ガリルアサルトライフル

(頑住吉注:原ページには最初に.308タイプの画像があります)

 1950年代、イスラエル軍はFN FALを入手した。しかし1967年の出来事、すなわち六日間戦争はイスラエル軍首脳部に、より軽量で、より丈夫で、より命中精度の高いライフルが必要とされるということを確信させた。その上このライフルは5.56mm弾薬M193を発射するべきであった。選択のためにはM16A1、HK33、ストーナーM63、そしてUziel Gal(Uziの発明者)とロシア出身のIsrael Galilのそれぞれのデザイン品があった(頑住吉注:国名、人名、銃のどれなのか紛らわしいので国と銃はカタカナ、人名はアルファベットで表記します)。カラシニコフが世界最高のライフルの1つであると評価していたGalilは、彼がガリルアサルトライフルのために保ち続けた強みと、取り除くことを望んだカラシニコフの弱点を知っていた。つまり彼がガリルの開発を開始したのはイスラエルのためだった。彼はカラシニコフのファンクションおよびメカニックを引き継ぐことを決めた。ガリルには外観上カラシニコフとの類似性は非常に強くは感じられないが、ガリルの内部構造はカラシニコフと比較すべきものである。Israel GalilはAK-47の最も大きな弱点になりそうな命中精度の悪さ(効果的射程約300m)を改良した。このAK-47の欠点の主要な理由の1つは7.62mmx39弾薬だった。Galilは単純に、彼のアサルトライフルに5.56mm弾薬を選ぶことによって命中精度を改善した。その上彼はマガジンを30連から35連および50連に拡大した。彼は大きすぎ、劣った、すでにほとんど安物の印象を与えていたセーフティ・射撃選択レバーのメカニズムもモデファイした。ガリルに2つのより小さいレバーを取り付けることによってである。その1つは左、もう1つは右のピストルグリップ上に位置する。このため左利き射手でも右利き射手でもこのレバーを親指で快適に切り替えることができる。ガリルには射手にサイティングを容易にさせるためのバイポッドを取り付けることもできる。このバイポッドは追加的にワイヤーカッターおよび栓抜きとして役立つ。さらにIsrael GalilはFALのお手本にならってガリルARMに追加的にキャリングハンドルを取り付けた。このライフルが1973年に採用された時、南アフリカ共和国陸軍(当時南アフリカ共和国はイスラエルとの非常に良好な関係を持っていた)は構造が等しい銃をR-4の名称の下にマーケットに持ち込んだ。その上IMI(イスラエル ミリタリー インダストリーズ)によって7.62mmNATO(.308Win)弾薬仕様の輸出バージョンが提供された。この弾薬の場合ストレートな25連マガジンが使用のために登場した。このガリルAR(アサルトライフル)は外国軍においてイスラエルのカラシニコフとしても知られており、これはこの銃が最高度に称賛され、世界最高のアサルトライフルの1つと見なされているということである。

 ガリルアサルトライフルとならんで7.62mmx51弾薬用のスナイパーバージョンであるガリルモデルスナイパーもある。この銃はNimrod 6x40ターゲットスコープを持ち、木製ショルダーストックと、すでにガリルARMによって知られたバイポッドを持つ。この銃は今日ではもはや稀にしか使用されていない。その命中精度が真のスナイパーライフルとしては不充分だからである。これに対し1980および90年代、この銃はイスラエル特殊部隊において非常に普及した。彼らは今日まだこの銃を、600mまでの遠距離における命中精度のよい支援火器としてのその良好な性質のために評価している。その上この銃はまだ対テロ特殊部隊であるYAMAMによって実戦使用されている。ただし大幅にモデファイされ、高い要求に適合されてである。IMIとの良好な関係はこの部隊に、ベストの銃を操業中の生産現場から取り出すことを可能にしている。

 ガリルの最新バージョンはガリルMAR(マイクロアサルトライフル)であり、この場合より短いバレルとよりコンパクトなショルダーストックが使用のために登場している。このためこの銃の全長はショルダーストックをたたんだ際46cm、伸ばした際71cmに削減できた。このガリルMARはPDWとして設計され、従来のサブマシンガンの9mm弾薬とは違う、5.56mm弾薬のより強力な貫通力をサブマシンガンのコンパクトなサイズと結び付けている。この1990年代の初めに現れた銃はイスラエル軍(IDF、イスラエルディフェンスフォース)においてガリルSAR(ショートアサルトライフル)の代替品として大量に導入されるはずだった。だがいくつかの問題がこのプロジェクトを挫折させた。すなわちMARの1つの重大な欠点は、フルオートあるいはバースト射撃の際にフォアグリップが非常に過熱し、この結果射手はこの銃をもはや保持できず、このため銃を片手で射撃しなければならないというものだった。そういうわけでイスラエル軍はわずかのガリルMARを高級将校のPDW用として受領しただけだった。MARにはIDFにおける成功裏の使用がなかったので、外国の買い手も見いだされず、全部合わせてもわずかな数しか販売されなかった。しかしこのMARをベースにしてIMI Magalが開発された。このMagalは都市における戦闘のために設計された.30口径のコンパクトスペシャルアサルトライフルである。イスラエル警察では4000挺が実戦使用下にある。これは古いM1カービンと交代してきたもので、主にパレスチナ人との市街戦に投入されている。

