ロシアの新兵器関連2題

 まず新型空母関連です。

http://military.china.com/important/11132797/20170520/30547766_all.html#page_2


ロシア、10万トンの原子力空母建造を計画 T-50海軍版艦載機を搭載

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「専門家は、『暴風』号新空母は2030年までに就役すると考える。」)

【グローバル時報総合報道】 新たな地縁政治条件下でロシアを防衛するため、全世界の各地域全てにロシアの軍事力量の存在が必須である。このため、ロシアは大型空母を建造中で、最多で100機の戦闘機と爆撃機が同時に搭載できる。「暴風」号新空母はすでにロシアの2019〜2025年の軍備計画に入れられている。専門家は、この空母は2030年までに就役し、その潜在的母港はセヴェロモルスクだと考えている(モスクワ以北1,880km)。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ロシア軍現役唯一の空母『クズネツォフ』号」)

新空母の建造は必然的な趨勢

ロシアが新空母を建造する必要性はシリアでの行動の中で充分に体現された。ロシアがシリア海岸に派遣したクズネツォフ元帥級空母にはすでに30年の歴史があり、その寿命と技術はいずれもすでに時代遅れである。ある軍事工業システムの消息筋の人物は「透視ロシア」記者に対し次のように語る。「ロシアの空母は30機の飛行機が搭載でき、アメリカの空母は90機搭載できる。実戦機がクズネツォフ元帥級空母から発進する速度は何分間かに1機で、アメリカの空母は1分間に3機である。今日のロシア空母はすでに多くの任務を完成させられず、このためグレードアップ、新空母の建造を必要とする。

専門家は、現在の地縁政治条件下で、潜在的侵略者に抵抗し防御するため、ロシア空母の世界の大洋の中での存在が必要不可欠である、と考える。上述の軍事工業システムの消息筋の人物は語る。「空母は全世界を移動しかつ他人に向け圧力がかけられる軍事力量である。当然、我々の空母はアメリカにとっては全く恐れるに足りない。何故なら彼らには19隻の空母があり、我々には1隻あるいは最多で2隻しかないからである。しかしどのようであろうと、我々は空母建造を考慮する必要がある。」

多くの艦が囲んで守る「浮遊飛行場」

ロシア軍事学院教授のワジム カージュリンは次のように考える。ロシア新空母のパラメータはアメリカのジェラルド R. フォード級スーパー空母に似ている。「暴風」号は全面的にクリアな甲板に設計され、保護する対空兵器はなく、ロシアのクズネツォフ海軍元帥級空母と同じである。カージュリンは語る。「これは浮遊飛行場で、全艦隊によって護衛される。」 新空母の飛行甲板の面積は非常に大きく、3つのサッカー場に相当し、4本の異なる長さの滑走路があって飛行機の加速に用い、さらに混合式発進システムが装備され、これにはスキージャンプ式とスキージャンプ・カタパルト式が含まれる。専門家は、空母自体は武器を装備しないため、「暴風」号は護衛艦、駆逐艦、巡洋艦、潜水艦など約10隻の軍艦によって防御が提供される、と指摘する。これと同時に、2台のRITM-200原子力動力エンジンが暴風号を30ノット(毎時間30海里あるいは55km)の速度で航行させることができる。新空母は総排水量が10万トン、喫水11m、艦上には約4,000人が配される。だが、プロジェクト設計は美しく壮大だが、空母の登場まで、ロシアの軍事工業生産企業はまだ非常に多くの問題を解決する必要がある。

セットになる施設の建造コストは高い

カージュリンは、「暴風」号の艦載機はミグー29KおよびT-50第5世代戦闘機の海軍バージョンからなる、と考える。海軍航空部隊はすでにミグ機の艦載型を獲得しかつシリアでの行動の中で検証を行っており、新世代のT-50戦闘機はまだ研究開発中で、その艦載型はまだ設計図面の上にしか存在しない。独立国家共同体国営研究所副所長で、軍事専門家のウラジミール イェフシェイェフは「透視ロシア」記者のインタビューを受けた時次のように語った。「『暴風』号空母はさらに相応の基礎施設を必要とする。そのために専用の埠頭を建設しようとするには、さらに海陸空各方面の保障がその投錨地にいる時の安全を保障することが必須である。このことは、その基地には補充的性質の防空部隊と沿岸警備隊が出現する可能性があることを意味している。」 専門家は、配置の差異を根拠に、「暴風」号空母の建造コストは3,500億から1兆ルーブル(61.5〜178億アメリカドル)にも達する、と考える。イェフシェイェフは語る。「さらに90機の艦載戦闘機の製造をプラスし、かつ「暴風」号のために必要な基礎施設を建設したら、空母プロジェクトのコストは倍増する可能性がある。」 建造コストが高いことおよびロシアが経済制裁に直面しているため、最初の模型の設計者の1人ウラジミール ペペリヤイェフを含む多くの専門家は、揃ってこのプロジェクトが最初の設計をもって登場できるか否かに疑いを表明している。設計者たちはすでに寸法がより小さいが、作戦能力は全く遜色ない新たな「暴風」号の設計を開始している。本文は「グローバル時報」より転載 「透視ロシア」が掲載 内容は「ロシア報」による提供。(「透視ロシア」記者 ニコライ リトフキン)


 「寸法がより小さいが、作戦能力は全く遜色ない」物ができるんなら最初からそうすりゃいいわけで、能力に妥協せざるを得ないのは明らかでしょう。構想段階からこれでは前途多難は目に見えてますね。

