中国と日本の対潜哨戒機

対潜哨戒機関連の記事を2つまとめて紹介します。まずは中国の新型機関連の記事を。

http://military.china.com/important/11132797/20130521/17844218.html


中国が自主研究開発した大型固定翼対潜機高新6号まもなく就役

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国の固定翼対潜哨戒機の登場は、極めて大きく中国の対潜作戦の1つの空白と欠点を改善した。同時により目を向けるべきなのは、我々と世界先進レベルの隔たりである。しかもこの対潜機が対抗する目標は、ほとんど全て現在の最先端レベルの各種先進潜水艦である。」 本筋と何の関係もないですが、先日安倍総理が「731」というナンバーの機に乗った写真が「731部隊を連想させる」とかいって話題になりましたが、この機もたまたまナンバーが731ですね。意図なんかなくたまたまかぶってしまう可能性は意外に高いんでしょうか)

台湾の「連合報」の報道によれば、高新6号対潜機がもしスムーズに就役すれば、このことは中国をアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、日本に次ぐ、第6の大型固定翼対潜機を研究開発した国にすることになる。

1969年に就役を開始したP-3は全世界の対潜哨戒機の第1位を独占し、最盛期にはアメリカ海軍は300機のP-3Cを装備した。ロシアのイリューシンー38とツポレフ-142、フランスの「アトランティック」、イギリスの「ニムロッド」MR2はいずれも長年の海空の常連客である。

では、高新6号の性能はどうなのか? メディアの比較的集中した評価は、航続距離と滞空時間がP-3Cに及ばないことを除き、機載設備上はP-3Cに対しやや超越している、というものである。

「連合朝刊」の報道によれば、高新6号の最大速度、離陸重量はいずれもP-3Cと同等である。その6枚羽のプロペラを採用したエンジンの出力は5,200馬力で、野戦飛行場から離陸できる。だが、高新6号の航続距離は5,000km余りでしかなく、P-3Cの8,000kmとの隔たりははっきりしている。

軍事専門家の画像による分析によれば、高新6号は機首下部に頬型の整流カバーの装備を採用し、360度見回せる海面捜索レーダーが配置できる。機体前部真下には光電子センサーの球状回転塔があり、機体中部には弾薬倉があり、機体の尾部からは磁力異常探知機の細いバーが伸び出し、P-3Cに比べより長い。高新6号は100個のソノブイを搭載でき、これに比べP-3Cは48個しか装備できない。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「アメリカの次世代P-8ジェット式対潜哨戒機はCFM56-7エンジンを採用したボーイング737-800を基礎に研究開発され、民間機軍用化成功の模範例である。」です。)

分析によれば、高新6号とP-3Cはいずれもデジタル信号処理技術に基づく音響処理システム、時期異常探知機、高出力サイドローブ海面捜索レーダー、サーモグラフィー装置からなる捜索システムを採用しており、システムにはハードウェア上基本的に技術的隔たりはない。主要な隔たりは、我が国の声紋バンクの完備程度、および海洋環境処理計アルゴリズムにある。

だが現在、新世代対潜哨戒機が続々登場している。P-8Aのアメリカ海軍における装備総数は117機に達することになると見積もられる。また日本は70機のP-1によって80機余りのP-3Cに取って代わらせる計画である。

P-1は世界初の光伝動操縦システムを採用した軍用機で(頑住吉注:よく油圧でなく電気で操縦系をコントロールするから先進的、みたいな記述が出てきますが、この場合光ファイバーを使うからさらに先進的、ということみたいです)、対艦、対地攻撃、電子戦、偵察など多様化された能力を持つ。

P-3Cの代替に用いられるP-8Aはジェット動力を使用するが、燃料消費はプロペラ機に近く、しかもその時速800kmの巡航速度はプロペラ式哨戒機とは比較にならない。P-8Aはキャビンの数が多く、しかも広く、雑然としたレーダーアンテナや電子設備をできるだけ分散して装備させることができ、こうすれば作動時に生み出される電磁波が相互に干渉することはない(頑住吉注:「電磁両立性」ってやつですね)。対潜時、1機のP-8Aは64個のパッシブソノブイ、32個のアクティブソノブイを監視コントロールでき、対潜機能は3機のP-3Cを超えるとされる。

技術レベルから言うと、P-1とP-8A対潜機はいずれも高新6号より優れているだろう。この角度から言うと、我が国は今すぐジェット式対潜哨戒機の開発に着手すべきである。現在、すでに多くの専門家が構想を提出しており、これはP-8Aの原型であるボーイング737に似た国産大型機C919をプラットフォームとし、新世代陸上基地対潜機を研究開発するというものである。(本報記者 屠晨マ)

