飛行船の新しい可能性

 これも旅客機失踪関連なんですが本題はやはり別にあります。

http://military.china.com/critical3/27/20140326/18415613.html


飛行船は決して時代遅れではない 中国の大型硬式飛行船は旅客機捜索の助けになり得る

「[新華社速報] 中国の飛行機が24日南インド洋海域で白色の四角い漂流物を発見した。2機の中国空軍のイリューシンー76輸送機(頑住吉注:たぶんこれは元々記事のタイトルと画像のキャプションでしょう)

3月24日電(記者 黄書波)南インド洋海域上空でマレーシア航空の連絡が途絶えた旅客機捜索作業を行っている中国のイリューシンー76輸送機のクルーが24日海上に白色の漂流物を観測し、現在すでにオーストラリアの指揮センターおよび中国の「雪竜」号科学研究船に通報している。機クルーが発見した白色の漂流物の位置は東経95.1113度、南緯42.5453度である。1万mもの高空から見ると、そのうち2つの漂流物は面積が比較的大きく、さらにいくつかのより小さい白色の破片が周囲数kmの海面上に散布されている。現在機クルーはすでに状況をオーストラリアの救援指揮センターおよびこの海域に行って捜索作業を展開中の中国の「雪竜」号科学研究船に通報している。現在2機の中国のイリューシンー76輸送機は燃料不足のため帰投を準備しており、機クルーはすでにオーストラリアサイドにその他の機と協調してさらに一歩事実確認に行くことを請求している。」以上筆者が引用したニュース。

MH-370に関心ある人は皆こうしたニュースを見たことがあると信じる。皆が聞き知っているMH-370便が3月8日2:40に失踪機となってから、我が国の政府は高度に重視し、直ちに我々の捜索艦船の派遣を指示し、準備が終わり出発するまで8時間ちょっとかかった(10:49)。27時間を経て捜索救難船舶は予定の海域に到達し捜索を行った。地図で見ると、西沙海域から、海警船が機との連絡が途絶えた後で事が起きた可能性のある海域に駆けつけるまで、およそ1,300km前後である。捜索救難船の平均速度は時速50kmである。ここでもし我々が派遣したのが大型硬式飛行船だったら、もしその経済巡航速度時速200kmで計算しても海南省の陵水飛行場からMH-370機との連絡が途絶えた後で事が起きた可能性のある海域まで、直線距離1,500km近くであり、ならば飛行船が予定の位置に到達するまでの時間は8時間前後を要するかもしれない。だが捜索救援船の速度に比べれば、我々は少なくとも19時間前倒しで予定の海域に到達して捜索救援作業を展開することができた。最初に到達した捜索救援船にはヘリが搭載されておらず、捜索範囲はあまり大きくない。一方飛行船は長時間最も良い観測高度で捜索救援作業が行える(例えば海の状況や太陽の反射光の強弱に基づいて即時に捜索の高度を調節できる)。しかも、飛行船上には大量の観測設備や通信設備が搭載でき、区域の通信および指揮センターに完全に充当できる。また、中国軍用機が疑わしい物体を発見した後、機上の燃料警告ゆえに帰投するしかなかったのを皆が見たと信じる。もしこの時捜索救援しているのが飛行船だったら、落ち着き払って最も良い視察距離に調整し、甚だしきに至っては巡視艇を投下して直接近距離で視察あるいは引き揚げが行えたのである。

もし飛行船の捜索救援業務の中での優勢を論述する必要があるなら、私は以下のような比較をすることができる。

1、こうした捜索救援作業で、飛行船は艦艇に比べずっと速く、視野がずっと広い。

2、飛行船は1つのプラットフォームであり、異なる任務を根拠に異なる設備を搭載できる。飛行船の搭載能力は非常に大きく、比較的大きな捜索レーダーが搭載でき、捜索できる区域がより大きい。

3、飛行船は飛行機やヘリが到達できない超低空や高空に到達でき、さらに速度はあらゆる飛行機と比較できないもので、いかなる高度でも「ホバリング」でき、しかも「旋回」の必要がない! (頑住吉注:後退が可能ということですかね)

4、飛行船は消耗する燃料が非常に少ないので、基本的に数十日間着陸して燃料補給する必要なく、飛行船上の人員が当番に分かれて勤務しさえすれば、昼夜休まないことができ、これも艦艇も含めその他のプラットフォームとは比較できない。(頑住吉注:艦艇だって交代で24時間監視は当然できると思いますが)

5、もし同時に数機の飛行船が空中で捜索救援作業を執行したら、極めて大きくカバーする区域を拡大し効率を高めることができ、引き網式の「死角なし」のしらみつぶし捜索を行うことが完全にでき、あらゆるデータを遅れず有効にドッキングさせ、捜索救援の組織者にとって判断と指揮を行うのに決定的作用を果たすことになる。

鉄血(頑住吉注:サイトの名)において私はすでに相次いで数回我が国の大型硬式飛行船をアピールしたことがあり、本来なら今日ここでの論述中に再度語る必要もないのだが、あるお友達は以前に鉄血の論述を見たことがないかもしれないことを考慮し、私はやはり簡単に再度述べる。

