ロシアメディア、中国の武器輸出入を評する

 やや上から目線の論調です。

http://www.hinews.cn/news/system/2014/03/14/016527792.shtml


ロシア、中国は武器コピー生産の大家だとする 小火器輸出はすでに世界1となる

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国の97式小銃がすぐには分からないほどに改造されている」 ちなみに97式は95式の輸出型5.56mm仕様です。)

【グローバル軍事報道】 ロシア軍事工業総合体ウェブサイト3月13日の報道によれば、現在世界武器市場は国際政治および経済の等級の直観的反映であり、強者が売り、弱者が買う。この伝統的ルールの下にも例外はあり、例えば中国である。2013年、中国はすでに世界第2の経済体の名に恥じないが、依然武器購入大国の1つである。だがこれも何のパラドックスとも評価されない。結局のところ中国の数の優勢を質の優勢に転化することは非常に難しいのである。中国国防工業はすでに相当多くの武器を生産できるが、スマート軍事方面では依然不足である。

世界5強

スウェーデンのストックホルム国際平和研究所の見積もりの計算によれば、2013年の世界武器輸出大国は順にアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、ドイツであり、販売額は2,230億アメリカドルにも達し、総額の91%を占める。その他の大国にはさらにオランダ、スペイン、イタリア、イスラエルがあり、それらはいくつかの地域(南米)や細分化された(小型武器、戦車、装甲車両)武器市場で顕著な作用を果たしている。

アメリカの兵器工業は毎年5,500億アメリカドルを超える膨大な支出をもって全世界の50%近い武器市場をコントロールしている。ロシアはランキング第2位で、去年の販売額は79億アメリカドルで、軍事工業領域の投資はアメリカの1/4に過ぎない。中国の現在の投資もロシアを超えているが、武器輸出、販売は逆にごく少なく、しかも関連の製品は主にソ連が当時援助した武器のサンプル品にルーツがあり、わずかにグレードアップを行っているだけである。特にカラシニコフ系列の自動小銃やT-56、T-70戦車という旧式な機種である(頑住吉注:戦車の名称間違いだと思います)。中国の武器の主要なユーザーはアフリカや中東地域にあり、ここ40〜50年来そこでは局地衝突がしばしば起こって絶えず、実際上全てゲリラ戦であり、このため前世紀の武器に対し自然の需要があるのである。

現代の武器市場は「ゲリラ戦武器」を忘れているわけではないが、現在は第2段階の技術革命が進行中である。特に高精度電子武器が部隊装備されると、新型電子戦設備と部隊の自動化指揮システムに対する需要はすでに首位に躍り出ている。

IT武器

過去において戦場を監視する電子情報空間、リアルタイムのIT目標指示、ITによる戦場状況追跡が、世界の大国とヨーロッパの先進国が重点的に関心を注ぎ、優先して開発する対象でしかなかったとするならば、今日ではほとんどあらゆる国がスマート軍事装備およびその高度新技術指揮システムを持ちたがっている。このことはあらゆる国際軍事装備および武器展で1つの例外もなく充分に体現されている。展示に参加する業者のこれらの武器および近代化された作戦指揮システムに対する需要は需要全体の90%を占める。だが普通と違うのは、いかなる国も対外的にこうした武器システムを販売したくないということだ。前世紀末に生産された、近代化された電子システムを配備していない戦車、飛行機、火砲、ミサイルシステムは随意に買うことができる。だが新世代スマート製品、特に最新型電子戦システムや部隊自動化指揮システムは決して売られない。原因はごく簡単である。こうしたシステムは現在の軍事大国やその他の5〜7カ国の高度に発達した国の、その他のあらゆる国の面前での軍事技術の優勢を確保することができるからである。この方面において、商業的利益は国家の安全の利益に服従する。

このため、もしロシアが今日中国向けにS-300およびS-400対空ミサイルシステムを輸出できるとしたら、こうした武器はどうあろうとも立ち後れているとは言いようがないし、甚だしきに至っては逆に非常に先進的と言えるが、こうした武器システムの電子設備の保障、およびそれらと航空隊、戦車分隊、砲兵との間のIT協同は、中国によって自ら組織されることが必須なのである。中ロの各クラスの指導者の会談から見て、中国サイドはしばしばロシアサイドの電子戦および自動化指揮システムの購入の問題を提出している。中国軍のこの方面における自主研究開発にはしばらくのところはまだ良い結果がないのである。

