中国、簡略化版スホーイ-35を1.5倍の価格で売りつけられる?

 まず、1月5日にコラムで紹介した内容を転載します。なおこれに伴いコラムからは削除しました。


 スホーイ-35関連です。

http://military.china.com/important/11052771/20130103/17610347.html


外国メディア、中国に販売するスホーイー35の単価があるいはロシア軍が自ら購入する価格に比べ5割高いのではないかと見積もる

ロシアのスホーイ社は28日、最初の6機の量産型スホーイー35「フランカー-E」戦闘機がすでにロシア空軍に引き渡されたと言明した。

イギリスの「週刊ジェーン安全保障業務」ウェブサイト12月28日の報道によれば、このスホーイ社によってスホーイー35C/スホーイー35Sと呼ばれている戦闘機は、スホーイグループ傘下のアムール河畔共青城航空生産連合社がロシア空軍に引き渡した。ロシア空軍は全部で48機のスホーイー35戦闘機を発注しており、2015年までに全て引き渡されることになる。

ロシア空軍は現有の契約中の第1陣48機の戦闘機の引き渡し、使用後により多くのスホーイー35戦闘機を購入すると見られる。その具体的な数は確定し難いが、分析者はこれらの戦闘機は3個飛行連隊もの装備に使える、と暗示しており、このことは機の総数が200機近くなることを意味する。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「中国はすでにスホーイー30MK2など多くのタイプのフランカー系列多用途戦闘機を装備済みである」です。)

スホーイー27/30を基礎に開発されたスホーイー35戦闘機は、スホーイ社によって「第4世代++戦闘機」と大げさに言われ、ロシアのNIIPレーダー製造社が生産したIrbis-E型パッシブフェイズドアレイレーダーなど第5世代戦闘機の技術を採用している。スホーイー35戦闘機はスホーイ-30SM戦闘機(すなわちスホーイー30戦闘機の推力ベクトルグレードアップ版)と共に、ロシアの武器庫の中の現有の戦闘機とTー50戦闘機の間のギャップを埋めることになる。Tー50戦闘機は今後何年かのうちに就役を開始することになる。

スホーイー35戦闘機は本来完全に輸出用に設計、開発されたもので、中国とベネズエラはいずれもこの戦闘機に対し興味を持っている。しかし、スホーイ社のT-50第5世代戦闘機計画に遅延が生じた後、ロシア軍はこのスホーイー35戦闘機を調達したのである。

報道は、最近中国人民解放軍空軍に販売が計画されている48機の輸出版スホーイー35戦闘機の単価は8,500万アメリカドルに達する可能性がある、とする。しかし、ロシア空軍の考えによれば、1機あたりに支払う価格は5,000〜6,500万アメリカドルになる。

(頑住吉注:以後のページは画像とキャプションだけです。3ページ目は「殲ー20戦闘機の出現は、中国が今後外来技術を拒絶することを決して意味しない」、4ページ目は「殲ー20は中国が技術の重要な高いポイントを占めようとしていることを意味するだけである」、5ページ目は「中国海軍航空隊のスホーイー30MK2型戦闘機は比較的強い対艦打撃能力を持つ」、6ページ目は「インドが装備するスホーイー30MKI戦闘機も同様に比較的強い対地対艦打撃能力を持つ。」、7、8ページ目はそれまでの内容と同一の繰り返しです。)


 中国が本当に購入することになるのか、購入するのが48機なのか24機なのかも諸説あってよく分からず、増して価格はもっと分かりませんが、ダウングレード版を1.5倍くらいの価格で売りつけられる可能性もある、ということですね。


 さて、今回メインで紹介するのはこれに対する反論的な記事です。

http://military.china.com/news/568/20130105/17614079.html


ジェーン:中国が高値でスホーイー35を購入するのはその位置づけが高く、金を巻き上げられる目に遭わないから

東方ネット1月5日の情報:中国がすでに24機のスホーイー35戦闘機の購入を決定したことに関するニュースは最初ロシアから来て、最終的に協議が達成されたとのニュースもロシアメディアによって発表された。奇怪なのは中国当局のメディアがずっと沈黙を保持していることだ。最近イギリスの「週刊ジェーン安全保障業務」ウェブサイトは次のように報じた。ロシア空軍はスホーイー35戦闘機の初のユーザーとして、最初の6機の量産型スホーイー35「フランカー-E」戦闘機がすでに引き渡され、ロシア空軍は全部で48機のスホーイー35戦闘機を発注し、2015年までに全て引き渡される。一方最近中国への販売が計画されている24機の輸出版スホーイー35戦闘機は2015年から引き渡しが開始され、その単価は8,500万アメリカドルに達する可能性がある。しかしロシアメディアは、ロシア空軍がスホーイー35機を調達する価格は5,000から6,500万アメリカドルの間だと報道した。

以上の報道から見て、ロシア空軍が自ら用いるスホーイー35の価格は、中国空軍に販売される価格の2/3に過ぎない。逆に言えば中国が購入する価格はロシアが自ら用いる同じ機種の価格の1.5倍近いということに他ならない。だが、最近のこの件に関する報道を仔細に見ると、実はこれは誤解である可能性があることにやっと気付く。以前ロシアメディアは、中ロのスホーイー35に関する交易は価格20億ドルと言った。「週刊ジェーン安全保障業務」はこれを根拠に計算したからこそ、この交易の価格に関する報道をすることになった可能性がある。だがロシアの「リンク」ニュースネット、「導報」の情報によれば、ロシアと中国はすでに中国に対し24機のスホーイー35戦闘機を供給するひとまずの協議を達成させ、契約の額は15億アメリカドルを超えるとした。この報道をもって計算すれば、中国が購入するスホーイー35の価格は、ロシア空軍が自ら用いる場合の価格と基本的に一致する。

