ロシアの次世代空母その2

 実際にその姿を見るのはやはりまだ相当先のことのようです。

http://military.china.com/news2/569/20150710/19989279.html


ロシアの新たな空母、固定翼早期警戒機のスキージャンプ発進を計画 15年内の就役は難しい

2015年6月16日から19日までロシアのクビンカ市で行われた「軍隊-2015」国際軍事フォーラムで、ロシアの新世代空母が概念模型の形式をもって展示され、ロシアの近年来の次世代空母開発に力を尽くす段階的成果、およびロシア軍と工業界の将来空母開発に対する認識を体現した。

ロシアの新世代空母に対する正式な研究は2005年に開始されたが、2010年になっても実質的な進展あるいは成果が世に公にされることはなかった。2011年、ロシア国防省は新型空母概念研究と原型方案設計に関する競争入札を行い、かつ最終的に海軍科学院研究センター、クルイロフ国際科学センターをトップに選択し、ネバ設計局などの機構が参加する研究団体がこの任務を引き受け、必要とされる経費は2011〜2020年の国家武器装備発展計画の枠組み内に編成される。

2013年7月、サンクトペテルブルグで行われた第6回国際海軍展で、上述の団体が制作したロシア海軍新世代空母概念模型が初日の内部展示に出現し、ロシア軍と工業界の次世代空母開発推進が取得した実質的成果を体現した。

時1年あまりを隔てた後、新世代空母概念模型は今年2月にロシア紅星テレビ局のクルイロフ国家科学センターに対する公開の報道の中に出現した。4ヶ月後の「軍隊-2015」フォーラムで、この概念模型は23000E型「暴風」のコードネームと命名をもって再度より公開された展示を行った。

23000E型空母は80〜90機の各種艦載機を搭載できる

概念模型やすでに公開された初歩設計パラメータや戦術技術指標を根拠にして見ると、ロシアの23000E「暴風」新世代空母は大型多用途空母と位置づけられ、主要な使命には敵の地上および海上目標の破壊、味方サイドの艦艇艦隊の戦闘の安定性の保障、海上の水陸両用上陸部隊が敵の空中打撃を受けないよう援護することが含まれ、遠海(遠洋)環境下で作戦行動が遂行でき、敵海上および地上目標に突撃でき、味方サイドの艦艇艦隊のために防空援護を提供し、味方サイドの水陸両用部隊のために火力支援を提供する。

23000E型空母は全長330m、喫水線の幅40m、喫水11m、最大航行速度28ノット、自力持久力120昼夜、航行適性は7級の海の状況下で正常に航行しかつ各種任務が執行できるというものである。空母の概念模型および公開の報道から見て、その動力システムは未確定で、通常のガスタービンエンジン動力あるいは原子力動力の採用がいずれもあり得る。新世代空母が配備する武器システムは主に自衛に用いられ、これには4つの戦闘モジュールのミサイル・砲合一近接防御武器システムと2つの魚雷防御発射装置が含まれる。電子情報システムには戦役・戦術レベルの一体化戦闘指揮システム、一体化された多機能アクティブフェイズドアレイレーダー、一体化された電子対抗サブシステム、総合通信システムなどが含まれる。

艦全体の設計と航空特殊施設の配置から見て、23000E型空母は全縦通甲板+斜めの降着甲板という戦後空母に伝統的な甲板全体レイアウトを継続してもいるし、イギリス新世代クイーンエリザベス級空母のダブル艦橋設計も参考にし、また飛行甲板発進機能区においてさらに初めて艦首スキージャンプ発進傾斜板と斜めの降着甲板の前端スキージャンプ発進傾斜版から組成されるダブルスキージャンプ設計を作り出した。また空母はさらにワンセットの着艦制動装置と補助発進手段となるべき2つの電磁カタパルトを持つ。

大型多用途空母として、23000E型空母は80〜90機の各種艦載機を搭載でき、概念模型から見てこれには第5世代T-50 PAKFA多用途戦闘機の艦載型、ミグー29K多用途戦闘機、未知の機種のジェット動力艦載早期警戒機、改良型のはずであるKa-27多用途ヘリが含まれる。

ロシア新世代空母概念方案の主要な特徴

今世紀20あるいは30年代に使用に投入される艦隊の核心装備として、ロシア海軍は新世代空母に対し非常に高い要求を提出した。こうした要求を満足させるため、ロシア海軍科研部門、国防工業界およびその研究機構は長年来クズネツォフ空母を使用した経験と教訓、研究成果の蓄え、最新技術の進歩などを基礎にし、かつ広範に西側諸国の新世代空母の開発経験を参考にし、現在の継承性と創新性がいずれも非常に突出した、鮮明なロシアの特色を持つ23000E型空母概念方案を形成した。

(頑住吉注:これより2ページ目)

総括すると、23000E型空母には4大特徴がある。第1に、それは海上の「飛行場」機能を突出させた大型多用途空母と位置付けられる。

ソ連時代に空母を開発した経験と教訓を総括し、かつ20年あまり以来のクズネツォフ空母に対する実践運用の認識を結合することによって、ロシアはソ連の空母の位置付けに対する認識と開発思想を調整した。23000E型空母方案から見て、その10万トンの排水量はアメリカのニミッツ級やフォード級空母のレベルに達し、また艦載武器システムの配置では自衛に用いるものだけを配置し、空母の海上「飛行場」機能を突出させ、多用途艦載戦闘機を使用して防空、対艦、対地攻撃任務を担うことを強調し、明らかにソ連時代に空母艦載機を主に対潜、潜水艦護衛、防空などの任務に用い、かつ空母に大型対艦ミサイルを搭載し海上遠距離突撃に用いる「航空機搭載巡洋艦」の機能的位置付けとは異なる。

