中国製水中アサルトライフル

 今年1発目は、ミステリアスな水中小銃に関するページの内容を紹介します。

http://blog.163.com/wuya2044195@126/blog/static/13885460920114238529377/


国産水中小銃を推測(頑住吉注:原文では「水下歩槍」です)

最近の中タイ連合軍事演習において、中国人民解放軍特殊部隊は、外形が奇妙な新型小銃を展示した。それがロシア製のAPS水中小銃の外形に酷似していることから推測すると、これは噂が流れてすでに久しい国産水中小銃に違いない。その後ある展示会でもこの新型水中小銃が展示された。公式な名称はQBS06式5.8mm水中自動小銃である。いわゆる水中小銃とは、文字通り水中で使用する小銃である。あるいはもう少し詳しく言えば、水中小銃は武装フロッグメンあるいは特殊部隊によって水中で使用される小銃であり、その作用は敵の武装フロッグメンあるいは潜水員の殺傷である。こうした銃は一般に海軍特殊部隊に装備され、敵の生体目標を殺傷できる他、さらに敵の無防備な設備を破壊し、その機能を喪失させることもできるし、あるいは水中で獰猛な魚類に遭遇した時に自衛にも用いられる。

(頑住吉注:原ページのここにある1枚目の画像のキャプションです。「中タイ軍事演習で展示されたQBS06式5.8mm水中自動小銃」、続いて2枚目「QBS06式5.8mm水中自動小銃」、展示物の説明は不鮮明でよく分かりません)

武装フロッグメンが部隊の戦闘序列に正式に入れられた後、その装備する武器の研究開発は、各国の武器専門家たちのすこぶる頭の痛い問題になった。水中の特殊環境ゆえに、一般の陸上で使用される武器を水中で使用することは全くできず、武装フロッグメンたちはダイバーナイフあるいは短矛のたぐいの白兵武器しか使えなかった。後には科学技術の進歩につれ、フロッグメンたちは一種の水中銃(頑住吉注:原文では「魚槍」)を装備し始めた。これはすなわち強力なゴム、スプリングあるいは圧縮空気を利用して動力となし、発射を行う一種の銛である。この種の水中銃は威力はやはりなかなかのもので、凶暴なサメに対抗することさえできる。ただし水中銃の欠点もまた明らかで、まずこの種の武器は体積が大きく、しかも単発の銃である。つまり1回の発射しかできず、再度の装填をしたい場合これは容易なことではない。もし1発目が命中しなかったら、あるいは同時に数人の敵が同時に出現したら、フロッグメンたちがどういう立場に置かれるかは想像がつく。それでは一般の歩兵が使用する軽火器をちょっと改造してフロッグメンに装備できるだろうか? 答えは当然ノーだ。周知のように、水の密度は空気の密度の800倍であり、通常の小銃あるいはサブマシンガンを使って水中で射撃したら、ただちに次のような過酷で複雑な環境と対面しなければならない。水の密度は空気よりはるかに高いので、陸上で使用する自動小銃あるいはサブマシンガンが発射した弾丸は密度の高い水中での移動抵抗が極めて大きくなり、加えて高速でライフリング回転する弾丸がジャイロ効果を生み、弾丸は急速に安定を失い、したがって前進運動を継続するエネルギーを喪失する。国内外いずれでも、通常の自動小銃あるいはサブマシンガンに対し水中射撃実験が行われたことがあるが、結論は非常に明確だった。すなわち、水中で射撃した時、小口径自動小銃が発射した弾丸の有効射程は1mにも達しない。一方M1911A1拳銃が発射した.45インチ拳銃弾はわずか0.9mのところにある木板にごく浅い凹み痕を残しただけであり、距離を0.6mまで近づけてもわずか3mmの木板を貫通できるだけだった。このような威力は明らかに部隊の要求を満足させ得るにははるかに遠く及ばず、その威力は水中銃はおろかナイフにすら及ばない。武装フロッグメンが水中で使用できる満足な武器は、まさか本当にないのだろうか?

