中国は何故THAAD韓国配備に強く反対するのか

 ロシアの反対が中国に比べれば弱いのはなぜか、なんていう話も出てきます。

http://war.163.com/16/0708/14/BRF850B700014OVF.html


THAADは対ミサイルの利器か否か? 何故中国は韓国への配備に強烈に反対するのか

網易軍事の情報(白玉京) 米韓が手を携えて「THAAD」ミサイル防衛システムを配備する一件は今日ついに結論に至った。韓国の中央日報8日の情報によれば、韓国とアメリカは「THAAD」ミサイル防衛システム配備を最終決定し、今月THAADの配備地点を発表することが有望である。中国外交部は以前、中国サイドは断固として半島に「THAAD」システムを配備することに反対し、関係国が慎重に事を行うよう懇切に促す、とした。「THAAD」ミサイル防衛システムとは一体どんな神器なのか? 「防御性武器」として、何故中国の強烈な反対に遭うのか? 韓国配備は中ロを照準するのか、それとも北朝鮮への対抗のためだけなのか? 網易軍事は独自に「THAAD」ミサイル防衛システムの背後の秘密を解読する。

THAADの作戦能力は「パトリオット」をはるかに超える

THAADの実際の作戦能力はパトリオットをはるかに超える。弾道ミサイル防御システムはブースト段階迎撃、中間段階迎撃、末端段階高層迎撃、末端段階低層迎撃に分かれる。頻繁にスカッドミサイルを撃墜しているパトリオットミサイル防衛システムは末端段階低層迎撃に属する。

まず、THAADの作戦対ミサイル高度は40〜150kmで、パトリオットはたった35kmである。アメリカはこのためTHAADは世界初の同時に大気圏内と大気圏外に用いることができる対ミサイルミサイルであると称している。

次に、THAADは設計当初にもう戦闘部直接衝突方式を採用し、来襲する弾道ミサイルを撃破することを決定した。このシステムの迎撃ミサイルは外形上も一体化設計方案を採用し、ミサイルは運動エネルギー迎撃器、ブースター、整流カバーから構成され、高い効果で高空迎撃作戦を行うため、THAADミサイル防衛システムはレーダー、赤外線、衛星複合式探知計測早期警戒方式を採用し、加えて運動エネルギー迎撃器が装備する側面窓赤外線探知計測凝視成像ホーミング末端制御誘導システムがあり、最終的に迎撃弾は直接衝突方式を採用して来襲するミサイルを破壊する。

第3に、THAADは中間段階ミサイル防衛のSM-3ミサイルと末端段階低層ミサイル防衛のパトリオットミサイルの連結に用いられ、対ミサイル全過程カバーを達成する。弾道ミサイルの来襲時、中間段階迎撃はSM-3によって実施され、アメリカ陸軍作戦規則は、末端段階高層はTHAADによって実施し、末端段階低層はパトリオット3によって実施されると規定している。このことは、弾道ミサイルがもし僥倖にもSM-3ミサイルの迎撃から逃れても、THAADやパトリオット3のダブルの重い迎撃に直面することを意味し、防御突破確率は非常に大きく低下する、ということを意味している。

THAADミサイル防衛システムは迎撃射程3,500kmの中・遠距離弾道ミサイル迎撃にもっぱら用いることができ、そのレーダーの最大探知計測距離は2,000kmにも達し得る。これはTHAADに遠距離早期警戒能力を提供するに足りる。THAADミサイル防衛システムの最大迎撃高度は150kmで、この区域はまさに大気圏外の低層と大気圏高層に位置し、打撃対象はまさに射程が3,500km以上の弾道ミサイルの飛行の末端段階、あるいは射程が3,500km以内の弾道ミサイルの飛行の中間段階である。THAADのミサイルを射撃する高度は比較的高いため、中距離ミサイルは甚だしきに至っては中間段階を飛行している時、もうTHAADによって打撃される可能性がある。