しかも我々は知っている。スホーイー35はロシアによって神のごとく大げさに吹かれているが、実は中国の大量購入をいくらも引きつける品物ではなく、この機はすでに非常に長い時間研究開発されてできたものだが、最終的に真に購入した国は何カ国もない。中国が現在この戦闘機を購入する必要があるのは、中国が真にこれを必要としているのでは決してないのかもしれず、プーチンの再就任後におけるロシアとの戦略的協力関係の維持あるいは建立のために中国が採った一種の友好的ポーズである可能性が高い。このことは、ロシアサイドが中国に48機購入を要求することを堅持し、一方中国は24機の購入にのみ同意したことから、あるいはやや手掛かりが見いだせるかもしれない。

(頑住吉注:これより2ページ目)

今回の中国の注文した機数は多くないかもしれないが、真に信頼できる15億アメリカドルの金だとすれば、近年深刻に資金補充が欠乏しているスホーイグループにとって干天の慈雨と同じである。何故なら報道によれば、現在ロシア航空工業は大量の資金を必要として新世代戦闘機の大量生産を始動させる必要があり、もし中国向けにスホーイー35を輸出する交易が成立させられなかったら、ロシアの第5世代戦闘機Tー50は計画通り量産に入れず、できる限り早くスホーイー27およびミグー29に取って代わることもできないのである。

現在中国が24機のスホーイー35しか購入を希望していないことはロシアを非常に不満足にさせている。しかもロシアは繰り返し中国がコピー生産を行うことを恐れていないと声明してもいる。はっきり言って、これはまさしくできる限り早く中国の購入の意向を促して事を成就させることを希望しているのである。だがロシア内部にある一種の声は、中国がスホーイ-35のコピー生産を行うことを防止するため、簡略化版の販売を考慮してもよいと考えている。もしイギリスメディアの言うことが本当なら、スホーイー35の1機あたりの販売価格が8,500万アメリカドルにも達し、そしてもしその上簡略化版だったら、中国のこの購入はあまり賢くないということにもなる。まさか中国の関係部門は本当に喜んでロシアに金を巻き上げられようとしているのか?

このため、以上を総合的に見ると、いわゆる中国が、ロシアが自ら用いる場合の価格よりもずっと高くスホーイー35を購入するのだとの分析は決して信じられない。またある情報は、中ロ間のスホーイー35に関する交易は中ロ最高指導者間で達成された戦略的協議かもしれない、とする。このためその価格も双方の友好的な価格に違いなく、法外に高いことはあり得ない。

(頑住吉注:これより3ページ目)

また、皆さんも中国関係部門の仕事熱心さと識別能力を信じるべきであり(頑住吉注:日本ではまず考えられない言論ですね)、巨額の外貨を費やしてそろばんに合わないことをすることはあり得ない。中国がスホーイ-35を必ず買わねばならないわけでも決してないからなおさら不可である。今、中国はすでにほぼ同時に2種の第4世代機(ロシアのいわゆる第5世代機)を公開しており、すなわち殲-20と殲-31である。このことは中国の戦闘機の発展がすでにアメリカに迫り、甚だしきに至ってはロシアを超越する可能性があることを示している。もしこの時さらに高価にロシアから決して切迫して必要としない戦闘機を盲目的に導入したら、これはきっと賢くない選択になる!

当然、まだ1つの可能性がある。それは中国が、数量がこのように少ないスホーイ-35戦闘機を購入することは、中国がスホーイ-35戦闘機の117Sエンジンのみを欲しがり、もって国産大推力エンジンの登場前に国産双発殲-20ステルス戦闘機をそのスーパー機動と超音速飛行設計の検証に供する、というものだ。もしこの交易の中で、中国が同時にスホーイ-35戦闘機のために一定数の予備117Sエンジンと「雪豹-E」フェイズドアレイレーダーを要求したら、ロシアはやむを得ず中国の要求を満足させることになる。この種の状況下で、中国はきっとさらに加えてロシアに、スホーイ-35のために多種の先進的武器装備を配備するよう要求する。ならばその価格がロシア空軍が購入する付属物なしの価格に比べある程度高くなることはきっとごく正常であり、各方面からも容易に受け入れられる。

このため、中国がスホーイ-35を購入するのはきっと成算あってのことで、価格の高低はきっとこの交易の具体的位置づけと関係があるのであって、ロシアサイドが任意に値段を釣り上げたせいではない。中国にこの機が就役したら、この機は中国軍にとって、そのスーパー機動能力と遠距離打撃能力を利用して、一種の遠距離海空打撃のプラットフォームとなり、中国の日増しに厳しさを増す海洋権益を断固防衛することになる。


 何だか極端な愛国心から、殲-20、殲-31が登場しているのにそれがうまくいきそうにないから旧世代大幅改良型機をロシアから買うなんてことはない、弱みを見透かされてロシアに吹っかけられているなんてことはない、中国の官僚が無能なんてことはない、ない、ない、ないと必死に自分に言い聞かせているような文章に感じられます。現時点において中国は戦闘機にとって最重要の部品であるエンジンを作る能力がなく、ロシアにもう売ってやらないと言われたらお手上げになる非常に危うい立場だというのは否定し難い事実です。









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