(頑住吉注:原ページにはここに水中銃の画像があります)

1989年12月、地中海のマルタ島の豪華な遊覧船上で、東側陣営を代表するソ連書記長ミハエル ゴルバチョフが西側陣営を代表するアメリカ大統領ジョージ ブッシュとまさに歴史的会談を挙行しているところだった。この会談は半世紀の長きに渡った冷戦が終結したことを象徴していた。全世界の全ての視線がこの大きくない遊覧船に注がれ、会議の成果が現れることに期待した。この会議の警備は尋常でなく厳重で、空中には絶えず武装ヘリコプターが飛び、海面上にはソ連のKGB特殊部隊の武装巡視艇がやはり海面全体を全く隙間なく封鎖し、いかなる部外者の進入も禁じていた。しかもソ連側はさらに、もし何者であろうと水中から遊覧範囲200m内に接近した者は直ちに射殺されると宣言していた。記者は現場に行って撮影や報道を行うことは許されず、全ての記者が岸辺に集まり、各種の長短の望遠鏡を使ってこの尋常でない意義を持つ遊覧船を取り囲んでいた。この時、ある記者はソ連軍特殊部隊のフロッグマンが水中から浮かび上がり、巡視艇によじ登るのに注意を向けた。そして記者たちを驚かせたのはフロッグマンの手にした奇怪な小銃だった。これはいまだかつて新聞報道中に見られたことのない武器で、巨大なマガジンが銃本体の大半部分を占め、しかしガス導入管、レシーバー、レシーバー上のコッキングハンドルのガイドスリットは、この銃がAKファミリーの血統を持つことを示していた。記者にとっては「ソ連人、水中アサルトライフルを装備済み」というこの情報は冷戦を終結の会談に比べれば、何らの人を驚かせる情報とは評価できなかった。ただし各国の情報機関の熱心な注目を引き起こした。これ以前には、どんな国も水中アサルトライフルを装備したと聞いたことはかつてなかったのである。ドイツのH&K社も70年代に水中拳銃を開発したことがある。‥‥P11である。ドイツ以外にアメリカ、イギリス、イスラエル等西側の諸国もこの拳銃を装備した。P11拳銃の外形はシリンダーのみありバレルがない大型リボルバー(頑住吉注:ペッパーボックス)に酷似している。ただしそのシリンダーは回転できないし、構造もリボルバーとは異なる。P11拳銃は電気撃発を採用し、シリンダー内には5発の7.62mmx36フレシット弾が収納されている。シリンダーは同時にバレルおよびチャンバーも兼ね、グリップ内には撃発用の電池が収納されている。シリンダー内の弾丸はあらかじめ密封して装備され、1個の閉鎖突起によってグリップに挿入され、さらに固定金具を使って固定される。シリンダー上にはフロントおよびリアサイトが加工され、シリンダー前方にはさらに防水プラスチックカバーがあり、シリンダーに水が入ることを防止している。撃発後、弾頭は密封カバーを貫通して目標に向かう。P11拳銃の威力は基本的にフロッグメンの要求を満足させられる。水中において、近距離では1cm厚の鋼板を貫通できる。空気中では距離25mでも同じ厚さの鋼板を貫通できる。ただしこの銃の弾薬は部隊自身で装填することはできず、工場に送り返すしかない。これだけで維持メンテナンスは非常に不便である。一方ソ連の水中アサルトライフルのマガジンは通常のライフルのように素早く交換でき、明らかにより部隊の要求に適合している。

(頑住吉注:原ページのここにある1枚目の画像のキャプションです。「ロシア軍特殊兵が使用するAPS水中小銃」ってこれ絵やん、続いて2枚目「ドイツのP11水中拳銃」)

