中国軍高官がアメリカ原子力空母、ボーイング社などを視察

 全体的には緊張に向かっているように見える両国ですが。

http://www.hinews.cn/news/system/2015/06/08/017606327.shtml


範長竜、米軍原子力空母視察へ アメリカ、すでに事前に秘密漏洩防止配備

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:中央軍事委員会副主席の範長竜上将は八一ビルで来訪したアメリカ国務長官ジョン ケリーと会見した。」)

【グローバル軍事報道】 アメリカの「ディフェンスニュース」ウェブサイト6日の報道によれば、中共の中央軍事委員会副主席である範長竜は今週アメリカを訪問する。範長竜はボーイング社のシアトルに位置するある工場、3カ所の米軍基地、「レーガン」号原子力空母を視察することになる。中国の専門家は、中米両軍の高官は相互訪問では対等の原則を遵守し、このためアメリカメディアが明らかにする行程に照らせば、「通常科目」に属するに違いないが、選択される視察の地点には非常に代表性があり、両軍の相互信頼の増加、交流促進に有利である、と考える。また「ディフェンスニュース」は、南海の島礁、ネットワークの安全が双方の討論の重要な議題となる、とする。

3カ所の基地と1隻の空母を訪れることになる、とされる

「中国の高官、ボーイングの工場を訪問へ」、「ディフェンスニュース」ウェブサイトは6日この題をもって範長竜のアメリカ訪問の行程と議題を報道した。報道は、ペンタゴンのスポークスマンが今回の訪問が事実であると確認し、これにはボーイング社のシアトルにある非軍用工場の視察計画が含まれる、とする。報道は、今回の会談の背景に言及した時、ある米軍高級当局者は南海の島礁の議題が範長竜とアメリカ国防長官カーターの11日におけるワシントンでの会談の時の主要な議題となる、とした。また、ネットワークの安全も議題の範囲内となる。

報道は、ワシントンでの会談の他、範長竜はカリフォルニアのノースアイランド海軍航空基地、サンディエゴに位置する海兵隊新兵訓練兵営を訪問し、続けて「レーガン」号原子力空母を視察し、しかる後にテキサス州のフォートフッド基地に行く、とする。

ある姓名を明らかにされたがらない中国の軍事専門家の説明によれば、アメリカメディアの発表した状況に照らせば、今回の視察のいくつかの基地と装備はすこぶる代表の意義を持ち、空軍を除き、その他の軍種の基地を全て視察することになると言える。サンディエゴの海兵隊新兵訓練兵営の他、同様にサンディエゴに位置するノースアイランド海軍航空基地はアメリカ海軍航空隊誕生の地であり、ここの海軍基地は同時にアメリカの2隻の空母およびその艦載機連隊の母基地である。フォートフッドはアメリカ陸軍に属する基地で、アメリカ陸軍現役装甲部隊最大の本土の基地である。範長竜上将が乗り込む「レーガン」号空母は、「ワシントン」号空母に代わって日本の横須賀軍港への長期駐屯に用いられることになる。中国の専門家は、全体的に言って今回視察する基地と装備は「通常科目」に属し、去年解放軍総参謀長の房峰輝が訪米して視察した基地と同等である、と考える。

視察は対等の原則を体現

「ディフェンスニュース」の報道によれば、あるアメリカ軍の高官は、こうしたいくつかの都市を選択したことは、「一定程度上我々が中国人にどういったものを見せたいか、および彼らがどういったものを見たいかに基づいている。」とした。ある中国サイドの軍事専門家は「グローバル時報」に、中米間の軍事交流と相互訪問が体現するのは平等の原則で、一体何を見るのかも双方が相談してのことだ、と教えた。