コピー生産の大家

中国はインドのすぐ次のロシアの武器輸入大国の1つである。中国軍が毎年必ず計画的に適当にロシア軍事装備購入の規模を減少させていることに気付くのは難しくないのだが。ロシア軍事科学院教授ケジリンはロシアの軍事技術協力を語る時に、以前中国に対する供給量がロシアの武器輸出総額の60%を占めたとするなら、最近の何年かではこの比率はすでに12〜15%まで低下している、と指摘した。これは理解できる。何故なら中国がコピー生産の大家だからである。過去15年、中国は大量の資金を投入してロシアの軍事技術を模倣した。もし中国が以前はまだロシアの飛行機や戦車を購入していたとするなら、現在はすでに自らこうした武器を生産し、中国の商標を貼ることができるだけでなく、さらにより低価格でその他の国に販売し、ロシアの伝統的なユーザーを争奪することができる。まずは東南アジアにおいてである。例えば、中国の殲ー11戦闘機とロシアのスホーイー27には驚くほど似たところがあり、L-15-03練習戦闘機はYak-130に酷似し、PHL-03多砲身ロケット砲は「竜巻風」によく似ている。

これらの武器はより低い価格をもってロシア製品の優勢な地位に挑戦し、しかもいくつかの地域の市場だけのことではない。やや遠慮がちに言えば、中国はこの種のコピー生産武器によってすでにいくつかの細分化された武器市場でロシアの手中から世界に先んじた地位を奪い去っている。例えば接近戦兵器と小型武器弾薬の供給規模において、中国はすでに世界の首位に躍り出ている。ロシアはランキング第2位、アメリカは第3位である。ロシア国防輸出社が統計を出した2012年のデータによれば、中国のカラシニコフ類似の自動小銃の生産量はロシアの2.5倍である。

その他の細分化された市場からも危険信号が伝わってきている。例えばマレーシア軍当局者はすでに、もはやロシアから現役のロシア製戦闘機のために部品を購入しないと言明しており、中国がすでに彼らに向けより有利な条件を提出している。中国が販売するのは明らかにいわゆる「コピー生産品」であり、ハードウェアは同じだが、デジタル化された電子設備はなく、それはロシアによってのみ補充され得る。

中国の防空システム

中国は品質があまり良くないが非常に安価なロシア製武器のコピー生産品を輸出するだけでなく、さらに保護主義政策を実行している。武器契約締結時、広範な埋め合わせの計画と目的性を持った優遇された条件の貸付を行う他、さらにユーザー向けに有利なエネルギー源、交通運輸、社会プロジェクトを提案している。言い換えれば、中国はまさにソ連が当時やったことをやり、発展途上国に大きく足を踏み入れている。ロシアの政治・軍事分析所の専門家ヘラムーチンは、人々はある時には、武器貿易、販売は技術装備だけではなく、さらに政治的影響力があるのだ、ということを忘れる、と考える。

周知のように、現在中国は15個S-300PMU2地対空ミサイル大隊と4セットの指揮コントロールシステムで北京、上海およびその他の工業の中心が空襲を免れるよう保護している。これは「ダイヤモンド-安泰」社の対空ミサイルシステム輸出方面の最大の契約である。中国はしばらくはまだこの種のミサイル装備をコピー生産していないが、それも暫時の現象でしかない。

インド市場の争奪

中国が計画的にロシア武器購入を減少させた後、インドがロシア武器第1の輸入大国となり、ロシアの武器輸出総額の25%を占めている。インドもかつて中国にならってコピー生産の道を行くことを企図したが、ロシア武器コピー生産方面で決して成功していない。中国とは異なり、インドの国防工業新領域建設方面には多くの困難があり、基本的にゼロからの開始を迫られる。しかし、インドは依然継続して相当に大規模なロシア・インド武器協力プロジェクトを実行しており、ロシアから全部で230機のスホーイー30MKI戦闘機、1,000両のT-90戦車、80機のミルー17V-5軍用輸送ヘリ、「ヴィックラマディヤ」号空母を購入(ライセンス生産)し、かつ合同で「ブラームス」超音速ミサイルを研究開発しているが、インドはすでにロシア武器の購入を減少させる準備をしているようだ。その主要な原因は競争である。