私は今に至るも依然、現代の大型硬式飛行船はすでに百年近く前の飛行船とは同列に語れないと考えている。この古い飛行機は現代科学技術の急速な発展と共に、すでに完全に本来の桎梏から脱し、全く新しい事物になっているのである。

アメリカ空軍の新式高空情報偵察飛行船を例にすると、それは高空軌道上で連続不断に特定の区域を10年の長きにわたり追跡監視できる。この方面で、戦略偵察の新鋭である「グローバルホーク」高空無人機は41時間にしか達し得ない。事実として、高空気球と軟式飛行船の大きな区域に対して行う長時間監視は、本来空中に浮かぶ機材の最も基本的な軍事用途の1つなのである(頑住吉注:気球部隊が空軍のベースになったという国もあるようですね)。一方未来の硬式高空偵察捜索飛行船は、太陽エネルギーを動力に使用し、舷側のMEMS技術設計のベクトルタービンエンジンを利用して推進し、10年の使用期間内、毎年1回着陸して年次検査を行う必要があるだけで、これは疑いなく長期にわたり空中で情報収集する最も良いプラットフォームである。飛行機に比べ、飛行船の上昇限度がより高いのもその独特の優勢の1つである。研究中の高空飛行船の上昇限度は多くが20から100kmの間で、宇宙に近い空間に属し、これは普通の軍用機が到達できることが絶対的に少ない高度である。しかもこの高度はまさに軍用衛星と高空偵察機の間の空白区域なのである。また、新型飛行船の搭載重量は非常に大きく、これだけではなく飛行船は発着場所に対する要求が比較的低く、飛行機の滑走路の助けを借りて発着する必要はなく、しかもいかなる大型輸送機も持たない、前線の野戦飛行場で垂直に発着する能力を持つ。世界中で燃料の価格が急騰し環境が不断に悪化するにつれ、省エネ、エコなこうした飛行船の特質はどんどん大きな優越性をはっきり示し始めている。

(頑住吉注:これより2ページ目)

飛行機に比べ、現代の硬式飛行船の優勢は4つの方面に体現される。1つは飛行が平穏で、操作コントロール性が良く、操縦に便利なこと。2つ目は安全性が高く、発着場所に対する要求が低く、低空低速飛行ができること。3つ目はコストが低廉で、航続時間が長く、航続距離が比較的長く、有効搭載重量が大きいこと。4つ目は買い入れの費用、維持メンテナンス費、場所の建設費、飛行の費用、訓練の費用が比較的低く、運用コストがその他の航空機よりはるかに低いこと。また、飛行船とコンテナ式のセットになった設備を結合すれば、非常に大きく災害区域の現場に野戦病院、指揮部、通信部、電力供給部門施設など重要部門を設置する速度がアップでき、生命を救うことに対し非常に重要な意義がある。

艦船と比べると、飛行船の最大の優勢は視野がより広く速度が速いことにある。

しかも、飛行船の特殊性ゆえに、応急捜索救援の時に他国の領空を通過する必要があった場合、軍用機に比べより受け入れられやすいはずである。

しかも今の現代飛行船は、その外形がむしろ翼がある形式の飛行機のようで、先進的な空中姿勢制御システムを持ち、先進的な飛行コントロールシステムと充分な動力を使用し、対抗することが必須の垂直の風あるいは横風に遭遇した時、瞬間的にその気嚢の体積を改変し、また適時に動力をアップし、飛行船を空気より重い飛行機に変え、もって強風に対抗し、かつ有効にその飛行姿勢を制御することができるという可能性がある。飛行船の速度に関しては、現在皆が思っている飛行船の経済巡航速度が時速200kmを超えない(ここで提出している速度は決して飛行船の最大速度ではなく、この種の大型硬式飛行船のようなものが最大速度時速250kmに達するのは決して不可能ではない)というのは、救援の中で普遍的に最大速度が時速70km前後である艦艇に対し、この速度は遅くはないはずである。飛行船に大量に採用されるのは成熟した技術と材料であり、飛行船専門に研究開発された技術は極めて少ないので、現代飛行船の研究開発コストはあまり高くはならず、このことは非常に大きな程度上飛行船の製造コストを大幅に下げることができる。

要するに私個人は、我が国はできる限り早く現代の大型硬式飛行船の設計と建造計画を実施する必要があると考える。大型硬式現代飛行船が早期に災害救援の中に応用されることを希望する。


 天気予報の精度向上によって悪天候が避けられるようになったなどの理由で飛行船が見直され、アメリカが巨大な兵員等輸送用飛行船を開発しているとか、韓国が無人飛行船で北朝鮮を監視しようとしているなどの話題も紹介したことがありますが、捜索救援にも確かに用途がありそうです。しかし捜索救援は比較的悪天候の時に必要とされるケースが多いと思われますが。必要な時飛行機に変身できる飛行船ってびっくりしましたけどどこまで実現に近づいてるんですかね。














戻るボタン