中国とインドの潜水艦関連2題

 まず7月28日のコラムで紹介した「中国、世界最大の通常潜水艦032型を建造と伝えられる!」に登場した潜水艦に関するより詳しい記事です。あの記事では単なる試験用のように書かれていましたが、必ずしもそうではないようです。

http://military.china.com/important/11132797/20130801/17975841.html


中国の現役の032潜水艦は革命的な光ファイバー制御誘導対空ミサイルが発射可能

(頑住吉注:この記事のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

本報特約記者 魏雲峰

中国の潜水艦部隊はいつも外界の各種の関心を引き付け得ている。少し前アメリカの「ワシントン フリービーコン」ウェブサイトが中国の原潜が戦略巡航任務を展開すると推測したのに続き、イギリスの「週刊ジェーン安全保障業務」は7月31日、中国海軍はすでに世界最大の通常潜水艦を就役させている、とした。報道は、このコードネーム032型の潜水艦が関心を注がれる原因はその「何でも屋」ぶりにあり、「巨波ー2」大陸間弾道ミサイルのテストを担当できるだけでなく、同時に「空母キラー」と呼ばれる対艦弾道ミサイル装備に改装することもでき、甚だしきに至っては特殊部隊を輸送して秘密任務が執行できる、としている。

新型大陸間弾道ミサイルがテストできる

「週刊ジェーン安全保障業務」は、032型通常動力潜水艦の最も顕著な特徴は、停泊時に水面に露出する巨大な指揮台外殻であり、この艦の水上排水量は3,797トンだが、水中排水量は6,628トンにまで激増する、と描写する。報道は、かくのごとく巨大な指揮台外殻は、内部に艦体を貫通する大型試験船室が収納されているからで、少なくとも2発の「巨波ー2」大陸間弾道ミサイルが安置されている、と推測する。この点から見て、032型潜水艦の主要な任務は、中国海軍が1960年代に就役させた031型試験潜水艦に取って代わることである。

アメリカの「ストラテジー ページ」ウェブサイトは、031型潜水艦は水中排水量2,950トンで、主に新型ミサイルのテスト作業を担当し、かつて「巨波ー1」、「巨波ー2」弾道ミサイルの発射試験に参与したが、現在ではその就役期間は長すぎ、艦体は老朽化し、新たなミサイルの試験の要求を満足させることができない、とする。「週刊ジェーン安全保障業務」は、新世代の武器テストプラットフォームとして、032型潜水艦は2005年に設計が開始され、2008年に着工され、2012年10月に中国海軍に引き渡された、とする。先輩に比べ、032型潜水艦は構造と性能がいずれも大きく改良されている。報道は、世界最大の通常潜水艦であり、この艦はダブル殻体構造を採用して生命力を保証し、最大潜水深度は200m、水中を14ノットの速度をもって前進できる、とする。この艦は補給なしの状況下で85人の標準編成を搭載し、水中を30昼夜航行できる。試験の需要を満足させるため、潜水艦は最多で200名の艦員と科研人員を収納できる。

ソ連はかつて、潜水艦から発射されるタイプの弾道ミサイルを搭載できる「ゴルフ」級通常潜水艦を大量装備した。このため「週刊ジェーン安全保障業務」は中国は必要な時は(頑住吉注:原潜よりは)コストがより低い032型通常潜水艦を大量生産し、戦略原潜の補充に充当し、もって素早く中国の海上基地核戦力を増加することもできる、と考える。それらの航続距離は比較的短いが、充分な保護が得られる黄海あるいは南海を巡航することができ、搭載する「巨波ー2」大陸間弾道ミサイルの7,000〜8,000kmの射程は、アメリカのアラスカおよびインドの目標をカバーするに足りる。

(頑住吉注:これより2ページ目)

032型型潜水艦が関心を注がれるのは、この艦が噂の「巨波ー2」大陸間弾道ミサイルのテスト艦だからというだけではなく、さらにこの艦が多種の中国潜水艦の先進設備のテストを担当し、これを通して中国潜水艦技術の発展の趨勢を窺い見ることができる、というところにある。「週刊ジェーン安全保障業務」は、この潜水艦の指揮台外殻の前方には垂直ミサイル発射装置が設けられ、巡航ミサイル、甚だしきに至っては革命的な光ファイバー制御誘導対空ミサイルが発射でき、潜水艦が空中の脅威に直面した時もはや受け身の立場ではなくさせる、とする。魚雷発射管は通常の魚雷が発射できるだけでなく、新型対地攻撃巡航ミサイルおよび対艦ミサイルを水中発射できる。またさらに「巨波ー2」弾道ミサイルを、「空母キラー」と呼ばれる対艦弾道ミサイルに交換する、あるいはアメリカの「オハイオ」級戦略原潜のやり方を真似て、弾道ミサイル発射管内に多数の巡航ミサイルを収納し、中国潜水艦に海上あるいは地上集群目標を攻撃する能力を持たせることもできる。

