁、国税庁、関税庁、金融監督院などの33名が属する。韓国監察院はさらに、5名の「ブローカー」に充当された元専業将校が不法に国防産業に従事した事件を発表した。彼らは毎週たった1、2日業務し、毎年の収入は数千万ウォンにも達したという。

韓国の「国民日報」26日発表の社説は次のように論じた。「腐敗のデパート」と呼ばれる「統営」艦の一件はまだ真相が調査により明らかにされておらず、韓国国防産業庁はそれにもかかわらず海上救助艦が過度に老化していることを理由に海軍にこの艦の受領を要求しており、史上最大の監察団が成立したという時、国防産業庁のやり方には「わざと覆い隠す」のきらいがある。朴槿恵はすでに公開で真相を調査し明らかにする必要があると態度表明しており、関係の方面がする必要があるのはあわててこの艦をどうこうすることではなく、果断に腐敗を摘出し、かつより完備された調達体系を建立すべきことである。

「韓国経済」は次のように考える。韓国軍は最近各種軍需物資や武器装備調達に関するスキャンダルが絶えず、先進的な艦船がこれに関わっている疑いがあるだけでなく、韓国軍から「国産武器の花」と奉られるK-11サブマシンガン、自走砲、戦闘車両のエンジンなどにさえ出現する不正事件も数十回に達し、韓国国防産業の腐敗問題は深刻である。また、兵器調達に関する秘密漏洩、武器に対し評価を行う過程での相手方からの賄賂受け取り、不合格の軍用品の受領などのスキャンダルも1回や2回ではない。韓国連合通信社は26日、陸軍第32師団の下に属する某部隊のある初級幹部が2.2億ウォンの軍事費予算を横領したことが原因で調査を受けているところである、とした。この人物が横領したのは兵士の食物購入費と交通費で、横領した金はネットゲームのアイテム購入、産業への投資、借金返済などの方面に用いられた。分析は、今回の調査の結果がどうであろうと、韓国軍は現有の軍備調達体系を改変することが必須で、国防産業は競争力と透明度を向上させ、「今回の腐敗徹底調査を契機に、韓国の関連の産業の新たなる飛躍を実現する」ことが必須であると考える。

(頑住吉注:3ページ目)韓国海軍の「世宗大王」級イージス駆逐艦

(頑住吉注:4ページ目)韓国海軍の「独島」号強襲揚陸艦


 まあ誰でも金は欲しいでしょうけど、常に臨戦態勢にある韓国でこういうことをしたら結果的に同胞が大勢死ぬことになるかもしれないと分かっていてこういうことをするというのはあまりにも悪質です。セウォル号事件でせっかくの最新救援艦が役に立たなかったことも国民の怒りを強めているわけですね。横領した金の使い道の1つが「ネットゲームのアイテム購入」というのはいかにも現代だなあという感じです。

http://military.china.com/important/11132797/20141127/19013307.html


専門家:中国がもし朝鮮半島を放棄したらあるいは戦火が再び起こるか 疑いなくアメリカに大きなプレゼントを贈ることになる

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「金正恩、朝鮮軍の上陸作戦演習を指導:多くのホバークラフトが浜へのし上げる」 なおこの記事のキャプションは全てこれと同じです。)

北朝鮮という65年来のパートナーを「放棄」することはできない

李敦球


ここ何年か中国には不断に中朝関係を否定する声が出現し、「北朝鮮放棄論」を叫ぶ声が中国世論に時として出現し、それは一部の中国の戦略学者の提案にさえなっている。中朝国交樹立65年後の今日、いかに中朝関係を扱うかは、食い違いが非常に大きいだけでなく、しかも問題が異常に深刻であることが見て取れる。