アメリカからイスラエルまでを含む武器生産大国は現在全てインド市場を争奪中である。ロシア・インドのいくつかの武器プロジェクトはすでにこのように激烈な競争の衝撃を受け止められない。例えば、インドはすでにアメリカと、一定数のC-130J軍用輸送機の供給に関する契約を締結し、2014〜2016年に商品引き渡しが行われる計画である。したがってロシア・インドのMTA輸送機合同研究開発プロジェクトに暗い影を投げかける。アメリカのすでに量産を開始している第5世代小型戦闘機F-35にも同様に輸出バージョンがあり、このことはロシア・インドが合同で研究開発するFGFA第5世代戦闘機プロジェクトの作業も停止される可能性があることを意味する。ヘラムーチンは、ロシアはすでにインドが必要とする武器を提供しておらず、ロシアサイドが推薦する製品は依然ソ連にルーツがある、と指摘する。このためボーイング社が去年インドへの対潜哨戒機供給に関する契約を勝ち取り、20億アメリカドルの巨額発注を奪ったことに対し、すでに驚きを感じる人はいない。

武器輸出の版図

ロシアの武器市場の地理的版図が明らかに東南方向に向かって傾斜していることを見いだすのは難しくない。すなわち、中国、インド、マレーシア、ベトナム、シリア、アルジェリアである。2年前、アルジェリアは75億アメリカドルの航空装備に関する契約によって、一度はロシア式武器第1位の輸入大国になった。ベトナムはかつてない巨額契約によって、40億アメリカドルを出資して6隻の潜水艦を購入し、ゼロから開始してその停泊のために沿海基礎施設を建設し、ロシア武器の輸出構造を打破し、その重点を海軍装備に向けて傾斜させ始めた。これまでロシア武器の輸出構造の中で、争い得ない「リーダー」はずっと航空装備(60%を占める)、その次が陸軍装備(20%を占める)、海軍武器(8〜10%を占める)および防空システム(6〜8%)だった。南米地域では、ベネズエラだけが大量にロシアの飛行機、ヘリ、戦車、小火器を購入している。その他の国、例えばブラジル、メキシコ、コロンビアは、やはりスホーイおよびミグの飛行機に対し興味を感じているが、購入した国は1つもない。この種の興味はしばらくは政治的なものに過ぎず、実際の調達契約に転化することはできない。


 中国の最新技術に対する低い評価は古い情報に基づいているのではないかという気もしますが、いろいろな国への航空機、戦車、潜水艦、海上艦艇、ミサイルなどの輸出によって実情は明らかになってくるでしょう。。ロシアの潜水艦輸出は多分今後も伸びていくでしょうが、この方面でも中国との競争は激しくなると思われます。

 もう1つ関連の記事です。

http://military.china.com/news2/569/20140319/18400930.html


インドの武器輸入額は中国、パキスタンなどの隣国の3倍

[フランス通信社2014年3月17日の報道] スウェーデンのシンクタンクSIPRIの報道によれば、インドは依然世界最大の武器輸入国で、ここ5年の武器輸入額はほとんど隣国である中国やパキスタンの3倍である。

SIPRIは、全世界の武器交易の数量は2009年から2013年の5年、2004から2008年の5年に比べ14%増加した、とする。

ここ5年、インドの武器輸入額は2004〜2008年に比べ111%増加し、インドの全世界の武器輸入総額に占める割合は7%から14%まで上昇した。現在インドはより広範な武器の供給源を探し求めており、かつ目標をアメリカに定めている。「ジェーン」のあるデータは、2013年にインドはアメリカ製装備最大の輸入国となり、総輸入額は19億アメリカドルで、これにはC-17A輸送機とP-8I海上哨戒機などの大口交易が含まれることをはっきり示している。だがSIPRIのデータがはっきり示すところによれば、2009〜2013年のアメリカ製武器の数量は、依然インドの武器輸入総数量の7%を占めるだけである。

2009〜2013年の期間、インドの隣国パキスタンの武器輸入額は119%増加し、全世界の武器輸入総額に占める割合は2%から5%に増加した。2009〜2013年の期間、全世界のランキングベスト5の武器輸出国はそれぞれアメリカ(全世界の武器輸出総額の29%を占める)、ロシア(27%)、ドイツ(7%)、中国(6%)、フランス(5%)であり、これらの国の武器輸出総額は全世界の市場のシェアの74%を占める。全世界のランキングベスト5の武器輸入国はそれぞれインド、中国、パキスタン、アラブ首長国連邦、サウジアラビアである。

アフリカ地域の2009〜2013年の武器輸入は2004〜2008年に比べ53%急増し、3大輸入国は順にアルジェリア、モロッコ、スーダンである。同じ時期、ヨーロッパの国の武器輸入額は逆に25%減少しており、イギリスはヨーロッパ最大の武器輸入国で、その次はアゼルバイジャンとギリシャである。(中国船舶工業総合技術経済研究院 呉小蘭)


 ベスト3の武器輸入国はいずれも輸出にも力を入れ、アラブ首長国連邦がロシアに無人機を輸出するなんていう話もありましたね。






















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