ウクライナ関連2題

 軍事知識のある記者が現地で取材しているのは中国メディアの強みですね。

http://military.china.com/news2/569/20140505/18482535.html


ウクライナ東部の親ロシア武装勢力はどのくらい強いのか 兵器メーカーを掌握しサタンミサイルを生産可能

【グローバル軍事報道】 ウクライナ東部には最近硝煙が立ちこめ、政府軍は親ロシア武装勢力に対する包囲討伐に一段と力を入れ、親ロシア武装勢力も武器を用いて強力に反攻している。2日、多くの軍事工業企業を持つドネツク州の親ロシア武装勢力が何とキエフ政府軍との市街戦の中で複数のミルー24武装ヘリを撃墜した。このことは外界の、ウクライナ軍事工業製造の命脈を握る東部地域の軍事ポテンシャルに対する関心を引き起こしている。現地にはどういった軍事工業企業があるのか? 強大な軍事工業的ムードの薫陶の下に、現地の民衆はどのような軍事的素養を持っているのか? 何故臨時に武装された民衆が肩に担ぐ形式のミサイルを用いてウクライナ軍ヘリを撃墜できるのか?

軍事工業企業、東部にあまねく分布

ウクライナ国防工業社が出版した同国の軍事工業および製品目録の説明によれば、同国の70%を超える軍事工業がロシアと国境を接する東部地域に集中している。タス通信ネットの報道は、ハリコフに位置するモロゾフ機械設計局は1990年代中期に、旧ソ連のT-80UDメインバトルタンクを基礎に自らT-84メインバトルタンクを設計して作り出した、とする。運輸機械を生産する「ハリコフ飛行機製造工場」は主にアントノフー140などの飛行機を生産している。またトップのエンジン生産機関は南部のザポロジェ州に位置する「シーチ」持ち株有限会社で、現在世界で規模最大の航空エンジンメーカーである。

「グローバル時報」記者が訪問したウクライナ東部のドニエプルドネプロペトロフスクは、ウクライナの著名な航空宇宙科学技術の城であり、ウクライナで最も重要な軍事工業都市でもある。現地の科研所には、ウクライナで最も注目されるロケット、航空科学技術の中心である「ヤンゲリ」国営南方設計局が含まれ、この局はロケット、航空系列製品の主導的企業である。この都市の中には、至る所に異なる時代のサンプル機およびミサイルの造形の彫塑があり、それらは甚だしきに至っては現地の人が方向を識別する実際の指示看板となっている。

ドニエプルドネプロペトロフスク市の南方機械製造工場はウクライナ航空宇宙工業最大のメーカーである。この企業が研究開発、生産したSS-18大型大陸間弾道ミサイルは、世界で威力最大のミサイルで、10発の55万トン級分離誘導式核弾頭および40余りのデコイが搭載でき、登場後NATOから「サタン」と呼ばれた。ウクライナ東部のドネツク州、ルガンスク州などの地は同国軍事工業企業の伝統的集結地である。戦車製造は同地の得意とするところである。ルガンスクで、記者はルガンスク機関車製造工場に連絡を取り訪問取材することを企図したが、この工場の工場長は軍民両用製品の話題に言及したがらず、本報記者のインタビューの要求を婉曲に拒絶した。

大量の武器が民間に流れ散らばる

事実、軍事的な細かい事柄が充満した東ウクライナで武器を手に入れるのは決して難しいことではなく、国に統制される兵器工業の工場や兵営以外に、同国の田舎にあまねく分布する兵器庫は管理する人が少ないので、往々にして武器散逸の温床となる。ストックホルム平和研究所のレポートは、1991年のソ連解体から今まで、ウクライナはすでに世界で最も活発な小型武器・兵器供給商の称号を勝ち取っており、ウクライナはかつてNATOと軍縮協議を成立させ、その継承したソ連の武器を大量に退役あるいは不使用状態で保存し始めたが、解体後の10年間に大量の兵器が密輸され国外に出た、と指摘する。