THAADミサイル防衛システムは中国のミサイル基地に脅威を与えることができる

単に地理の上だけで分析すると、朝鮮半島は東西の幅が360km、南北の長さが1,000kmで、この区域をもしミサイルでカバーすることが必要なら、射程1,000kmの短距離弾道ミサイルで充分であり、THAADのように射程3,500km以上の中・遠距離弾道ミサイルを打撃する防御システムは全く必要ない。このため、アメリカが韓国にTHAADシステムを配備するのは、名目は北朝鮮のミサイルの脅威であるが、実際上の根本目的は中国とロシアの戦略威嚇能力を消し去るためであり、アメリカは北朝鮮のミサイルに対する韓国のパニックの心理を利用して、素早くその東北アジアにおける総合支配能力を強化することを意図し、この一点の上では、そのアジア太平洋回帰という戦略目的にも完全に符合する。

アメリカのシンクタンクは、THAADシステムの「目」であるAN/TPY-2レーダーの主要な警戒方向は北朝鮮であると言明する。アメリカはさらに中国が近年来急いで通化、登沙河、莱蕪、韓城などの弾道ミサイル基地を建設していることを言明している。THAADシステムのレーダーの配備方向をわずかに調整すれば、すぐに中国のこうしたミサイル基地をカバーできる。いかなる発射の兆しもリアルタイムで監視測定でき、かつこうした基地から発射された「越境」弾道ミサイルに対し迎撃を実施する能力を有する。

アメリカはイージス軍艦を中間段階対ミサイルであるSM-3の搭載具とし、随時中国東海、南海を遊弋することができる。イージス軍艦は先行して中国が発射した弾道ミサイルに対し第一波の迎撃を実施することができる。この前、アメリカは日本にすでにTHAADシステムを配備済みで、韓国が今THAADシステムを配備すれば、これはアメリカの韓国と日本に対する保護傘がすでにシームレスな連結を完成させたことを意味し、THAADとパトリオットは第一次迎撃を逃れたミサイルに対し第二次および第三次迎撃を実施するだろう。

何故ロシアの反応は特別に強烈ではないのか?

韓国が韓国にTHAADシステムを配備することで、反応がずっと強烈なのは中国であり、現在ロシアに特別強烈な反発があるのは決して見られてはいない。比較すると、アメリカはかつてポーランドとルーマニアにGBIミサイル防衛システムを配備することを計画したが、ロシアはかつて一戦を惜しまない強気の姿勢を見せた。その原因を突き詰めると、THAADシステムの作戦空域がGBIよりはるかに低いことである。GBIの主要な作戦対象は核弾頭を装備した遠距離戦略ミサイルである。THAADシステムは中距離ミサイル防御のみをメインとする。「シラミが多ければもう痒くない」(頑住吉注:慣れてしまう、ということのようです)というやつで、THAADシステムの脅威は比較的小さく、このためロシアに与える刺激がいささかより小さいのである。

THAADミサイル防衛システムを受け入れる韓国は、当然ひとたびこのシステムが進入したらどういった結果をもたらすだろうか知っており、中国は何度も明確にアメリカが韓国にTHAADミサイル防衛システムを配備することに反対し、もしアメリカが本国にこのシステムを配備するのを韓国が許したら、地域の緊張した情勢を激化させ、中国の戦略的安全の利益に損害を与え、本地域のその他の国の安全の利益にも損害を与えることになるとしている。だが、今回韓米両国は中国の何度もの反対をかえりみず、強行してこのミサイルの配備プロセスを推進した。韓国が確かに北朝鮮のミサイルの現実の脅威に直面していることの他、さらに米韓軍事同盟強化の意志があり、この一点の上で韓国は非常にはっきり分かっている。ひとたび戦争が勃発すれば、韓国は高度にアメリカとの共同作戦に依存することが必須であると。何故ならアメリカだけがやっと韓国の再戦時の安全を確保することができるのである。

THAADシステムが韓国に定住した後、さらに注意すべきことには2つの大事がある。1つ目はTHAADシステムが台湾入りするか否か。2つ目は中国周辺の国や地域がGBIを配備するか否か。この2つのことは中国の核心的利益とより関係する。


 こんな脅威だと言われるほどこちらの立場からは頼もしく思えるんですが。
















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