中国の艦載早期警戒機、初飛行に成功
「中国の新たな早期警戒機登場」は陸上基地型の早期警戒機の近況についての記事でしたが、今回紹介するのは艦載型に関する記事です。
http://military.china.com/important/11132797/20130604/17871691.html
メディア、中国の固定翼艦載早期警戒機すでに初飛行に成功、とする
(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像は中国のJZY-1型艦載早期警戒機の検証機。」)
空中早期警戒機はまたの名を早期警戒指揮機と言い、遠距離警戒レーダーを装備して空中あるいは海上の目標の捜索、監視に用い、味方機の作戦任務執行を指揮し誘導することができる飛行機である。早期警戒機の誕生は第二次大戦の期間で、今までにすでに60年余りの発展を経て、多くの戦争の中で大いに腕を見せ、何度も得難い功を立て、各国に大いに歓迎されている。
ある軍事専門家はかつて次のように言った。「ある国がもし良好な早期警戒機を持っていれば、もし作戦機が敵の半分しかなくても、同様に戦争に勝つことができる。」
現代の戦争の中でかくのごとき重要な作用を発揮する早期警戒機はごく早くから新中国の軍隊に重視されたが、初期には技術レベルと戦略的需要の制限を受け、早期警戒機が研究開発されたものの、依然必要性を満足させることはできなかった。改革解放以後、数度の挫折を経て、中国はついに自らの早期警戒機を研究開発して部隊に装備し、解放軍三軍の戦闘力向上に対して巨大な作用を果たし、人々に「中国人の頑張り機」と呼ばれた。
「早期警戒機を離れて現代空戦に対応することはできない」というのは現代の空中の核心であり、早期警戒機は遠距離警戒レーダーを機に搭載し、空中あるいは海上目標の捜索、監視に用い、味方機の作戦任務執行を指揮し誘導する、まるで戦闘機群の「目」および「大脳」のようである。戦闘機の搭載能力は不足しているため、自身のレーダーの性能も限られ、ただ単に戦闘機自身のレーダーに頼ったのでは、獲得できる情報もごく限られる。早期警戒機は一般により強い搭載能力を持ち、その高性能レーダーは非常に大きな程度上戦闘機の不足を補うことができるだけでなく、さらに強大な指揮システムによって直接戦闘機群の作戦を指揮でき、したがってより大きな作戦効率が発揮される。
(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)
中国軍が現代の条件下でより良く対空防御作戦任務を完成させ、および攻防兼備の近代化された空軍を建立したければ、空中早期警戒機というこの不可欠の力量倍増器を持つことが必須である。また我が国の国土の面積、地形、および直面する脅威などの状況から見れば、高性能で大型の早期警戒機をメインにすることが最良である。しかし、早期警戒機獲得の道は中国にとって、かくのごとき非常に長く、また挫折に満ちた茨の道だったと言える。
1997年、中国はイスラエルの「ファルコン」早期警戒機システムの性能を詳細に理解した後、その性能は中国軍の早期警戒機に対する要求を完全に満足させることができると考え、しかもイスラエルも極力海外市場に向けたセールスを行い、もってその国際兵器市場における影響力を拡大することを希望した。この種の有利な外的条件下で、中国はイスラエルとの接触を開始し、双方は「ファルコン」システムの導入問題に関する談判を開始した。中国は1990年代初期にはすでにロシア製のイリューシンー76輸送機の導入を開始していたので、この機の使用および維持メンテナンス方面に対してはすでに比較的強い適応能力を持っていた。このためイリューシンー76輸送機あるいはAー50I早期警戒機(頑住吉注:イリューシン-76をベースとした早期警戒機で西側のコードネームは「Mainstay」。ただし検索しても「I」型というのは出てきません)上に「ファルコン」システムを追加装備する方案を提出した。数年の非常に困難な談判を経て、1998年に中国とイスラエルは4機の早期警戒機に関する契約を締結し、中国によって4機のイリューシンー76輸送機が提供され、イスラエルサイドがその上に「ファルコン」レーダーシステムを追加装備することに責任を負い、契約の総額は10億アメリカドル近く、平均で1機あたり2.5億近かった。
当時、中国に輸出されようとした早期警戒機方案が採用した三面アクティブフェイズドアレイレーダーは世界初のもので、その性能は非常に先進的で、このことは至る所で中国を抑止していたアメリカ当局を非常に不愉快にさせた。元々の計画によれば、A-50Iは2001年に最初の2機が引き渡され、2003年に最後の2機が引き渡されることになっていた。しかし、最初の機が間もなく引き渡されるという時、アメリカは突然イスラエルサイドに向け極めて大きな外交圧力を加え、最終的にイスラエルは協議の破棄を迫られ、中国との協力を停止した。中国が支払った高額の外貨と時間は後に何も獲得せず、中国が本来21世紀初めに装備したいと思っていた早期警戒機の計画をもう1度棚上げとさせた。
