インドの「テジャス」戦闘機と中国の「梟竜」戦闘機

 インドと中国のほぼ同クラスの軽戦闘機を比較した記事です。

http://military.china.com/important/11132797/20121212/17577867.html


ロシア、「梟竜」戦闘機に2つの輸出相手国が新たに増え、別の9カ国に購入の意志がある、とする

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「インドのLCA「テジャス」軽戦闘機計画は中国の殲-10とほとんど同時に始まったが、時今日に至るもLCAは依然試験飛行中である。」)

【グローバルネット総合報道】 ロシアの軍事工業総合体ニュースネット12月10日の報道によれば、インドとパキスタンのウェブサイト、軍事フォーラムはしばしば両国の先進的戦闘機を比較し、特にインドの国産LCA「テジャス」と、パキスタンと中国が合同研究開発した、FC-1「梟竜」/JF-17「雷電」に関し両者の性能を激烈に論争し、自らを誇大に言い、相手をけなしている。2種の戦闘機はそれぞれ優勢を持ち、それぞれ欠陥があるが、全体的に言えばJF-17は物が良くて廉価であり、性能が優越し、しかもすでに強大な戦闘力を形成している。一方LCAは今に至るも依然大量装備されておらず、いわゆる優勢は紙の上にしか体現され得ない。

ロシアメディアは言う。インドの南アジア地域における主要な相手であるパキスタンが持つ新型戦闘機JF-17は中国と合同研究開発したもので、その歴史的ルーツはロシアのミコヤン設計局のE-8検証機である。中国は当初アメリカの援助の下に国産新型戦闘機を研究開発したが、1980年代末に西側の武器制裁に遭ってから(頑住吉注:1989年の天安門事件についてははっきり書くことがはばかられるようですね)、中国は西側の影響から離脱し、1990年代初めにミコヤン設計局のEー8前線軽戦闘機プロジェクトを買い取った。すなわち現在言うところの「33工程」である。

この機はミグ-21にミグ-23MLDの先進的性能を総合し、古い単発前線戦闘機に取って代わるべきものだった。中国はその後パキスタンと合同でE-8とよく似ているとは言えない新型機を研究開発し始め、1995年に双方はこの機のプロジェクトの資金覚え書きに署名し、それぞれ50%出した。このプロジェクトは当時5億アメリカドルと見積もられ、インドのLCAプロジェクトの支出のほとんど1/3でしかなかった。

中国の新型機研究開発速度は人を驚かせ、1996年になるとすでにもう2機の機体が作られた。初の事前生産型FC-1「梟竜」は2002年に初飛行し、量産型機は2003年9月に初飛行した。この機は標準的空力レイアウト、42度の後退角(ミグ-23MLDは47度)を採用し、機動空戦性能が比較的強い。2007年秋、パキスタン空軍は最初の2機のJF-17「雷電」戦闘機を得た。指摘すべきなのは、パキスタンはインドと異なり、国産部品研究開発のための苦悩はなく、国内の既製品と輸入部品を選択していることだ。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「中国・パキスタンが協力して研究開発した『梟竜』戦闘機は先進的、実用的で、現在すでにパキスタン空軍の核心的戦力の1つになっている。」です。)

中国版FC-1が国産フェイズドアレイレーダーのために思い悩んでいる時、パキスタンバージョンはすでにイタリアのGrifo S7レーダーを採用している。中国の技術者がしばらくの間国産WS-13エンジンの寿命延長のために知恵を絞り尽くしているとき、パキスタンの最初の20機のJF-17戦闘機はすでにロシア製RD-93エンジンを装備している。当然、パキスタンが戦闘機の国産化問題に無関心だとも言えず、JF-17が使用するレーザー照射早期警戒システムはパキスタンサイドが自ら研究開発を行ったものに他ならない。フランスの援助の下に完全国産の第4+世代機載電子設備が研究開発され、この前に採用された中国製品に取って代わろうとしている。現在JF-17はすでに簡略化版の機載電子設備とパルスドップラーレーダーを持っている。

ロシアメディアは、JF-17は相当に先進的な多機能戦闘機で、物は良くて廉価だとする。性能が先進的なこと以外に、少なくとも価格の優勢だけに頼ってもすぐに世界市場においてミグ-29、F-16C Block35、JAS39C(頑住吉注:グリペン)と競争できる。当然、価格はJF-17の主要な武器であり、ミグ-29の2009年の販売価格が2,800万アメリカドルで、現在インドのLCA「テジャス」の価格が3,000万アメリカドルだと言うならば、JF-17の価格は1,700万アメリカドルでしかない。しかもさらにやや安い可能性もある。何故なら1,700万アメリカドルというのはアゼルバイジャン向けに24機の戦闘機を輸出する際のオファー価格だからである(頑住吉注:実際には交渉によりもっと値下げされた可能性がある、ということでしょうか)。

まさにお買い得価格、加えて受け入れ可能な作戦性能により、JF-17機が第3世界の市場に進軍する際の非常に素晴らしい輸出ポテンシャルが保証される。現在すでにアゼルバイジャンとジンバブエが購入しており、この他さらに9カ国が輸入に興味を示している。これにはバングラディシュ、ビルマ、エジプト、イラン、レバノン、マレーシア、モロッコ、ナイジェリア、スリランカが含まれる。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「パキスタンが装備するJF-17『梟竜』戦闘機。多くの西側諸国から導入した成熟した電子設備が装備されている。」です。)