中国サイドはかつてアメリカサイドの来訪した当局者に第二砲兵司令部、多くの空軍基地、海軍基地を開放したことがあり、開放の程度は非常に高い。中国海軍、空軍はいずれもかつて最も先進的な装備をアメリカサイドの高官に見せたことがある。例えば、2011年7月11日、アメリカ参謀長連席会議主席のマレン上将が招待に応じて中国を訪問し、当時副総参謀長の任にあった馬暁天空軍上将の随伴の下に済南空軍航空隊の某部を訪問し、かつ自らこの部隊の殲ー11戦闘機に乗り込み、コックピット内で飛行機の性能を詳細に理解した。2013年9月26日、アメリカ空軍参謀長マーク ウェールズ上将が訪中した期間、彼は中国の現役主力戦闘機である殲ー10を視察し、かつコックピットに座った。殲ー11および殲ー10戦闘機はいずれも中国が当時装備する最も先進的な重戦闘機および軽戦闘機だった。2014年7月15日、アメリカ海軍作戦部長ジョナサン グリーンナス上将が訪中した時、中国海軍総本部に入った。7月17日、グリーンナスはまた大連に位置する旅順海軍基地にやって来て、中国海軍の最も新しく就役した056型護衛艦580号大同艦と230号039B型潜水艦に乗り込んで視察を行った。この2隻の艦艇はいずれも中国同類艦艇の最も先進的な水準を代表している。アメリカの当時国防長官の任にあったへーゲルは2014年4月に訪中した時、かつて中国空母遼寧艦に乗り込んだ。

当然アメリカサイドも中国サイドに向け水準が同等な武器装備を見せたことがある(頑住吉注:アメリカと中国の兵器を直接比較して同等だというのではなく、相互の最もランクが上の兵器を見せたから同等だ、ということですね)。2011年5月、当時中国人民解放軍総参謀長の任にあった陳炳徳が訪米した期間、アメリカの最も先進的なF-22戦闘機を視察した。中国サイドの視察した当局者はアメリカのF-15戦闘機に乗って同乗体験飛行も行った。2014年5月、解放軍総参謀長の房峰輝上将は訪米の期間、かつて「レーガン」号空母と「コロラド」号沿海域戦闘艦を視察した。

視察の路線には深い意味が大いにある

「ディフェンスニュース」の報道の中にはさらに、中国サイドのボーイング工場視察に対し秘密漏洩の心配ありやなしやの心配が表明されている。文章はあるアメリカサイドのスポークスマンの話を引用し、ペンタゴンはすでに適当な防護措置を取った、としている。

ある中国の軍事専門家は、アメリカの空母など大型主戦装備および高度科学技術企業に対する視察にはすでにワンセットの非常にちゃんとした方案があり、例えば異なるランク、異なる規模、異なる身分の視察者に対してはいかにして視察の路線を選択すべきかである。専門家の説明によれば、空母の儀礼的性質の視察では主に飛行甲板、機格納庫、飛行指揮室を見る。一方友好を体現する技術交流ではさらに多くのいくつかを開放する可能性があるが、一般に空母の作戦指揮室は軽易に対外的に開放しない。玄人にとって、機格納庫を見ればすぐ空母の戦闘機の規模が分かると言える。飛行甲板を見れば、すぐ戦闘機発着の全体的なレベルが分かる。指揮室で具体的な発着のデモンストレーションを見てみれば、戦術技術水準に対する大雑把な理解ができる。この3つの位置は儀礼をはっきり示し得るし、空母の威力もはっきり示し得るのである。

ある中国の軍事専門家は、中米の軍事高官相互訪問は主に双方の軍事的透明さ、相互信頼の増強、誤判断の回避を体現している、とする。当然訪問を通じ、双方は相手方の武器装備の性能、訓練レベルに対しても大体の上での評価が生じるだろうが、全体的に言えばこれは軍事的相互信頼の範疇に属する。またアメリカサイドの近代的軍隊管理理念、いくつかのやり方は中国に対しある程度の啓発になる可能性があり、例えばアメリカでは多くの場合新兵を集中訓練し、一方これまで中国はたいてい新兵を各部隊に分散させて訓練してきた。今、中国もどんどん多く相対的に集中させた訓練方式を採るようになっている。


 トップクラスといえども軍人に政治的意思決定ができるわけではなく、南シナ海問題でも「これは中国の主権の範囲内」、サイバーセキュリティに関しても「中国もハッカー被害を受けている」といったお決まりの答えが返ってくるだけなんでしょうが、直接的な接触を多くしていれば緊張の中での「誤判断」が避けられる可能性は高くなるかもしれません。いずれかの政治レベルが「武力行使やむなし」の判断をしたらそれも意味ないわけですが。















戻るボタン