北朝鮮特殊作戦軍設立の意図は

 先日は装備に対する突っ込みを紹介しましたが。

http://military.china.com/important/11132797/20170421/30445855_all.html#page_2


北朝鮮の「特殊作戦軍」を解読:米韓の斬首行動を防御する盾

4月15日、北朝鮮は今は亡き元指導者金日成生誕105周年を記念する閲兵を行い、検閲されるスクエアチームを紹介する時順に人民軍海軍、航空および対航空軍、戦略軍と特殊作戦軍を挙げた。これは北朝鮮特殊部隊初の「特殊作戦軍」の名目でのお目見えで、それが将来海軍、空軍同様、独立した軍種となることを象徴的に示している。

現在半島情勢は不断に悪化し、米韓が北朝鮮に対し外科手術式打撃を実施しようと威嚇する背景の下、北朝鮮が特殊部隊の規模を拡大し、特殊作戦軍を成立させることは、米韓の「斬首行動」に有効に対応できるのだろうか?

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「閲兵式での北朝鮮特殊作戦軍」)

「将軍の短剣」

北朝鮮特殊作戦部隊は長期的にずっと神秘の色彩に満ち、世の人に熟知されていない。公開の材料がはっきり示すところによれば、現在北朝鮮特殊部隊の人数は約8〜12万人前後で、世界の前列におり、正真正銘の「特殊部隊大国」である。これには19個作戦旅団と17個偵察大隊が含まれ、通常ナイフ、消音拳銃(頑住吉注:どんな機種か気になります。マカロフPB、中国の67式のコピーとかでしょうか。それとも国産のCz75コピーの消音型でしょうか)、旧式なチェコ製Vz-61ミニサブマシンガン、AK-47自動小銃あるいはM-16小銃、手榴弾、ハイエクスプローシブ爆薬、RPG-7あるいはAT-3ロケットランチャー、60あるいは83mm迫撃砲、SA-16携帯式地対空ミサイルなどを装備する。アメリカのグリーンベレー、イギリスのSAS、ドイツのGSG-9など世界の著名な特殊部隊の装備に比べると、非常に大きな隔たりがある。

だが、北朝鮮特殊作戦部隊はそれにもかかわらず世界で最も強大な精神的意志を持ち、そのメンバーはいずれも普通の部隊の中で4〜7年就役し、政治的に絶対信頼でき、イデオロギーの上で完全に朝鮮労働党に忠誠な兵士の中から選抜されている。

特殊部隊入りした後さらに超越的に強い身体能力、軍事技能および語学の訓練を行う必要があり、歴史的に何度もの行動の中でいずれも非凡なパフォーマンスがあった。例えば、1968年1月21日、31名の北朝鮮特戦隊員が変装してひそかに軍事境界線を越えて韓国に進入し、朴正煕大統領を暗殺しようとした。発見された後、自らの何十倍の韓国軍、警察と激烈に交戦し、最終的に28人が青瓦台付近で戦死し、1人が捕虜にされ、残る2人は北朝鮮に逃げ戻った。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「この時の事件を元に改変してできた韓国映画『実尾島』の中の北朝鮮特殊部隊兵士」)

北朝鮮に逃げ戻った2人のうち、1人は銃弾が命中して内臓破裂して腸が流れ出したが、何と手で傷口を押さえて全過程を走破し、その驚異的な軍事的質を見るに足り、世の人を刮目して見させる。

まさにその任務の柔軟性と超越的に強い戦闘力ゆえに、北朝鮮特殊部隊はずっと「将軍の手中の短剣」と呼ばれ、北朝鮮の歴代の閲兵式に参加し、かつスクエアチームでの順序は前寄りで、その地位が一般とは異なることが見て取れる。まさにそれが検閲台を通過する時に北朝鮮テレビ局がアナウンスしたように、「最高司令官が一声命令を下しさえすれば、特殊作戦軍はすぐに白頭山の閃電のように、勇敢に敵の心臓の真ん中を刺し通すだろう!」