ソ連人は1960年代末には早くもその特殊部隊のために水中アサルトライフルの研究開発を開始した。このプロジェクトを主導したのは著名な「中央精密機器製造研究所」だった。主任設計師はウラジミール V シモノフだった。この設計師の名を聞いたことのある読者は多くないかもしれない。ただ彼の年長のいとこであるセルゲイ シモノフは広く知られている。彼はSKS半自動小銃の設計者に他ならない。中国の56式半自動小銃はこれを原型にコピーしたものである。数年にわたる苦心の研究の後、5.66mmAPS水中アサルトライフルが誕生し、ソ連軍特殊部隊に装備された。だがソ連軍はこの武器に関しても厳格な秘密保持を行い、1975年に部隊への装備が開始されてから、決して対外的に漏れたことはなかったし、その他の同じ陣営の国に輸出されたことも、展示されたことさえなかった。このため外界はずっと誰も知らず、この時の地中海会談に至ってやっと正式に公衆の面前でデビューしたのである。この小銃のデビューをめぐっては、興味深いエピソードがまだある。西側の国はずっと類似の武器を持たなかったので、西側の情報機関はこの武器に対し極めて大きな興味を示し、特殊工作員を使ってロシア軍将校から買い取ることさえ試みた。1挺手に入れて研究を行おうと企図したのである。結果的にロシアの対スパイ機関のターゲットになり、この西側の特殊工作員はその場で逮捕された。そしてこのケースの捜査検挙過程の録画画像を各国のニュース媒体に提供した。

APS水中アサルトライフルのデータ

口径 5.66mm
全体重量 2.4s(マガジンなし)、3.4s(実弾入りマガジン込み)
全長 823mm(ストック伸ばし)、614mm(ストック縮め)
マガジン容量 26発
理論上の発射速度 毎分600発(水上)、毎分350発(水中)
有効射程 100m(水上)、30m(水深5m)、20m(水深20m)、11m(水深40m)

(頑住吉注:原ページのここにある1枚目の画像のキャプションです。「ロシア製APS水中小銃」、続いて2枚目「APS水中小銃が使用する弾薬とAK47小銃が使用する7.62mm小銃弾薬との対比」)

ソ連解体後、経済的不景気のためロシア政府はAPS水中アサルトライフルを対外的に輸出することも考慮し始めた。90年代になって、APS水中アサルトライフルのが頻繁に各大規模防衛装備展示会に出現し始めた。中国もおそらくこの時からこの種の新奇な武器に接触し始め、おそらく購入もしてこの銃の研究を進め、国産水中小銃のための基礎を固めたのだろう。

国産水中小銃に関する噂は何年も前にすでに出ていた。当時筆者は仕事を始めたばかりだった。あれは95式小銃が正式にデビューした後間もなくだったと記憶している。国内のある名の知られた小火器雑誌の表紙に手書きのカラーの絵が掲載されており、国産水中小銃の想像図であると明記されていた。この銃は95式小銃同様ブルパップ設計で、ただし水中小銃の弾薬はより長いため、そのレシーバーは95式小銃に比べずっと長かった。これに対応してキャリングハンドルとコッキングハンドルのガイドスリットも長くなっていた。フロント、リアサイトは95式ショートアサルトライフルに似ており、全てキャリングハンドル内に一体化されていた。その外形は95よりさらにSFチックで、外部のエッジもより丸くなり、APS水中小銃同様この銃も巨大なマガジンを装備していた。ただマガジンが後ろに置かれていたので、一種先細りな印象を与えた。ただしこの小銃は結局想像にすぎず、後にサンプル銃が出現することはなかった。筆者はこの原因は水中小銃の弾薬が長すぎ、もしブルパップ構造を採用するとレシーバーの長さが長すぎになり、肩付けしての照準姿勢が辛くなり、兵士が腰だめ射撃しかできなくなるためかもしれないと考えている。近年発表されたロシアの新世代水中アサルトライフルであるADS水陸両用アサルトライフルのサンプル銃の中にも、国産水中小銃の想像図の中の設計と類似したものがあった。読者の皆さんちょっと想像してみてほしい。かくのごとき巨大なレシーバーを手に掲げて照準するのは辛くないか? この水中小銃の想像図はついに現実のものにならず、あっという間に影も形もなくなってしまったが、国産水中小銃に関する論争はずっと収まることがなかった。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ADS水陸両用小銃研究開発過程におけるサンプル銃」)

