中国の専門家、日米の潜水艦を評する

 2つの記事ですがいずれもコラムで紹介した記事にも登場している「全国政治協商委員、海軍ネットワーク安全・情報化専門家諮問委員会主任の尹卓少将」による評価です。

http://military.china.com/important/11132797/20160302/21651279.html


専門家、日本の潜水艦はしばしば中国軍艦を追跡する、とする もし開戦したらあるいは待ち伏せ攻撃するか

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「そうりゅう級潜水艦は現在日本海上自衛隊の手中の切り札である」 なおこの記事のキャプションは全てこれと同じです。)

2月28日、日本の「そうりゅう」級潜水艦の模擬作戦訓練の画像が珍しくも明るみに出た。「そうりゅう」級は日本海上自衛隊の現役で最も先進的な潜水艦である。軍事専門家の尹卓は中央テレビ「今日のアジア」コーナーのインタビューを受けた時、、日本の自衛隊の潜水艦は東海方向でしばしば中国海軍艦艇の活動を偵察、監視する、とした。

日本のテレビ朝日の報道によれば、「そうりゅう」級潜水艦「ずいりゅう」号は全長84m、艦上には全部で79人の船員を搭載する。日本の記者はさらに珍しくも船室内部への進入を許可され、かつ実戦に近い演習を見学した。

「そうりゅう」級潜水艦は日本海上自衛隊の現役で最も先進的な潜水艦で、その主要な任務には対潜、機雷敷設、情報収集などが含まれ、近海パトロール警戒任務も執行できれば、遠洋作戦にも適合する大型多用途通常動力潜水艦であるとされる。それは体積が大きい、騒音が小さい、潜航時間が長い、安定性がよいなどの多くのメリットを一身に集め、現在世界で最も先進的な通常動力潜水艦の1つと称するに堪える。

尹卓は、日本の「そうりゅう」級潜水艦はAIPシステムを装備し、液体酸素を搭載でき、空気に依存しない動力システムで航行を行い、水中で20日前後連続潜航でき、浮上して充電する必要がなく、その隠蔽性は良く、生存確率は非常に高い、とする。加えてサイズが大きいという特徴があり、「そうりゅう」級が搭載する武器の数は多く、種類も多く、作戦能力は比較的強い。

2013年には早くももう安倍政権は自衛隊の潜水艦の数を16隻から徐々に22隻まで増加させることを決定した。日本の「産経新聞」はとっくに、安倍政権が潜水艦の数を大幅増加するのは中国に照準を合わせたものに他ならない、と直言している。日本は、中国の軍隊が実施するのは米軍の行動を阻止する「反介入」戦略であり、日米はこの戦略に対し対抗を行う必要があり、潜水艦は日米の対抗戦略の中で核心的作用を担っている、と考える。

尹卓は、日本は潜水艦の数を22隻まで増加する計画で、その規模は東アジア地域で比較的強い通常潜水艦力量と評価される、とする。東海方向において、日本の潜水艦の活動は非常に頻繁であり、中国海軍基地、港、航行ライン、水上艦艇の活動の規律などに対し偵察、監視を実施し、かつ水中艦艇の騒音を記録し、データバンクに入れ、今後は音響によってすぐ艦艇の機種を判別することができる。また、日本の自衛隊の通常潜水艦はさらに東海の主要な海峡、水道で活動し、規則性をもって列島線に進出する中国の大型水上艦艇の艦隊を追跡し、この期間には潜望鏡を利用して写真やビデオ撮影を行うことができる。日本サイドのこうした行為は戦時には中国サイドに対し重大な脅威を構成し得る。

尹卓は、日本の自衛隊は通常潜水艦と水上艦艇のコンビネーションを利用して多層の「対潜幕」を形成することができ、中国の潜水艦が戦時に列島線を突破する時、その待ち伏せ攻撃に遭う可能性がある、と指摘する。(記者 黄子娟)


http://military.china.com/news/568/20160302/21650422.html


専門家:米軍の原潜の中国に対する脅威は空母に比べ大きい 中国サイドの隔たりは比較的大きい

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「1隻のアメリカの『オハイオ』級戦略原潜が突然にイギリスの『クライド』海軍基地の外海に出現した。クライド基地はイギリス北方のスコットランド地域に位置し、イギリス第3の都市グラスゴーから40kmしか離れていない。」)

