今後中国はどんな軍艦を必要とするか

 やはり空母と大型駆逐艦が話題の中心になりますね。

http://military.china.com/important/11132797/20170428/30470540_all.html#page_2


新たな空母、055と良い情報が絶えず 再び「下餃子」が語れる

4月23日は中国海軍68歳の誕生日である。4月26日、中国初の国産空母がスムーズに進水した。ここ何日かは中国海軍の大いなる喜びの日で、中国海軍の持続可能な発展の問題もこのためことのほか人の注意を引く。中国海軍は大量に集中して新型戦闘艦を進水させつつあり、人は下餃子と呼ぶ。非常に流行する観念は、軍事力量は強大なほどよく、金銭的に作れさえすれば全力で作るべきで、これは言わずともおのずと明らかな道理だ、というものである。だがこの考え方は正しくない。下餃子には3つの方面がある。どのくらい下するか、何を下するか、どのように下するか。こうした問題は関連しているが、1つ1つ語るしかない。まず何を下するかの問題を語る。

こうした鋼鉄の餃子はその身に国家防衛の重任を担い、何十年の時間使用する必要があり、視線は眼前の何年かだけを見てはならず、どのような餃子を下するかが問題である。現在中国は平行して非常に多くの造艦計画を推し進めているが、重点ははっきりしている。まずは空母、その次が大型駆逐艦である。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「艤装埠頭に停泊する初の国産空母」)

一般的に考えて、「遼寧」号を基礎にした001A級は1隻建造され、基本的な寸法と主要な作戦システムは「遼寧」号に似ており、中国が「遼寧」号を改装した中で累積した経験を凝集している。オリジナル設計の中の、本質が欠けているがゆえにもたらされた遺憾を正すが、これは単なる過渡的設計で、次の一歩で建造される002級こそ中国海軍の予見できる将来の目標たる空母を代表する。

002級の寸法、トン数、動力、建造と予測される就役時間は非常に長い時間内ずっと秘密保持されることになり、外界は推測するしかない。以前語ったことがあるが、空母の戦闘力は寸法およびトン数と直接関係し、このため002級は大きいのがよく小さいのはよろしくない。世界で空母の使用経験が最も多いアメリカ海軍を参照すると、10万トン前後がよろしい。さらに一歩拡大すれば停泊、動力などの方面の問題がもたらされるだろう。だがすっと小さければ、戦闘力が顕著な制限を受けるだろう。

空母が戦闘機しか持たなければ、戦闘力は不完全である。001級と001A級はいずれもスキージャンプ発進、制動ケーブルによる着艦(略称STOBAR)方式を採用し、推力:重量比が比較的大きい戦闘機の発進に適合するが、推力:重量比が比較的小さい早期警戒機、給油機、対潜機、輸送機などの発進には困難があり、最も良いのはカタパルトによるブースト発進である。ヘリの重量搭載能力、上昇限度、滞空時間にはいずれも制限があり、過渡的に用いることしかできない。伝統的な蒸気カタパルト技術は成熟しているが、それはアメリカに関して言えることで、成熟した蒸気カタパルト技術を持ついかなる他国もない。

注意に値するのは、蒸気カタパルト技術はすでに非常に古いが、決して簡単ではないことである。高圧ロングストロークピストンの製造の精密度の要求は非常に高く、使用と維持修理にも非常に高い要求がある。蒸気カタパルトは艦上に大量の高純度水を準備する必要があり、間歇的な使用がもたらすパイプラインの凝結は危害が極めて大きいウォーターハンマーやキャビテーションなどの現象を考慮する必要がある。寒冷な海区での使用にはさらに甲板の氷結問題があり、戦闘による損壊に遭遇したら、高圧の蒸気パイプラインの戦損コントロールも極めて大きな困難で、高圧蒸気の射流の弾丸のような威力はダメージコントロール人員や周辺の設備に対し深刻な障害をもたらし得る。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「陸上試験場の国産カタパルト」)