JF-17の主要な技術性能は次の通りである。飛行員1人、全長14.97m、全高4.77m、全幅9.46m、主翼面積24.4平方m、空虚重量6,411kg、標準離陸重量9,072kg、最大離陸重量12,474kg、機内燃料重量2,300kg、動力装置は1台のWS-13エンジンからなり、アフターバーナー不使用時の最大推力は49,400ニュートン、アフターバーナー使用時の推力は84,400ニュートン。飛行性能は最大速度1,910km/h(マッハ1.8)、作戦半径は1,350km、場所移転航続距離は2,037km、もし3つのサブタンクを搭載すれば3,000kmに達し得る。

翼面荷重は373kg/平方m、推力:重量比0.91、最大使用過積載+8.5/−3.0g。武器装備には23ー2型23mmダブルバレル航空機関砲1門が含まれ、7つの搭載架を持ち、このうち主翼尾部2カ所、主翼下側4カ所、機腹部1カ所で、最大戦闘搭載荷重は3,630kgである。4発の空対空ミサイルが搭載でき、主に「霹靂-7」、「霹靂-10」、R550「魔術」2、「A-ダート」、「霹靂-5C」、AIM-9L/P、MICA、「アスパイド」空対空ミサイルである。1発のAM-39「飛魚」空対地(対艦)ミサイルが搭載でき、さらに各種の制御誘導爆弾、自由落下爆弾、ロケット弾が搭載できる。

ロシアメディアは言う。インドとパキスタンの軍事フォーラム、ウェブサイトはしばしばLCAとJF-17の性能を比較する。現代の航空装備は高機動作戦システムの一部分でしかなく、全く同じような空戦は稀だが、インド、パキスタンの軍事マニアはしばしばインドのLCA「テジャス」Mk-2とパキスタンのJF-17が空中で遭遇する戦闘の情景をシミュレートする。しかもいずれも潜在的敵の能力を貶め、自己の優勢を誇大化する傾向がある。

比べると、JF-17は機載電子設備方面で顕著な優勢を持つ。だが、国産設備を使用して輸入部品に取って代わらせた後では、相応に性能はやや低下する。インドも同様に輸入設備の使用を拒絶しているが、同等の品質の設備をもって交換しているので、両者の間の隔たりは明らかに縮小する。パキスタンのJF-17戦闘機が使用できるミサイルの種類はインドのLCAに及ばず、主に中国がロシアのR-27を基礎に研究開発してできたSD-10中距離空対空ミサイルを使用する。だがある情報は、パキスタンは現在ロシア企業とR-27のたぐいの空対空ミサイル導入問題を談判中だとする。だが今年7月、インドも同様に大量の空対空ミサイルを購入済みで、これにはウクライナから輸入したR-23、R-24、R-27M、R-73M、そしてロシアから輸入したR-77ミサイルが含まれる。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは「『梟竜』戦闘機は中国・パキスタンの重大軍事協力プロジェクトの1つである。期日通りに装備したパキスタン空軍はすでにインド空軍の強敵の1つになっている。」です。)

インドのLCAはロシア、ウクライナの空対空ミサイルの他に、さらにイスラエルのサンダー社の「ダービー」ミサイル、フランスのMBDA MICA-EM/IRミサイル、国産の「アスパイド」ミサイルがが使用できる。レーダー設備方面ではLCAとJF-17は基本的に同一レベルで、パキスタンサイドはすでに中国のフェイズドアレイレーダーを放棄し、イタリア製品の使用に改めることを決定しているが、必要な時は依然中国レーダーを使用するだろう。インド、パキスタン戦闘機の機体と主翼は製造時にいずれも部分的に合成材料を使用し、ステルス性能を向上させている。またいずれも飛行員目標指示ヘルメットを使用し、インド軍飛行員のヘルメットの目標キャッチの角度がやや大きいだけである。

カタログデータで見ると2種の戦闘機の弾薬搭載量は基本的に同等で、LCAは4トン、JF-17は3.8トンである。だがインド機は形状の制限を受け、実際の弾薬搭載量はやや少ない。しかもその推力:重量比は0.73でしかなく、明らかにJF-17の0.91より小さい。LCAは戦闘爆撃機として使用でき、推力:重量比が0.72であるロシアのスホーイ-34前線爆撃機に相当する。機動空戦では、LCA「テジャス」はその主翼面積が比較的大きく、後退角が可変であり、しかも使用過積載は+9.0/−3.5gとJF-17の+8.5/−3.0gより高いため、一定の優勢を持つ。だがインド人はJF-17をHJT-36練習機相当の地位だとまでけなしており、これは完全に間違っている。

使用コストに関してはLCAとJF-17は基本的に同一レベルで、前者は毎時4,000アメリカドル、後者は3,000アメリカドルである。だが、パキスタンが使用できる戦闘機の数がより多いことを考慮すれば、相応の指標はさらに下降し、優勢はよりはっきりする。

インドは本来できるだけ早くLCA「テジャス」戦闘機を装備し、ミグ-21MFとの交換に用いることを希望していた。だが研究開発過程が緩慢で、価格が比較的高いため、現在まだ大量装備されていないままである。しかも2015年までの発注も40機に過ぎない。これに比べ、パキスタン空軍はすでに41機のJF-17を持ち、しかも2016年までに100機にまで増加する計画である。ある情報は、今年年末までに早くも50機に増加するとしており、現在すでに比較的強い戦闘力を形成し、作戦的優勢は明らかにインドに勝っている。だがインド空軍の飛行員の飛行時間はパキスタンサイドの2倍であり、職業訓練レベルはやや高い。ひとたび真の空戦が勃発すれば、結果の予測は非常に難しい。 (編集翻訳:林海)


 黄色文字は頑住吉によるものです。本筋である両者の比較以外に、これらの部分からパキスタンが中国の安価な機体には満足しているものの装備類には不満を持って交換を行っていること、中国製エンジンは輸出に使えるレベルではないことなどが分かります。







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