早期警戒機によって嫌というほど屈辱を受けた中国人は気落ちすることはなかった。「我々はきっと早期警戒機を作らねばならない!」 これは当時の我が国の科研人員が最も頻繁に口にした言葉である。まさにこの種の形勢下だからこそ、中国が自ら研究開発した早期警戒機は人々に「頑張り機」と呼ばれたのである。中国空中戦力の跳躍的発展の時間を遅らせないため、また前回人に制約を受けた教訓を考慮し、中央は中国自ら空中早期警戒機を研究開発すると決定し、「一号工程」と命名された。重視の程度を見て取るに足りる。国内技術人員のたゆまぬ努力により、ついに21世紀初めに空警ー2000型早期警戒指揮機と空警ー200型早期警戒機の研究開発に成功した。これだけでなく、この2機種の早期警戒機はさらに世界早期警戒機発展史上の9つの「初」を創造した。現在、この2機種の早期警戒機はいずれもすでに部隊に加入、就役し、中国軍の戦力倍増器となっている。しかもその他の輸出型を派生させ、中国は世界で屈指の独立して早期警戒機システムを製造できる国ともなっている。
(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションはやはり本文の一部を切り取ったものなので省略します。)
2011年、中国はパキスタン空軍に向け最初のZDK-03型「崑崙鷹」早期警戒機を引き渡し、中国をアメリカ、ロシア、イスラエル、スウェーデンに次ぐ第5の、完成品で早期警戒機システムを輸出できる国とした(頑住吉注:この機は空警-200の機体を採用しているものの「平均台」型と呼ばれるレーダーではなく円盤型のレーダーを採用するなど改良されたものです)。
2011年、我が国初の空母「遼寧艦」とセットのプロジェクトとして、我が国初の直-18艦載早期警戒ヘリも付随して明るみに出た。
2012年、JZY-1型艦載早期警戒機の検証機が初飛行に成功し、我が国は世界で5番目の固定翼艦載早期警戒機を研究開発した国となった。
2013年、我が国の第2世代中型早期警戒機が明るみに出、この早期警戒機は世界の早期警戒機の最高水準の1つを代表している。
事実は我々に、技術封鎖を突破し、高い技術装備を持ちたければ、外国人に頼ったのではダメで、最終的にはやはり自らの努力に頼る必要があるのだ、ということを教えている。事実はまた世の人に、中国を封鎖し、中国を包囲しようとするのは疑いなく痴人の語る夢であり、中国人の頑強さと知恵は、きっと中国を圧迫する企図を1つ1つ破産させ、妨害すればするほど強くなり、圧力を加えれば加えるほど強大になるのだ、ということを教えている。これこそ中国精神である。
(頑住吉注:以後のページのキャプションは本文の一部を切り取ったものか要約したものなので省略します。)
艦載早期警戒機がテーマのはずなのにそれに関する記述はごくわずかで、まだ情報がないんでしょう。それはともかく「中国の新たな早期警戒機登場」と同じく中国の早期警戒機の歴史を語っているのに内容がずいぶん違っていますね。
ついでにもう1つ早期警戒機関連の記事を紹介します。
http://military.china.com/important/11132797/20130605/17873979.html
中国には早期警戒機のプラットフォームとしての信頼性の高い旅客機が欠乏している 滞空時間が最も重要なカギ
(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国新型早期警戒機が使用するプラットフォームとしての運ー9」)
プラットフォーム、中国早期警戒機最大のボトルネック
最近明るみに出たZDK-03と国産新型早期警戒機は、空警ー200同様、いずれも4発のターボプロップ機である運ー9をプラットフォームとしている。機が背負ったあの性能が世界第一流のレーダーに比べ、1957年に就役したアントノフー12輸送機である運ー9は、明らかにやや体裁が悪いと言わざるを得ない。
事実として、優秀で使用に適したプラットフォームが欠乏していることは、現在早期警戒機、給油機、対潜哨戒機、電子偵察機を含む中国の大型特殊作戦機の発展を束縛する最大のボトルネックである。
滞空時間は早期警戒機の核心的競争力
早期警戒機は長時間空中に滞留し、もって目標区域に対する警戒を維持する必要がある。このため、滞空時間は早期警戒機プラットフォームの核心的競争力である。
