殲-20とF35ではどちらが優れているか

 中国の最新鋭戦闘機である殲-20とアメリカのF35を比較して論じたページの内容を紹介します。なお1911年12月27日付です。

http://forum.china.com.cn/thread-1444060-1-1.html


競争2020年:殲-20とF-35ではどちらがより優れているか

(頑住吉注:原ページの最初の画像のキャプションです。「殲-20は1年で62回以上試験飛行を行った」 続いて2枚目。「攻撃至上の戦闘機として、F-35は日本の使用に適していない」)

東方ネットの記者黄駿は、12月27日に次のように報道した。日本のメディアの報道によれば、日本の防衛省は最近、日本の航空自衛隊がアメリカのF-35「ライトニングII」型戦闘機を次世代主力戦闘機として導入し、現役のF-4戦闘機の代替に用いることを一応決定した。

だがF-35最大の弱点は開発の進度が緩慢だというところにある。ペンタゴンは今年5月、初期試験飛行の計画が2017年春まで延期されるとしており、日本の航空自衛隊が提出した2016年度納入の要求を満足させることは難しい。この他今月2日、ペンタゴンの責任者が欠陥の存在により生産計画が遅延すると考えている、とする情報もあった。

去年の年末に決定されたばかりの新防衛大綱の実行と、間もなく登場する次期「中期防衛力整備計画」の充実、さらには日本の航空自衛隊の防衛能力向上のため、今年の初めに日本はF-35戦闘機を調達範囲に入れ、かつそれを最有力の選定機種候補の1つとみなした。

本来、航空自衛隊の増強はステップバイステップで進行し得ていたが、殲-20の出現はこの計画に冷や水を浴びせ、自衛隊のF-35獲得に向けた渇望はより切迫したものとなった。

進度の争い:どちらが機先を制することができるのか

世界初にして世界唯一の現用第4世代戦闘機として、F-22は航空史上画期的意義を持っている。強大な「4S」能力、すなわち超音速巡航、超機動、高いメンテナンス性、ステルス性は世界の軍事マニアを感嘆させた。別の角度から言うと、F-22の強大さはその唯一性にある。

このため、日本のF-35と殲-20による第5世代戦闘機の先陣争いの意義は明らかにとりわけ重要ということになる。

日本の次世代主力戦闘機(FX)選定問題に関し、日本の防衛省はすでにF-35戦闘機を主力機として選定している。だが日本のメディアは大いに不満を表明している。この戦闘機には明らかに設計上の欠陥が存在し、しかもロッキード・マーティン社が期日までに納入できるかどうかも疑わしいと考えているのである。

報道によれば、ペンタゴンの高官はかつて明確に指摘した。F-35には「一部の構造セグメントにクラックが存在する」、「尾部フックの設計は艦載機としての使用不能をもたらす」などいくつかの致命的欠陥があると。これにかんがみ、アメリカの国防長官パネッタは関係方面に欠陥の詳細説明と改良措置策定を要求し、ペンタゴンもこの戦闘機の研究開発計画の延期を要求した。

F-35の開発主体としてロッキード・マーティン社は、契約上の期限内に納入を実現することに「充分自信がある」と繰り返し強調している。だが開発進度の何度もの遅延は、調達側の信頼低下をもたらしていることも争えない事実である。

報道によれば、日本の防衛省の態度は「もし契約が守れなければ契約解除が可能」というものである。だがひとたび契約を解除すれば空中防御に抜け穴が出現することがもたらされるかもしれず、これは現実的ではない。日本の航空幕僚長(空軍司令に相当)岩崎茂は先日の記者会見で、「アメリカ政府はすでに契約期限内の引き渡しができることを保証した」として、アメリカ側の説明を完全に信頼していることを強調した。‥‥すなわち2016年における完成、引き渡し実現に向けた努力をである。

殲-20となると、日本の「朝日新聞」は中国軍の消息筋の話を引用して、最も早い場合中国は2017年に軍への配備が完了するとしている。「朝日新聞」の文章は、殲-20ステルス戦闘機はアメリカのアジア太平洋地域における制空権に対する重大な挑戦であると考えている。