一歩一歩迫る

斬首行動は簡単で素早い作戦方式で、動員する必要のある軍備は多くなく、たった何機かの飛行機、数十発のミサイル、制御誘導爆弾だけで、過去は天地を覆う大規模な機群や無数の地上部隊でも完成が難しかった任務がもう完成できる。特殊部隊は斬首戦術の標準装備で、敵後方に潜入して奇襲を発動することにより、敵の首脳に対し暗殺が行えるだけでなく、さらに目標に対し位置決定を行い、正確火力打撃を誘導することができ、このため各国の歓迎の対象となっている。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「人々の一般の認知の中の北朝鮮特殊部隊のイメージ」)

最近北朝鮮が不断に核実験やミサイル試射を行うのと共に米韓は、大規模地上戦の発動が支払う代価はどんどん大きくなると考え、このため元々の地上進攻を中心とする作戦方案を徐々に調整し、斬首行動を含む外科手術式打撃を使用することをより多く仮想し、一方においては北朝鮮の核心的施設を定点クリーニングすることによって、できる限り早く北朝鮮の核ミサイルの脅威を解除し、もう一方ではその首脳機関と最高指導者を殲滅し、その抵抗の意志を打撃し、最終的に指導者がおらず政権崩壊という結果ををもたらすというものである。

このため、近年来不断に行われる米韓合同軍事演習の中で、斬首行動はどんどん重要な演習内容となり、これには「北朝鮮の核心的施設の打撃」、「北朝鮮戦争指揮部の排除」、「秘密裏の平壌浸透」など志向性の極めて強い演習科目も続々展開されている。

例えば、最近行われた「フォールイーグル・キーリゾルブ」米韓合同軍事演習の中で、アメリカ特殊部隊はほとんど根こそぎ出動し、特に当時ビン ラディンを射殺した海軍特殊作戦研究大隊、すなわちシールズ第6分隊も含まれ、北朝鮮に対し極めて大きなセンセーションを構成した。作戦の手配を根拠に、もし朝鮮半島に全面的戦事が発生したら、こうした演習に参加した特戦部隊は秘密裏に平壌に浸透進入し、北朝鮮上層部に対し「定点クリーニング」を行い、かつ北朝鮮の軍事指揮機構を爆破する。

一方斬首行動とコンビネーションするため、米韓はさらに朝鮮半島に鳴り物入りの軍事配備を行い、F-35ステルス戦闘機、B-2ステルス爆撃機を含む各種戦略武器が続々と韓国に到着し、「THAAD」システムの韓国への配備も徐々に展開されている。

3月13日、米軍は12機の「グレイイーグル」無人機を韓国に配備すると宣言した。これは米軍最新の無人攻撃機で、「プレデター」から改良されてできたもので、280km/hをもって30時間不断に飛行でき、4発の「ヘルファイア」ミサイルと4発の「バイパーストライク」制御誘導爆弾が搭載でき、作戦半径は全半島をカバーし、その主要な任務は韓国の空域を巡航して北朝鮮軍の情報を捜索収集し、あるいは軍情急を告げた時には北に飛んで「斬首」任務を執行し、空中から正確に北朝鮮サイドの首脳機関を打撃し、戦争指揮部を破壊することである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「『グレイイーグル』無人機」)

一方韓国の報道によれば、アメリカの「カールビンソン」号原子力空母打撃群も最近朝鮮半島東南の公海に到着し、日本の横須賀に停泊する「レーガン号」原子力空母は4月末に韓国周辺海域に行く。また、アメリカ西海岸のもう1つの母港に位置する「ニミッツ」号も、現在一段と力を入れて艦隊訓練を行い、既定の訓練項目を完成させた後、やはり続く何ヶ月かで出港し、太平洋を横断することになる。

