シリアのロシア軍事基地を過激組織の無人機が襲撃した事件はアメリカの陰謀?

 そんな説があるということも知りませんでしたが。

http://military.china.com/important/11132797/20180117/31969074_all.html#page_2


誰が無人機を用いて我らを攻撃したのか? ロシア、状況は全面的に掌握しているが暫時非公開、とする

誰が無人機のロシア駐シリア基地奇襲を画策したのか?

プーチンいわく:私は誰だか知っている。だが現段階では公然と名指ししない


爆発物を有する13機の無人機の「集群式攻撃」は国際社会の密接な関心を引き起こしている。詳細な現場検証を経て、ロシア軍は続々と攻撃の具体的詳細を公表した。1月11日、ロシア大統領プーチンは今回の攻撃に言及する時明確に、「これは敵対勢力がロシアサイドに照準を合わせ念入りに画策した攻撃事件である」とした。一方ロシア国防専門家は、武装分子が遠距離から無人機を操縦してロシアの軍事施設を攻撃したのはまだ初めてのことに属し、しかも技術設置と使用方式いずれの上でも新たな特徴を見せ、ロシアのシリア国内にある軍事基地はより峻厳さを加えた安全の脅威に直面することになる、とする。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:シリア国内に墜落損壊したロシアの無人機」)

ロシアサイドは全面的に状況を掌握

ロシア国防省は説明し次のように言った。あらゆる無人機はいずれもロシア軍によって妨害、制御され、あるいは火力によって直接撃墜され、人員の死傷や施設の損傷はもたらされなかった。ロシアの在シリア国内防空システムは全部で13の無人機目標を識別し、このうち10機の無人機はヘメイミム空軍基地に飛行して接近し、もう3機はタルトゥス港補給所に飛行して接近した。ロシア軍無線電子技術部隊は成功裏に6機の無人機を制御し、このうち3機は基地外に降着させることに成功し、別の3機は降着の期間に墜落損壊し、その他の7機は全部が昼夜勤務執行の「鎧甲-S1」型対空ミサイルシステムによって撃墜された。

ロシア軍はその後、鹵獲された無人機の画像を発表した。画像から見て、無人機の主体はプラスチック材料から作られ、外観、構造、空力レイアウトも全体性能も全てまだ航空模型の水準に留まっており、軍用クラスの作戦機とでは本質的な差異が存在する。だがそれぞれの無人機は10発の砲弾から改装された重さ400gの小型爆弾を搭載し、基本的な軍事打撃能力を具備している。爆弾に対し鑑別分析を行った後、ロシア軍は一部の爆弾には顕著な「ウクライナの形跡」があり、ウクライナのシャオステカ化学反応剤生産工場由来の可能性があるとしたが、この説はウクライナ政府の否認に遭った。

また、ロシアの専門家はさらに鹵獲された無人機のシステムデータを解読し、それらの発進地点を確定し、それはすなわちシリア西北部のイドリブ県の「衝突ランクダウン区」西南部のムアザラ住民居住ポイントである。この地域はトルコと国境を接し、現在いわゆる「温和反対派」および「征服陣線」によって実効支配され、後者の前身は過激武装組織「支持陣線」で、ロシア、シリア政府によってテロ組織と認定されている。ロシア、トルコ、イラン三国が去年達成した協議に照らせば、イドリブ県はシリア国内に設立する4つの「衝突ランクダウン区」の1つで、トルコ方面によって管理支配が担当される。このためロシア国防省はわざわざトルコ総参謀長と国家情報局局長に手紙を出し、トルコサイドが責任を履行し、その支配下の武装団体が停戦メカニズムを遵守することを確保し、同時に「衝突ランクダウン区」に加速してより多くの視察所を設立し、類似の攻撃事件の再演を防止するよう要求した。

しかし、プーチンの11日の態度表明はトルコのこの事件との関連を排除していた。彼は説明し、無人機の発進地域の情勢は複雑で、トルコサイドはまだリアルタイムにこの地域を有効に管理下に置いておらず、しかも自分はトルコ大統領エルドアンと電話で通話したが、トルコ政府と軍が今回の攻撃事件と無関係だと信じる、とした。プーチンはさらに、ロシアサイドはすでに誰がロシアの駐シリア軍事施設に対し攻撃を発動したのか掌握しているが、現段階では公然と名指ししない、とした。このことはある外部勢力が、ロシア、トルコ、イラン三カ国がシリアに「衝突ランクダウン区」を設立することにつき達成した協議の破壊を企図していることを示す。

技術の背後に別の裏あり

今回ロシア軍基地が無人機の攻撃に遭った後、欧米メディアは当初攻撃の発動者をシリア国内の武装分子と指し示していたが、無人機の技術データが明るみに出、またロシアサイドの指向性の暗示と共に、この事件の楽屋裏の背景が多くの推測を引き起こしている。

