THAAD擁護論に反駁 その2

http://military.china.com/jszmt/02/11173748/20160718/23086801.html


怪論その三:韓国メディア自ら報道するところによれば、韓国当局者は議会で「誓って」、もしTHAADが配備されても、アメリカのグローバル対ミサイル大システムには納入されないだろう、と「証言」。

これに対し我々は再び技術的角度から、こうした誓言の虚偽性を見てみよう。我々はまずTHAADシステムの中の具体的設備を見てみる。ワンセットごとのTHAADには全て指揮コントロールセンターC2BMCがある。その正式名称は「指揮コントロールおよび作戦管理通信システム」であり、全THAADシステムの中枢神経たるシステムである。作戦時それはレーダーの獲得したデータをキャッチしまた分析し、迎撃命令を下し、レーダーを誘導して目標をキャッチしまた不断に追跡し、迎撃弾に向け迎撃成功まで指令を発送する。だがC2BMCは一般の普通な作戦指揮コントロールシステムでは全くない。現在就役しているTHAADは、システムソフトウェアが用いているのは6.4バージョンであるが、それはすでに「初歩的な全世界作戦管理能力」を持つ。まもなく登場する8.2バージョンは、「全世界の対ミサイル一体化が実現できる。」 もし現在のバージョンであっても、それぞれのTHAADシステムの中のC2BMCは全てアメリカのグローバル対ミサイルシステムの中のその他のあらゆるTHAADのC2BMCとネットワークを組むことができ、しかもあらゆるC2BMCはいずれも衛星、光ファイバー、および「飛行中迎撃弾通信システムIFICS」の助けを借りて、米軍の全世界の各種の防御武器を総合、集成し、資源を共有するだけでなく、しかもさらにリアルタイムに多種の作戦方案を提供し、協同して作戦する。特にこのIFICSを、米軍は全世界に全部で17カ所設置しており、あらゆる飛行中の迎撃弾にリアルタイムに、更新された目標追跡データを提供することができる。C2BMCにより、THAADシステムは第一歩でもうアメリカの早期警戒体制および太平洋艦隊司令部の支配を受けなければならない。このためひとたびTHAAD配備に成功したら、韓国当局者が議会でいかに心から誓って「証言」しても、韓国は中ロの中・遠距離弾道ミサイル防備の「前哨」となり、韓国はアメリカの主導する東アジア米日対ミサイルシステムに納入され、最終的にはアメリカのグローバル対ミサイル大システムに納入される。つまり韓国は自らをアメリカという戦車の上に縛り付け、中ロを抑止する足軽に充当したのである。

怪論その四:韓国は「THAAD」の「デチューンバージョン」だけを配備することができ、それは改造を経た後探知計測距離が600〜800kmしかなく、北朝鮮国境内しか探知計測できず、中国の安全には影響しない。

韓国当局者は何度も彼らが「THAADの監視範囲を低く調節できる」と言っている。この言葉はレーダー専業人員から見て自らを欺き人を欺くに近く、全く信じられない。何故なら技術の上から言って、レーダーの作用範囲(距離)を短縮しようとすれば、重大な技術的措置を採る必要はなくすぐ達成できるからである。例えば発射器の出力を下げるなど比較的簡便な手段、甚だしきに至ってはさらに自動(あるいは手動)切り替えができる。それは便利に探知計測距離を低下させることもできれば、当然便利に本来の探知計測距離に回復させることもできるのである。

またまさに韓国メディアが自ら言うように、もし韓国に誠意があっても、いかにして中国にその国内に配備された「THAAD」システムが「デチューンバージョン」であることを信じさせるのか。これは全くの監督できない、実行できない空手形である。一方THAADの実際のコントロール権を握っているアメリカに対して言えば、信義を重んじたことが全くない。例えばアメリカがロシアの門前に「陸上基地イージス」対ミサイルシステムを配備する時、元々はイランの中距離弾道ミサイルだけに照準を合わせると言明していた。だが後にシステムに対し不断にグレードアップ改造し、最終的にこのシステムはすでに完全に大陸間弾道ミサイル防御能力を持っている。

また、2014年には早くももうある国外メディアは、2010年からアメリカはもうTHAADシステムに対し不断に技術改良を行っている、と明らかにした。主要な内容は次のものを包括する。1)フェイズドアレイレーダーのT/Rユニットの性能指標を改良および向上させ、非常に大きくレーダーの探知計測距離を向上させる。2)迎撃弾に1段エンジンを増加し、迎撃距離を200kmから500kmにまで高める。3)ミサイルの誘導弾頭の末端制御誘導を二色赤外線成像誘導に改め、目標に対する識別、追跡、キャッチ、抗妨害能力を向上させる。4)THAADシステムのネットワーキングおよび協同作戦水準を向上させる。この情報を明らかにしたアメリカミサイル防御促進連合会主席アリソンが公然と語ったところによれば、THAADのグレードアップ改造は主に中国の極超音速飛行武器に対応するため迅速に発展している。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「THAADシステムの設備と相互関係」)

怪論その五:中国はTHAADの脅威を誇大化している。アメリカの偵察衛星は日々中国上空を飛び越え軍事情報を撮影しているが、脅威はないのか?

