スペインのテレビ局、「中国侮辱」につき「謝罪」

 「スペインのテレビ局による「中国人侮辱」事件をめぐる論争」の続報です。

http://military.china.com/news/568/20140120/18300575.html


スペインのテレビ局、中国侮辱出し物につき公開で謝罪 主流メディアは反省

中新ネット1月20日電 スペインEulamネットの報道による。スペインメディアの情報によれば、スペイン第5テレビ局は1月16日、ある公開の声明の中で、同局が年またぎ娯楽番組の中で放送した中国侮辱出し物「2人のテーブル」につき謝意を表明した。

声明の中で第5テレビ局は次のように言っている。「出し物『2人のテーブル』は一部の人に傷つけられたとの感じを与え、我々はこれに対し遺憾の意を表明する。何故なら我々はあらゆる集団を尊重するからだ。この出し物の中で反映されたユーモアでは、スペイン人も同様に自分を笑いの種に用いている。また、この出し物自体にもいかなる悪意もない。」

理解されているところによれば、この声明を発し、謝意を表明したのは、「2人のテーブル」という出し物のメインの制作責任者である。

スペイン第5テレビ局のこの謝罪の声明は比較的いやいやながらのものだったが、声明の発表以後、スペイン各メディアは次々に報道と転載を行っている。

現地の発行数最大の無料新聞「20分間報」は報道の中で、第5テレビ局の「2人のテーブル」という出し物のメインの制作責任者は、その「民族主義的冗談」に関し公開で謝罪した、とした。一方スペイン最大の通信社「EFE」は「中国、第5テレビ局が放送した侮辱および民族主義的冗談に対し不快感を表明」との題で報道を行った。

「EFE」はスペイン当局サイドの通信社であり、関連の報道の中で、中国外交部ニューススポークスマン華春瑩がスペイン第5テレビ局が放送した中国侮辱出し物の件に対して行った態度表明を重点的に回顧した。同時に、華春瑩がこの前の態度表明の中で、ある特定のテレビ局の名を全く挙げなかったことも重点的に強調した。だがスペイン第5テレビ局にとっては引導を渡したと言うべきである。

また、「EFE」は報道の中で、さらに中国駐スペイン大使館代理公使黄亜中が、スペイン第5テレビ局責任者にあてた譴責の手紙に触れ、かつ原文を引用して、「『2人のテーブル』という出し物の出演者は公然と口汚く中国人を罵り、用いた言葉の野卑さはいかなる教養ある人をも聞いて赤面させる」とした。

比較的詳細に中国外交部スポークスマン、中国の駐スペイン大使館代理公使黄亜中、シンガポールの中国語メディア「南華朝刊」のスペイン第5テレビ局の中国侮辱出し物に対する反応を紹介した後、「EFE」は原文で第5テレビ局が1月16日午後に発表した声明を掲載した。

「EFE」の報道から見て、彼らはスペイン第5テレビ局は中国外交機構、およびメディアなど各方の圧力に迫られて謝罪したと考えている。

スペインメディアの第5テレビ謝罪の件に関し行った報道を縦覧すると、基本的にいずれも比較的客観的で前向きなものである。あるメディアは直接的に「2人のテーブル」という出し物は民族主義的冗談だとさえ言っている。

第5テレビ局の謝罪声明に対し、在スペイン中国人は具体的内容を知って以後、いずれも大いに満足というわけではないとしている。これに対し、ある中国語フォーラムのネットユーザーは、この謝罪は「曖昧で、人に痛快さを感じさせない謝罪だ」、「この謝罪は何も言っていないのに等しい」と語っている。まだある質問は、「これでも謝罪と評価されるのか?」である。

反省の声が出現し始める

スペイン第5テレビ局が「2人のテーブル」という出し物について発表した声明から見て、間違いなく比較的いやいやながらでありどっちつかずな性質のものである。その中には謝意はあるが、弁解の意味がより強い。また、その他のいくつかのスペインメディアはこの件に関する報道を行う時、やはり一定の弁解をしている。