馬偉明の公開の講話によれば、中国は電磁カタパルトおよび電磁制動技術の上でいずれも誇るべき成就を取得済みである。現在まだすでに実用化段階に達しているか否かははっきりせず、さらに002級の建造とつなげられるか否かははっきりしないが、電磁カタパルトは大型機の射出に適するだけでなく、さらに容易に推力を調節し、小型機を射出し、加速も蒸気カタパルトに比べ平穏で、しかも平らな甲板の制限を受けず、湾曲したスキージャンプ甲板の改装に用いることができ、良いところはあまりにも大きい。

もし時間的つながりの上で差が何年かあっても、002級の設計と建造の中では、電力と装備のスペースをあらかじめ留保しておくべきである。まずスキージャンプ状態で進水および使用し、大修理あるいは中期グレードアップの時を待って追加装備する。一方蒸気カタパルトの回り道を行くことはよろしくない。

もし大容量エネルギー貯蔵問題が解決されたら、電磁カタパルトの動力システムに対する要求は逆に下がる。イギリスの「クイーンエリザベス」級は設計時にスキージャンプと電磁カタパルトを同時に考慮し、最終的に半分は政治、半分は技術的原因ゆえに電磁カタパルトを放棄した。だが原子力動力でないことが問題になったことは全くない。逆に、大量の高純度水の準備や高圧蒸気の発生の要求は逆に原子力動力を必要とし、通常動力は大量に燃料を消耗し、空母にしばしば給油を必要とさせ、活動の自由度を制限する。単純に飛行機の燃料と弾薬を補充する作業量は艦船の推進に比べ必要がずっと小さい。

小幅の駆け足は一般的な状況下では慎重で穏健妥当なやり方だが、これは多くの持続的に建造される戦闘艦に対して適合するのであって、空母建設に対しては必ずしも適合しない。空母の建造数は必然的に比較的少なく、就役時間が非常に長く、歩みが小幅過ぎたら、容易にあまりにも多くの過渡的タイプの空母が溜まる。(頑住吉注:走るとか走らないとか言ってますが意味不明です)中国海軍の消化の極限を超え、停頓が迫られる。別の方面では、空母の建造期間は比較的長く、まさに前の艦の使用の中から蓄積された経験と完備された新技術があった方が、飛躍級の新技術の整合に逆に有利である。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「波を蹴立てて前進する昆明号ミサイル駆逐艦。7,000トン級の艦体は波風の中ではややひ弱である」)

大型駆逐艦はもう1つの重点である。052Dはおよそ現在世界で火力が最も強大な7,000トン級戦闘艦だが、これは問題でもある。限りあるトン数内に大型フェイズドアレイアンテナや汎用垂直発射装置を詰め込み、不可避的に艦上空間の混み合いと重心の高まりをもたらし、未来のグレードアップの余地が食い尽くされ、波風の中での安定性に対してもある程度損害である。

052Dは当然遠洋を駆けることができる。だがこれは最低限で、良好な海の状況下で遠洋を駆けるには7,000トンさえも必要ない。コロンブスの「サンタ マリア」号はやっと150トンだったが、それでも大西洋を横断し、アメリカ新大陸を発見した。戦闘艦は戦争をする必要がある。特に劣悪な海の状況の中でも有効に戦闘できる必要があり、これにはトン数を必要とする。中国海軍は真の遠洋海軍になる必要があり、より大きくより強い055級を必要とする。

055級の寸法、性能にはいずれも公開されたデータがない。言われているところによれば1万トン以上に到達し、つまりアメリカの「アーレイ・バーク」級と同等か甚だしきに至ってはやや超える。「アーレイ・バーク」級は当然非常に大きなトン数だが、決して余裕があるようには見えず、最終的にあらかじめ留保された充分な電力供給と安定性の余裕度がないことが証明され、より大きくより重い、電力消耗がより大きいフェイズドアレイレーダーを装備する必要のある「アーレイ・バークIII」級の道をふさぐ邪魔者となった。

