中国の新型通常潜水艦

 機種名も不明なニュータイプが登場したということです。なお、何故か本文中に重複部分がたくさんありますが、いちいち断らず飛ばします。

http://www.hinews.cn/news/system/2014/04/25/016627281.shtml


ニューバージョンの039B潜水艦のディテールが明るみに 磁気流体推進の風雲再び起こる

2013年12月中旬、1隻の中国が自ら研究開発した新型通常動力潜水艦が某造船工場でひっそりと進水した。遠い所から見るとこの潜水艦は以前進水した同類型の潜水艦と基本的に同じだが、「目の鋭い」軍事マニアたちはやはり注意深くもその独特のところを発見している。後により多くのこの潜水艦に関する画像が徐々に明るみに出るにつれ、より多くの関心を注ぐに値するディテールも「水面に浮上」している。(画像のソース:HSHフォーラム)

画像集の詳しい情報

全体的に見ると、この通常潜水艦の外形は、すでに装備されている039A型「元」級潜水艦に似ている。外国メディアの報道によれば、039A型潜水艦は中国が研究開発した新世代通常潜水艦で、その最大のハイライトはAIP装置(燃料電池動力システム)を採用し、非空気依存推進が実現できることである。039A型潜水艦の後続の改良型は039Bと呼ばれ、外観上の主要な変化は艦橋(俗に潜水艦の指揮台あるいは指揮塔と呼び、潜水艦の上層建築である)頂部に最適化が行われ、明らかにより円滑になったことにある。一方最も新しく進水したこの潜水艦になると、外観上また顕著な変化があり、このためあるメディアは039C型と称している。だが名称が何かは決して重要ではなく、重要なのはこうした変化の背後の「深遠な哲理」である。

1、艦橋「大改造」の背後

この外形の変化は見れば明らかに分かる。新たな潜水艦の艦橋の前下方と潜水艦本体がつながるところに、角を埋める構造が追加装備されている。この種の円滑に移行する艦橋前縁の角を埋める形式は、現代の潜水艦に広範に採用されているものでもあり、ロシア最新の「セベドロビンスク」号潜水艦、アメリカのシーウルフ級潜水艦およびバージニア級潜水艦はいずれもこの種の構造を採用している。この種の設計は潜水艦の航行時の抵抗を減少させ、流水騒音を減少させることができる。

2、スクリューのブレードの数の謎

現代の大多数の潜水艦はスクリュー推進を採用しており、スクリューのブレードには3、4、5、6、7枚など異なる数がある。7枚ブレードの設計は現在欧米の先進潜水艦の「新たな人気商品」である。4枚ブレードなど線対称のスクリューに比べ、7枚ブレードなど非線対称のスクリューは共振を発生させにくく、騒音が小さい。同時に非線対称のスクリューが生み出す気泡は比較的少なく、有効に気泡による騒音を低下させることができる。一方もし3枚あるいは5枚のスクリューを用いると、7枚ブレードのスクリューと同様の速度に到達するには、回転速度を少なくとも何倍か高くしなければならず、高速回転は大きな騒音の変化を引き起こすだろう。

また、側斜(頑住吉注:英語ではside rakeと言うようです)の大きいスクリューの採用はスクリュー騒音を下げる最も有効な方法の1つであり、先進国の潜水艦の中ではすでに普遍的にこの技術が採用されている。スクリュー騒音は主にスクリューのブレードの振動と、スクリューが気泡を生じさせることによる。潜水艦のスクリューのブレードは不均一な伴流場(頑住吉注:英語ではwake fieldと言うようです)の中で作動し、非定常な推力とトルクを生む。この種の負荷はスクリューのブレード、軸系の振動を引き起こす。側斜の大きなスクリューはその大きな側斜ゆえに、ブレードの根本と先端を伴流場の高圧区あるいは低圧区に同時に到達させることがなく、有効にスクリューのブレードの振動を抑制し、したがって騒音軽減の効果が達成できる。同時に側斜の大きいスクリューはスクリューのブレードの気泡を、ブレードの異なる位置で生じさせることができ、一般のスクリューが同一の位置で重複して気泡を生じさせるのとは異なり、気泡の同時破裂あるいは崩壊の堆積という状況を避けることができ、気泡の発生と破裂が比較的平穏で、騒音軽減の目的も達成できる。

現在、039系列潜水艦のスクリューに関する映像資料は決して公開されてはいないが、ある軍事ウォッチャーは7枚ブレードを使用している可能性が非常に高いと考える。7枚ブレードで側斜の大きなスクリューの設計はすでに何ら新しい技術とは評価されず、現在世界の主流の通常潜水艦も大量にこの設計を採用しており、我が国の新型通常潜水艦も設計上ある程度参考にした可能性がある。

3、より長い艦体?