第2に、艦載機の航空保障作業能力を高度に重視する。

近年来のアメリカ/イギリス新世代空母の研究開発からは、いかにして空母の艦載機に対する航空保障能力を高めるかが高度に重視され、その実現の筋道には飛行甲板の機能区のレイアウトの改良、飛行甲板の幅の拡大、艦橋の体積を縮小しかつ位置を調整すること、電磁カタパルトの採用、一箇所式保障などが含まれる。23000E型空母方案では、航空保障作業能力の向上に高度に関心が注がれ、例えば飛行甲板の最大幅は80mを超え、イギリスのダブル艦橋レイアウトを参考にし、同時に独創的にもダブルスキージャンプ発進甲板設計を初めて創造し、これらはいずれもロシア科研人員の継承と参考を基礎に大胆な創新を行う思考能力を体現している。

第3に、最適化された船体設計と良好な耐航性を持つ。

新世代空母概念研究の過程で、未来の空母に優良な航海性能を具備させ、もって北大西洋や北極海の劣悪な海洋環境に適応させるため、クルイロフ研究センターをトップとする団体は理論研究、シミュレーション、多くのプールでの試験を経て、空母船体設計の上で最適化設計を実現し、その結果は航行時の水の抵抗が20%減少し、したがって航行速度が向上し、燃料消費が減少し、経済性と自力持久力も向上を得るというものだった。また船体最適化設計の結果空母の耐波性と耐航性も向上し、甚だしきに至っては暴風の条件下でも新世代固定翼艦載機やヘリの発進作業が行え、したがってさらに一歩その航空保障能力が向上する。

第4に、スキージャンプ発進能力を持つ艦載固定翼早期警戒機を搭載する。

艦載固定翼早期警戒機は空母艦載機装備体系のカギとなる重要な組成部分であり、現代空母艦隊総合電子情報システムのカギとなる重要なプラットフォームおよび節目となるポイントでもある。ロシア海軍で唯一現役のクズネツォフ空母は現在Ka-31早期警戒ヘリしか配備しておらず、このことはその総合作戦能力を制約する一大ボトルネックである。これに対してはロシア軍や国防工業界にも深刻な認識がある。このため、23000E空母の艦載機配置方案から見て、当然固定翼早期警戒機が出現している。歴史や現実の発展から見て、ロシアはソ連時代のスキージャンプ発進能力を持つYak-44艦載早期警戒機開発の経験と技術的基礎も継承しているし、すでに2010年から着手した多くの艦載早期警戒機方案の研究もあり、かついずれもスキージャンプ短距離離陸できることを要求している。これは実はロシア新世代空母が継続してスキージャンプ発進方式をそのまま用いる重要な原因の1つでもある。

ロシア新世代空母には2つの大きな不確定性がある

ロシアが新世代空母の概念方案を公開展示したことは、ロシア海軍新世代空母計画が緩慢に推進されて長年になった後、すでに重要な実質的進展を取得していることを示している。だが空母というこの大型艦船の概念研究から完成就役までの全過程を見ると、現在ロシア海軍新世代空母計画はまだ前期の概念研究段階から離脱しておらず、少なくとも原型方案設計にはまだ入っておらず、最終的な完成就役までまだ非常に長い時間を必要とする。このためロシア海軍将来空母の発展には多くの不確定性が存在し、これは特に以下の2つの方面に体現される。

1つ目は方案の不確定性、すなわちロシア海軍将来空母の全体像がまだ最終的に確定できない。ロシアメディアの報道および研究団体指導層の話から見て、現在最も注目される10万トンの23000E型ダブル艦橋方案は原型方案ではなくて概念方案でしかなく、また若干の概念方案の1つでもある。実は「軍隊-2015」フォーラムの展示には、展示パネルの形式をもってシングル艦橋方案の概念図も公開されていた。しかも、ロシア海軍司令は今年年初に、ロシアの将来空母の排水量は8万トンで、搭載機は約60機であるべきだと指摘した。これも現在の23000E方案とでは比較的大きな差異がある。またロシアが今23000E方案を公開展示する、もう1つの重要な目的は国外顧客の関心、甚だしきに至っては投資を吸引することなのである。

2つ目は発展の進度の不確定性、すなわちロシア海軍将来空母がいつ完成就役できるか、まだ最終的に確定できないことである。特に現在ロシアが直面する西側の制裁と国内経済情勢の低迷に関係し、新世代空母がいつ完成できるかはさらに未知数である。近年来のロシアメディアの報道から見て、ロシア海軍初の新世代空母にいつ着工するか、説は定まらない。最新の報道の中では、新世代空母第1号艦の着工は2025年より早くはなく、最も早くても2026〜2027年である。一方その前のメディアの報道やハイレベルの話の中では、この時期は2020年前後だった。このため、もし最新の報道を基準とし、最速で5年の建造と航海試験という時間に照らして計算すれば、第1隻目の新型空母がロシア海軍入りして就役するのは、最も早くても2030年前後のことである。(作者は黎暁川 機関:海軍装備研究院)


 最も早くて15年後ですか。その頃までにはたぶんT-50艦載型もできるでしょうし、それだけの時間があれば電磁カタパルトもものにできるかもしれません。そしてあるいは中国国産空母と合同演習して日米を威嚇するなんてこともないとは言えないでしょうね。














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