人民ネット北京2月29日電(邱越) 日本の共同通信社の情報によれば、米軍太平洋司令部の司令ハリー ハリスは24日、アメリカ下院軍事委員会の公聴会で、中国を抑止するため、すでに攻撃型原潜あるいはステルス駆逐艦を前線配備することに着眼している、とした。軍事専門家の尹卓は中央テレビ「今日のアジア」のインタビューを受けた時、米軍は終始その攻撃型原潜の数が中国軍の3〜4倍という優勢を保持することを希望している、とした。中国軍は現在対潜作戦能力が比較的弱く、米軍と比べると比較的大きな隔たりがあり、他国の攻撃型原潜に対する威嚇力不足であるという。

中央テレビの報道によれば、ハリーはワシントンにいる期間にかつて繰り返し、攻撃型原潜は中国抑止に対し極めて重要な作用がある、と強調した。ハリスは、「潜水艦の水中作戦はずっと米軍の連合作戦体系の中の重要な1ピースであり」かつ「攻撃原潜はアメリカが中国あるいはその他の相手に対して持つ最大の非対称の優勢だ」とした。

ハリスの言ういわゆる非対称の優勢とは一体何を指すのだろうか? 尹卓の説明によれば、まずアメリカは50隻あまりの攻撃型原潜を持ち、中国をはるかに超えているが、アメリカは優勢を保持し、その攻撃型原潜の数が中国の同類装備の3〜4倍に達することの確保を望んでいる。同時に、アメリカの攻撃原潜の質はより高く、ステルス性能がより良く、トン数が大きい。そのトン数の優勢はより多くの武器が搭載できることを意味し、さらに一歩アメリカサイドの優勢を拡大している。また、アメリカの攻撃型原潜の行う特殊作戦訓練は非常に多く、多数の特殊作戦人員が搭載でき、同時に水中の電気ケーブル、光ファイバーに対する盗聴ができ、「アメリカが中国に対し類似の盗聴行為を行ったことがある可能性は排除できない。」

報道によれば、現在世界の潜水艦はおおよそ2つの大きな種類に分類され、攻撃型潜水艦と戦略性潜水艦である。攻撃型潜水艦は多くが魚雷や巡航ミサイルを配備し、攻撃対象は一般に敵サイドの潜水艦、水上艦艇、陸上の戦術目標である。戦略型潜水艦は往々にして核弾頭を配備する大陸間弾道ミサイルを装備し、主に敵サイドの都市あるいは軍事基地などの戦略目標に対し壊滅的打撃を実施するのに用いられる。アメリカは現在潜水艦技術が最も先進的な国の1つであり、その現役のあらゆる潜水艦は原子力動力を採用し、そのうち現役の攻撃型原潜には主に3機種がある。38隻の「ロサンゼルス」級、3隻の「シーウルフ」級、12隻の「バージニア」級である。このうち「ロサンゼルス」級は比較的旧式で、徐々に淘汰される過程にある。一方「バージニア」級は最新の設計、研究開発で、現在毎年2隻を新たに建造する進度を保持している。アジア太平洋地域に照準を合わせ、米軍は現在本土の西北部ワシントン州に3隻の攻撃原潜を配備し、ハワイの真珠湾とグアム島にはそれぞれ18隻および4隻の攻撃型原潜を配備済みである。米軍は現在攻撃型原潜53隻を持ち、アジア太平洋地域方向に配備されるものでもう25隻あり、47.2%を占める。

米軍はアジア太平洋地域に照準を合わせてすでに大量の原潜を配備している。だがハリスはそれにもかかわらず、「太平洋司令部の指揮官として、私の攻撃型原潜に対する要求は決して満足が得られていない。太平洋戦区の攻撃型原潜に対する需要は62%しか満足されておらず、米軍は太平洋地域において攻撃型原潜の深刻な欠乏に直面している。私は太平洋地域において、攻撃型原潜は我々が持つ最重要の作戦力量であるとの考えを堅持する。」と語る。

中国の軍事力量、特に海上力量をいかに抑止するかに直面し、ハリスは西太平洋に原潜を増派するべきであり、西太平洋に1隻の原子力空母と空母艦載機連隊の配備を増加配備することに比べ、より有効であると考える。

尹卓は、原子力空母の総合作戦能力はより強く、中国に対する戦略的脅威はより大きいと考える。だが中国軍には水上艦艇に対する多種の打撃手段があるが、水中の潜水艦目標に対する対潜作戦能力はまだ比較的弱く、米軍に比べると比較的大きな隔たりがあり、他国の攻撃型原潜に対する威嚇力不足である。


 中国も対潜哨戒機を開発する、護衛艦の対潜装備を強化するなど対策を進めており、また潜水艦の性能も向上しつつあるようで、今後差は縮まる傾向になるでしょう。

















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