タス通信社は4日アメリカの「ニューヨークタイムズ」の報道を引用し、この新聞の記者がスラヴィヤンスクの第12民兵中隊の駐屯地に1週間近く逗留した期間、「民兵中隊の武器、都市外部のウクライナ軍、内政部特殊部隊が使用する武器は同じだった」とした。こうした武器にはカラシニコフ自動小銃、マカロフ拳銃、ドラグノフ狙撃銃、軽機関銃や対戦車ロケットランチャーが含まれた。一部の武器には1980、90年代に製造されたマークが刻印されていた。1門のRPG-7対戦車ロケットランチャーがアメリカ記者の注意を引きつけ、何故ならそれは見たところ非常に新しかったからである。民兵は説明し、これらの対戦車ロケットランチャーおよび12発の榴弾はウクライナ兵士の手から2,000アメリカドルで買ってきたものだ、とした。

現地の住民の軍事的素質は非常に高い

不完全な統計によれば、ウクライナ東部の軍事工業に就業する人員は100万を超え、非常に多くの家庭は何代もの人が武器製造に従事し、武器に接触する機会が非常に多い。以前東部地域沿線道路を支配していた親ロシア武装勢力人員は、非常に多くが現地民衆にすぎなかったが、手中のセミオートライフル、甚だしきに至ってはロケット弾に対し決して良く知らないとは感じていなかった。東部の都市スラヴィヤンスクまで約100kmのある十名余りの親ロシア武装勢力人員によって支配される軍事検問所で、「グローバル時報」記者のインタビューを望んで受けた民兵ウラジミールは自分が担ぐサブマシンガンを指して、自分は小さい頃から祖父のところでどうやって分解組立するかを体得しており、これまでは真に手にとって使用する機会がなかったに過ぎない、と語った。

スラヴィヤンスク市内で、「グローバル時報」記者は市政府ビル、つまり親ロシア武装勢力の指揮センターの門前を守る最後の防衛線に、随時始動できる戦車が駐車されているのを見た。戦車クルーのイワンは記者に、自分は退役軍人で、現在ではこの戦車の主人であり、彼と3名の作戦経験あるパートナーは全天候で政府軍の進攻を警戒警備している、と教えた。

【グローバル時報のウクライナに赴いた特約記者 穆積山 本報記者 邱永崢 本報特約記者 羅山愛】


 こういった兵器メーカーがロシア、ウクライナいずれの手に落ちるのかは中国への武器輸出にも影響するはずです。

http://tuku.military.china.com/military/html/2014-05-04/223754_2489027.htm#


ロシアの軍事力vsウクライナの軍事力 ロシア軍の優勢は比較的大きい

最近、ウクライナ情勢は緊張を持続させ、ロシア軍もロシア・ウクライナ国境に大兵力を配備している。大規模戦争は一触即発である! 我々はこれにつきロシアとウクライナのおよその軍事能力を比較して見てみよう。

ウクライナ軍は1991年8月24日に建設が開始された。ソ連解体後、ウクライナは旧ソ連軍の多くの部隊、先進的な武器装備、戦略備蓄物資を継承し、これには78万名の現役軍人、6,500両の戦車、7,150両の装甲車、1,500機の飛行機、350隻の軍艦、1,272発の大陸間弾道ミサイルと核弾頭、2,500発の戦術核兵器が含まれた。1992年、ウクライナは非核、中立、非同盟政策を実行すると宣言し、大規模軍縮を開始した。画像はウクライナ戦車維持修理工場内に廃棄処分になった戦車が山のように積まれているところ。

(頑住吉注:2ページ目)1992〜1996年、ウクライナ軍は全部で40万人の人員を減らし、かつロシア、アメリカの援助の下にあらゆる核兵器を廃棄した。1996年にウクライナはロシアと黒海艦隊の分割を完成させ、正式に本国海軍を建設した。現在、ウクライナ海軍の実力は1.395万、2個海防区、1個海軍航空兵群、1個沿岸防衛ロケット砲兵群、海兵隊(6,000人)を編成する。画像は建造がまだ完成していないウクライナの巡洋艦(頑住吉注:さび具合からして建造が中断して長時間経つんですかね)。

(頑住吉注:3ページ目)ある報道は、ウクライナはソ連時代の35%の軍事工業生産能力を継承し、大型高速戦闘機を除きほとんどあらゆる類型の武器がその武器生産目録上に探し出せ(大陸間弾道ミサイルさえも含む)、もって外界から軍事工業界の「小ロシア」と呼ばれている、とする。1991年の独立後、ウクライナは一躍世界第6位の武器輸出国となり、現在50カ国余りと協力関係を保持している。2013年、ウクライナはさらに価値が小さくない装甲武器契約を勝ち取り、伝統的にはアメリカ式武器をもってメインとするタイ向けに121両のBTR-3E1装輪式装甲車と50両の「堡塁-M」戦車を販売した。画像はT-84戦車。