現在明るみに出ている画像から見て、新たに進水したこの通常潜水艦は見たところ以前の機種に比べより長い。4月にイギリスの「週刊ジェーン安全保障業務」も、この新型の設計は艦橋基部に追加で1台の高周波数ソナーを装備でき、このためこの潜水艦はさらに以前の機種よりやや長い可能性がある、と指摘した。だがこの長さの変化が、撮影角度や視覚の誤差によってもたらされた可能性も排除されない。

4、磁気流体推進が再度風雲を起こす

この新たな潜水艦のより多くのディテールが明るみに出るにつれ、いささか誇張された推断がネット上で急速に広まっている。この潜水艦が先進的な磁気流体推進技術を採用している、というものである。磁気流体推進とは文字通り磁場によって電気を通すことができる海水に対し電磁場の作用を生じさせ、海水に運動を発生させ、したがって艦船の前進を推し動かすことができるというものである。数年前には早くも中国の超伝導磁気流体潜水艦試運転の噂がかつて小さからぬセンセーションを巻き起こしていた。いくつかのネット上に流れ伝わる模型の画像も、中国が超伝導磁気流体推進技術を研究開発中であることを説明しているようだ。

だが、現在のこの技術の発展と使用経験から見て、理論研究の上でいくつかの成果を取得しているだけのことでもあり、決して大規模な実際の応用はない。039Aから039Bまで、我々は中国の潜水艦が1つ1つ進歩しているのを見ることができる。中国軍事工業が行くのは真面目で落ち着いた道であり、新たな潜水艦にはある程度の改変があるが、それは合理的な範囲内のことでもあって、超伝導磁気流体といったような飛躍的発展の可能性は大きくない。

この新たな潜水艦のより多くの変化の情報に関しては、まだ関連の資料のさらなる一歩の公開が待たれる。だが039系列潜水艦の発展から見て、中国の潜水艦研究開発事業はずっと進歩中で、新型武器装備のわずかな変化もそれぞれの愛国的な軍事マニアの心を動かしている。我々も中国の潜水艦の性能がどんどん強大になり、周辺の潜在的敵対国家との水中の勝負の中で「長纓在手縛住蒼竜」することを期待する! (頑住吉注:共産党軍が蒋介石を倒して全国を解放する信念を示す言葉らしいです。)

(頑住吉注:5、6枚目の画像のキャプション)この潜水艦の艦橋前下方と潜水艦本体がつながるところの角を埋める構造に注意

(頑住吉注:7枚目の画像のキャプション)039B型の艦橋と潜水艦本体のつながるところには角を埋める構造はない(画像提供bigrabbit)

(頑住吉注:8枚目の画像のキャプション)ロシア最新の「セベドロビンスク」号潜水艦(資料画像)

(頑住吉注:9枚目の画像のキャプション)日本の「そうりゅう」級AIP潜水艦(資料画像)

(頑住吉注:10枚目の画像のキャプション)アメリカのシーウルフ級潜水艦(資料画像)

(頑住吉注:11枚目の画像のキャプション)カナダの「漢和安全保障業務評論」ウェブサイトは、中国の新型潜水艦のこの設計はドイツの212潜水艦を参考にしたと考える。だがより関心を注ぐに値するのは、角を埋める構造の他、現代ヨーロッパのディーゼル・電池潜水艦の艦体自体も伝統的な水滴型から葉巻型に変更されていることだ。このため039系列潜水艦が次の一歩の改良の時、この種の艦体を採用するか否かも関心を注ぐに値する。画像はドイツの212潜水艦。

(頑住吉注:22、23枚目の画像のキャプション)039B型潜水艦のディテール(画像提供bigrabbit)

(頑住吉注:24、25枚目の画像のキャプション)2011年7月、中国を訪問した米軍参謀長連席会議主席マレンが浙江省寧波に到着し、東海艦隊某潜水艦部隊が装備する新型通常潜水艦を視察した。

(頑住吉注:26、27枚目の画像のキャプション)2013年11月、アメリカ海軍作戦部副部長ファーガソン海軍上将が中国海軍新型AIP潜水艦333号艦に搭乗した。

(頑住吉注:28枚目の画像のキャプション)中国の未来の新型3,000トン級AIP型通常潜水艦の構想説明図


 私もいきなり磁気流体技術とか飛躍的な新技術を採用したという可能性は低いと思います。米軍の高級将校が中国の潜水艦の潜望鏡まで覗いている画像がありますが、画像のクリア度などいろいろなことが分かりそうですね。



















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