現代の駆逐艦のトン数の趨勢は継続的に増加し、「ズムウォルト」級が14,000トンに到達したのは偶然ではない。「アーレイ・バーク」級の1万トン近い排水量も1トン1トン積み重ねたものである。より大きなトン数は艦船の動力備蓄に余裕を持たせ、重心の制御が容易で、より大きく、より重いフェイズドアレイレーダーアンテナの装備を許容し、探知計測距離がより長くなり、識別率がより高くなる。このことは対ミサイルに対し特に有用である。052D級には一定の対ミサイル能力があるはずだが、あるいはこれは重点ではないかもしれない。しかし対ミサイルはもうすぐ中国海軍の新たな重点となるかもしれない。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ロシアメディアがこの前発表したRS-26の想像図。6軸特殊オフロードTEL、無依託発射技術‥‥まるで我々にRSD-10およびDF-26というこの2種の有名な中遠距離弾道ミサイルを見せているようである」)

米ソの中距離ミサイル条約は両者が中距離弾道ミサイルと陸上基地巡航ミサイルを研究開発してはならないことを規定しているが、中国とその他の国は締結国ではなく、制限を受けない。これは一定程度上現在のアメリカの戦術的に困った状況をもたらしている。ロシアのSSC-8陸上基地巡航ミサイルの射程は2,000kmに達し、すでに中距離ミサイル条約の制限を突破している。RS-26機動発射大陸間弾道ミサイルの射程は6,000〜12,600kmで、ちょうどうまく中距離ミサイル条約の制限を超えているが、言われているところによれば実際の使用の中では、中距離ミサイル条約の制限をかえりみず、扁平な機動弾道と極超音速滑空弾頭によって、射程の短縮を代価に、極めて大きく防御突破能力を向上させることができ、実際上は逆に中距離ミサイルとして使用される。

アメリカはすでに何度もロシアの中距離ミサイル条約違反に対し抗議を提出し、ロシアは言を左右にして回答を避けている。アメリカにはいっそ中距離ミサイル条約を脱退する考え方があり、目標の1つはロシアへの対抗で、より大きな動力は中国へのの対抗から来ている。もし政治上抵抗を克服すれば、軍事上の隠された動きと結合し、太平洋上の若干の島の上に中距離ミサイルを配備し、アメリカは有効に中国の中距離ミサイルの優勢に対抗することができる。このことは極めて大きく中国の対ミサイルに対する圧力を増加させる。

また、アラスカは中国からアメリカまでの最短コースの中間点で、アメリカの理想の対ミサイル陣地で、当然現在用いる名目は北朝鮮のミサイルの迎撃である。逆も同様で、これは中国がアメリカのミサイルを迎撃する理想の対ミサイル陣地でもある。だが中国にはアラスカあるいはカムチャツカに対ミサイル陣地を設置する条件がなく、海上対ミサイルは特殊な重要性を持つ。もしロシアの協力が得られれば、ベーリング海、オホーツク海に常駐でき、それは理想的な海上対ミサイル陣地である。もしできなければ、日本海、黄海に海上対ミサイル陣地を設置しても単純に陸上基地対ミサイルに依存するのに比べれば有利で、しかもミサイルの破片が日本、韓国に落ちる問題をもたらし、アメリカを躊躇せざるを得なくさせられる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「試験航海中のDDG-1000型『ズムウォルト』号駆逐艦。その寸法は第二次世界大戦時の重巡洋艦と比肩するに足りる」)

人々にはまだ巡洋艦コンプレックスがあるが、現代の巡洋艦、駆逐艦、護衛艦の境界はすでに模糊としており、万トン級駆逐艦は一体駆逐艦なのかそれとも巡洋艦なのか、これは名称の問題に過ぎない。アメリカの「ズムウォルト」級は依然駆逐艦と称するが、14,000トンというトン数はすでに第二次世界大戦時の重巡洋艦に相当する。055級は強大な火力を持つだけでなく、さらに強大な艦隊指揮能力を持ち、実際上巡洋艦で、巡洋艦の名称を用いるか否かは、むしろどうでもいいことである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「1980年代の米軍空母戦闘群。現在の空母打撃部隊はとっくに当時の盛況のようではない。」)


 意外な方向に話が展開して驚きましたが、大型駆逐艦はひょっとすると空母以上の戦略的価値を持つようになるかもしれないということですかね。



















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