鷹撃ー12は迎撃不能?

 「中国の対艦ミサイル2題」との重複部分も多いですが、鷹撃ー12対艦ミサイルに関する記事を紹介します。

http://military.china.com/important/11132797/20130920/18055738.html


アメリカメディア:中国のYJ-12対艦ミサイルの速度はマッハ4にも達する 迎撃不能

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:鷹撃-12大型対艦ミサイル」)

9月8日、日本サイドは中国の2機の轟ー6爆撃機が宮古水道上空を突っ切り、東海と太平洋の間で往復飛行するのを発見した。「銭江夕刊」の報道によれば、今回日本が撮影した轟ー6の主翼下内側には独特の長い吊り下げ搭載架があり、これは鷹撃-12の専用ラックだと考えられている。鷹撃-12は中国が最も新しく研究開発した先進超音速対艦ミサイルである。非常に多くの軍事分析家の見るところでは、鷹撃-12は威力が東風ー21D弾道ミサイルのすぐ次の対艦の利器である。ならば、これはどんな種類のミサイルなのか?

最も神秘的な対空母の利器

鷹撃-12大型対艦ミサイル(またの名をYJ-12)は中国最新の対艦ミサイルに属し、現在まで最も神秘的な対空母の利器でもある。

ネット上の画像から見て、鷹撃-12大型対艦ミサイルは中国で最も先進的な4つの空気取り入れ口を持つ一体式ラムジェットエンジンを採用し、それぞれ弾体の周辺に対称に配置されている。翼は折り畳み式のX字型レイアウトを採用し、弾頭はやや尖った放物線状の空力外形を採用している。このレイアウトのメリットは、ミサイルが高機動飛行模式に入った時、少なくとも2つの空気取り入れ口が正常な空気取り入れを保持することで、一定程度上末端段階における防御突破能力を保証している(頑住吉注:戦闘機の背面に空気取り入れ口があると大仰角時に空気が充分取り入れられなくなる、というのと似た理屈で、放射状対称に配置しておけばどれか機能する、ということですね)。

鷹撃-12はGPS+「北斗」連合衛星制御誘導+末端ブロードバンドアクティブレーダーシステムで、極めて高い命中精度を持つ。このミサイルは発射後まず一定の高度の高空にまで上昇し、データリンクによって味方サイドの早期警戒レーダーから来る第1回目の目標パラメータを受信して確認し、制御誘導システムがパラメータを飛行コントロールシステムに送った後、ミサイルは下降を開始し飛行高度が低空の巡航状態に入る。低空巡航段階では、ミサイルはサイレントな(頑住吉注:電波をこちらから発射しない、ということのようです)衛星ナビゲーションと慣性ナビゲーションの誘導の下に沈黙した飛行を行い、速度はマッハ1.5、高度は12から15mである。飛行が攻撃目標から50kmに至った時、アクティブ制御誘導レーダーがONになり、かつ衛星制御誘導と共に目標の最新パラメータを確認し、再びデータリンクの情報と比較し、確認後ミサイルは末端攻撃状態に入る。

推測によれば、鷹撃-12は重量が2〜2.5トンの間で、全長約7m、飛行速度はマッハ4、射程はおよそ400kmに達し得る(すなわち「ダブル4」模式でもあり、特に400kmの射程とマッハ4の速度を指す)。鷹撃-12のラムジェットエンジンによって付与される高速性能は、さらに一歩敵サイドの反応時間を圧縮し、防御突破を実現する。もし集中的に「飽和攻撃」を行えば、破壊力はさらに驚異的となる。作戦用途から見て、鷹撃-12は誘導弾頭の交換方式によって対艦ないし対レーダー作戦が執行でき、打撃方式は非常に柔軟である。

鷹撃-12の搭載機の選択に関して最も早く明らかになったのは「飛豹」戦闘爆撃機である。「飛豹」の弾薬搭載能力は強く、航続距離は長く、その充足した機体スペースと比較的大きい外部吊り下げ能力は大型ミサイル搭載機への改装に非常に適している。「飛豹」の作戦半径は1,650kmで、加えてこのミサイルの400kmの射程があり、中国の東、南沿海方面の潜在的敵に対し非常に大きな脅威を作り出し、第二列島線内外の敵海上目標を威嚇する能力もある。海、空軍がすでに大量装備しているスホーイー30MKK、殲ー16、轟ー6G/Kなどの機種も鷹撃-12の理想の搭載機である。作戦半径の上で、この三者は「飛豹」よりさらに少し大きく、より大きな範囲内で対空母および対艦作戦任務が遂行できる。

鷹撃-12は重量が比較的大きいので、「飛豹」というこのような搭載能力が比較的大きい戦闘機でも2発の鷹撃-12しか搭載できず、新型エンジンに換装した轟ー6G/Kでも4発しか搭載できない。