 当然IMIのスタッフはガリルMARの問題点に満足してこず、この銃は発展開発された。この新しいガリルMARの最も際だった特徴は2本のM1913ピカティニーレールである。これは今やリフレックスサイトや他の追加器具の取り付けを可能にしている。2本のピカティニーレールのうち1本は銃のレシーバー上にあり、他は完全に手が加えられたフォアグリップに一体で組み込まれている。この新しいグリップでは今やオーバーヒートの問題も取り除かれている。さらなる新しい点はファイバーグラス製の人間工学的なショルダーストックである。その上新しいマズルフラッシュサプレッサーも取り付けられており、これはフルオート時の銃のハンドリングを簡単にするだけでなく、サイレンサーの取り付けも可能にしている。さらには今やダブルドラム(C-MAG)を伴う100連マガジンも使える。このニューマイクロガリルは特にイスラエル特殊部隊によって使用されている。

(頑住吉注:原ページにはここに.223タイプの左右側面の画像があります)

銃の名称 ガリル モデルAR5.56mm ガリル モデルAR7.62mm
メーカー Israel Military Industries Israel Military Industries
全長 987mm
ショルダーストック折りたたみ時742mm
1026mm
ショルダーストック折りたたみ時790mm
重量 アンロード時3.95kg
マガジン(空)320g
マガジン(ロード)720g
アンロード時3.95kg
マガジン(空)320g
マガジン(ロード)720g
銃身長 460mm ?(頑住吉注:他のサイトでは18.5 in
つまり約470mmとなっていました)
マガジン 35または50連 25連
ライフリング 6条右回り 7インチで一回転  4条右回り 12インチで一回転
口径 5.56mmx45(M855、SS109) 7.62mmx51NATO
銃口初速度 915m/s 850m/s
発射速度 630〜700発/分 630〜700発/分
効果的射程 約800m

(頑住吉注:原ページにはここにマイクロタイプの画像があります。画像の下のキャプションの下線部をクリックするとメーカーであるIMIの公式サイトが表示され、さらにその下の「zur Bildergalerie」をクリックするといろいろなタイプの画像が集められたページが表示されます)


 たいしたことは書かれていないだろうと思っていましたが、非常に興味深い内容がいくつも含まれていました。ガリルはかなりメジャーな銃ですが、トイガンとしては昔ファルコントーイがガスガンとしてARとSARを作っていただけのはずです。

 ガリルのスナイパーモデル( http://world.guns.ru/sniper/sn32-e.htm )は元々命中精度が優秀ではないアサルトライフルの発展型に過ぎないという制約から、真のスナイパーライフルとしては物足りない命中精度でしかなかったようです。その銃が特殊部隊において支援火器として多用されるというのは米軍におけるM14に似た現象で、要するに主力である5.56mm弾薬の遠距離射撃性能や貫通力などに不満が出る場合が多いからでしょう。イスラエルの特殊部隊がIMIの工場からベストの銃を優先的にピックアップさせてもらっているというのもいかにもありそうですが知らない話でした。ただ他の顧客からすれば、運よくすごくいい銃に当る可能性がなくなってしまうわけで愉快ではないでしょうね。対テロ特殊部隊であるYAMAMが使用しているという「大幅にモデファイされ、高い要求に適合され」たバージョンというのは

http://kalashnikov.guns.ru/models/ka292.html

 これのことかとも思うんですがはっきりしません。

 マイクロタイプのガリルは床井雅美氏の著作等で存在は知っていたものの、フォアグリップの加熱問題で一度失敗したという話は知りませんでした。

http://kalashnikov.guns.ru/models/ka293.html

 非常にカッコいい銃なのでモデルアップして欲しいです。

 Magalというのは

http://www.israeli-weapons.com/weapons/small_arms/magal/MAGAL.html

http://kalashnikov.guns.ru/models/ka298.html

 こんな銃ですが、うーん、これはモデルアップしなくていいです(笑)。もうちょっとカッコよくデザインできなかったんでしょうか。

 他にはガリルに関して

http://world.guns.ru/assault/as23-e.htm

 こんなページもありましたし、

http://www.gunmanuals.ch/handbuecher/handfeuerwaffen/gewehre/index.html

 ここでは使用マニュアルがダウンロードできます。また、

http://www.mek-schuetzen.de/Sites/Explosion.htm

 ここには5.56mm、7.62mmのAR、マイクロタイプのパーツ展開図があります。








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