運ー8F400から改良してできた運ー9は、インテグラルタンクを採用し、機内の搭載燃料は20トン前後にまで向上し、航続距離は運ー8F400の3,000km余りから5,000km余りにまで延長し、滞空時間は8時間以上にまで延長された。一方空警ー2000の滞空時間も8時間余りにまで達しており、3機なら都合よく1つの方向における24時間絶え間ない空の状況の保障を完成させることができる。
だが、怖いのは製品と製品との比較である。アメリカ軍のE-3C「セントリー」早期警戒機の最大滞空時間は11時間に達し得る。これはそのプラットフォームであるボーイング707旅客機の最大燃料での航続距離が9,800kmあるからで、一方空警ー2000のプラットフォームであるイリューシンー76TD輸送機はたった6,700kmである。
(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)
中ロには早期警戒機プラットフォームとしての信頼性の高い旅客機が欠乏している
アメリカ空軍の早期警戒機、給油機はいずれもボーイング707、DC-10など民間旅客機から改装されている。一方ロシアと中国には信頼性の高い旅客機が欠乏しているため、早期警戒機は常にイリューシンー76、運ー9など軍用輸送機が元になっている。
軍用輸送機は野戦飛行場での発着を考慮するため、普遍的に上翼単葉設計と頑丈な発着架を採用し、当然低翼単葉の旅客機より重い(頑住吉注:うーん、私には上翼より低翼の方が軽くできる理由が分かんないです)。同時に、大型貨物を搭載するため、軍用輸送機は旅客機に比べずっと太短いことが目立ち、このことは空気抵抗を増大させている。こうしたことが軍用輸送機は必然的に同等の旅客機ほど遠くまで飛べないという結果をもたらす。旅客機が早期警戒機のプラットフォームとしてより適しているというのははっきりしているのだ。
中国早期警戒機は大型特殊飛行機プラットフォームを必要とする
では、中国空軍の早期警戒機、給油機には、選択に供することのできるより適したプラットフォームはあるのかないのか?
非常に多くの人が目を中国商業飛行機で現在研究開発中のC919幹線旅客機に投げかけている。だがその最大離陸重量は77トンで、E-3Cの156トンの半分でしかない。あるいはレーダーの小型化に伴って飛行機がちょっと小さいのは大きな問題ではなくなるかもしれないが、C919のたった5,600kmの最大航続距離は、早期警戒機としては全く使い物にならない。しかも、現有のC919は大量に西側から輸入したカギとなる重要部品を採用しており、もし軍用に転じようとすれば、全て国産化を実現しなければならない。これは一朝一夕に成し遂げられることではない。
別の大型輸送機、運ー20「鯤鵬」が今年始め初飛行した(頑住吉注:こんな名前初めて出てきたと思いますが、「鯤」は伝説の大魚、「鵬」は伝説の大鳥で、前者が後者に変じたという伝説があるそうです)。だが前述のように、軍用輸送機は決して大型特殊飛行機プラットフォームの理想の選択ではない。
寸法、性能の特徴から言って、習近平主席が今年ロシアを訪問した時明らかになったプロジェクト、中ロ合同研究開発の大型で機体が幅広い旅客機は、例えばその最大離陸重量は150〜200トンの間で、早期警戒機に改装するのに最適である。だが、もし一切がスムーズでも、10〜15年後になってやっと引き渡し、使用できる。
こうして見ると、もし中国航空工業が大型特殊飛行機プラットフォームを「オーダーメイド」しなければ、中国空軍のこの種の「足が靴に合わない」まずい状況は、まだ少なくとも10年継続する。
本報記者 屠晨マ
(頑住吉注:3ページ目)運ー9プラットフォームの航続距離は運ー8F400の3,000km余りから5,000km余りにまで延長され、滞空時間は8時間以上にまで増加している。
(頑住吉注:4ページ目)中国の「空警ー2000」はイリューシンー76を搭載機プラットフォームとしている。
(頑住吉注:5ページ目)空警ー2000は5,000〜10,000mの高度を時速600〜700kmの速度で7〜8時間持続して勤務執行できる(空中給油なし)。
(頑住吉注:6ページ目)「空警ー2000」の実際の最大飛行距離は5,000kmで、最大飛行重量は195トンである。
(頑住吉注:7ページ目)中国の空警ー200型早期警戒機は実際上運ー8AEWの改良型である。
(頑住吉注:8ページ目)空警ー200のあだ名は「平均台」と言い、戦術早期警戒に用いる。
理想的ではなくても運-20をプラットフォームとして使おうとはするでしょうし、また武直-10の時のように民間用と偽って軍用機の部品を警戒心の足りない国から輸入しようとすることも警戒すべきでしょう。