中国の潜水艦、対潜戦力

 通常潜水艦、原潜、対潜戦力などに関する分析です。

http://military.china.com/important/11132797/20130717/17949863.html


アメリカメディア:「高新六号」は中国の対潜の範囲を第二列島線まで進出させる

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国海軍の094型戦略ミサイル原潜」)

アメリカのブルームバーグニュース社は7月11日、アメリカ国家航空宇宙情報センターは「弾道ミサイルおよび巡航ミサイルの脅威」という題のレポートを発表し、このレポートは中国の核武器庫内には新たな潜水艦から発射するタイプの「巨浪ー2」弾道ミサイルが含まれ、このミサイルは中国の戦略原潜に初めて、中国近海区域からアメリカ本土の一部の地域を打撃する能力を持たせるとしている、とした。中国の潜水艦戦力、対潜の実力はずっと前から中国の軍事力の最も神秘的な部分の1つと見られてきた。7月5日から12日、中ロは日本海のピョートル大帝湾で合同軍事演習を行ったが、双方の合同対潜演習は実戦に近く、さらに外国メディアの興味をかき立てる。では、中国の潜水艦と対潜戦の実力は一体どのようなものなのか?

本報特約執筆原稿 郭宣

中国による潜水艦改良の「難度はあまり高くない」

中国海軍は1960年代からもう潜水艦部隊の保持を始め、さらに一歩深く入り込んで潜水艦技術を発展させるのは決して難度が非常に高いことではない。何故なら、中国は3世代の潜水艦を配備した経験を持つからである。

通常動力潜水艦方面では1990年代中期以後、中国は全部で12隻ロシアの「キロ」級通常動力攻撃型潜水艦を購入し、同時に2種の新型の国産潜水艦を配備し、これには041型「元」級(039Aとも呼ぶ)と相対的に新しい039/039G型「宋」級通常動力攻撃潜水艦が含まれる。現在、中国海軍は全力で「宋」および「元」級ディーゼル・電池動力通常潜水艦を発展させており、この2機種の潜水艦は大量建造中である。

「キロ」級潜水艦とこの2機種の国産通常動力潜水艦はいずれも中国海軍のより近代化された潜水艦と考えられており、その前の旧式な潜水艦に比べ、これらの潜水艦は作戦能力方面においてより強大である。

現在、解放軍海軍通常動力潜水艦の数は次の通りである。035型「明」級潜水艦17隻、「キロ」級潜水艦12隻、039型「宋」級潜水艦20隻(現在建造されているのは系列最後の1ロット)、041型「元」級潜水艦2隻(より多くの数が依然建造中)、改良型「元」級潜水艦(少なくとも2隻が現在依然建造中)。

ある情報は、中国の最新型通常動力攻撃潜水艦の第1隻目はすでに進水し、この潜水艦は「元」級潜水艦の後続機種である可能性がある、とする。外観から見て、この潜水艦は「元」級に比べ1/3大きくなっている。この潜水艦にはさらにより大きな「背中」と指揮塔があり、少数のウォッチャーにはこれらの特徴に対する多くの推測があり、一部の視点はこれはミサイルの貯蔵と発射のためかもしれないと考えている。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「アメリカ海軍情報事務室のレポートは予測を行い、2015年になれば中国初の095型原潜が就役する、としている。」です。)

「095」は巡航ミサイルの垂直発射ができる

アメリカのペンタゴンや一部のウォッチャーは、中国海軍の第1世代攻撃型原潜091「漢」級はすでに旧式すぎ、その水中任務執行時の騒音は相手にごく容易にこれを発見させる、と考える。アメリカ海軍情報事務室は、093型「商」級攻撃型原潜の設計方案は、更新された095型攻撃原潜によって取って代わられる、と考えている。

アメリカ海軍情報事務室のレポートは予測を行い、2015年になれば中国初の095型原潜が就役する、とする。ペンタゴンの情報は、2隻の第2世代093型「商」攻撃型原潜はすでに解放軍海軍に配備され、さらに5隻にも達する095型攻撃原潜が今後何年かのうちに解放軍海軍に加入する、とする。095型攻撃原潜はさらにずば抜けた水中静音技術を整合し、しかも偵察から魚雷および対艦巡航ミサイルを利用しての水上戦闘艦打撃までの総合能力も顕著に向上する。

095型原潜はどんな使命を付与されているのか? 西側の軍事専門家は、近年来の中国軍の新兵器研究開発の動き、特に巡航ミサイル、空母打撃武器を高度に重視した研究開発の特性からだけでも、095型原潜の基本的設計構想が判定できる、と考える。