今後何ヶ月かで、朝鮮半島周辺海域には2隻の空母、甚だしきに至っては3隻の空母が同時に出現するシーンが出現する可能性があり、北朝鮮に対し武力行使する兆しはどんどん顕著になる。

米韓のこうした一連の挙動は、まるで一回また一回と利剣で刺すかように、直接的に北朝鮮の脆弱な神経を刺し、迫られて相応の措置を採って対応せざるを得なくさせる。北朝鮮の今回の特殊作戦軍建設は、アメリカに向け絶対に屈服しない意志と決意を表明するものに他ならない。

おそらく願い通りにはなり難い

表面的に見れば、米韓が北朝鮮に対し実施する「斬首」行動は確かに最も「経済的」かつ「簡潔」な選択でなくもないが、実際にオペレーションすれば、各種要素の影響を受けるため、効果は想像するように顕著であるのにはほど遠いものとなり、非常に大きな不確定性を持つ。

まず、北朝鮮は米韓の斬首行動に対し高度に防備し、充分な準備を整えている。何十年来、北朝鮮は戦争の随時勃発に対応するため、充分な準備をし、かつ斬首行動がもたらす可能性のある結果を充分に認識している。

事実、北朝鮮も何度も特殊兵を派遣して韓国に潜入させ韓国首脳を暗殺する斬首任務を執行している。

最高指導者が戦時に斬首打撃されるのを防止するため、北朝鮮は何十カ所にも達する指導者の住所を修築済みで、かつ全部堅固な地下指揮部あるいは掩体を建設しており、かつ四方八方に達する地下交通路を配し、もって斬首打撃を避け、米軍は金正恩が真に身を隠している地点を確定し難い。

斬首打撃の最も基本的な条件として、もし斬首される対象が身を隠している地点さえ確定し難かったら、それでどうやって斬首を語るのか?

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「北朝鮮国内には密かに視察する哨兵が隠れていないところはほとんどない」)

次に、北朝鮮の特殊な国情もアメリカに斬首行動を実施させ難くさせている。斬首行動は特殊兵を派遣して相手方の国の後方に深入りさせて実施する必要があり、このため所在国の状況に対する充分な了解を必要とするが、北朝鮮は長期にわたり西側諸国と隔絶、対立し、防衛制度が非常に厳密で、至る所に検査歩哨所があり、電子傍受能力も非常に強く、特に山頂は隠蔽に使うものが少なく、道路が少なく、米韓の特殊部隊は北朝鮮国内に非常に進入し難く、もしチャンスを得て進入しても、ごく容易に発見され、充足した支援保障が得られない。

歴史上米軍はラディンに対する斬首実施に成功したが、この成功の経験は決して北朝鮮には適用されない。

最後に、これは最も重要なことでもあるが、北朝鮮特殊部隊は数が多いだけでなく(10万人余りもの多さとされる)、しかも作戦意志が強固で、忠誠度が非常に高く、全力で死を賭して金正恩に忠誠を尽くすことを光栄とし、将来もし単独の軍となれば、北朝鮮武装力量の中で最高の訓練水準を持つことになる。

米韓の特殊部隊は北朝鮮国内に進入した後、人数でも戦闘力方面でも、必ずしも北朝鮮特殊作戦軍の相手ではない。

しかも、北朝鮮は現在核兵器と各種の機種のミサイルを持ち、非常に強い報復能力を持ち、ひとたび斬首に失敗すれば、半島が未来永劫元通りにはならない深淵に陥る可能性が高く、これはおそらく米韓が斬首行動の実施を忌みはばかる要素でもある。


 この前の記事では北朝鮮特殊部隊の装備にはいろいろ問題があるようでしたが、途中出てきた「人々の一般の認知の中の北朝鮮特殊部隊のイメージ」に比べれば大進歩なのは確かでしょうし、地の利も合わせれば少数の米韓の特殊部隊が対抗するのは困難でしょうね。




















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