(頑住吉注:3ページ目)国産C919大型旅客機の説明図。現在このプロジェクトはまさに計画通りに推進中である。だが専門家の、C919を基礎に新世代国産対潜哨戒機を研究開発するという提案は、現時点で言えば技術レベルの構想に留まるしかない。C919はまず外国のエンジンを採用することになるが、もし軍用に転用され、そしてもしエンジンなどの問題が良好に解決できなければ、きっと外界によって「首締め」されるだろう(頑住吉注:説明不要とは思いますが民間機用として輸入したエンジンを軍用に転用したら以後売ってもらえなくなる、さらにエンジンの国産化が成功しなければお手上げになる、ということですね)。

(頑住吉注:4ページ目)アメリカ軍が装備するP-3C対潜哨戒機。この機はほとんど現在の西側諸国の航空対潜の標準機種にもなっている。

(頑住吉注:5ページ目)日本も同様に多数のP-3Cを装備した。だが現在すでに自ら生産するPー1に取って代わられ始めている。現在すでに4機が装備され、日本の海上自衛隊厚木基地に配備されている。

(頑住吉注:6ージ目)P-3C対潜哨戒機の尾部の特写。

(頑住吉注:7ページ目)Pー3Cの外部搭載能力は非常に強く、対潜作戦の他、多機種の対艦ミサイルを搭載し、総合対艦攻撃任務を完成させることができる。

(頑住吉注:8ページ目)アデン湾上空をパトロールする日本の海上自衛隊のPー3C。


 やっとP-3Cと同等かやや劣る程度の機が就役するという時にアメリカと日本はずっとすぐれた新型機を登場させ始め、これに追随しようにもやはりエンジンがネックになる、ということですね。続いて日本のP-3Cに対し詳しく評価した記事です。

http://military.china.com/news/568/20130521/17844965.html


専門家:中国空情情報指揮システム、有効に日本のP-3Cを監視コントロール

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「日本、先進対潜魚雷を展示」)

「グローバル時報」の報道によれば、13日に沖縄県久米島南部の接続水域で「国籍不明潜水艦」を発見したと言明したのに続き、日本の防衛省は19日、当日沖縄県南大東島以南の接続水域で1隻の国籍不明の潜水艦を発見した、と再度明らかにした。13日の表明と同じく、防衛省は決して直接に潜水艦の国籍を説明していないが、日本のメディアは政府関係者の話を引用して、この潜水艦は「中国海軍の潜水艦であることが疑われる」とした。

注意に値するのは、日本の防衛省がこの2回、潜水艦はいずれも潜航状態で日本の海上自衛隊のP-3C対潜哨戒機に発見された、としていることだ。このことから、P-3Cの強力な捜索能力が決して虚言ではないということが見て取れる。

実は、P-3Cはすでにその生命の末期に入っている。米日の新世代対潜哨戒機はより強力である。P-8Aのアメリカ海軍における装備総数は117機に達すると見積もられるとされる。一方日本の防衛省は全部で70機の購入を計画し、現役の80機の古いP-3Cの代替に用いる。

新旧対潜哨戒機が大洋上に組成する厳密な包囲網に直面し、中国の潜水艦はいかにこれを突破すべきか? 記者はこれに関し陳虎、李傑などの著名な海軍専門家に教えを乞うた。

海洋の地形をはっきりさせる

「海底の地下道戦」をプレイしよう


「対潜戦には1つ都市作戦と比較的類似した特徴があります。それは戦場の形勢が極めて複雑で、変数が特別に多いことです。」と李傑は記者に教える。ソナーは水中のレーダーに相当し、海面より下のものを探知計測するには常に音に頼ることになります。音波を発し、反響音に頼って位置決定を行う、これがアクティブソナーです。一方音を出さず、音を聞くことだけに頼って相手方を探知計測する、これがパッシブソナーです。」

「水中音の伝播環境にも差異が非常に大きいです。例えば、深度の増加、海水の温度、塩分の違いと共に、海中に音が屈折する層が出現し、音波がこの層を通過する時に屈折の現象が発生します。このことは非常に対潜の一方を誤導し、敵潜水艦の方位の判断を誤らせやすいのです。」

「同時に、異なる海域では、海底の深度、海底の地形等々は千差万別で、甚だしきに至っては海中の鯨群や魚群も、潜水艦が「追殺」をかわす障壁になり得ます。もしアメリカ海軍のように強くても、戦区内の敵潜水艦をきっと発見し、撃沈するとあえて胸を叩いて保証することはありません。」