アメリカ海軍戦略専門家ビル ゲイツは、ある信頼できる情報は最新型の095攻撃原潜設計作業は2007年3月に終わり、現在すでに3隻が建造に入っていることをはっきり示している、とする。西側は普遍的に、095攻撃型原潜はあらゆる最新の騒音低下措置を採用することになる、と推測する。中国沈陽工作機械工場の精密工作機械に関する一流技術、「宋」級潜水艦で早くも7枚羽スクリュー推進システムの採用を開始していたことにかんがみれば、最新の095は全く疑いの余地なくより新しいタイプのポンプ推進技術(頑住吉注:ウォータージェット)を採用している。武器装備方面では、095はさらに猪突猛進で、より先進的な「鷹撃-62」超音速大型対艦ミサイルと「長桜」-3対潜ミサイルを装備する他、さらに垂直発射システムを持ち、「東海-10」潜水艦発射型対地攻撃巡航ミサイルが発射でき、このミサイルの射程は2,000kmに達し得、敵の縦深目標が打撃できる。

西側は、095型原潜は通常潜水艦に比べずっと複雑な大出力ソナーシステムをを持ち、敵に先んじて発見し敵に先んじて火蓋が切れる、と推測する。095が発射する最新式の「長桜」-3ミサイルは、「鷹撃」対艦巡航ミサイルの弾体と対潜魚雷の弾頭を継続使用することになる。

095型攻撃原潜は巡航ミサイル発射が主要な使命であり、必要ならば魚雷発射管からの発射から徐々に垂直発射システムに移行する。095型攻撃原潜に関して言えば、最大の突破は垂直発射システムにある。中国海軍潜水艦戦力にとって、これはエポックメイキングな進歩である。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「ペンタゴンの情報は、2隻の第2世代093型『商』攻撃型原潜はすでに解放軍海軍に配備されている、とする。」です。)

096「唐」級はすでに設計が完成

現在、中国の海上基地核戦力は主に1隻の092「夏」級弾道ミサイル原潜と2〜3隻の094「晋」級弾道ミサイル原潜からなる。「夏」級弾道ミサイル原潜は12発の「巨浪ー1」型弾道ミサイルを搭載し、それぞれの「晋」級弾道ミサイル原潜は12発の「巨浪ー2」型弾道ミサイルを搭載する。

外界の以前の推測は、「夏」級原潜は決して実戦配備に進んでおらず、巡航任務すら全く行ったことがない、としていた。だが中国海軍の現在の発展の軌跡は、中国は能力的飛躍の転換点にあり、「晋」級原潜と「巨浪」-2型弾道ミサイルが間もなく配備され、作戦能力を実現する、ということを示しており、これは中国初の信頼できる海上基地核威嚇力量となる。

資料は、中国海軍が2015年までに4〜6隻の「晋」級戦略原潜を建造する計画であることをはっきり示している。第1隻目の「晋」級戦略原潜の建造は2001年に開始され、2004年に7月進水し、2007年3月に正式に就役した。「ジェーン水中戦争システム」誌が明らかにするところによれば、中国はすでに4隻の094型原潜を建造済みである。ある情報は、第2隻目の「晋」級原潜は2008年に航海試験段階に入り、2009年に正式に就役した、とする。残る「晋」級原潜は隔年で1隻就役することになる。

「巨浪」-2型弾道ミサイルが094型原潜プラットフォームから試射された、デモンストレーションに参加した、あるいは軍事演習に参加したという公開された情報がずっと見られないため、この新型弾道ミサイル原潜およびその搭載する弾道ミサイルはまだ作戦配備が実現していないことを暗示している可能性が高い。もしこの2つのシステムがすでに配備されていたとしても、解放軍海軍の新たなシステムは質の上で依然明らかに西側の現有の弾道ミサイル原潜に立ち後れている。中国海軍に比べ、アメリカ海軍の戦略力量は非常に明確な優勢を占めており、その戦略原潜部隊は14隻の「オハイオ」級弾道ミサイル原潜からなるのである。

解放軍海軍はすでに本国の歴史上初の信頼できる海上基地核威嚇力量に近づいているが、「晋」級原潜プラットフォームには性能上まだ不足が存在し、実際の作戦能力方面でも困難に直面している。

2020年になれば解放軍海軍が全力を尽くして欠陥を補い、かつアメリカの戦略原潜力量との隔たりを縮めることが想像できる。ある分析は、094型弾道ミサイル原潜はあるいは代価は比較的高いものの、もう1つの試験的性質のプロジェクトに過ぎない、と考える。このため、解放軍海軍は現在努力して、中国海上基地核威嚇の大黒柱として096型弾道ミサイル原潜を開発している、というのである。

あるレポートは、096型「唐」級弾道ミサイル原潜はすでに設計作業が完成している、とする。2010年初め、インド国際事務委員会研究センターの主任で、元インド海軍将校のサクフージャは文章を執筆して、「中国は現在次世代の096級戦略原潜の開発作業に従事しており、その外形、構造は094『晋』級原潜に近く、極地の氷の層で覆われた下からミサイルを発射する能力を持っている可能性が高い。」とした。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「資料画像:解放軍海軍の『巨波ー1』型潜水艦発射ミサイルが水面から出た瞬間。」です。)

