フィリピン沿岸警備隊による台湾漁民射殺事件決着か

 事件発生から3か月、ようやく決着しそうです。この記事は本来別のいくつかの記事をまとめたもののような感じです。

http://military.china.com/news/568/20130809/17989891.html


フィリピン大統領特使、台湾に赴き漁船案件につき謝罪 台湾当局、制裁を取り消す

8月8日、フィリピン大統領アキノ3世が授権した特使ペレス一行3人は台湾の屏東琉球郷役場に来て正式に記者会見を開き、被害者の家族と台湾に向け正式に謝罪し、同時にフィリピン大統領アキノ3世によって署名された謝罪の手紙を持参した。

報道を総合すると、台湾漁船「広大興28号」案件は発生から今までまる3ヶ月となり、8月7日にフィリピンサイドは事件の調査結果を発表し、かつ台湾漁民を射殺した沿岸警備隊メンバーの起訴を提案し、台湾当局は殺人罪でフィリピンの台湾漁民射殺容疑者を起訴した。8日、フィリピンサイドは大統領特使を派遣し台湾に赴かせて謝罪し、台湾当局も当日夜間にフィリピンに対する11項目の制裁措置の取り消しを宣言した。また、台湾当局はフィリピンサイドに向け、フィリピンサイドが1ヶ月以内に起訴を終えるよう希望する、と提示した。

フィリピンの調査結果 台湾漁民射殺の嫌疑がかかったフィリピン海巡員、起訴に直面

今年5月9日、「重複海域」においてフィリピン海巡署の公務船が台湾の屏東琉球郷籍の漁船「広大興28号」を掃射し、船上の漁民洪石成の死亡がもたらされた。事後、フィリピン政府の処理態度に不満だったため、台湾当局は11項目の制裁措置を提起し、双方は相互に調査団を派遣して「平行調査」を行った。

この11項目の制裁には次のものが含まれる。1、即刻フィリピン人の労働申請の凍結措置を採る 2、台湾当局のフィリピンに派遣駐在させている当局者の召還 3、フィリピンの駐台湾当局者がフィリピンに帰って処理を助けるよう要求 4、フィリピン旅行に関する「レッドアラート」、フィリピン旅行を推奨しない旨の発表 5、上層部の交流と協力の停止 6、経済交流、普及、企業誘致の停止 7、農業、漁業協力事項の停止 8、科学技術研究交流と協力計画の停止 9、「航行権」談判の停止 10、フィリピン人のビザ免除措置の停止 11、軍および海巡部門の南方海域における合同演習の停止。

8月7日、事件についに最新の進展があり、フィリピン国家調査局局長ノナツス ロハスは、台湾漁民洪石成射殺案件に関わった疑いのある8名のフィリピン沿岸警備隊メンバーに対し、フィリピン国家調査局はすでに殺人罪で訴訟を提起するよう提案した、と語った。ロハスは同時に、調査期間に証拠を改竄したことにより、案件に関わった巡視船指揮官とその他2名の沿岸警備隊メンバーも偽証で告発されることになる、と言明した。

フィリピン沿岸警備隊責任者ルドルフ イソレイナは当日、自分たちはフィリピン国家調査局の調査結果を尊重する、とした。

台湾屏東地方検察署も7日殺人罪により台湾漁船を掃射した8名のフィリピン海巡人員を起訴した。台湾当局は、被害者および家族のために正義を求めねばならない、とした。記者会見ではさらにフィリピンによって提供されたフィリピン船が台湾漁船を追い立て、かつ台湾漁船を掃射したフィルムが放映された。映像は、フィリピンサイドの海巡人員が当時「戦闘配置についていた」だけでなく、さらに機関銃、小銃を一斉射撃し、108発の弾丸が発射されたことをはっきり示した。「広大興28号」は逃げる過程でフィリピンサイドの船舶に体当たりしてはいなかった。

フィリピン大統領特使、台湾に赴き家族に向け謝罪 台湾当局、制裁措置の取り消しを宣言 

フィリピン大統領特使ペレス一行3人は8日午後台湾に来て正式に記者会見を開き、死者の家族と台湾に向けて正式に謝罪し、同時にフィリピン大統領アキノ3世によって署名された謝罪の手紙を持参した。

ペレスは彼の謝罪の言葉の中で、アキノ3世の授権を経て、自ら洪石成の家族に向けてフィリピン大統領および人民の心からの遺憾と謝罪の意(deep regret and apology)を表明する、とした。ペレスは家族に向け、フィリピン司法省は全力で、できる限り早く「広大興28号」案件関係者らを起訴することになり、また双方はすでに将来漁業関連法令の執行の上で武力の使用を避けることにつき対話を始めている、と語った。

