北朝鮮が「北斗」システムをミサイル、無人機の制御に利用する?

 「韓国メディアが心配している」という記事ですが、当然日本にも関係する話です。

http://military.china.com/news/568/20140804/18680726.html


韓国メディア、北斗が北朝鮮によって軍事利用されることを心配 専門家:中国には制御できない

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「北斗の区域ネットワーク 正確打撃、アジア太平洋地域をカバー」)

【グローバル軍事報道】 最近アジア太平洋地域8カ国の19名の専門家が中国に来て「北斗」ナビゲーションシステム関連技術および応用の養成訓練を受けたとの情報は2日韓国メディアの連想を引き起こし、個別の韓国メディアは概念をすり替え、「中国の北斗システムはあるいは北朝鮮のミサイル技術と無人機技術の向上の触媒の薬剤になるかもしれない」とし、かつこのことは「韓国方面の憂慮を引き起こす」とした。

中国は決して北朝鮮だけを招待したわけではない

韓国の「東亜日報」は2日、トップに「北朝鮮代表団、中国で衛星ナビゲーション技術を集中的に研究、学習」との題の記事を掲載し、かつこの技術は遠距離ミサイルあるいは無人機に「悪意に利用される」可能性があると称した。韓国の北朝鮮に関する消息筋の人物は1日、北朝鮮代表団は7月に河北省に位置する衛星コントロールセンターで組織的に行われた技術教育に参加し、中国が自主研究開発した「北斗」ナビゲーションシステムの使用方法を集中的に学習した、とした。文章は、このことは「北朝鮮の技術専門家グループが中国で、遠距離衛星発射が行える衛星ナビゲーション装置の技術教育を受けたことを意味しており」、これが北朝鮮のミサイル開発の触媒の薬剤になるか否かがまさに韓国専門家の関心を引き起こしている、とした。中国の「北斗」システムは、正確度がアメリカの商用GPSの精度の2倍以上に達しているとされる。

だが事実として、中国は決して北朝鮮の専門家だけを招待したのではない。韓国の紐西斯通信社の報道によれば、中国は独自に開発した「北斗」衛星ナビゲーションシステムの国際的影響力を拡大させるため、まさにアジア諸国に対する教育プロジェクトを実施しつつある。中国の科学技術部が主宰する「2014北斗技術と応用の国際養成訓練班」は、全部でタイ、マレーシア、ブルネイ、インドネシア、カンボジア、ラオス、北朝鮮、パキスタンという8カ国の19名の学員代表をを持ち、かつ中国の「北斗」の科学技術を加速させてASEANおよびアジア諸国に進入させる必要があると強調している。2012年10月までに、中国は全部で16個の「北斗」衛星を発射済みで、アジア太平洋地域のためにサービス提供を開始し、かつ関連の国際教育を提供している。

「北斗」の実力は本当にそんなに強いのか?

韓国の「中央日報」の報道は、この前の「マレーシア旅客機失踪事件」の中で、中国はあらゆる先端技術を動員して捜索救援に参加し、その中で卓越した航空宇宙の実力をはっきり示した、とする。旅客機の墜落を捜索するため、10余りの各種衛星を動員し、「北斗」システムも各種捜索救援船舶のためにナビゲーションサービスを提供した。「北斗」は誤差1m以内の正確度を誇る。韓国のSBSテレビ局の報道は、自主開発の「北斗」ナビゲーションシステムに頼って、中国軍はすでにアジア太平洋地域におけるいかなる地点にも照準を合わせた「全く誤差のない」正確打撃能力を獲得済みである、とする。もし1962年の中印の戦いおよび1979年の中越の戦いの時、中国の火砲と短距離ミサイルの正確打撃範囲が国境以遠30kmだけだったとするならば、現在ではコペルニクス的転換が発生している。韓国連合通信社の報道は、中国の「北斗」システムはすでに国内において一部の地域向けに誤差1m以内の衛星ナビゲーションサービスを提供し始めており、このシステムを搭載した車両がひとたび転覆したら、「北斗」システムはこれを発見し、かつ警報を発することになる、とする。

韓国の「NEWSPIM」ウェブサイトの報道は、中国の「北斗」ナビゲーション関連の産業規模は2020年に4,000億人民元を超える可能性があるとする。現在中国の携帯電話メーカーは次々と「北斗」システムを装備したスマートフォンを登場させる準備をしており、タイの首都バンコクの1万両余りのタクシーにも、すでに「北斗」システムが使用されている。

中国の「北斗」の精度が商用GPSの2倍以上であることに関する韓国メディアの言い方に対し、ある中国のナビゲーション専門家は3日「グローバル時報」記者に向け、この比較は非常に軽率なもので、2種のシステムを同一の基準の下に置いて比較を行っておらず、増強を経た「北斗」システムと増強していないGPSシステムの比較を行っている、とした。

この専門家は説明し、「北斗」システムは主に3大工程を包括する、とする。すなわち、工程建設とネットワーク組織、応用の普及、国際協力である。中国が7月に組織した多くの国が参加する活動はまさに国際協力の重要な組成部分である。「北斗」のネットワーク組織は宇宙のネットワーク組織も包括するし、地上の増強システムのネットワーク組織も含む。宇宙のネットワーク組織は「3ステップで行く」に照らして行われ、2012年に区域システムを完成させた後、継続してグローバルシステムのネットワーク組織を実現させる必要があり、現在来年の衛星発射開始を計画している。その前にすでに3年の時間を経てグローバルネットワーク組織の技術の蓄えを行っている。地上ネットワーク組織の方面では、すでに今年年初に地上増強ネットワークの中核の建設が始動し、200近いステーションポイントが来年には運行に投入できると見られ、その後1,000以上の区域の暗号化ステーションネットワークも同時並行で完成されようとしている。さらにアジア太平洋地域での普及拡大がなされようとしており、アジア太平洋地域に地上ステーションネットワークが建設される。これらはいずれも国際協力の内容である。

北朝鮮は「北斗」をミサイル制御に用いるのか?

「東亜日報」は、もし北朝鮮が中国で衛星ナビゲーション技術を学習したなら、彼らは軍事の上に用いる可能性が高く、このことはさらに「憂慮」を引き起こす、とする。今年前半、北朝鮮の無人機が青瓦台およびバイリン島上空で撮影を行った時には、GPS技術が運用されていた。

ある姓名を明らかにされたがらない中国の軍事専門家は3日、理論的に言って、民間用バージョンのGPS信号がミサイルと無人機の制御誘導とコントロールを行うことは完全にできる、とした。ならば何故韓国メディアは中国のナビゲーションシステムが他国によって軍用目的に用いられることだけを心配するのだろうか? 突き詰めて言えば、中国が他国の専門家を招待して中国で実地調査させたのは、技術交流と商業デモンストレーション行為なのである。製造側がサービスを売った後、購入側がそれをどんな領域に用いるかは制限することが非常に難しい。ナビゲーションシステムの提供側は戦時において信号に対し妨害と遮蔽を行うだろうというだけのことである。


 いやだからまさにそこが問題なんでしょうに。GPSなら北朝鮮のミサイルが発射されたのを探知した時点で信号を止めることも理論的にはできるはずですけど北斗はそうしたコントロールが効かず、中国は「膨大なユーザーに誤報で迷惑をかけるわけにはいかないので事実確認していたら着弾までに間に合わなかったの、てへ」で済ますかもしれないということです。
















戻るボタン