東アジアの軍事情勢関連2題

 まずアメリカが配備しようとしているミサイル防衛システム関連です。

http://military.china.com/important/11132797/20150328/19438739.html


専門家:THAADミサイルは中国の戦略的威嚇を弱める 3種の方式の回答あり

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「THAADシステムは明確に東アジア地域の中距離弾道ミサイルに照準を合わせている」)

「THAAD」が我が周辺において「開花」するのを防ぐ必要がある

韓旭東

最近アメリカは韓国に「THAAD」ミサイル防衛システムを配備する計画で、中朝によって明確に反対されている。人々はこのミサイル防衛システムがアジア太平洋地域、特に中国に対しどんな種類の脅威をもたらすかの可能性を分析するのと同時に、より関心があるのは中国がどんな種類の措置を採ってこの脅威に対応し、もって地域の安全と安定を維持保護するかである。

アメリカの一貫した戦略的意図から見て、アメリカが韓国に試験的に「THAAD」システムを配備した後、アジア太平洋地域のその他の国に継続して配備することになる可能性が極めて高い。「THAAD」ミサイル防衛システムは「パトリオット」ミサイル防衛システムの後、アジア太平洋地域に形成される第2のミサイル防衛体系になる可能性が高い。「パトリオット」ミサイル防衛システムは主に低空のミサイルに照準を合わせて迎撃を行うが、「THAAD」ミサイル防衛システムは主に高空のミサイルに照準を合わせて迎撃を行う。もしアメリカがアジア太平洋地域に多層のミサイル「防御カバー」を完成させたら、低空、高空のミサイルを全て「カバー」し、それに作用を発揮できなくさせることができる。

この配備の挙動が疑いなく中国に多くの面倒をもたらすことが難なく見て取れる。この種の脅威の具体的表れは次の通りである。アメリカにまた1つ中国と駆け引きをする道具が増えた。中国のミサイルの戦略的威嚇力を弱めた。アメリカがアジア太平洋地域に構築するミサイル防御体系の安定性を増強した。中国に対する軍事的圧力を増大させた。朝鮮半島の脆弱な安全、安定に対しネガティブな影響を与え、中国周辺の安全情勢を悪化させることになる、など。

アメリカのこの戦略的挙動に直面して、我が国は措置を採り、この受け身の態勢を逆転させるべきである。具体的には以下のいくつかの方面の我が国が考慮し得る回答がある。

1つ目は「そっちが来るならこっちも行く」の策を採ることである。俗っぽく言えば目には目をである。現在のアメリカの全世界における軍事配備の態勢から見て、アメリカの軍事的動き全体は進攻性を示しており、アメリカが韓国に「THAAD」ミサイル防衛システムを配備するのも進攻性の動きの具体的現れである。このため、アジア太平洋地域諸国は回答の動きを採ることが必須であり、さもないとアメリカは際限なく継続して配備し、「THAAD」ミサイル防衛システムにアジア太平洋地域において「根を生じ花を咲かせる」可能性がある。アメリカが不断に世界の紛争地帯から身を引き、抑止の重点を中国とロシアに転じるにつれ、中ロ両国は合同軍事演習の中で進攻性のミサイル発射を行い、アメリカのミサイル防御体系を突破し、アメリカの「THAAD」ミサイルの配備の作用を失わせる能力があると示す必要がある。

2つ目はミサイル防衛システムを突破する能力を持つミサイルを重点的に研究開発することである。武器発展の歴史の上で、防御性武器はいつも進攻性武器に立ち後れてきた。つまり、いつも先に進攻性武器があって、後に防御性武器があるわけである。もしアメリカがアジア太平洋地域にミサイル防衛システムを配備したら、アジア太平洋地域の脅威を受ける国も防御突破能力が強い進攻性ミサイルの研究開発によって、アメリカのミサイル防衛システムの機能を失わせることができる。これは中国がアメリカの「THAAD」ミサイルの脅威を打破する有効な措置である。

3つ目は「交換」の策を採ることである。角度を変えてアメリカが韓国に配備する「THAAD」ミサイルを分析すれば、それが発揮する作用はアメリカがアジア太平洋地域に1本の「楔」を打ち込んだことだと考えられる。アジア太平洋地域の関連国は身辺にこのような「楔」があることを好まない。一方アジア太平洋地域の関連国にアメリカと駆け引きをする道具がある時のみ、やっとアメリカはこの「楔」を抜き得るのである。まさに冷戦の時期、アメリカがトルコにソ連を打撃できるミサイルを配備した後、だからこそソ連もキューバにアメリカを打撃できるミサイルを配備し、最終的に両国いずれも配備したミサイルを撤去したようにである。このため中国はアメリカの力に影響を与える戦略的地点に「手掛かり」を建立し、アメリカと「交換」を行う道具とし、アメリカがアジア太平洋地域に配備する「THAAD」ミサイルの撤去を促し、アジア太平洋地域の安全と安定を維持保護する必要がある。(作者は国防大学教授)


