チェチェン指導者殺害事件の真相が明らかに

 最近秘密解除になった情報を元にしたという「歴史秘話」ものの記事です。

http://military.china.com/history4/62/20150421/19559190.html


チェチェン匪賊の頭目ドゥダイェフ「斬首」:2発のミサイルが彼を灰燼に帰す (頑住吉注:「斬首」は暗殺などの意味に使われることも多いようです。)

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ドゥダイェフの白のベンツは爆発によって屑鉄となった」)

1996年4月21日の夜、元チェチェン匪賊の頭目で、初代チェチェン「大統領」を自認するドゥダイェフが広野で衛星電話をかけていた時、ロシアの特別行動チームによって発見された。チームは迅速にGPSによってドゥダイェフの位置をロックオンし、しかる後に正確で誤りのないデータを24時間臨戦態勢の空軍に伝えた。ロシア戦闘機は直ちに目標に向け2発の自動位置決定空対地ミサイルを発射し、ドゥダイェフはたちまち灰燼に帰した。知る人が少なかったのは、ロシア当局がドゥダイェフ「斬首」のため、事前に100万アメリカドルの大金を費やして内通者を買収し、彼がチェチェンの某小さな山村に身を隠しているという重要な情報を獲得していたことである! 時15年を隔て、4月21日の「共産党青年団真理報」がこれに関し独占的に秘密を明らかにした。

ロシア当局の暗殺襲撃を3回逃れる

1991年10月、元ソ連空軍少将ドゥダイェフは武力でチェチェン現地政権を転覆させ、かつチェチェン初代「大統領」に選出されたと自称した。その後、ドゥダイェフはチェチェン非合法武装勢力を建設し、ロシア中央との対抗を開始した。ロシアによって「匪賊の頭目」と見なされたドゥダイェフはこれよりエリツィン政権の重点的打撃目標となった。

ドゥダイェフを排除するため、ロシア安全保障機構は一切の手段を動員し、これには飛行機での爆撃、待ち伏せ攻撃、暗殺などが含まれた。だがドゥダイェフは毎回必ず幸運にも逃げ延びた。

第1回目、狙撃手が良いチャンスを逃したため、ドゥダイェフは九死に一生を得た(頑住吉注:もうちょっと詳しく知りたいすね)。第2回目、ドゥダイェフの乗った自動車が1発の事前に埋設された地雷の爆発によってさかさまにひっくり返ったが、彼はちょっと傷を負っただけだった。第3回目、ドゥダイェフが身を隠す建物が1発の空対地ミサイルの命中を受けたが、彼はそれにもかかわらずその5分前に幸運にも爆発現場を離れていた。

エリツィン、「斬首」実施を自ら決定

1996年3月、大統領再任を図るエリツィンは選挙の必要性から、チェチェンでの軍事行動を停止し、段階的に軍を撤退させ、議会選挙を行い、かつ仲介者を通じてドゥダイェフとチェチェンの地位の問題を談判することを宣言したが、思いがけず拒絶に遭った。同年4月中旬、ドゥダイェフはチェチェン反政府武装勢力に、チェチェンのシャトイェ地域で任務を執行中のロシア軍第245歩兵連隊を奇襲するよう命令を下し、その場で同連隊90人の死亡、50人の負傷がもたらされた。エリツィンは激怒し、ドゥダイェフに対する「斬首」行動の実施を命令した。

「斬首」行動はロシアの二大情報機構であるGRU(ロシア軍事情報総局の略称)とFSB(ロシア連邦安全保障局)による連携しての行動で、同時にロシア空軍によって協力が担当されたとされる。2名の当時行動に参加したGRUの将校ウラジミール ヤケフリェフおよびユーリ アケシェノフの回想によれば、この時の「斬首」行動は異常に絶対的な秘密事項で、今日に至るも某いくつかの行動の詳細は依然秘密解除されていない。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「ドゥダイェフ」です。)

100万アメリカドルで身を隠す場所の手がかりを求める

ロシア秘密情報機構の眼中では、ドゥダイェフは「動物的な直感」を持ち、毎度毎度カギとなる重要な時に狩り殺しを逃れることができ、かの「ゴールドメダルスナイパー」たちであっても彼をどうすることもできないのだった。長時間の追跡と探索を経て、ロシア情報機構は最終的に100万アメリカドルにも達する代価をもって、ある内通者からドゥダイェフの身を隠す場所を知った‥‥グロズヌイ市西南の郊外のGekhi-Chuという山村である。

実はエリツィンが選挙で大統領に再任された時、巨額の資金援助を得ていた。ドゥダイェフというこの目の上のたんこぶを排除するため、彼は元手を惜しまなかった。しかしロシアの特別行動チームが歓喜に満ちてGekhi-Chu村に駆けつけた時、ドゥダイェフはそれにもかかわらず遅々として姿を見せず、そこで彼らは内通者にだまされたのではあるまいかと疑い始めた。

