何故中国はスホーイー35を買う必要があるのか その1

 タイトルから想像する内容とずいぶん違いましたが。なおスケジュールの関係で本来1つの記事を前後編に分けます。

http://war.163.com/14/1112/09/AARE1I7T00014J0G.html


中国は何故スホーイー35を買う必要があるのか

スホーイー35には秘技があり中国は20年たってもうまくできない

イントロダクション:今年の珠海航空展では、ロシアのスホーイー27ファミリーの最新鋭改良型であるスホーイー35戦闘機がやはりやって来た。相当に長い時間内、中国が新しいスホーイー35を導入するか否かが常に広範に論争される話題となっている。本期は新しいスホーイー35戦闘機の性能の優勢を解読する。

スホーイー27は多用途性能上取って代わることのできないポテンシャルを持つ

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションは最後の「画像はスホーイー27戦闘機」を除き本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

大量の武器を搭載しての遠距離飛行はスホーイー27の設計の核心

スホーイー27はプロジェクト計画当初から、機の高空高速でスパートをかける迎撃能力と大量の武器を搭載して遠距離飛行を行う搭載荷航続距離能力を併せ配慮することが核心的要求だった。空力効率の非常に高い揚力体レイアウトの採用、アスペクト比が非常に大きい(戦闘機の範囲内で)後退翼設計、および9,400リットルにも達する内部燃料貯蔵量によって、スホーイー27の航続距離は驚異的な3,900kmに達した。

だが初期のスホーイー27は構造強度不足ゆえに最大武器搭載能力が4,000kgしかなかった。スホーイー27SKが構造に対し重量増加、補強を行った後になって、最大武器搭載能力はやっと8,000kgに増えた。当然構造の強化は570kgの重量増加をももたらし、スホーイー27SKの最大航続距離はやや短縮して3,680kmとなった。

スホーイー27はサブタンクを搭載せず全てに大型ミサイルを搭載することができる

優秀な搭載能力は単に重量の上に体現されているだけでなく、搭載方案が合理的であるか否かこそがその実用性の高い低いを最終的に決定する。スホーイー27ファミリーの搭載ポイント設計は非常に優秀で、機全体の10〜12の搭載ポイントの分布が非常に片寄りなく合理的である。空気取り入れルートの中間の2つの前後に並んだ搭載ポイント、特にその後ろの1つを除き、あらゆる搭載架に非常に良い前向きの視野があり、このことは制御誘導武器、電子作戦吊り下げポッドにとってはまさに天から賜った福音に他ならない。対空任務執行においては、スホーイー27は超音速状態で飛行している時、各ミサイル間の間隔が比較的大きいため、形成される空力干渉抵抗も非常に小さく、スホーイー27が高速飛行を保持しまた加速飛行するのに非常に有利である。

特にスホーイー27ファミリーはサブタンクを必要とせず、このことは大幅に空力抵抗を減少するだけでなく、ああした大重量搭載を行うハードポイントが全部大型爆弾、大型ミサイルなどの堅固な目標を攻略する武器の搭載に用いられることを許すことをも意味している。その他の戦闘機に関して言えば、サブタンクは体積が最大で、最も重い外部搭載物でもある。遠距離任務執行時、3つのサブタンクは戦闘機の重量搭載ポイントをほとんど全部占用し尽くすに足りる。一方9,400kg、甚だしきに至ってはさらに多い内部燃料用量を持つスホーイー27ファミリー(最初期のスホーイー27、スホーイー27UB型除く)は、もし内部燃料を満載して離陸しても6,500kgの外部吊り下げ武器を搭載でき、これはその他の戦闘機とは全く比較できないものである。

スホーイー27は搭載重量が大きく、搭載架の数が多いだけでなく、さらに重要なカギである重量搭載ポイントの使用可能性も非常に良い。空気取り入れルート間の腹部前後2つの搭載重量2,000kgのハードポイントは実際上組み合わせて使用し、4,000kg以内の超大型空中発射ミサイル、例えばKH41超音速対艦ミサイルが搭載できる。これは戦術飛行機の中で空前絶後の性能である。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「スホーイー27系列戦闘機はKH41ミサイルが搭載できる。」)

スホーイー27系列は大型武器搭載方面でF-15を超える

スホーイー27ファミリーの空気取り入れルート下方は2つの1,000kgの吊り下げポイントである。スホーイー27Mに始まり、以後のタイプ、例えばスホーイー30MKKでは主翼下方の吊り下げポイントがさらなる一歩の強化を得て、内側寄りの4つの翼の付け根の吊り下げポイントはいずれも2,000kgクラスである。だがこうした吊り下げポイントには使用上一定の制限があり、例えば同時に使用する時、2つの隣り合うポイントの総重量は3,000kgを超えることができない。だがもしこうだとしても、これは極めてずば抜けた性能なのである。

例えばスホーイー27の古くからの敵であるF-15は、この方面においてスホーイー27に遠く及ばない。空気取り入れルートに2つの大容積の形状保持燃料タンクを追加装備したとしても、F-15は依然サブタンクに対する依存から脱することができない。この種の状況下でF-15には、体積の大きな、重量の大きな大型武器を搭載するスペースと余計な搭載ポイントは全くないのである。

