中国の対ステルスレーダーの実力は その2

http://military.china.com/important/11132797/20170721/30993092_all.html#page_2


このシステムは1999年にパリ航空展で初めて公開されお目見えし、「タマラ」ダブル(マルチ)基地レーダーを基礎に研究開発されてできたもので、総合性能は当時世界の前列にいたと言える。2004年、チェコは5,500万アメリカドルの契約価格をもって我が国に向け6セットの「ヴェラ」-Eダブル(マルチ)基地パッシブレーダーシステムを輸出することを決定した。だが種々の原因により、契約は最終的に執行され得なかった。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「YLC-20レーダー」)

当時我が国の軍事工業企業が自主研究開発したパッシブ探知計測システムは短時間で突破性の進展を取得し、技術成熟度と性能水準も不断に向上した。今、時18年を隔てた後、中国電子科学技術集団南京電子技術研究所によって研究開発された最新世代のYLC-29パッシブ探知計測システムが初めてパリ航空展にお目見えした時、それがもたらすセンセーショナルな効果は当時の「ヴェラ」-Eに全く劣らない。

探知計測と位置決定原理から見て、YLC-29とチェコの「ヴェラ」-Eシステムおよび同じく南京電子技術研究所が研究開発したYLC-20ダブルステーション計測方向パッシブ探知計測システムにはやや差異がある。「ヴェラ」-EとYLC-20は主に目標が直接発射する電磁波信号をキャッチすることに頼って探知計測、位置決定、識別を行う。もし目標が電磁沈黙状態を保持したら、「ヴェラ」-EやYLC-20といった種のパッシブ探知計測システムは機能できない。また、敵サイドの空中目標は決して常に刻々と外に向け電磁波信号を発射しているわけではないため、ON状態と電磁沈黙の交代する状態があるだろう。このため、「ヴェラ」-EやYLC-20といった種のパッシブ探知計測システムはもし各種空中目標(ステルス目標含む)を探知計測できても、その獲得する位置決定情報は断続的なもので、連続リアルタイムの追跡を実現することはできない。

「ヴェラ」-EやYLC-20の目標探知計測および位置決定方面の極限性を克服するため、YLC-29パッシブ探知計測システムはより先進的な位置決定原理を採用している。このシステムは空中運動目標が反射する民間用FM放送信号をキャッチすることによって、目標の運動が生じさせるドップラー効果を利用して探知計測を行い、車両と楕円の交差を採用して位置決定と追跡を実現する。また、より有効に空中ステルス目標に対応するため、YLC-29パッシブ探知計測システムはメートル波周波数帯(約100兆ヘルツ)で機能する。この周波数帯では、現有のステルス外形設計を採用した空中ステルス目標は比較的大きな反射面積を生じさせるだろう。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「YLC-29が採用するのはダブル基地体制(受信、発射を分けて置く)」)

現在、YLC-29パッシブ探知計測システムが採用するのはダブル基地体制(受信、発射を分けて置く)だが、単一ステーションでも即機能できる。一方「ヴェラ」-Eやダブル(マルチ)基地パッシブレーダーシステムは少なくとも3つおよびそれ以上の受信基地を配置する必要があり、それでやっと位置決定機能が実現できる。また、YLC-29パッシブ探知計測システムの、自身が電磁波信号を輻射しない、生存力が高いなどパッシブ探知計測システムの特徴を除く、最大の優勢はさらに数の非常に多い民間用放送信号が利用できることにある。不完全な統計によれば、全世には現在全部で万以上の各種放送局やテレビ局があり、充足した50〜800兆ヘルツのFM放送信号を提供することができる。

このため、大量の外部輻射源の助けを借りて、YLC-29パッシブ探知計測システムは電磁沈黙を保持する目標に対し探知計測が行え、同時に200以上の目標に対し位置決定と追跡が実施できる。そのカバー範囲は4万平方kmに達し、レーダー反射断面積が3〜5平方mの空中目標に対する探知計測距離は200km前後に達し得る。

だが、「ヴェラ」-EやYLC-20に比べ、YLC-29パッシブ探知計測システムには技術難度上相当な困難もある。そのうち最も顕著なのは民間用FM放送周波数帯で機能するため、YLC-29がキャッチする各種雑電波と妨害が比較的深刻なことである。このため、南京電子技術研究所の科研人員はYLC-29を研究開発する時、空間、時間と周波数帯など多くの次元でセルフ適応処理を行い、雑電波や妨害を克服しただけでなく、さらに比較的完全に電磁波反射信号が微弱な目標に対する探知計測を実現した。

また、高い機動性やより速い反応能力を実現するため、YLC-29パッシブ探知計測システムは机電液一体化技術(頑住吉注:検索しましたが難しくて分かりません)を採用し、大口径アンテナの単一車両自動快速架設および撤収が実現でき、必要とする時間は20分未満である。

実際の応用の中で、YLC-29パッシブ探知計測システムおよびその前のYLC-20ダブルステーション計測方向パッシブ探知計測システムは決して単独使用ではなく、その他の類型の先進的なアクティブレーダーと強大かつ完備された遠距離防空早期警戒網を組成し、各自の特徴を発揮する。

現在の国外同類装備の発展状況から見て、YLC-29パッシブ探知計測システムの全体性能にはまだ非常に大きな向上の余地がある。例えば、アメリカのロッキード・マーティン社は1998年には早くも世界初のFM放送信号を利用してパッシブ探知計測を行う「Silent Sentry」システムを成功裏に研究開発し、今すでに第3世代まで発展している。このシステムの全体性能は先進的で、比較的突出した技術的特徴には次のものが含まれる。360度全視野の探知計測が実現できる。パッシブ位置決定および識別システムを装備し、大規模データバンクによって二次正確測量が行える。試験中、「Silent Sentry」パッシブ探知計測システムはかつてレーダー反射断面積10平方mの目標に対する探知計測距離を550kmに到達させ、甚だしきに至っては250kmの距離でもうB-2Aステルス爆撃機を発見した。このため、我が国のレーダー技術の不断の発展と共に、YLC-29パッシブ探知計測システムも将来的により出色のパフォーマンスを有することになる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「B-2ステルス爆撃機(資料画像)」)


 まだアメリカの水準には到達していないということのようで、またアメリカはとっくにこの種のレーダーを持っており、ステルス機側の性能向上や妨害の手段なども研究済みなんでしょうね。















戻るボタン