フランス軍は時代遅れ?

 私は以前からFA-MASの実力は果たしてどの程度なのか、という疑問を持っていました。AUGのように広く普及するでもなく、L85A1のように悪評が噴出し、膨大な予算をかけて改修を余儀なくされるでもなく‥‥まあその間あたりの実力なんではあるまいか、と漠然と想像するばかりで、あまり参考になる資料には出会えませんでした。ドイツ人の目から見たFAMASといえば、この記事がありましたが、チャンバー圧力が充分低下しないうちに薬莢が引き出される傾向にあることの指摘、「多くの特殊部隊がFAMASの代わりに同様にフランスで製造されているSIG550を使っていることは注目に値する」といった記述から、あまり高く評価していないことは分かるものの、いまいちすっぱりした判断は下されていませんでした。この問題に関し、先日ドイツのフォーラムに興味深いスレッドが立ったので内容を紹介します。

http://www.whq-forum.de/invisionboard/index.php?showtopic=29152



Magyar

このフォーラムの参加者の皆さん、はじめまして! 私は以前からこのフォーラムの静かな読者で、内容を読み、画像を見、軍事関係等に関し学ばせてもらいました。この方面に非常に興味があるからです。そして今、私はこのすぐれたフォーラムにアクティブに参加することを決め、ここに興味深い話題と議論をもたらすことができることを望んでいます。

初めにちょっと自己紹介します(内容に即しているので)。私はルクセンブルグ在住ですが、それ以前はフランスにおり、長く住んでいました。私の父はフランスの落下傘部隊に所属していましたし、祖父は第二次大戦とインドシナ戦争に参加しました。私が軍事や兵器に魅了されているのはそのせいだと思います。

何故私がこの話題を持ち出したかは簡単です。私はフランスのことを熟知していますし、友人はフランスにいます。陸軍や外人部隊に関し、私は少しばかり疑問に思うことがあります。私が思うに、フランス陸軍は兵器や装備品(アサルトライフル、光学サイト、制服)、通信、近代的迷彩パターンに関し、時代遅れになっています。

また最新の画像や情報、動画等も、フランス陸軍がおよそ最新の状態にはないという私の元々の印象を補強します。

さらに私の2人の友人もこれが事実であると認めました。彼らはすでに2回、アフガニスタンのカピサで任務に就き、いくつかのことを私に話してくれました。そしてその内容は私にとって少々ショッキングな内容でした。

火力戦闘の際に無線機は故障し、FAMASは際限なく送弾不良を起こし、命中精度も低い、また偵察等は充分に行われず、不十分な武装でパトロールに出動せざるを得ないというのです。彼らは時として30年前のマシンガンで武装し、満足のいくスナイパーライフルはないも同然だともいいます。

制服や防護ベストは全て旧式化し、アフガニスタンの状況に全く適しておらず、夜間の作戦行動において5人に1つしか夜視器具がないのに困っているそうです(しかもそれすら完全に旧式化したものです)。

通信器具は60〜70年代のもので、(頑住吉注:制服と迷彩のことが書かれていますが意味不明です)などなど。

ここで私の疑問です。これをどう考えるべきなのか? 彼ら自身もフランスが陸軍の近代化という件に関し最新の状態でないことに気付いているのか? 私は、今日ほとんど全ての陸軍がデジタル迷彩パターン、近代的な光学サイト(EOTECH、ACOGなど)、軽量な銃等々を持つと考えます(アメリカ、イギリス、ノルウェー、オランダのように‥‥)(頑住吉注:イギリスのL85系はFA-MASよりずっと重いはずですが)

(頑住吉注:次の2つの文、意味不明ですがたいして重要な内容を含んでいないことは確かです)私は今、皆さんの意見を聞き、ディスカッションを始めたいと思います。この場がふさわしく、他に移動されないならば、ですが。


Glorfindel

専門家でない者が正確にイメージすることはもちろん困難ですが、

総合的に私はフランスは満足すべき、妥当な装備を持つと考えます。そもそも真に完全な最新装備を持つ陸軍は存在しません。私は総合的にフランスの武器調達行政は比較的実用主義的であると評価します。人は常に世界最高のものを調達しようと努めるものではなく、しばしば無難な選択をします。まあこれは私の意見ですが。

装備に関し、

FAMAS:確かに最新世代のアサルトライフルと張り合えるものではありません(これはM16系も同様です)。しかしまだ何年かはその任を果たします。少なくとも正規軍では。

制服等の個人装備:多くはクオリティからして15年程度前のものです。迷彩パターンに関してはもちろん議論の余地があります。これが劣ったものであるともいえないでしょう。使用される防護ベストもたいてい15年使われてきたもので、いくらか骨とう品じみ、鈍重なものです。