武器システム以外に、「週刊ジェーン安全保障業務」は032型潜水艦はさらに中国水中戦力の最新技術のテストを担当する、と考える。例えばこの艦は中国で初めて一体式脱出キャビンを持つ潜水艦で、この装置は事故を起こした潜水艦の艦員のサバイバル能力を向上させ、危険を脱する過程での人員の安全性を保証することができる。この潜水艦は50名の特殊部隊員を搭載し、特殊作戦用水中運搬機あるいは水中無人潜水機を利用して短距離秘密作戦任務を執行することができる。アメリカ海軍原潜は特殊部隊を搭載して類似の戦術を採用し、対テロ戦争中何度も浸透任務を執行している。このため報道は、032型潜水艦は現在は主に試験任務を担当しているが、この艦は多任務プラットフォームとして改装されるポテンシャルを持っており、甚だしきに至っては「非空気依存」(AIP)システムを装備して「準原潜」に充当することができる、と結論する。

外界は中国潜水艦の脅威を騒ぎ立てることに熱中

かつての中国の武器の性能に対する推測同様、今回の「週刊ジェーン安全保障業務」の報道もネットに流れ伝わる画像に対する分析に基づいたものでしかなく、当局の事実確認を決して得てはいない。だが各種の原因から、西側は中国潜水艦に対し濃厚な興味を抱き、甚だしきに至っては大挙して「中国潜水艦脅威論」を騒ぎ立てる。日本の「朝日新聞」は7月30日、日本は今年5月に3回、高度の隠蔽性を持つ潜水艦が日本の領海外の接続水域を航行するのを確認し、「3回とも中国潜水艦と確認できた」とした。報道は、中国潜水艦の航行時間は増加中で、しかも騒音はどんどん小さくなり、より発見され難くなっている、とする。


 戦略原潜に近い能力を持ち、しかも安価に多量に建造でき、大きな脅威になるというわけですね。

 一方インドは初の戦略原潜の航海試験を間もなく開始するようです。

http://military.china.com/news2/569/20130731/17974637.html


インド当局者、インド初の原潜「アリハント」号が8月中旬に航海試験を行う、とする

【グローバルネット総合報道】 インドの「フォーラム報」7月28日の情報によれば、インドの初の国産弾道ミサイル原潜「アリハント」号が8月中旬に航海試験を行う。

報道はある匿名のインド当局者の話を引用し、「アリハント」号弾道ミサイル原潜の航海試験作業はすでに準備ができており、インド洋の季節風がひとたび過ぎれば即出発でき、水中での核弾頭ミサイル試射、および核反応炉による潜水艦への動力提供を含む各種テスト作業を行う、とする。

報道によれば、このロシアが設計に参与した「アリハント」号原潜は2009年には早くもすでに進水していたが、当時相応の潜水艦から発射するタイプのミサイルおよび軽水炉は装備されていなかった。建造コスト25億アメリカドル、6,000トン級の「アリハント」号は全長110m、水中で時速24ノットに達し得、人員編成は95人、12発の射程700kmのK-15ミサイル、あるいは4発の射程3,500kmのK-4ミサイルが搭載できる。

だが日本の「外交学者」ウェブサイト7月30日の報道は、「アリハント」号はインドの原潜計画の一部分でしかない、とする。インドの意気込みにあふれた潜水艦計画に基づき、インド海軍は3隻の弾道ミサイル原潜を建造することになり、毎回2隻同時の巡航任務執行が保証される。

「フォーラム報」の報道は、「アリハント」号の他、インド海軍は現在ロシアから賃借した「チャクラ」号潜水艦を持つ、とする。だが国際間の条約の規定により、ロシアサイドは賃貸している時、一緒に潜水艦から発射するタイプの大陸間弾道ミサイルを賃貸することはできず、このため「チャクラ」号は通常ミサイルしか装備できない。一方中国サイドは現在7隻の原潜を持っている。

「外交学者」ウェブサイトはさらに最近あるメディアが、アメリカの情報担当の当局者が中国は近い時期に自らの潜水艦から発射するタイプの大陸間弾道ミサイルを配備し、初めて中国に有効な海上基地核威嚇力を付与すると明らかにした、としたことに言及する。中印両国はいずれも核先制不使用を承諾していない国である。戦略原潜は「三位一体」核打撃力の中で生き残り可能性が最高の戦略兵器とみなされている。(実習編集翻訳:宋博、現行チェック:仲偉東)


 インドの抑止力が高まることに期待したいですが、インド初の国産原潜ということで問題が残されている、とする情報もあり、航海試験が注目されます。












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