 純粋な防御兵器を威嚇だ脅威だというのがそもそも納得いかないんですがそれはともかく、中国がこうした対抗策をとる可能性はあるんでしょう。ただ過去アメリカとソ連が「交換」したのは互いに攻撃兵器を相手国の近くから撤去することで、例えば最近関係を強化している中南米諸国に中国がミサイル防衛システムを配備したら、アメリカは東アジアからのミサイル防衛システム撤去と引き換えにしてでもそれを撤去させたいと思いますかね。

 次はロシアメディアが日本に関しこう言っている、という記事です。

http://military.china.com/important/11132797/20150405/19481671.html


ロシアメディア:日本、軍事力を強化し中国に対抗 アジア太平洋地域の情勢に損害を与えることに

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「日本の現在の軍事力はとっくに防衛の需要を超えている」 なおこの記事の画像のキャプションは全てこれと同じです。)

【グローバル軍事報道】 ロシア衛星ネット4月3日の報道によれば、日本の2015年予算は4月1日から効力を発生させる。ロシアと日本の学者には、その中の国防予算の増加に関わる内容に対し、全く異なる評価がある。

日本の内閣官房副長官である斎藤勁は国防予算の増加に対し激烈な批判の態度を持っている(頑住吉注:直訳しましたがこの人は社会党出身で民主党政権時代の内閣官房副長官であり、すでに政界を引退していて、また学者でもありません)。

彼は、「安倍晋三は第二の任期開始から現在まで、その国防予算の編成には問題があり、これには尖閣諸島問題を出発点とすることが含まれる。だが私は、東アジア地域の平和と安定を保障するためには、軍事予算増加に慎重に対応することが日本にとって価値があると思う。私は、日本の順序だてて徐々に進む政策は、最低の国防予算を維持するという原則を基礎に構築されるべきで、国防予算の増加に対しては慎重な態度を持つべきだと思う」と語る。

モスクワ国際関係学院副校長で、軍事政治研究センター主任のアレクセイ ボデビェリェツキンは、日本が軍事的実力を強化することは、アジア太平洋地域の安定に対し損害をもたらすことになる、と考える。

彼は次のように語る。「日本が軍事的実力を増加する出発点は2つある。1つ目として、アメリカがアジア太平洋地域に自らの同盟国の連盟を構築することを企図し、ワシントンは彼らがより積極的に軍事行動に参加するよう要求している。この連盟の主要な目標は中国に対抗することである。彼らは甚だしきに至ってはさらにベトナムやフィリピンを引き込むことを願っている。2つ目として、ロシアのアジア太平洋地域における影響力増長と関係がある。以前、この影響は決してはっきりしたものではなかった。例えばロシアのこの地域における貿易額は1%しかなかった。だが現在我々が極東地域に対し日増しに関心を注ぎ、かつより多くの資金を拠出して東部地域の発展に用いていることを考慮すると、現実から見るとロシアはアジア太平洋地域の全方位のメンバーに変わりつつあり、その中には本地域における軍事的プレゼンスも含まれる。アメリカと日本が自らの地位を強化することを企図しつつあるのはごく自然である。彼らは、アジア太平洋地域に新たな力量の中心が出現し、影響力の再配分をもたらすことになるとはっきり分かっている。こうした種々のこと全てが、日本を以前言われたところの軍備競争の中に巻き込むことを刺激している。この国はグローバルな性質に変わりつつあるのであって、地域性の軍事強国ではない。これは日本がここ何年か推進してきた政策の結果でもある。まだあり、日本国内の民族主義勢力の台頭とも関係がある。その他の国にもこのような趨勢が存在する。私は、将来非常に多くの軍事、政治的野心と計画が再興する可能性を排除しない。」

アレクセイ ボデビェリェツキンは、日本が発生させる一切は、決してアジア太平洋地域の安定を増進しないと堅く信じている。

彼は次のように語る。「アジアで発生する実力の変化の客観的過程はアメリカおよび日本にとって不利だが、中国とインドにとっては全く逆である。言葉を変えて言えば、政治および経済的力量に急激な変化が発生しつつあり、さらにはゲームのルールも発展変化しつつある。しかも、以前のルールは中国、インド、インドネシアあるいはマレーシアいずれににとっても不公正だった。当然、ゲームのルールと行為の方式につき共通認識を達成する、つまりアメリカ、日本と中国、インド、インドネシア、マレーシアおよびベトナムとが談判によって、アジア太平洋地域において某種の安全保障体系を建立することはできる。だが実践は、この種の談判メカニズムはしばしば運行できないことを証明しており、しかもアメリカは超越的に強い軍事的実力を使用してその当地域での経済および政治的影響力が衰退する態勢を補うことを企図している。全く疑いなく、このことは地域の情勢をより動揺したものに変えることになる。」

アレクセイ ボデビェリェツキンはさらに、もし日本がアメリカの盟友、あるいは独立した身分をもって自らの武装力量を拡大すれば、日本はアジア太平洋地域の安定と安全の低下に対し責任を負うことになる、と指摘する。


 学者はまあ何言ってもいいですけど、じゃあ具体的にどうしろっていうんだと言いたくなりますが。まあ誰が見ても日本にとって受け入れ難いことしか言えないから書かないんでしょうけど。













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