鷹撃-12の主要な設計目標は敵サイドの防御が厳密な超大型海上目標であり、その300kgを超える炸薬量は1発の命中でも大型艦艇の戦闘力を喪失させるに足りる。もし同時に2発命中すれば、敵サイドの空母を海底に送り込むのに足りる。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「資料画像:中国の対艦ミサイル」です。)

西側の対ミサイルシステムではどうすることもできない

アメリカの「ストラテジー ページ」ウェブサイト発表の文章は、鷹撃-12の高速度はその対ミサイルシステムに抗する能力を非常に強大にし、甚だしきに至っては各国の水上艦艇の防御領域における新たな変革をもたらす可能性がある、と指摘する。鷹撃-12ミサイルの末端段階の速度はマッハ4に達し、現在の西側のいかなる現役近距離迎撃システムもこれに対してはどうすることもできない。

専門家たちは、DF-21D対艦弾道ミサイルと鷹撃-12超音速対空母ミサイルは米軍の現在の「イージス」システムによって構成される艦載防御網を有効に突き抜けることができる、と考える。こうしたミサイルを迎撃したければ、より効果の高いレーザー防御システムを研究開発することが必須だが、これは短時間内に実現できることではない。少なくとも10年内、西側諸国の艦艇にはまだ有効な防御方法はないと見られる。

イギリスの「週刊ジェーン安全保障業務」は、中国が研究開発した鷹撃-12の性能は現在すでに知られているあらゆる対艦ミサイルをはるかに超え、飛行機上から発射できるだけでなく軍艦、潜水艦、陸上発射車からも発射できる、と考える。このミサイルと名が聞かれてすでに久しい東風ー21Dのコンビネーション作戦は、中国に高低2つの方向の協同打撃能力を形成させ、敵サイドの艦艇、特に空母など大型主戦艦艇の防御を困難にさせることになる。

(頑住吉注:3ページ目)資料画像:鷹撃-12大型対艦ミサイル

(頑住吉注:4ページ目)鷹撃-12超音速対艦ミサイルの模型が初めて明るみに出た時、これはダブルの空気取り入れ口のラムジェットエンジン設計方案を採用していたが、最新の画像から見てこのミサイルは4つの空気取り入れ口のラムジェットエンジンを使用するよう改められており、2006年から2007年に中国がロシアから導入したKH-31対艦ミサイルのグレードアップ版のようだ。資料画像:KH-31超音速対艦ミサイル

(頑住吉注:5ページ目)全体的に見て、YJ-12は縮小した3M80対艦ミサイル(頑住吉注:サンバーン)のようだ。このことは意外ではないはずで、わが国の海軍はすでに3M80対艦ミサイルを使用して一定の時間になっており、また我が国はすでにKH-31Pミサイルを導入、生産している。これもこうしたレイアウトであり、我が国はこうしたレイアウトのミサイルを非常に熟知しており、さらに重要なのはこの軸対称のレイアウトが垂直発射システムに整合するのに比較的適していることだ。我が国が何故3M55対艦ミサイルの弾頭から空気取り入れを行うレイアウトを採用していないのかに関しては、筆者はこのレイアウトは構造は比較的簡単だが、弾頭からの空気取り入れのショックコーンが比較的小さく、末端段階制御誘導レーダーのサイズ、特にアンテナの口径を制限し、その探知計測能力を低下させ、また大仰角性能が比較的低く、ミサイルの機動性能を制限するからだと考える。

(頑住吉注:6ページ目)画像はネット上に公開されている中国の轟ー6機が鷹撃-12対艦ミサイルを搭載している画像。YJ-12の寸法から見て、筆者はその低空射程は150km前後、高空射程は250から300kmのはずだと考える。ある人の言う低空400kmの射程は、実際にはSS-N-19のようなミサイルが発射重量7トンに達してもその低空射程がやっと550km前後であり、YJ-12がこのような指標に到達できるというのは非常に想像し難い。

(頑住吉注:7ページ目)資料画像:轟ー6G爆撃機の主翼下の吊り下げ搭載架が1つ延長されており、分析はこの搭載架には鷹撃-12ミサイルが搭載可能だとする。

(頑住吉注:8ページ目)CG画像:複座型殲ー15が鷹撃-12を搭載


 必ずしもミサイルの速度が高ければ迎撃できないという単純な話ではないと思うんですが、本当に西側の対ミサイルシステムではこのミサイルを迎撃できないんでしょうか。しかし仮に75%の確率で迎撃できても4発以上飛んできたら命中弾を受ける可能性が強いわけで、自衛隊の艦にとっても厄介な相手であるのは間違いないでしょう。
















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