スナイパーライフル:FR F2は確かにもはやフレッシュなものではありませんが、1つの選択肢でもあります。PGMとHecateIIに関しては私は特別旧式化しているとは思いません。

マシンガン:AA-52は確かに旧式化しており、おそらく最初からある程度の問題が付きまとっていました。MINIMIに関しては他国の軍も大きな差がありません。

夜視器具および光学サイト:いろいろの世代のものが存在しています。FAMASは光学サイト搭載のため改造の必要があります。

通信装備に関しては、少なくとも一部はまあ近代的なもので、役にも立つはずです。例えば60年代由来のものはもうないです。

対戦車防御兵器:AT4CSは時代に即したものです。ミランとLRACはまだ機能しますが、たぶん旧式化しています。

結論:たいていの装備はもはやフレッシュなものではありません。ですが(充分なメンテナンスがあれば)まだその任を果たすでしょう。総合的に見て装備は均整の取れたものです。ただしAA-52とFR-F2はおそらくもはや時代に即していません。ミランももはや完全に時代に即してはいません。FAMASはまだ5〜10年は戦い抜く必要があるでしょう。


kato

AA-52に関する不平(「30年も前の!」という)は一種馬鹿げたものに聞こえます。ドイツ連邦国防軍のMG3がたいてい50〜70年前の製造であり、最後の「軍備増強」が35〜40年前であることと比較すれば。実際これらは同様にアフガニスタンで使用されています。


Glorfindel

しかしAA-52はMG42やMG3と違い、決してものすごい傑作ではありません。ただマシンガンは、少なくとも使用されていれば、繰り返しオーバーホールしなければなりません。このことから、私はMG3が50〜70年前のものだということにいくらか疑念を持っています。そうでないとしてもある種の部品(例えばバレル)は完全に交換されています。


sdw

たぶん彼が言っているのは銃本体ケースが非常に古いという意味です。消耗部品(バレル、ボルト、スプリング‥‥)が繰り返し交換されていることは明らかです。しかし、本体ケースに「42」の刻印があるMG3は間違いなく存在していますし(頑住吉注:この後意味不明です)


Glorfindel

そのことに関してはAA-52の場合も大きく変わらないでしょう。この銃は約30年前に7.5mm弾薬仕様からNATO7.62mm弾薬仕様に改造されました。しかしAA-52はそれよりずっと前から調達されていました。

このようにMG3は旧式化してはいません。少なくとも搭載用としては。分隊支援火器としてはすでに、例えばPKM(これももはや全くモダンなものとは言えませんが例えばいくらか軽いなどの利点を持つ)等と同じように時代に即しているかどうかに関し疑問が生じています。


Magyar

ちなみに私はFAMASの採用決定はフランスの完全な誤ちであると判断しています。この銃は実戦投入には全く適していません。
私はいつ、どこで、どんな基準でこの新しいアサルトライフルが採用されたのか、どんな考察がなされたのかは知りませんが、FAMASを選ぶべきだったでしょうか?

私はすでに何回もこの銃を射撃する機会を持ち、間違いなくFAMASが陸軍のスタンダードアサルトライフルとするには良い選択ではなかったと知りました。私がそれを撃った時はストレスシチュエーションでもなく、建物の角、屋内での実戦でもありませんでした。私は全く快適にフィールドにいたのに、戦闘中に操作しているかのような困難をこの銃に感じたのです。光学サイトをマウントするためには実に苦労しなければならず、実際マウントしても光学サイトの位置があまりにも高なりすぎ、弾道はターゲットの上を通り過ぎることになります(実際に経験しました)。またアフガニスタンにおいてこれを持って25kmのパトロールに出るのは地獄そのものです。
そしてマガジンが後方にあり、これがまず慣れませんが、それだけでなく戦闘においてもあまり実用的ではありません。特に実際的なシッティング、プローン以外の射撃姿勢では。この銃の命中精度も残念ながら良くありませんでした。


kato

「最後の軍備増強」というのはどうでしょう。新しいボルトなどを使って大々的にそれが行われたのは70年代の初めですから。

sdwさんの言うように、42年6月の製造刻印が本体ケースにある銃が兵器庫にありますよ。

AA-52に関してはすでにかなり前から代替品の調達が計画されていると信じます。ただ、歩兵部隊はすでにかなり前からほとんどミニミに切り替えているのでは(AA-52はもはや車載のみ)?