衛星電話が行方を「売る」

幸いなことに、特別行動チームはあらかじめ複数の逃げ道を用意する狡猾なドゥダイェフが平時主に1台の海事衛星電話に頼って外界と連絡を取っていることを知った。この通信ツール最大の弱点は容易にGPSグローバル位置決定システムによってロックオンされ、したがって目標として暴露することである。しかしロシア軍戦闘機がもし北オセチアのモズドク市の空軍基地からGekhi-Chu村に到達するとなると、少なくとも7〜8分間を必要とする。だが狡猾なドゥダイェフは目標として暴露することを防止するため、ずっと通話時間が5分間を超過しないようにしており、数回の「斬首」行動がこれにより失敗していた。

長時間待って、チャンスがついに到来した。1996年4月21日夕方6時前後、ドゥダイェフはグロズヌイ市から西南約30km以遠の広野で衛星電話を使用した。この時彼の通話時間は平時に比べ少なくとも3倍長かったため、ロシア特別行動チームは衛星位置決定によって迅速に彼の具体的位置をロックオンし、しかる後に正確で誤りのないデータを24時間臨戦態勢の空軍に伝達した。ロシア軍戦闘機は直ちに目標に向け2発の自動位置決定の空対地ミサイルを発射した。

2発のミサイルが彼を灰燼に帰す

当時ドゥダイェフとその妻、助手およびボディガードはその身をGekhi-Chu村の外のある山野の空き地に置いていた。手に衛星電話を持つドゥダイェフは白いベンツの車内にいたが、その場で車ごと爆破され灰燼に帰した。

ドゥダイェフの未亡人アンナ ドゥダイェワの回想によれば、爆発発生時彼女は夫から20m離れた位置に立っていた。2回の爆発の轟音と共に、オレンジ色の火炎が天に噴き上げ、ドウダイェワが夫を探そうとした時、ドゥダイェフの死体はとっくに谷まで飛んで落下していた。元アメリカ駐ロシア大使ピーテリンはかつて、ドゥダイェフのかの「臨終の電話」はエリツィンにかけていたのだ、とした。これに関しドゥダイェワは訂正し、かの電話はロシア・チェチェン間の斡旋の使者であったコンスタンティン ボロヴォイーにかけていたのだ、と指摘した。

エリツィン、報告を聞いて狂喜する

提示しておくに値するのは、ぬか喜びを避けるため、ロシア情報機構がその夜には決してまだいち早くエリツィンにこの「特大の喜ばしい情報」を報告しなかったことである。彼らがチェチェン反政府武装勢力の秘密電文をキャッチしかつ解読した時になると、親玉はすでに深い眠りに落ちていた。4月22日昼、ハバロフスク市を訪問していたエリツィンはクレムリン宮殿代表団と現地のあるホテルで共に昼食をとっているところだった。その席に突然情報担当の当局者がやってきて、かつエリツィンにいくつかの言葉を耳打ちした。

喜びを顔に出したエリツィンはその後その席を離れ壁1枚を隔てた客室に来て、自らロシア連邦安全保障局(FSB)責任者に電話し、あらゆる特別行動チームメンバーに向け感謝を表明し、かつ彼らを「英雄」と呼んだ。狂喜するエリツィンが食卓に戻ってきた時、彼は皆に祝杯を挙げることを提案し、かつ「今日は盛大な祝いの日だ」とした。

ニュース資料

チェチェン「独立」の父


ジョハル ドゥダイェフ(1944年2月15日〜1996年4月21日)、元の名ジョハル ドゥジ ムシー、小さい頃に家族と共にカザフスタンに強制移住させられ、1957年になってやっと故郷に戻った。元々は職業飛行員で、かつては戦略爆撃機師団の師団長を担当し、かつて12回にわたってソ連政府の叙勲を獲得し、1987年にはエストニア駐留軍司令を担当した。

1991年9月6日、すなわちソ連に「8.19」事件が発生してほどなく、ドゥダイェフは武力に頼って現地のソビエト政権を転覆させた。10月、チェチェンは共和国大統領および議会の選挙を行い、ドゥダイェフが大統領に当選した。11月、すなわちソ連解体直前、ドゥダイェフは命令を発し「主権国家」たるチェチェン共和国を成立させ、かつすぐにチェチェン国民防衛隊を組織した。これ以後、ドゥダイェフを大統領とするチェチェンは1992年のロシア連邦条約にも署名しなかったし、1993年のロシア議会選挙にも参加せず、「独立」の道をどんどん進んでいった。

ロシア当局は1994年12月にチェチェンに出兵した。だがチェチェン武装勢力はずっと武装放棄を拒絶し、この内戦が20か月の長きにわたって持続する結果をもたらしたが、ドゥダイェフは戦争中に殺害された。


 この作戦はアメリカにとってのビンラディン殺害に匹敵するほど重要なものだったんでしょう。最後の電話の相手に関してですが、エリツィンが時計を見て「ところで何か聞こえないかね?」と聞き、ドゥダイェフが答える間もなく電話から爆発音がして通話が切れ、エリツィンがにやりと笑う、という話にした方が面白いですから尾ひれがついたのも分かる気がします。映画ならまあそういう演出にしたいところですわな。

















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