「これらはいずれも潜水艦がうまく利用できる有利な条件です。しかしこれには我が国周辺海域の海流、温度、塩分、音の屈折する層など水文条件に対する探査を行い、海底地形に対する作図を行う必要があります。」と李傑は言う。こうしたことの完成は決して容易なことではなく、多くの時間、精力、マテリアルパワーを費やし、各海域において何ヶ月、何年にもわたる少しずつの模索を行うことが必要である。「こうした資料を掌握した後、潜水艦部隊はこれに依拠し、骨身を惜しまぬ訓練を行い、各種の絶技を掌握します。」

種々のコツを熟知すれば、艦長たちは知恵を用い、対潜哨戒機と「猫とネズミ」の「海底の地下道戦」をプレイすることができる。

AIPプラス原子力動力化

お前に私を容易に発見させない


「固定翼対潜哨戒機は捜索範囲が広大だが欠点もあり、それは通常潜水艦に対する脅威が非常に大きいだけで、原潜に対しては逆に基本的に手も足も出ないのです。」陳虎は一言で対潜哨戒機に対応する一大重要なカギを喝破した。

その原因はといえば、対潜哨戒機における主要な探知計測手段は、やはりレーダーに頼り、海面上に露出した目標を探知計測することだからである。「水中の潜水艦の探知計測に用いるソノブイは小さすぎ、その水中音探知計測能力は、駆逐艦、護衛艦、潜水艦が搭載する艦首ソナー、舷側ソナー、曳航式ソナー、および大型海底ソナーアレイとは比較になりません。」と陳虎は分析する。「一方哨戒機の尾部の磁気異常探知器は、低空飛行で通過する時、周囲何百mの範囲内の金属目標が探知計測できるに過ぎません。こんなおもちゃに頼って海洋の中の潜水艦を発見するのは、スポーツの宝くじで1等を当てる確率よりずっと低いのです!」

原潜は一大「超能力」を持ち、出港から帰投まで、ずっと水中に何ヶ月も潜っていられる。このような悪役に対し、対潜哨戒機はしばしばなすすべがない。

「もし原潜がサメだとしたら、通常潜水艦はイルカで、しょっちゅう浮上して換気する必要があります。一般に静音速度で2、3日航行したら、もう通気管を伸ばして電池を充電しなければなりません。さもないと、艦も人も息が詰まって死にます。」と陳虎は語る。

だが、対潜哨戒機に直面したら、座して死を待たねばならないわけでもない。「ここ20年来、国際的に1つの潮流があります。通常潜水艦にAIPシステム、すなわち非空気依存推進装置を装備するのです。これには燃料電池、スターリングエンジン、閉式循環などが含まれ、非常に大きく潜水艦の潜航時間を延長できます。例えばドイツの214型、ロシアのラダ級、日本のそうりゅう級は、連続潜航時間が1週間から10日に達し得るのです。」

このため、対潜哨戒機に対応するには、一方において通常潜水艦のAIP化を推進する必要があり、さらに重要なのは大きな力を入れて新世代原潜を開発することである。

戦区の制空権奪取

お前は完全に足止めされた


「当然根本的なことを言うと、対潜哨戒機は戦闘機に比べれば、依然低速の機に属するし、加えて体積も大きく、速度も相対的に遅いのだからごく容易にミサイルの命中を受け、この機は制空権を持つ状況でのみ作戦任務が執行できるものであるしかありません。」

陳虎は笑う。ひとたび開戦となれば、最も徹底した一手は「釜のそこから薪を抜く」(頑住吉注:根本的に解決する、という比喩だそうです)ことであり、早期警戒機、給油機を用いて制空戦闘機を支持し、戦区の制空権を奪取し、対潜哨戒機を撃墜し、甚だしきに至っては空軍と第二砲兵隊を用いて敵の飛行場を破壊し、敵を全く飛べなくするのである。

「我が国の空情情報指揮システムはすでに第一列島をカバーしており、Pー3Cのたぐいの機は我が国空軍の空情情報指揮システムの探知計測を避けることは非常に難しいのです。」 このため、P-3Cは平時には非常に騒がしく飛んでいるが、戦時においてひとたび制空権が取れないとなれば恐らく、「つんぼの耳」となる(頑住吉注:原文のニュアンスに近づけようとした結果ですんでよろしく)。(屠晨マ)


 今回は探知されたが実戦ならそうはいかん、ということですね。うーん、どうなんでしょうか。












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