後続の調査の中で、ロシアサイドは攻撃を実施した無人機は粗末だが、無線電子位置決定、ナビゲーション、投弾などの方面ではそれにもかかわらず高い科学技術を運用していることに気付いた。ロシア総参謀長無人機使用体系建設・発展局の局長ノヴェイコフは次のように言う。こうした無人機上に装備された無線電子設備は事前プログラミング自主飛行と弾薬投下が実現でき、コントロールソフトの座標インプットの正確度もインターネットなど公開のルートから獲得できるデータを超えている。このためロシア軍は、こうした無人機の任務執行に関わった衛星ナビゲーション、遠隔操作、定点投入などの技術は少数の先進国をルーツとすることしかあり得ず、しかも無人機の主要な制御装置の組み立ておよび爆弾投下システムプログラムの設置は全て専業人員が事前に完成させる必要があり、シリア国内のテロ分子は先進国の技術と人員の支持を獲得した状況下でのみ、やっと今回の攻撃が発動できる、と考える。

ロシア国防省9日発表の声明は、攻撃発生前後、アメリカ海軍の1機の「ポセイドン」偵察機が攻撃を受けた2つの基地の間を4時間あまり旋回しており、高度は7000m前後だとし、ロシア国防省はそれを「奇妙な偶然」と称し、アメリカがロシア基地が攻撃を受けたことと関係があることを暗示している。ロシア連邦委員会国防・安全委員会副主席のケリンカヴィッチは直接的に、「ロシア駐シリア基地攻撃計画の制定時には、非常に形勢を熟知していることを必要とし、このような周密に計画された攻撃行動はアメリカ情報部門の参与なくしては完成できない。」と指摘する。

ロシアサイドの暗示に対し、アメリカ国防省はやむを得ず反応をなした。ペンタゴンのスポークスマンで、海兵隊少佐のアドリアン ランキン ギャロウェイは次のように語った。「米軍あるいはその他の国際同盟部隊がロシアの基地が攻撃に遭った中で某種の役割を演じたと暗示するいかなる説も全て全く事実の根拠がなく、全く無責任である。」 彼はさらに、テロ分子が使用した無人機技術および設備は公開の市場でごく容易に獲得できる、とした。このためロシア国防省は回答し、アメリカサイドはああいった技術がごく容易に市場で獲得できると言明するが、この市場は一体どこにあるのか、全てさらに一歩はっきりさせる必要がある、とした。

テロ攻撃が新時代に入る

ロシアサイドはまだ決して名指しで襲撃者を暴露しておらず、今回の事件に対し結論を下してもいないが、ロシア国防省は、これはテロ分子が初めて50km離れた距離から攻撃型無人機を操縦して攻撃を発動したもので、かつ衛星位置決定などの現代技術を利用しており、このことはテロリズム活動が新たな形態を見せたことを意味しており、ロシア駐シリア軍事基地の安全形勢はより峻厳さを加える、と指摘する。ロシア国防省はさらに国際社会に、無人機というこの安全の新たな脅威に対し充分に重視せよ、これは国際テロリズム史がまた新たな段階に足を踏み入れたことを象徴的に示している、と呼びかけた。

総合的に見て、この種の「航空模型クラス」の無人機はコストが低廉で、必要とされる技術のハードルにハードな性質の要求がなく、市場で大量に獲得でき、大規模装備を行いやすく、しかも簡単な改装によってもう無人機に小型爆発装置を搭載し、目標に対し火力攻撃あるいは自殺式攻撃を行わせることができる。この種の無人機は体積が小さく、飛行高度が低く、複雑な低空環境や地物の遮蔽などの要素が加わり、防空システムの目標指示レーダーや火力コントロールレーダーはいずれも目標の発見と迎撃が難しい。しかもテロ分子は往々にして多くの目標に対し協同の攻撃を発動することを選択し、このことは防御のコストをテロ分子の無人機獲得および改装のコストよりはるかに高くさせ、もしもその中の一部分に問題が出現したら、無人機の攻撃はもう成功することが可能なのである。

分析は、過激組織がロシアの基地に対し無人機攻撃を発動した目的は最大限ロシア軍の飛行場に駐機する固定翼攻撃機を打撃することにある、と指摘する。何故ならロシア航空宇宙軍のシリア国内の過激組織に対する正確打撃はシリア戦争情勢に対しカギとなる重要な作用を発揮しているが、過激組織は空中でロシア軍に対抗する条件を具備せず、ロシアの基地に対し攻撃を行い、段階的性質でロシア軍の空中打撃のテンポを緩めることを探求するしかないからで、これは過激組織のロシアに戦術上対抗する新たな策略でもある。

専門家はさらに、類似のテロ攻撃はいかなる国でも発生し得るし、攻撃目標も軍事施設だけではなく、民間用施設もあり得、これには政府機構、工場、燃料備蓄庫、ガスポンプ基地などが含まれる、と指摘する。このため、ロシア国家近衞軍副指揮官のメリコフは、ロシア国家近衞軍はあるいは対無人機特殊部隊を建設し、無人機に対抗する専用設備を原発など国家の重要な場所に配備することになるかもしれない、とする。


 攻撃を利用してトルコを非難しようとしたり、ウクライナを非難しようとした後にこっちの方がよさそうだとアメリカを非難し始めた経緯から見てもあまり説得力のない陰謀論だと感じますが、日本でもこの種のテロに警戒し備えるべきだとは思います。















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