台湾外事部門の当局者は、台湾サイドが提示した「謝罪、賠償、犯人の処罰」などの要求はすでに相手方の正面からの回答を獲得した、とした。台湾外事部門は8日夜記者会見を行った。外事部門の責任者林永楽は、即日台湾当局がフィリピンに対して採った11項目の制裁措置を取り消す、と言明した。

(頑住吉注:これより2ページ目)

フィリピンサイドの謝罪に対し、被害者洪石成の娘洪ホンツーは次のように言った。100%満足ではないが、やはり受け入れられる。フィリピンにこのような表明があったのは良い始まりであるが、同時にフィリピンサイドができる限り早く犯人を処罰し得ることも希望する。そしてこれまで皆さんが関心を持ってくれたことに感謝する。

この案件で提出された賠償金額は1,000万新台湾ドルを超えると見積もられるとされ、フィリピンにかつてなかった巨額賠償の記録を作る。情報の核心に近い人物は、賠償には死亡に対する賠償、精神的損失、死者洪石成の収入の損失、「広大興28号」の修理費用などが含まれることになる、と明らかにする。

洪家はすでに、フィリピンサイドとの面談と賠償に関する件で弁護士を頼んでいるため、台湾法務部門は当事者である洪家の希望を尊重する必要があり、その後やっと介入することになる。洪ホンツーは、双方の弁護士は確かに話し合ったことがあるが、家族は「まず謝罪、その上で賠償を話し合う」との立場を堅持しており、賠償金額の多寡はまださらに一歩討議しなければならない、ともした。

事件発生の録画画像が発表される:フィリピンサイドは笑いながら発砲

3ヶ月近く経ち、台湾の屏東県漁船乗員がフィリピン公務船に射殺された案件の調査結果が7日に公表され、台湾検察は昨日初めてフィリピンの凶行を行った者の発砲の画面を公表した。画面は、フィリピンの海巡船が台湾漁船を追い立てた時、フィリピン海巡隊員がそれぞれ自動小銃や重機関銃をもって掃射したことをはっきり示した。その中のある海巡員は銃が頻繁にジャムするため、振り返って仲間に笑いかけていた。

台湾検察は7日、3つのフィリピン海巡発砲の画面を放映し、時間の長さはそれぞれ9分、8分、1分余りだった。台湾屏東検察署主任検察官蔡栄竜は、台湾のこの件の調査団は今年5月末にフィリピンから10本のビデオを持ち帰り、全部で70分の長さだったが、昨日放映された中の3つは画面がよりきちんとまとまって、「広大興28号」漁船がフィリピンの違法な乱射に遭ったことを説明するに足りる、と指摘した。双方の調査も広大興号には決してフィリピン海巡船に体当たりするよからぬ意図があったわけではないことを証明している。

画面はフィリピン海巡船が今年5月9日、鵝鑾鼻東南方約164kmの「重複経済水域」で漁をしていた広大興漁船を追い立てていた時に撮影された映像。(頑住吉注:これは本来キャプションだったんでしょう)

台湾当局はフィリピンサイドが1ヶ月以内に起訴を終えるよう希望

フィリピン大統領特使ペレスは8日、自ら屏東に赴いて家族に向け正式に謝罪し、かつ夜には外事部門に赴いて林永楽と会見し、フィリピン政府の事件に対する正式な回答の手紙を持参した。フィリピンサイドの正面からの回答に対し、台湾当局も8日フィリピンに向けさらに一歩の要求を提出した。

林永楽は、犯人の処罰という部分で、台湾当局は1ヶ月以内に起訴を終えることを希望すると表明し、フィリピンサイドもこれに対し回答し、調査報告はフィリピン法務省と大統領の認可を経ている、とした。台湾当局がフィリピンに派遣駐在させている機構は全力で起訴が行われるのを追跡監督することになる。

林永楽は、双方は共通認識を獲得しており、漁業協力が強化され、海上法執行で武力および暴力を使用してはならないというメカニズムの執行が強化され、類似の不幸な事件の再度発生が防止され得ることを希望している、とした。

また林永楽は、台湾地域はフィリピンとできる限り早く協力関係を修復させると語った。台湾外事部門も、双方の派遣駐在させる当局者は「ここ何日か以内」に「駐在地」に戻ることになる、としている。


 後は意図的殺人か過剰防衛かといった罪名、量刑の重さによって台湾世論が騒ぐ可能性はありますが、これから大きな波乱がある可能性は低そうです。何より関係悪化は双方にとって利益にならないですから。
















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