中国がS-400を手に入れたら

 「軍情視界」の記事です。

http://military.china.com/jqsj/079/


S-400兵器販売は中ロ両国にとってウィンウィンの選択

中ロ両国の深い協力 S-400、「目撃証人」となる

イントロダクション:S-400はロシア最先端の防空武器の1つであり、それはずっと世界武器庫の中の花形である。だがこのようなロシアに「国宝」と見なされる武器が、あるいはその先輩であるS-300防空システム同様に解放軍にやってきて就役することになるかもしれない。中ロのこのヘビー級の兵器貿易がひとたび明るみに出るや、直ちに米日印などを含む国の注意を引き起こした。ロシアは一体なぜこのかつて「国宝」と見なされた武器の輸出を肯定したのか。多くの人の心中の疑問とならざるを得ない。

ロシアの対中国S-400販売は一石三鳥が可能

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「S-400の価格は非常に高く、決してどの国でも買えるものではない」)

S-400の販売はロシアに高額の収益をもたらすことに

中ロの兵器貿易はずっと欧米諸国および中国周辺諸国が関心を注ぐホットなポイントたる問題の1つである。1990年代中、後期から始まり、中ロ両国間の兵器貿易の往来は非常に頻繁になり、しかもまさにこうした大規模な兵器貿易は、ロシアの倒産に瀕していた多くの軍事工業企業に多額の外貨を獲得させ、かつ活力を回復させ得た。新世紀に入った後、兵器貿易はさらにロシアの支柱型産業の1つになり、2010年に中国に向け引き渡された15セットのS-300防空システムは価格が22.5億アメリカドルに達した。今回ロシアが中国向け輸出を準備しているS-400防空システムは、ロシアの現在最先端の防空システムの1つで、優秀な性能とS-300の解放軍の中における良好な評判に頼って、この交易がまたロシアにすこぶる豊富な外貨収入をもたらすことになるのを予見するのは難しくない。同時に欧米がウクライナ問題が原因でロシアに対しほしいままに制裁を行っている際、安定した外貨収入のソースを持つことはロシアにとってもすこぶる重要と言え、S-400防空システムはまさにロシアが外貨を引き替えに手に入れる重要な道具なのである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「プーチンはすでに中国向けS-400対ミサイルシステム引き渡しを批准」)

S-400の中国定住はロシアの安全に危害を及ぼすことはない

S-400は世界最先端の防空システムの1つで、その性能は非常に強大であり、通常の戦術および戦略航空機を迎撃できるだけでなく、弾道ミサイルやステルス戦闘機に対する迎撃効果もS-300に比べ1段階上であり、米日印などの国に、もし中国がS-400防空システムを持ったら、アジア太平洋地域の空中の構造が変わるだろうと思わせている。だがこのような先進武器を、ロシアはまた何故安心して中国に輸出するのだろうか? 実は、S-400は技術は先進的だが、突き詰めれば防御性の武器であり、しかも中ロは目下西側の覇権主義に抵抗反撃する「準同盟」関係と言え、両国に衝突が発生する確率はごくわずかで、ロシアの中国向けS-400輸出がロシア自身に対しいかなる脅威ももたらすことはない。同時に中国軍がS-400防空システムを装備した後は、より有効に米日両国の太平洋方面からもたらされる脅威に対応でき、一定程度上ロシアの極東およびアジア太平洋地域の軍事的圧力も緩和できる。これは現在軍事費支出と軍隊の数量が決して充足し豊かではないロシアにとって、さらに願ってもない追加の収穫と言える。

プーチン、「兵器販売カード」を切って中国に対する誠意を見せる

最近の一定の時間、ウクライナ問題が原因でロシアと欧米など西側諸国との関係は日増しに膠着化し、しかもここ何年かロシアの経済は年を追うごとに回復し、西側はまたこの息を吹き返した「北極熊」を重視し始めている。NATOの持続的な東への拡張、および西側勢力の不断の圧力、制裁はロシアに、自らの孤軍奮闘に頼ったのでは最終的勝利を取得し難く、中国と手を携えて西側に反撃してこそ勝算があるのだ、と分からせた。今年のCICAサミットの期間、中ロ両国が天然ガスを含む40余りのヘビー級の契約を締結して、世界に中ロの経済貿易方面における非常に強い連携を見せたとするなら、ロシアが中国向けにS-400防空システム、スホーイー35戦闘機など先端軍事装備の輸出準備をすることは、中ロの軍事方面における深入りした協力を表している。ロシア大統領プーチンはS-400防空システムなどの「兵器販売カード」によって、中国に向けもう一度ロシアの協力に向けての誠意を見せ、同時にロシアの中国に対する高度の信頼をも体現し、こうした誠意と信頼は中ロ両国の連携協力をより黙っていても理解し合える、より堅固なものにも変えることになる。

中ロのS-400兵器交易、多方の関心を引き起こす

アメリカメディア、中国のS-400導入はアメリカの台湾海介入に対し威嚇を実施できるとする

インドメディア、中国がもしS-400防空システムを導入したらインドを激怒させるかもしれないとする

台湾メディア、台湾があるいは特殊部隊を派遣して大陸のS-400システムを破壊するのではと推測 (頑住吉注:びっくりして内容をざっと見てみましたが、もし戦争が始まったら、ということでした。)