Glorfindel

もちろんFAMASに関しては議論が分かれるでしょうが、少なくともこれはオリジナルの銃であり、短い銃です。弾道がターゲットの上を通り過ぎたというのはたぶん光学サイトの調整や試射が正しく行われなかったためでしょう。

ともあれFAMASは現在調達中であり、単純に200,000挺ものアサルトライフルを交換することは1日仕事では無理です。アサルトライフルの寿命が約35年であることを考えれば、この銃は何年かのうちには交換されると考えられます。


sdw

引用このようにMG3は旧式化してはいません。少なくとも搭載用としては。分隊支援火器としてはすでに、例えばPKM(これももはや全くモダンなものとは言えませんが例えばいくらか軽いなどの利点を持つ)等と同じように時代に即しているかどうかに関し疑問が生じています。

だからMG4なのです。
歩兵戦闘車両プーマにも現在もはや7.62mm仕様のMG3ではなく5.56mm仕様のMG4が使われています。長期的にはおそらくMG3は完全に使用されなくなるでしょうが、目下の財政事情ではあまり早急に後継機(7.62mm仕様のMG4!?)が採用されることはないでしょう。

本題に戻って、汎用機関銃であるAA-52とならんで、1機種の軽機関銃も存在しており、これだけで時代の先端です。真の大陸軍でも5年や10年ごとに新しい銃を採用できるわけではなく、小規模な改良を行うだけです。その時その時に投資しなければならないのはむしろ兵士の個人装備に対してです。

防護ベスト:冷戦終結以後、また21世紀になってますます、西側陸軍の装備に非常に多く取り入れられるようになりました。
キャリングシステム:同様です。これに関しては議論が分かれますが、第二次大戦時代の革ベルトはもはや間違いなく歩兵部隊にとってのベストの選択ではありません。
夜間戦闘力:夜間作戦が実施できることは高度に技術化された陸軍にとっての大きなメリットです。このため全ての兵士に装備しなければなりません!
通信:そうこうするうちに、分隊の全ての兵士に装備することが可能になりました。この結果互いのコミュニケーションは決定的に容易になりました。

こうしたことに関し、フランス陸軍を例えばアメリカ、イギリス陸軍、ドイツ連邦国防軍と比較して論じることが必要です。


Magyar

(頑住吉注:最初の部分、ちょっと意味不明です)

私はアメリカ部隊がアフガニスタンで使用しているのと同様なM4カービンを所有しています。この銃に不平を言う人はいませんし、私自身もこの銃にとてもとても満足しています。しかしFAMASは実際地獄です。
そして私の友人(このライフルで訓練を受けた!)も私に同じことを言っています。あれは反抗的な銃であり、決して信頼できないと‥‥。
私はフランス軍が、わが軍がカピサで行っているように決死の戦いをしていることは知りません。しかし私は知っています。彼らが射撃を受けるとそれだけですぐにアメリカ軍を支援のため無線で呼ぶことがしょっちゅうであることを。いごこちのいい隠れ家にいることが常であること、逃亡の訓練さえしていること、しかし決してタリバンを狩ろうとはしないことを。フランス軍は逃げてばかりいるのです。私は同僚から聞いて知っていますが、彼らの拠点はまだフランスにあるのです。写真から分かるように第二次大戦当時の迫撃砲をそこらに置き、実際射撃しています! フランスのような大国がそのような兵器を引っ張り出さなければならないなどありえないことです。
制服に関してもあきれます。彼らがアフガニスタンで使っているのはグリーン、ブラック、暗褐色の迷彩です。砂漠やむき出しの山脈でこれですか?



 話はまだ続いていますが、このあと私が興味を持っているテーマとは関連が薄い話になっているようなのでいったんここで切ります。興味深い内容が出てきたらまた紹介するかもしれませんが。

 とにかくFA‐MASに関し、伝聞も含めてですがここまで生々しい実体験に基づく証言を読んだのは初めてで、それだけでも価値があると思います。もちろんアメリカのM16系に関しても(ここに挙げられているのと同じ「送弾不良が多発」といった根拠で)現場では多くの不満があるようですし、批判点の中には「光学サイトが高すぎるので弾道がターゲットの上を通り過ぎてしまう」といった、納得できないものも混じっていました。これに関しては後で反論されているように単に照準の調整がまずかっただけでしょう。しかし現在アフガニスタンでは従来アサルトライフルに要求されてきたのより長い射程が必要となる場面が多いらしく、そうなってくるとライフルとしては照準長が極めて短いFA-MASは不利にならざるを得ないでしょう。また、光学サイトを搭載した場合の照準線が高すぎるという批判は、M16系の改良を見ても妥当と推定されますが、M16系と違ってFA-MASの場合コッキングハンドルがあるので、キャリングハンドルを着脱式にして、ベースをレールにするといった改修は相当大規模な改造を伴わない限り不可能と思われます。

 最後に指摘されていた、フランス軍が積極的に戦闘に関与していないという批判は気になります。私は、FA-MASはL85A1のように改修を余儀なくされるまでは至っていないのだから、L85A1よりましなのは間違いないだろうと推定していましたが、この指摘がもし正しければ、FA-MASが間違いなく積極的な戦闘を行っているイギリス軍で使用されていたら、改修が必須になっていたかもしれないのではないかとも考えられるからです。














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