「朝鮮放棄論」を主張する人には主に2つ理由がある。1つは伝統的な地縁政治観念はすでに時代遅れで、現代の戦争はすでに地縁的障壁を必要とせず、北朝鮮は中国の戦略的障壁に充当する作用を失っている、というものである。もしこの理論が成立するならば、何故アメリカは韓国や日本から軍を撤収させないばかりか、逆にその軍事的プレゼンスを不断に強化しつつあるのか。疑いの余地なく、朝鮮半島の地縁的価値は依然存在している。第2は中朝間には多くの矛盾、摩擦、食い違いが存在し、国際的な事柄の上で北朝鮮はある時には中国の話を聞かず、中国のマイナスの資産となっており、このため中国は北朝鮮を「放棄」すべきだという。この理由はより煽動の性質を持つようだ。だがこれは表層の現象に過ぎず、全く細かい論証には耐えられない。

まず、中朝は2つの独立した主権国家であり、国益が完全に同じということはあり得ず、あらゆる事情に全て協調、一致が達成されるということもあり得ない。同盟国間であっても、あるいは多くあるいは少なく、矛盾や食い違いは存在している。問題は矛盾の性質を区分し、かつ矛盾をうまく管理コントロールする必要があることだ。

(頑住吉注:これより2ページ目)

第2に、現在の中朝の矛盾は性質の上で中日の矛盾とは異なる。中日の矛盾は領土領海、歴史認識、東アジアの地縁政治構造などの問題に関わり、戦略レベルに属し、調和できない矛盾である(頑住吉注:ああ、できないんだ)。中朝関係が当時の中ソ関係決裂の轍を踏むこともあり得ない。何故なら中国は当時のソ連ではなく、北朝鮮をコントロールすることを望んでもいないし、また不可能でもあるからである。北朝鮮も中国が当時ソ連に対抗したような力量を全く持っておらず、北朝鮮は社会主義政治体制であって、北朝鮮には中国に取って代わる地縁政治的選択肢は存在し難い(頑住吉注:ベトナムというわけにもいかんでしょうからね)。中朝の友好は双方共通の需要で、中国の独りよがりの願望ではない。

第3に、北朝鮮問題は本質の上で冷戦が残した問題であり、この問題は朝鮮半島の冷戦の基盤すなわち「停戦協定」および「米韓同盟」と一体である。北朝鮮は自身の生存と安全のため、ある時には止むを得ず「孤軍奮闘」する。2つの冷戦の基盤が除かれなければ、北朝鮮問題も長期にわたり存在し、中朝関係も必然的にその影響を受ける、ということが肯定できる。こうであっても、中朝両国は地縁政治上の根本的利益が一致しているのであって、少なくとも東北アジアの地縁政治構造に根本的変化が発生する前、中朝両国の根本的な利益が変わることはないだろう。

一歩譲って、もし中国が「北朝鮮を放棄」したら、以下の3種の結果が出現する可能性がある。第1は北朝鮮が中国の他の第三国の抱擁に身を投じるというもの。第2は北朝鮮が敵対する各方の政治、経済、軍事の上での共同の封じ込めと圧力の下に崩壊するというもの。第3は北朝鮮が孤立無援で決死の一戦を行い、朝鮮半島に戦火が再燃するというもの。これらどの種の結果も全て中国にとって不利で、さらには再度海洋勢力を引き込んで全朝鮮半島を支配させる可能性があり、そうなればまた歴史上の大タブーを犯すことになる。甲午戦争の起因はまさに日本と清朝が朝鮮半島を争奪して引き起こされたのであり、その余波はなお存在している。現在ではアメリカが日本に取って代わり海洋勢力として朝鮮半島の秩序を規制しており、もし中国が「北朝鮮を放棄」したら、アメリカは当時の朝鮮戦争の中でさえ得ることがなかった戦略的利益を改めて獲得する可能性がある。戦略ミスゆえにアメリカに大きなプレゼントを贈ることは是非とも避けなければならない。「北朝鮮放棄」を主張するのは本当に傷が癒えぬうちにもう痛みを忘れる人だと言うべきである。(筆者は浙江大学韓国研究所客員研究員)


 これも「中国からはこう見えるんだ」という意味で興味深い論でした。中国が放棄しなくたって北朝鮮は崩壊するかもしれないわけですが、その場合中国はどう動くつもりなんでしょうかね。

















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