アメリカの前国防長官ゲイツはかつて国会議員に対し、中国が殲-20を配備するまでにはまだ「長い道のりを要する」と話した。彼は、中国は2020年までに50機の殲-20、2025年までに200機前後を配備するかもしれないが、今後長期間アメリカの先端戦闘機の装備規模は依然中国よりはるかに大きいと表明した。

軍事専門家李莉は次のように考えている。第3世代機はその試験飛行から真に部隊装備されるまでおよそ5〜8年の時間の時間がかかった。一方これに比べ第4世代戦闘機はやはりより技術的に複雑なため、その部隊装備までの時間は8〜10年になるに違いない。だがこの進度は前倒しになる可能性もある。第4世代戦闘機の初飛行から真の部隊装備までの時間は5〜8年になり得るとされる。我々は現在、殲-20の初飛行成功以後、未来においてこの機はまだきっと一連の試験飛行活動を行う必要があり、しかもこの密度がより大きくなると見てよい。今後我々の殲-20は不断に関連の試験飛行活動を行い、同時にいくつかの関連する技術(性能パラメーターも含む)に不断の改修が行われるはずである。

全体的に言って、殲-20の配備はややF-35より遅くなるはずだ。だが、戦闘機のグレードアップに合わせて飛行場、地上勤務等全てに手直しが必要になることを考えれば、2020年になってもまだ最終的な更新は完成できないと予想される。両者が完全に戦力を形成するまでのタイムスケジュールは伯仲したものになると見るべきである。

性能の争い:それぞれに長じたF-35は数量で負ける

F-35はアメリカの戦略条件に最も余裕があった時期に生まれた。アメリカの軍事費は冷戦終結ゆえに大きく削減されたものの、外部からの軍事的圧力が小さく、軍の規模の圧縮により質と量との間の矛盾のバランスを取ることができた。このため、アメリカの軍事科学技術的発展は基本的にあまり大きな影響は受けなかった。だが1980〜90年代、多項目の鍵となる重要な技術的飛躍が軍事領域に巨大なインパクトをもたらし、情報、ステルス等の技術の成熟と発展が軍事の形を転換させたことは、新時代の各国軍事界の関心の焦点となった。この大きな背景のもと、アメリカの各軍種はいずれも未来における自身の体系構造と役割について計画を立てている。そこで、F-35はもはや単純なF-22のローエンドの補充役ではなくなり、その任務領域は明らかにF-22と広範囲で重複することになった。F-35ができる、そしてしなければならないことは、大部分F-22でもF-35のように良好にできないことである。F-35がF-16のように空軍にのみ属すのではなく、前例のない三軍共用戦闘機であることをもう一度考慮してみれば、この機がアメリカの数種の大きな軍種と同盟国をひとまとめにした、ステルスおよびネットワークが戦いの中心となる時代の重責を担う新型作戦プラットフォームであると言うことが間違いなくできる。この意味から言うと、F-35とF-22のアメリカ軍装備体系の中での地位はほとんど同等に重要であり、上下の差はない。甚だしきに至っては一部のペンタゴンの高官の見るところでは、F-35の地位は一定程度F-22より高いのである。

我々は、F-35が航空先進性と設備完備性においてアメリカと同盟国のあらゆる現役戦闘機を超越しており、現在の最高峰に達していることに気付く。充分に主力戦闘機と言え、決してF-22の「廉価な陰の存在」ではない。だが日本に関して言えば、42機というF-35の購入量は明らかにいくらか貧弱である。