事実として完全に次のように評価することができる。最大8トンの外部吊り下げ搭載重量を許すスホーイー27SKに始まって、スホーイー27ファミリーは歴代戦闘機の中で最強の外部吊り下げ搭載能力を持ち、その他のいかなる戦闘機もこれとの隔たりははるかに遠い。対地、対艦攻撃任務執行でも、電子戦、対輻射など特殊用途戦闘機への改造でも、どの非ステルス戦闘機もプラットフォームの基礎の上でスホーイー27ファミリーに比べより優秀ということは全くあり得ない。

スホーイー27の多用途能力を発揮するにはより長い機体寿命が必要

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションは、最後の「画像はスホーイー27、スホーイー30の製造工場。」を除き本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

スホーイー27の電子設備は立ち後れ、抗妨害および信頼性が非常に劣る

スホーイー27ファミリーの作戦能力のボトルネックは、相当な長時間内ずっと旧ソ連の立ち後れた電子工業レベルにルーツにあった。体積が大きく、重量が大きく、性能指標が低く、抗妨害能力が劣り、劣悪な環境、例えば高温、高湿度、高い塩分の下での信頼性が劣る。ほとんんどいかなる電子設備に関わるネガティブな評価も、全て全く誇張なくスホーイー27ファミリーの初期型にあてはめることができる。だが別の方面から言うと、ある国に航空電子領域の充分な技術レベルがありさえすれば、スホーイー27の機載航空電子システムを徹底して交換することができ、スホーイー27の本来の劣勢は逆に非常に大きなポテンシャルとなり得るのである。

例えばスホーイー27のH001レーダーシステムは、その寸法と重量に関する指標が、同様のサイズの口径の高性能フェイズドアレイ機載レーダーの使用に供するにしても余裕綽々である。一方その他の機載設備の中で、以前は非常に重くて大きかった機種を体積が非常に小さい新製品だけでもう取って代わらせることができる。しかも大量で多くの独立した機能の部品が単独で多機能の設備によって取って代わられることができる。この種の優勢がもたらすのは単に重量軽減だけではなく、より重要な意義は余った多くの機内スペースにより多く、より複雑な電子設備を配し、極めて大きく機の作戦機能を拡張展開させることができるということである。

スホーイー27の内部スペースは大きく、いかなるグレードアップ改造もできる

事実として戦闘機のグレードアップ改造の過程では、機内スペースの不足が往々にして最大の制約である。F-16はまさに比較的ネガティブな例で、この設計が極めてコンパクトな機はどんどん多くの作戦機能を担うようになって以後、その後期の改良型は止むを得ず機の背部に追加の構造物を追加して設備を収納した。この種のやり方は重量増加がより大きいだけでなく、しかも機の空力外形を破壊する。機の操縦性と飛行の質を低下させもするし、また深刻に飛行抵抗を大きくする。

特に制電磁権の争奪を担う電子戦機と敵サイドの防空火力を制圧、破壊する対輻射機ではそうである。それらは大量の高出力電子電気設備の搭載を要求し、電力の供給、配電でも放熱でも、一般の戦闘機に比べ要求がより高い。スホーイー27内部の大きな燃料貯蔵量と大容積の設備搭載スペースは、電子電気設備のエネルギー源消耗や装備の需要により良く対応できるだけでなく、しかもそれを幅広く均等に、かつサブタンクの干渉を受けず、普遍的に前向きの視野が極めて良い吊り下げポイントの設計にし、さらには各種電子戦吊り下げポッドの装備のために絶好の条件を提供している。非常に多くの電子吊り下げポッド間には厳格な間隔の制限があり、あるいは特殊な装備位置が必要である。特にできる限り両翼端に近づけて最大の間隔を獲得するという要求は最もよく見られるものである。

スホーイー27の機体の寿命は短く高強度の訓練では10年余りしか飛べない

だがこのことは飛行機の構造寿命に対し非常に高い要求をももたらす。朝鮮戦争以後、戦闘機のそれ自体の位置付けは機械装備から徐々に電子/機械装備に発展変化し、機載電子設備はどんどん多くなり、作用はどんどん重要になり、しかも価格もどんどん高くなった。今日の先進戦闘機に関して言えば、飛行機の構造とエンジンのコストは総製造コストの中で実は小さな部分しか占めていない。航空電子設備のコストこそが真に主要な部分なのである。このためプラットフォームとしての飛行機構造自体の寿命が充分に長くなかったら、大量の極めて高価な機載設備は前倒しで機と共に廃棄処分にするしかなく、受け入れ難い使用コストがもたらされる。

スホーイー27は研究開発段階で一連の問題にぶつかり、これはこの機の初期型の構造寿命をいずれも相当に理想的でないものにさせた。例えばスホーイー27は2,000時間の寿命しかなく、構造が強化を経たスホーイー27SKでも2,500時間しかない。このことはああした訓練強度が比較的高い部隊にとって、もし1機の飛行機が毎年200時間飛行したら、十何年にもならずにこの機の構造寿命は使い尽くされようとする、ということを意味している。













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