中国のステルス機、潜水艦対策に秘策?

 「F-35が遼寧艦を攻撃したら」の中に、「現在早期警戒能力はモデルチェンジしつつあり〜モデルチェンジ後の早期警戒能力で(アメリカと中国で)どちらが先んじるかは、現在見たところこれには非常に大きなクエスチョンマークがつきます。」という中国の専門家の発言が出てきましたが、確かにこの方面で新兵器の開発が進んでいるようです。

http://military.china.com/important/11132797/20140509/18492953.html


中国の多種の新概念武器が明るみに 米日のステルス機、潜水艦に対抗できる

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「JYL-1A型遠距離三座標警戒レーダー」)

【グローバル軍事報道】 アジア太平洋地域地域の軍事力拡充の熱いブームはまさに中国に対する挑戦を構成するものである。空中においては、各国はステルス戦闘機導入の歩みを加速させつつある。水中では周辺の新世代潜水艦が続々と就役を開始している。だが8日に開幕した第9回中国国際国防電子装備展で「グローバル時報」記者は、こうした異なる方向から来る脅威に対応する時、中国には少なからぬ新概念武器も増えているのだ、ということに気付いた。

空中:対ステルスレーダーは「前後協力」

今米軍はまさに忙しくアジア太平洋地域地域に向けF-22、B-2などのステルス実戦機を派遣し、韓日印などの国も相次いで本国のステルス戦闘機プロジェクトを登場させており、いかにしてこうした「見えない空中の殺人者」に対応するかはすでに中国が直面する挑戦の1つとなっている。中国電子科学技術集団社は今回の展示会に一連の新型レーダーを登場させ、その中ですこぶる多くの門外漢を引きつけ、足を止めて推察させたのはJY-27A対空警戒レーダーとJY-50外輻射源レーダーで、それらには共通の特徴がある。すなわち、ステルス目標の探知計測である。

ある匿名の軍事専門家は「グローバル時報」記者に、コストおよび技術的原因により、F-22、F-35、B-2を含むステルス実戦機は決して全周波数帯ステルスを実現できてはいないのだ、と教えた。正確に攻撃を誘導できる火力コントロールレーダーの脅威が最大なので、ステルス実戦機は主にこの種のマイクロ波周波数帯を使用するレーダーに対しステルスの最適化が行われている。普通のレーダーが基本的に皆「単基地」体制(すなわちレーダーの発射機と受信機が1つのアンテナを共用する)であることを考慮し、ステルス実戦機は特殊な電波吸収材料や外形設計に頼ってレーダー信号の反射波を弱め、あるいは反射波をレーダーの方向から逸らせ、こうすればレーダーの探知計測と追跡をかわす目的が達成できる。

今回展示された2種の新型レーダーは「逆の方向から物事を行う」方法を採用してステルス目標に対応する。作業人員は説明し、JY-27A対空警戒レーダーの性能は同類製品の中で世界トップクラスに属する、と語る。これは全く新しい設計のミリ周波数帯三座標対空監視レーダーで、先進的な2Dデジタルフェイズドアレイ体制を採用している。ミリ波レーダーに直面した時、外形設計、電波吸収塗料いずれに頼っても、現有のステルス技術の効果は良くないのである。このためロシアなどの国は近年来次々に旧式なミリ波レーダーに対しデジタル化改造を行い、それらが対ステルス目標の新領域で作用を発揮し得るよう希望している。だがこうした旧式なミリ波レーダーは体積が非常に大きくて移動し難いだけでなく、しかも探知計測精度が高くないという問題が存在する。これに比べてJY-27A対空警戒レーダーは、非常に強い対ステルス目標探知計測能力、抗妨害能力、良好な機動性能を持つだけでなく、しかも高速機動目標が追跡でき、かつ非常に高い測量精度を持ち、このためさらに戦闘区域のミサイル早期警戒任務を担うこともできる。

ステルス目標のもう1つの天敵は「ダブル基地」体制レーダー、すなわち発射機によって発射されるレーダー波が目標にぶつかった後、別のところに位置する受信機によって反射波がキャッチされるものである。特に多数のこの種のレーダーが探知計測網を組成した時、レーダー波は異なる方向からステルス実戦機に向けて発射され、ステルス実戦機によって逸らされた反射波も四方八方の受信機によって獲得され、当然ステルス実戦機の行方を隠すことはできない。ダブル基地体制を採用したJY-50外輻射源レーダーのさらに大きな特徴は、民間用の周波数調節放送の発する信号の助けを借り、ステルス機、電磁的に沈黙した目標に対する探知計測、位置決定、追跡を実現できることである。それ自体はレーダー波を発射せず、このため戦時の生存能力が非常に強く、相手の対輻射ミサイルに力の振るい場所をなくさせることができる。