「高新六号」は対潜を第二列島線まで進出させる

近年来、中国水上戦闘艦の対潜技術はすでにある程度向上しており、さらに一歩水中監視・偵察能力を向上させるため、解放軍水上戦闘艦は普遍的に対潜設備の改装を済ませている。

アメリカの「シグナル」の報道によれば、一部の解放軍海軍駆逐艦は対潜センサーと武器システムを配備している。FQF-2500型12本バレル204mm対潜ロケット弾発射装置は射程がより長い(5,000m)87式6本バレル対潜発射装置に取って代わられている。最も重要な改変は、艦尾の可変深度ソナーを取り外して曳航式アレイソナーシステムを追加装備したことである。

また、中国は秘密のうちにその他の艦船に曳航式パッシブアレイソナーを装備し続けると見られ、したがってさらに一歩それらが対介入監視および西側潜水艦の追跡を展開する能力が増強される。

実戦という角度から言うと、対潜で最も有効な手段は航空対潜であり、海上固定翼対潜哨戒機は最も先進的な海軍の対潜の主力である。このためそれぞれの海軍大国で海上固定翼対潜哨戒機を海軍力建設の重点としない国はない。この方面においても中国海軍は小さからぬ進歩を取得しており、最も顕著な印は「高新六号」対潜機である。この中国の現在の最高レベルを代表する新型固定翼対潜機は、解放軍の対潜能力にとって重大な飛躍である。

「高新六号」は中国の「運ー9」輸送機の機体を使用し、機首の下方に「頬」型の整流カバーを追加装備し、360度海面を見渡せる捜索レーダーを配置し、潜水艦のシュノーケル、潜望鏡、ブイなどを有効に探知計測できる。この機の尾部には1本の非常に長い「トゲ」があり、これは水中の潜水艦を探知計測する磁気異常探知機(MAD)を用いるために装備されたものである。この機は空対空ミサイル、爆雷、機雷、対潜魚雷などの武器を搭載でき、対潜偵察が行え、潜水艦や水上艦船に対する直接攻撃を展開することもでき、さらに自衛に用いることもできる。

アメリカのP-3C対潜哨戒機と比べると、「高新六号」は最大巡航速度、一般巡航速度、最大離陸重量などの方面で大差なく、最大航続距離のみP-3Cに及ばない。外観から見て、この機は先進的な大後退角6枚羽プロペラのエンジンを採用しており、出力は5,200馬力に達し、航行速度が早い、燃料消費が抑えられる、安定性が高いなどの特徴を持ち、しかも野戦飛行場から離陸できる。

作戦任務の分配に基づき、「高新六号」は10名を超える乗員を搭載できると見られ、これには操縦員、レーダー員、ソナー員、潜水艦捜索員、および技術分析、ソナー投下、武器操作などの人員が含まれ、偵察、分析、攻撃を一体に集めた対潜体系を形成する。

「高新六号」は中国の対潜、監視コントロールの範囲を第二列島線までカバーするものにさせる、とされる。現在、空中対潜任務を執行する「高新六号」はすでに明るみに出ており、この機は「空潜-200」(KQ-200)対潜哨戒機と命名される可能性がある。

アメリカサイドは、もし解放軍に30機の「高新六号」があれば、アメリカ、日本の潜水艦に対し即有効に対抗でき、さらには東南アジア諸国の潜水艦を導入して中国に対抗する企図を完全に無効にすることもできる、と評価する。同時に米日の潜水艦の第1列島線外の中国に照準を合わせた活動を阻止することができ、甚だしきに至っては中国の対潜作業を第2列島線まで推進することができる、という。さらに重要なのは、「高新六号」が上述の海域の外国潜水艦をクリーニングした後、中国海軍潜水艦部隊が比較的安全な状況下でスムーズに列島線の封鎖を突破し、さらに便利に遠洋での作戦任務執行に向かえることである。

(頑住吉注:5ページ目)中国の巨浪ー2潜水艦発射弾道ミサイルの発射試験。

(頑住吉注:5ページ目)中国の「高新六号」対潜機。

(頑住吉注:7ページ目は本文の一部を切り取ったものなので省略します。8ページ目)アメリカは将来中国海軍の実力の増長はアジア太平洋地域のアメリカ海軍に対し実質的脅威を構成すると考えている。


 対潜機に関してはアメリカも日本も次世代機種を登場させており、そんなに心配することはないと思うんですが、戦略ミサイル原潜に関してはアメリカの大都市の一部にでも核攻撃が行える能力を持てば、たとえ全体的に劣勢でも非常に大きな威嚇力となって国際関係に影響を与えるわけで、深刻度がより高いと思います。














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