国防大学教授で著名な軍事専門家である孟祥青は、F-35の欠点は「空優」作戦能力ではなく、その主要目標にあるとする。ロシアのT-50のように、また熱心なマニアが現在比較的関心を持っている中国の殲-20のように、その「空優」能力は普遍的に強いと考えられている。いわゆる空優に関しては、その設計の重点は空戦と制空権奪取であり、同時にその打撃能力も併せ配慮することになる。ひとたびF-35が日本の主力戦闘機となれば、未来の日本の航空自衛隊は強大な進攻能力を具備することになるが、防空能力は明らかにやや薄弱となる。だが想像できるように、結局のところ日本とアメリカは違う。アメリカが行うのは先んじて人を制する作戦、策略である。危険に気付いたら、直接それを叩く。だが日本はこの種の作戦方式を採用することはできない。まず日本の防衛戦略が決定されるのであり、その憲法は日本がこの種の能動的に進攻する作戦方式を取ることを制限している。同時に日本の戦略的奥行きは浅い。このため日本に関して言えば、彼らに最も欠けているのは実は防空能力である。まさにF-35は防空能力が弱く、進攻能力が強い。この機は必ずしも日本の欠陥を埋められず、逆にその欠陥を拡大するかもれない。将来この種の「空優」作戦能力の欠乏は日本に関して言えば必然的に大きな問題となる。

その道の権威は指摘する。数量で計算すると、日本は42機しか購入しない。小規模な衝突に何とか対応できるだけであり、中国の殲-20は少なくとも200機は製造され、編隊規模はF-35にはるかに勝るに違いない。品質から言うと、殲-20の爆弾倉はステルス機中最大であり、8発の誘導弾が積める。これに対しF-35は4発しか積めず、火力は殲-20の方が倍強い。

マカオ国際軍事学会会長の黄東はF-35と殲-20が衝突する情景を仮想した。ステルス性能方面ではF-35が殲-20にやや勝る。もし両者が100km以上の遠距離で遭遇すれば、F-35が先に相手に気付くだろう。だがF-35にはまだ遠距離誘導弾が配備されておらず、殲-20に脅威を与えることはできない。これに比べ殲-20には超遠距離空対空誘導弾が配備されており、敵を発見した時には役に立つ。

事実としてF-35の性能は以前に皆が予想していたような「鶏の群れの中の鶴」ではない。実際の作戦半径は584マイルで(頑住吉注:約940km)、以前当局が保証していた690マイルよりはるかに小さい。このような作戦半径では中国の防空システムの誘導弾による攻撃に対応できない。これで何のためにF-35戦闘機の性能が誇大に言われ、大量に購入されると同時に、ペンタゴンがさらに多くの予算を割いて無人機の購入、維持メンテナンス、研究開発に用いねばならなかったのかが説明される。


 戦闘機が1機種で多い場合万単位生産された第二次大戦期とは異なり、最新科学技術の粋である現代の戦闘機はとんでもなく高価なものになり、アメリカでさえ最高水準のものを多数揃えることが事実上できなくなりました。そこでF-15(ハイ)とF-16(ロー)を組み合わせて配備する「ハイ・ローミックス」と呼ばれる装備形態をとったわけです。当初はF-22(ハイ)とF-35(ロー)という同様の「ハイ・ローミックス」で行くと見られていましたが、その後よりF-35の重要性が高まり、「ハイ・ローミックス」とは言えない形になってきつつある、ということのようです。私はこの方面の知識が乏しいので、この見方、またF-35の迎撃能力が劣るなど他の評価が妥当なのか判断がつきません。しかしこれは殲-20に関しても同じですが、完成して実戦配備に至っていない戦闘機の性能をうんぬんしたり、ましてやどちらが強いか比較することにあまり大きな意味があるとは思えません。それを言うならそうした未完成の戦闘機を次期主力戦闘機に決定するのも無茶な話だと思いますが。ただ限られた予算の中で、どうしても中国やロシアに対し数では圧倒的に不利な条件でなるべく有効に防衛力を保とうとするならそこそこの現有機で間に合わせるわけにもいかず、ものすごく高価な戦闘機をつなぎで一定数買うわけにもいかないでしょうから、じゃあどうすればいいのかと言われると私にも分かりません。

 これは軍事とは直接関係ないことですが、基本的に採算を度外視してその国の最高の最新科学技術がつぎ込まれる戦闘機は、その国の他の科学技術分野に強い波及効果を持つ牽引役となります。中国の戦闘機は現時点ではあるいは言うほどの能力を持たない可能性もあると思いますが、開発を通じて独自の国産戦闘機を開発していない日本より急成長を遂げていく可能性は充分にあり、今後民間用の科学技術でも追い上げられていくことに対する警戒が必要だと思います。








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