(頑住吉注:4ページ目)画像はT-84戦車

(頑住吉注:5ページ目)ウクライナの軍事学説は、「地域に局地戦争が起きる脅威はすでに増加し、これはウクライナを軍事衝突に巻き込むかもしれない」と指摘している。ゆえにウクライナ武装力量は航空隊とロケット兵突撃集群に頼り、主に高度技術武器を使用して侵略を抑止することになる。画像はウクライナ海軍のフロッグマン。

(頑住吉注:6ページ目)ウクライナの兵力 現役部隊30.38万人(戦略核戦力と黒海艦隊は含まないが、4.36万人の国防省直属部隊と機関人員含む)。画像はウクライナ第79機動旅団。

(頑住吉注:7ページ目)ウクライナ軍実戦機の数は膨大だが、やや近代化されているのはやはりミグー29とスホーイー27で、しかしこれも全て初期バージョンである。画像はウクライナ空軍のミグー19A戦闘機。

(頑住吉注:8ページ目)ウクライナ空軍のスホーイー27SK戦闘機。

(頑住吉注:9ページ目)演習に参加するアメリカ空軍のF-16D戦闘機の後方はウクライナ空軍のスホーイー27戦闘機。

(頑住吉注:10ページ目)AN-70はウクライナのアントノフ飛行機設計局が研究開発した新世代中型輸送機である。

(頑住吉注:11ページ目)ウクライナ防空部隊は非常に膨大な435基の地対空ミサイル発射架を持つが、基本的に全てSA-4、SA-6、SA-8などすでに非常に旧式なミサイルである。画像はウクライナのSA-6ミサイルが発射陣地に入るところ。

(頑住吉注:12ページ目)SA-6ミサイルの一斉射撃。

(頑住吉注:13ページ目)画像はウクライナ歩兵の厳寒での冬季戦術訓練。

(頑住吉注:14ページ目)BMP-64大型装甲車はウクライナ軍事工業が登場させた新しい戦闘車両装備である。

(頑住吉注:15ページ目)ウクライナの軍事学説の言う「ウクライナはいかなる国も相手や潜在的敵としない」の表現は、「推進される政策がウクライナに対し軍事的脅威を構成し、率先してウクライナ内部の事務に干渉し、ウクライナの領土の完備と国益を侵犯する国は潜在的敵と見なす」に改められた。画像はウクライナ兵士が米軍のM-16小銃を試用しているところ(頑住吉注:教官役のアメリカ兵がマンツーマンでついてますね)。

(頑住吉注:16ページ目)軍事的脅威は主に「ヨーロッパ経済、民族と宗教の衝突、周辺のいくつかの大規模進攻能力を持つ国、いくつかの国が武力の助けを借りて自国の領土と資源を奪う政策、およびヨーロッパ・アジア地域で高い地位を確立する企図」から来ると考えられている。これは実際上すでにロシアをその主要な軍事的脅威および潜在的敵と見なしているということである。画像はウクライナ兵士が米軍のM9拳銃を試射しているところ。

(頑住吉注:17ページ目)ロシアを主要な潜在的相手と見なすのと同時に、ウクライナはまさに積極的にNATOに向け接近しつつあり、西側の力量の助けを借りることをもって発展を図り、かつ独立と安定を維持保護している。画像はウクライナの女性落下傘兵。

(頑住吉注:18ページ目)ウクライナの女性兵士が歩兵射撃審査の準備をしている。

(頑住吉注:19ページ目)ウクライナ特殊部隊兵士(頑住吉注:ハンドガンはスチェッキンのようですね)。

(頑住吉注:20ページ目)各タイプの火砲:3,680門(別に456門を貯蔵)、このうち牽引砲1,115門(122mmが640門、152mmが644門)、曲射・直射両用砲64門、ロケット砲593門(122mmが360門、152mmが685門)、自走砲1,304門(122mmが640門、152mmが664門)、曲射・直射両用砲が64門、ロケット砲593門(122mmが360門、132mmが4門、220mmが135門、300mmが94門)、迫撃砲604門(120mmが603門、160mmが1門)である。だが大多数は様式の古いものである。画像はウクライナ陸軍部隊から来た第93機械化旅団の兵士が自走ロケット砲射撃訓練を展開しているところ。