説明によれば、この2種の新概念レーダーは戦時にコンビネーションして使用でき、隠蔽性能の良いJY-50レーダーは主に前線陣地の監視コントロール重点区域に配備され、一方探知計測範囲が遠いJY-27Aレーダーは後方で全局面を掌握コントロールする。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「5月8日、第9回中国国際国防電子展示会が北京で開幕した。今回の展示会では、中国が自ら研究開発した光ファイバー水中聴音機アレイが公開され、中国の対潜作戦技術の新たなレベルを見せた。画像は神州普恵科技が開発した水中聴音機アレイの製品デモンストレーション台。」です。)

水中:光ファイバー水中音響探知計測システム

日本、ベトナムなどは相次いで新世代静音型潜水艦を就役させ、アジア太平洋地域の水中の競争を日増しに激烈なものにさせている。一方アメリカは以前この地域に配備した水中音響モニタリングシステム警戒ネットワークに頼り、付近海域の潜水艦の動向を掌握するのに足りる。日本の「外交学者」誌は、中国も類似の固定式水中音響モニタリングアレイを配備中であると言明する。今回の展示会で、北京の神州普恵社は新型光ファイバー水中音響探知計測システムを展示している。このシステムは主に高感度の水中音響信号センサーから組成され、水中音響の振動を光信号に転換し、光ファイバーによって信号処理システムに伝達することができる。伝統的な圧電式水中聴音機と比べ、この光ファイバー水中聴音機の感度は2〜3桁上で、極めて微弱な信号を探知計測できる。しかもこれは腐食に耐性があり、損耗が小さく、遠距離伝達に適する。

説明によれば、この光ファイバー水中音響探知計測システムは「防守」、例えば重要な港でパッシブ警戒ネットワークを組成し、水中目標および水上目標に対し同時に監視計測を行い、敵対勢力がフロッグメン、ミニ潜水艇を利用して浸透を行うのを防ぐこともできるし、「攻撃」、すなわち体積が小さい、重量が軽いという特徴に頼り大型の曳航アレイを組成して水上対潜艦船、潜水艦、対潜ヘリなどに配備し、水中目標に対する正確な探知計測を実現することもできる。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「光ファイバー水中聴音機アレイの操作モニター台。この製品は大規模な曳航アレイソナー、大規模なハルソナーアレイ、沿岸基地探知計測および早期警戒システムに応用することができる。」です。)

海上を震撼させる新兵器:定向音波

定向音波は一種の非殺傷性新概念武器で、近年来すこぶる歓迎を受けている。これは音波が伝播する方向を正確にコントロールでき、遠距離での呼びかけ、警告が実現できる。アメリカ海軍は率先してこれを海賊の駆逐やテロ攻撃の防御に用いている。またこれはさらに強い騒音を発射し、聴覚器官や中枢神経を刺激し、人の意識を喪失させ、甚だしきに至っては行動能力を失わせる(頑住吉注:意識喪失と行動能力喪失が逆では)。このため暴動を起こした群衆の駆逐や都市の平穏維持の場合にも用いられる。

定向音波武器はさらに海上施設のために多重の防御圏を設立できる。例えば1,000〜3,000mの範囲に進入した不明の船舶に対しては呼びかけや意志疎通を行い、100〜1,000mの範囲内では警告を行い、もし相手が命令に服従するのを拒絶して接近を継続したら、発射出力を調節して、できるだけ相手方の人員に傷害を与えない状況下で行動能力を失わせることができる。説明によれば、海上法執行船もこの種の設備を利用し、我が国の合法な権益を維持保護することができる。

【グローバル時報記者 馬俊 劉揚 張加軍】

(頑住吉注:4ページ目)光ファイバー水中聴音機は、光ファイバー、光電子技術を基礎に建立された水中音響信号センサーであり、高感度の光コヒーレントによって探知計測し、水中音響信号を光信号に転換し、光ファイバーを通じて信号処理システムに伝達して水中情報を受け取る。これは感度が高い、周波数応答特性が良い、アレイ規模が大きい、伝達距離が遠いなどの特徴を持つ。

(頑住吉注:5、6ページ目)JYL-11B型高機動低空三座標警戒レーダー。(撮影:グローバル軍事 張加軍)

(頑住吉注:7ページ目)中国の新型光ファイバー水中聴音機アレイの展示パネル

(頑住吉注:8ページ目)JY-27A対空警戒誘導レーダー(撮影:グローバル軍事 張加軍)


 新型レーダーの性能が本当に言うほど凄いならF-35等の価値にも影響を与えそうですが、それは万一実際に衝突が起こった場合の話で、最後の「定向音波」は平時にも海上保安庁の船に向けて使われる可能性がありそうです。



















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