S-400は中国の防空の実力をさらに一歩進めさせることに

資金を技術に換えることは中国軍事工業を鬼に金棒にする

ここ何年か、中国軍事工業の爆発的発展は国内外に非常に関心を注がせ、多くの先端武器装備の頻繁な出現が人に非常に新鮮な印象を与えている。だが中国軍事工業が輝かしい成就を取得するのと同時に、いくつかの弱点となっている技術は依然短期間内には補うことができない。結局のところ科研業務者の時間と精力には限りがあり、あらゆる面で抜かりがないということはあり得ないのである。こうした技術的弱点に直面し、国外から導入し、かつ吸収を行うというのは疑いなく最も良い方法である。中国の古い友であるロシアは、いくつかの技術領域において自らの独自に到達したところを持っているが、困ったことに資金がなくてそれが発揮できない。一方中国軍事工業企業は資金が満ちあふれているが、薄弱な技術を完備させる時間が欠乏している。両者の関連の技術領域における協力は、優勢の相互補完と言える。中国軍事工業はロシアの技術を得た後、単に単純に模倣するだけでなく、それを雛形とし、より解放軍の使用に適合する武器装備を開発する。極めて大きく研究開発の時間が節約されるだけでなく、さらに出藍の誉れの目的が達成され、中国軍が近代化建設を加速するために非常に大きな貢献をしている。

解放軍の空中の脅威からの防御により余裕が

中国の国力と軍事力が急速に成長する、およびアメリカの「アジア太平洋回帰」計画が一段と力を入れて実施されるのと共に、中国周辺の安全保障情勢はどんどん楽観を許さなくなり、特に最近の一定の時間、中日空軍および中米空軍の東海防空識別圏上の対峙が頻発し、解放軍の防空任務をより多く負担の重いものに変えている。そして現在解放軍が装備するS-300系列防空システムおよび紅旗-9防空システムは、その使用するミサイルの最大射程が200km前後しかなく、すでに徐々により遠距離で米日の軍用機をロックオンする需要が満足できなくなっている。一方S-400防空システムの使用するミサイルの最大射程は400kmに達し得、このことは米日軍用機が中国に接近する前にもう有効な警告と迎撃に遭わせることができ、このことは解放軍より多くの早期警戒の時間を事前に留保させることができるだけでなく、同時により大きな程度上米日の軍用機を中国周辺から遠く離れさせることができる。これは中国が米日の空中の脅威と偵察に対応することに対する極めて大きな助力である。

各視点からの声

杜文竜:S-400に関する談判は中ロの最も本心からの、最も真剣な兵器に関する協力

最近ロシアの軍事工業安泰社の責任者はインタビューを受けた時、中国向けS-400ミサイル輸出の談判はまさに進行中であると明らかにし、かつ中国向けにS-400対空ミサイルを引き渡す自信ありとした。

より多くの声

香港メディア:中ロのS-400に関する談判、進展を獲得

ロシアメディア:S-400ミサイルは紅旗-2の退役を押し動かすことに

ジェーン:ウクライナの混乱した情勢の前、中国はすでにS-400購入許可を得ていた

セルゲイ イワノフ:中国はS-400初の外国の買い手になることが有望

「ロシアの声」中国語ネットの情報によれば、ロシア大統領事務庁主任セルゲイ イワノフは、中国はロシアの近代的防空ミサイルシステムS-400「凱旋」初の外国の買い手になる可能性が高いとした。

より多くの声

アメリカの専門家:中国がロシアの先進武器を購入することはアメリカの盟友の脅威になる

ロシアメディア:中ロに想像できない軍事技術大規模発注の成果が生じることに

外国メディア:ロシア、中国に対し再び譲歩しS-400販売を決定

ネット仲間の調査

あなたは中国のS-400防空システム導入をどう見ますか?

中国はS-400防空システムを大量に導入することになるだろう 8.35% 88票

導入数は限られ技術的参考としてのみ用いられる 12.81% 135票

中ロ両国の協力強化の具体的表れ 16.51% 174票

中国の防空能力が比較的大きく向上することになる 15.28% 161票

中国が新型防空システムを研究開発する助けになる 46.21% 487票

はっきり言えない 0.86% 9票

総票数 1,045票

ロシア、中国がもしS-400を導入したら釣魚島を防衛できる、とする

ロシアメディアは、中国軍がロシアから15個大隊のS-300PMU2対空ミサイルシステムを得たら、北京、上海など大都市を保護するのに用いる、とする。もしさらにS-400防空ミサイルシステムを得ることができたら、中国は本国領空を支配することができるだけでなく、さらに台湾と釣魚島上空の情勢をもコントロールできる。

結びの言葉

今回ロシアが中国向けにS-400防空システム販売を準備しているのは、中ロ両国の軍事工業方面の深い協力であるだけでなく、さらには両国の高度の相互信頼の具体的表現である。現在の錯綜し複雑な国際情勢に直面し、中ロ両国の連携は世界のためにより多くのプラスのエネルギーを提供できるだけでなく、ひっそりと周辺情勢の発展を改変することにもなる。予見できる未来、中ロ両国はより多くの領域でより広範な協力を行うことになるだろう。そしてS-400防空システムは中ロ協力の「目撃証人」の1人ともなるのである。


 意図的になのか、ロシアの最先端のミサイルシステムを輸出することで中国に技術をパクられて中国製品がロシアの輸出のライバルになる危険については直接的には全く触れられていません。ただ「S-400の価格は非常に高く、決してどの国でも買えるものではない」、「弱点となっている技術は依然短期間内には補うことができない」という記述があり、深読みすればどうせS-400は多くの国に輸出することはできないし、この分野に弱点を持つ中国は短期間内には追いつけない、ということでしょうか。しかし現にS-300を真似て独自の改良も加えた紅旗ー9がトルコのトライアルでS-300のロシア版の発展型に勝利しており、価格面も加えれば比較的短期間内にロシアの輸出を圧迫する危険はあると思われます。それでも輸出するというのはやはりロシアが中国との関係を重視している表れでしょう。ただロシアがS-400を中国に販売するという確定的な情報はまだないわけですが。




















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