(頑住吉注:21ページ目)ウクライナ海軍は非常に弱小である。画像はウクライナ唯一の潜水艦「ザポロジェ」号。

(頑住吉注:22ページ目)画像はウクライナ海軍のU130「サガイダチニ司令官」号護衛艦。

(頑住吉注:23ページ目)ウクライナ軍の訓練の中で再度手榴弾で戦車を爆破する項目が見られた。その中からウクライナ軍がまだ非常に立ち後れていることが見て取れる(頑住吉注:手榴弾で戦車を攻撃というと第一次大戦かよと思いますけど、これは一応成形炸薬を使った対戦車手榴弾ですね。もちろん増加装甲で覆われた現代の戦車を破壊するのは非常に困難でしょうが)。

(頑住吉注:24ページ目は23ページ目の前半と同じ。25ページ目)公開されているメディアの材料に対する統計によるロシア軍の最新の実力の状況は次の通り。編成人員約113.2万名の軍人、86.7万名の文職人員。ロシア武装力量体制は3つの軍種(陸軍、空軍、海軍)、3つの兵種(戦略ロケット兵、航空兵、航空降下兵)から組成される。画像はロシア軍に最も新しく装備されたスホーイー34戦闘爆撃機。

(頑住吉注:26ページ目)画像はロシア空軍が最も新しく受領した新型のスホーイー35戦闘機。

(頑住吉注:27ページ目)ロシア軍は2,000機を超えるヘリを持つ。画像はKa-52空中編隊。

(頑住吉注:28、29ページ目)ロシア空軍最新型のミルー28H攻撃ヘリ。

(頑住吉注:30ページ目)ロシア軍は現在14機のツポレフ-160戦略爆撃機、63機のツポレフ-95戦略爆撃機、158機のツポレフ-22遠距離爆撃機を持ち、戦略爆撃能力が突出している。画像はロシアの「ツポレフ-22M3バックファイアC」中距離戦術爆撃機。

(頑住吉注:31ページ目)今日、ロシアの戦術防空力量は主に各種の自走式防空システム(これにはOsa-AKM、Strela-10M、Buk-M1、S-300V、Tor-M1、「ツングースカ-M1」が含まれる)、および多種の携帯式対空ミサイルから組成される(これにはIglaおよびその各種改良型が含まれる)。その中の一部の装備はすでに海外に輸出され、かつ戦闘の中で自らの存在価値を証明している。画像はロシア軍の先進的なS-400対空ミサイルシステム。

(頑住吉注:32ページ目)研究開発の初期にはT-90メインバトルタンクもT-72の改良型で、コードネームはT-72BUだったが、T-80の一部の先進技術を使用し、性能に非常に大きな向上があったため、湾岸戦争でT-72が残したまずい評判を払拭し、輸出に影響しないようにするためだけに、改めてT-90と命名した。この戦車は主にT-72BM戦車の装甲防護システムとT-80戦車の先進的な火力コントロールシステムを採用している。画像はT-90A戦車。

(頑住吉注:33ページ目)ロシア海軍は20年近く発展が速くなく、ソ連時代に比べある程度後退しているが、数に関して言えば依然ウクライナの数十倍である。画像はロシア軍初の20380ステルス護衛艦の試験航海。

(頑住吉注:34ページ目)ロシア軍最新型20380ステレグシュチイ号ステルス護衛艦がデビュー。

(頑住吉注:35ページ目)海兵隊の拳法のデモンストレーション。

(頑住吉注:36ページ目)ロシア軍は強大な火力突撃を特色とする軍隊である。画像は大きな列に並べられた銃砲の弾薬。

(頑住吉注:37ページ目)ロシア軍の落下傘兵。

(頑住吉注:38ページ目)ロシア、陸軍の職業化された山地旅団の訓練画像を公開。


 もちろん正面から戦ったらロシア圧倒的有利は動かないでしょうが、欧米がどう出るかの問題もあり、またチェチェン問題のようにロシア国内でウクライナゲリラのテロ活動が禍根を残す可能性もあり、そう簡単には直接武力行使はできないでしょう。


















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