例えば発行数最大の無料新聞「20分間報」は「中国社会はまさに民族主義的冗談に対し特別にデリケートな時期にある」との題で報道を行った。報道の中で、彼らはアメリカなどいくつかの国が中国人に対する民族主義的な冗談を言って抗議に遭った件を列挙し、その後話題をスペイン第5テレビ局の中国侮辱出し物に移した。同様に中国外交部ニューススポークスマン、中国駐スペイン大使館のこの件に関する反応を列挙した後、スペイン第5テレビ局の謝罪声明も全文掲載した。

その後の報道の中で、このメディアは中国人はまさに極度にデリケートな時期にいる、とした。しかも中国人のいわゆる「極度にデリケート」の由来に関し、彼らは非常に積極的な報道をなし、かついくつかのスペイン社会にある反省の声を紹介し始めた。

報道の中で、この新聞の記者はスペインのある文化機構「アジアの家」のある責任者の話を引用した。「オペレーションエンペラー(頑住吉注:スペインで行われた警察の作戦で、逮捕者には中国人も含まれたそうです)と経済危機の総体の上で、深刻にスペイン社会のイメージは損害を受け、しかもこれは彼らの溶け混みにも不利である。」 またこの責任者は「スペインメディアの中国人団体から来た情報に対する処理は、決していつも公正ではない」と指摘した。

(頑住吉注:これより2ページ目)

このため、この「アジアの家」内で文化と文化の多様性をほめる業務を担当する責任者は、街頭の普通のスペイン人の中国人に対する態度は、スペインメディアに比べてずっと良いようだ、とする。

おおっぴらに中国人を笑い物にするやり方に対しこの責任者は、「冗談は健康に有益だが、良いユーモアは絶対に他人を傷つけ、あるいは他の人にデリケートな感じを与えてはならないのだ」と語る。

報道の最後にスペインの記者は、中国人とスペイン人の間では文化間の相互理解を強化し、双方の関係の発展を促進することが必要だ、とも提示している。また、彼はスペイン人の一部に移民に関する流言、たとえば「中国人は納税しない」、「移民はスペイン人に比べより多くの福利を得ている」等々があるが、いずれも極めて大きくスペインの異なる民族と文化間の融合に損害を与えている、と認めてもいる。これに対し、スペイン人もこの種の民族主義的色彩を持つ流言飛語を途絶させまた防止する必要がある、と。

スペイン第5テレビ局の中国侮辱番組を振り返る

2013年最後の日、スペイン第5テレビ局の年またぎ娯楽番組のある出し物番組は中華レストランを背景に、ある中国服を着て、大きな辮髪をつけ、半球状の帽子をかぶったスペイン人が中国人ウェイターを演じ、中国人のことを極度に悪しざまに描き、かつ中国人のレストラン内は猫肉と犬肉ばかりだと暗に風刺した。

番組放送後、在スペイン中国人の強烈な憤慨が刺激により引き起こされ、中国の駐スペイン大使館代理公使黄亜中は大使館を代表してスペイン第5テレビ局総裁と局長に手紙を出し、強烈な不満と厳しい叱責を表明した。また、在スペイン中国人団体も緊急に連合会議を開き、かつスペイン第5テレビ局に向け抗議文を渡した。

1月9日、中国外交部スポークスマン華春瑩は定例記者会見を主催した時、スペイン第5テレビ局の中国侮辱事件につき、「我々はスペインの関連のテレビ局は自らの誤りを直視し、もって誠意ある態度で公衆の正当な要求に回答し、努力して措置を取りこの事件がもたらしたネガティブな影響を消し去り、この中から教訓をくみ取り、再度類似の事件が発生することを避けるべきだ」とした。(スイビエン)


 私は「傷ついたと感じる人が出たことは遺憾だが、悪意はなかったし、自分たちスペイン人も同じような笑いの対象になっている」というテレビ局の表明は全く妥当なものだと感じますが、この「遺憾の意」表明では満足せず、自分たちに「痛快さを感じさせ」る謝罪を望み続ける、「自らの誤りを直視し」ろと言う、など、中国人のメンタリティは別に日本人に対する場合が特別なわけではないんだな、というのが分かります。しかしこれでは日本国内のいくつかの差別問題でそうなっているように、「面倒くさいから中国人を話題にすること自体なるべく避けろ」というメディアの「自主規制」につながるだけではないでしょうか。
















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