韓国の「朝鮮日報」に先月署名入りの文章が出現した。「中国は何故THAADの脅威を誇大化しようとするのか」である。(今年6月4日、韓国国防長官の韓民求はこの非難を繰り返した。すなわち、「北京はTHAAD配備の深刻性を誇大化している」と)。文章はゆえなく中国政府やメディアがTHAADの脅威を誇大化していると非難している。その他の一部メディアは追随して唱和し、甚だしきに至ってはいくつかの不合理な話を語っている。すなわち、アメリカの偵察衛星は日々中国上空を飛び越えているが、中国に対し脅威はないのか? 何故抗議を提出しないのか? と。

本文はこうした奇談怪論と深く関わる意志はない。ただ一点言いたいのは、今日のアメリカは確かに一切の手段を利用し、衛星、ネットワークから民間用通信など各方面で情報を獲得し、もってアメリカ自身のいわゆる「絶対の安全」を確保している。あらゆる情報獲得手段の中で、それぞれにはそれぞれの用いる場があるが、レーダーを用いて戦略情報を獲得することは、特に米軍の歓迎を受けている。何故ならレーダー自身が全天候作戦武器装備であり、ひとたび有事になれば、直ちに作戦に投入できるからである。衛星が地上の画像を撮影するように、飛行時間、天候、距離等々の条件の制限を受けず、しかも衛星自体は結局のところ武器ではなく、国際的に現在まだ衛星を利用してスターウォーズを展開することは許されていない。レーダーが果たす作用は、その他のいくつかの武器では取って代われないものである。

実際THAADのレーダーには多種の作動模式があり、それを前線に置くのかそれとも後方に置くのかで、作動模式や機能は少し異なる。付属の図で説明すると、それを前線陣地に置いた時は、前線作動模式である。それは非常に遠いところの相手方の発射陣地のミサイルの発進ブースト段階の状況を探知計測でき、情報キャッチと相手方の軍事活動監視の作用を果たすことができる。一方後方陣地に置いてこそ主に末端段階高空防御作用を果たすことができる。これにより私は考える。THAAD配備の隣国に対する脅威は次のように帰納することができる。第一に、前線作動模式では、それは軍事情報を盗み取り、隣国のミサイル発射状況を監視できる。甚だしきに至っては必要と考える時、ブースト段階でもう相手方の発進する弾道ミサイルを撃墜することができる。第二に、制御誘導作動模式では、それは末端段階高層で迎撃弾を制御誘導し、来襲する目標を迎撃することができる。上述の第一および第二模式の間で、ソフトウェアによって即転換できる。第三に、ややシステムを改変すれば、もう戦時にミサイルを発射し能動的に隣国の縦深奥地を攻撃できる。つまりそれは矛でもあり得るし、盾でもあり得るのである。

怪論その六:もしTHAADが最終的に韓国に進駐したら、中国は地縁政治上敗北する

某いくつかの国外メディアはアメリカの韓国へのTHAAD配備に対し、他人の不幸を喜ぶ考え方を抱いている。彼らはもしTHAADが最終的に韓国に進駐しても、中国は手をつかねて無策でいるしかない、と考える。「中国のいくつかの中・遠距離ミサイルはまだ大気圏を出る前にもうTHAADによって撃墜される可能性がある。」、「中国の戦略ミサイル威嚇力量はあるいは価値が下落することになる。」、「中国の地縁政治上の1つの小さからぬ敗北となる」と。我々は反対と言っているのであって恐れているのではなく、こうした政治家たちを気にする必要はない。毛沢東同志はかつて哲学の観点を用いて武器の発展を解説した。矛あれば必ず盾あり、と。同様に、制約あれば必ずや反制約もある。中国はきっと多種の有効な反制約の措置を採るだろう。香港にはメディアの提案がある。ロシアの「真っ向対立」の対抗の経験を学んでみて良い、と。アメリカとNATOはロシアの門前のポーランドおよびルーマニアに陸上基地イージス対ミサイルレーダーを配備した。ロシアの対抗する第一の措置は、この二カ国のそばのロシアの飛び地カリーニングラード州に「イスカンデール」中距離ミサイルを配備することだった。このミサイルの射程は500kmで、核弾頭が搭載でき、もっぱらポーランドとルーマニアのNATO基地に照準を合わせ、この二カ国の人民の頭上に吊された「ダモクレスの剣」となった。結果として双方の一般民はいずれも日々安寧でいられなくなった。また中朝国境に大出力の妨害基地を設けてもよい、等々である。こうした措置を我々は当然受け入れてよいが、中国人民と東アジア各国人民はいずれもこの種の局面の出現を見たくない。何故ならそうなれば東北アジアの冷戦時代回帰がもたらされるからで、これは東北アジア各国人民が断固反対するところである。現在良好な中韓関係が「THAAD」ゆえに破壊されるのを、中国政府と人民も見たくない。このため朝鮮半島が非核化および持久的平和を実現できるか否かは、米韓がただちにTHAAD配備プロセスを停止し、皆全て6カ国協議の談判のテーブルに戻って解決するかだけにかかっている。。当然、まさに王毅外交部長が語ったように、「中国は国家の安全の利益が理由なく損害を受けるのを座視しないだろう!


 THAADが 配備されたらこんなに大変だ、脅威だというのと、そうなっても中国の負けを意味しない、怖くなんかない、というのを同時に主張しなかればいけない筆者も大変です。
















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