 次に戦車関連です。

http://military.china.com/important/11132797/20170523/30556998_all.html#page_2


ロシア、「アーマタ」戦車の就役時期が2020年まで遅延、とする

中新ネットは、今年5月9日、ロシアは盛大な閲兵式を行って祖国防衛戦争勝利72周年を慶祝し、この期間ロシア軍の新型T-14メインバトルタンクが再度検閲を受けた、と報道した。T-14戦車は全く新しい設計を採用し、技術性能には非常に見るべきものがあり、フランス、ドイツなどヨーロッパの主要国は続々と新型戦車主砲を研究開発して「アーマタ」の正面装甲を撃ち抜き得ることに希望を寄せている。しかし5月22日、イギリスの「週刊ジェーン安全保障業務」は、ロシア国防省は12日声明を発表し、「アーマタ」戦車の実際の就役時期は2020年以後まで遅延する、と宣言した、と報道した。2016年3月、T-14戦車の研究開発メーカーであるロシアのウラル車両工場はかつて、この戦車はロシア軍の中で1年の試験しか必要とせず、2017年にはもう就役が開始できる、と言明したが、現在見たところこの目標は実現不可能になった。

報道によれば、ロシア陸軍はウラル車両工場のT-14「アーマタ」戦車は最初に第二近衛機械化歩兵師団(「タマン」師団)の下に属する第一近衛戦車連隊に加入して就役する、と宣言した。だがこの新戦車の就役時期は2020年より早くはないだろう。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ロシア陸軍の門前装備として、T-14「アーマタ」戦車の装備発展の動向は世界の関心を引き起こしている」)

「週刊ジェーン安全保障業務」の分析は、前倒しで「アーマタ」戦車が著名な軍事単位に装備されることを宣言したのは、ロシア国防省が意図的にハイテンションの行動を採用したのであって、その意図はロシア軍事力量のポジティブなイメージを向上させることにある、と考える。第一近衛戦車連隊はソ連時代から継承されてきている数少ないロシアのエース部隊で、この連隊はかつて第二次世界大戦末期にベルリンに攻め入った。

だが最近になって、T-14戦車はまだ就役の資格を具備していないようだ。

新戦車が部隊に装備されるとの宣言は、ロシア軍の装備更新の決意をはっきり示す他、同時にロシア軍がその歴史的伝統を取り戻しつつあることを見せつけている。

「2009年まで、第一近衛戦車連隊は以前タマン師団の一部分だったが、元国防大臣セルジュコフの改革の中で、この連隊とこの師団はいずれも解散させられた。その部隊は第八山地機械化歩兵旅団に改編された。」 ロシアの「情報報」は、「だが去年の年末、ロシア国防省はこの歴史的伝統ある部隊の回復を宣言した。」とする。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「T-14「アーマタ」戦車は全く新しいレイアウトを採用しており、無人砲塔とアクティブ防御システムを採用し、同時に乗員コンパートメントの正面装甲の厚さもいまだかつてなかったものである」)

視察者ネット軍事評論員は、2008年のグルジア戦争の中で、ロシア軍は多くの問題を暴露した、とする。その中の1つが、その最も先進的なT-90A戦車はモスクワ付近に配備されて首都を防衛し、一方前線で作戦に参加する部隊の手中には近代化改装を経ていないT-72BM戦車しかなかったことに他ならず、その一部の技術性能は甚だしきに至ってはグルジアの手中のイスラエルの改装を経たT-72戦車に及ばなかった。セルジュコフがタマン師団を解散させたのは実際上この問題に向けてのことで、2014年のウクライナ衝突の中で、T-90A戦車はウクライナ国境付近に出現したのが撮影され、伝えられるところによると少数はウクライナ入りして作戦行動もした。2016年、この戦車はさらにシリア軍に提供され、テロ分子の手中のアメリカ製「TOW」式対戦車ミサイルに対応する「秘密兵器」として使用された。

今回ロシア軍が第一近衛戦車連隊を再建する時、かつて一部のソ連時代に製造したT-80BVを修復およびグレードアップし、近衛戦車連隊への装備に用いる可能性があるとした。そして今回また2020年以後T-14「アーマタ」戦車に換装することを宣言したのも、ロシア軍が回復される近衛戦車部隊に対しやはり非常に重視していることを充分に説明している。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ロシア軍はT-80BV戦車を第一近衛戦車連隊の過渡的性質の装備として用い、T-14「アーマタ」就役まで使用する可能性がある」)

別の方面では、2016年、ウラル車両工場は「情報報」などのメディアを通じ、すでにロシア軍に向け20両の「アーマタ」戦車を引き渡し、こうした戦車は1年の試験(2016〜2017年)の後、正式に就役する、と宣言した。ロシア軍もこの前かつてウラル車両工場に向け生産の発注を下し始めた、と宣言した。

だが今回ロシア国防省は2020年まで待つ必要があり、それでやっと正式に就役できる、と宣言したわけで、この戦車の試験作業が挫折に遭遇し、短時間内には就役の基準を達成できないことを示すようである。

この情報は、以前いくつかのロシアメディアが報道した、軍が何度も「アーマタ」戦車の完成度が比較的劣り、信頼性が基準に達しておらず、一部のサブシステムは国家試験(定型試験)開始の基準に達していないと恨み言を言っていることに関する問題が確かに存在するかもしれないことを示す。


 私はこの戦車が言うほどすごいのかに疑問を持っていますが、新機軸をたくさん盛り込んだことは確かで、問題に遭遇する可能性が高いのは間違いないでしょう。例えばアクティブ防御システムやレーダーの問題なら就役が大幅に遅延する原因にはなりにくいと思われ(これまでの戦車にはそもそもなかったんですからうまく働かなくてもとりあえず就役はでき、他が意図通りに機能すればそれでもこれまでの戦車より強いはずでしょう)、私はやはり乗員を隔離コンパートメントに収納し全てを遠隔操作するシステムの信頼性に問題が生じているのではと想像しますが。


















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