今日、QBS06式5.8mm水中自動小銃がついに正式に世の中の人の面前に出現した。当局は詳細なデータを出していないし、分解図も見られない。だが、そのロシア製APS水中小銃と似た外形は、この銃に流れるロシアの血統をはっきり示している。現在当局が公開している画像から見て、QBS06式5.8mm水中自動小銃とロシア製の原型にはいくつかの部分に少し差異がある。その1、ロシア製の原型はマガジン下方に1つ突起した部分がある。この部分はマガジンスプリングを収納している。マガジンスプリングの前後幅はマガジンの前後幅の半分程度しかない。だが国産は通常のマガジンに似た大型のマガジンスプリングをそのまま採用している。このようにすると重量や体積の増大をもたらす(頑住吉注:あと水の抵抗もでしょうね)。その2、ロシア製の原型のフロントおよびリアサイトはやや薄着のきらいがあり、たとえばぶつけると変形するかもしれない。だが国産のタイプはずっと頑丈に見える。しかもリアサイトにはウイング状、フロントサイトにもリング状のガードがあり、国産の56、81式自動小銃のそれが受け継がれている。その3、ロシア製水中小銃のコッキングハンドルはAK47に似て三日月型だが、国産水中小銃のコッキングハンドルは81式自動小銃に似て円柱型である。その4、ロシア製水中小銃にはハンドガードがなく、主に水中で射撃するのであり、一つには海水には冷却作用があり、次に非常に厚い潜水手袋も一定の保護作用をするので、持続射撃をしても手がやけどするには至らないことを考慮したのではないか。だが国産水中小銃はハンドガードを装備している。これが果たして蛇足なのか、それとも確かに作用があるのか、目下のところまだ分からない。最後にこれは最もカギとなるポイントでもあるが、国産水中小銃には銃口装置がある。この銃口装置の用途は水中射撃時に生まれる気泡を消し、射手に対する影響を避けることに違いない(頑住吉注:ガスが出る以上気泡を消すのは無理だと思いますが、細かくすることなどは可能でしょう)。この点から言うと、ロシア人の考慮に比べてより行き届いている。この他、ロシア人が採用したのは5.66mm水中小銃弾薬であり、一方国産は5.8mm水中小銃弾薬を使用する。以上のディテールを総合し、筆者は国産のQBS06式5.8mm水中自動小銃の内部構造はロシア製のAPS水中小銃と基本的に同じであり、このことからこの銃の性能データも推測できると考える。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「QBS06式5.8mm水中自動小銃の分解状態」ってほとんど分かりませんが)

QBS06式5.8mm水中小銃はガスオペレーション式構造の自動小銃であり、閉鎖機構はボルト回転式でAK47小銃に似ている。ただし水中で射撃する時、レシーバー内に海水が入るので抵抗の増大がもたらされ、オーソドックスな通常のハンマー撃発方式では水の抵抗が問題になって撃発不能になる可能性がある。ただし無制限にハンマーの重量やハンマースプリングのテンションを増やす手段も取れない。この他、水中弾薬の極度に長い寸法も回転式ハンマーの使用を不可能にする。ボルトは弾薬を押してチャンバーに入れる作動をしなければならず、後座ストロークは普通の小銃の倍に相当する。レシーバー内の空間は有限であり、このように巨大なハンマーを収容することはできない(頑住吉注:この理屈はちょっと分かりません。別にM16のボルトが倍のストローク後退してから戻ってくるようにしてもハンマーを大きく変える必要はないように思いますが)。このためQBS06式5.8mm水中自動小銃はオープンボルト発射準備で、ボルトキャリアがハンマーを兼ねる撃発方式を採用し、水中での撃発エネルギーを保証するしかなかった。読者の皆さんの中に質問する人がいるかもしれない。オープンボルト発射準備方式の銃は通常皆射撃精度が良くはならない。このような方式は射撃精度が部隊の必要を満足させられないという結果を招かないか? 実はこれは考えすぎである。まず、水中では見通しが非常に良いということはなく、20mまで離れればすでに見るのは容易でない。次にこの銃は結局のところ自動小銃であってスナイパーライフルではない。精度に対しそれほど高い要求はなく、有効射程内で人体の胴体部分に命中し、即致命傷になりさえすれば良く、高い精度を求める必要はない。精度上の要求が高くなく、加えて射程も長くない。ゆえにこの銃は調節できない固定式リアサイトを採用している。水中での見通しの問題を考慮し、ノッチ式リアサイトとフロントサイトは比較的大きいに違いない。目下のところまだ夜光サイトを採用しているかどうかは分かっていない。もし夜光サイトがあれば射手にとって疑いもなく吉報である。結局のところ暗い水の底では、夜光サイトならさらに便利に目標の捕捉ができる。この他、我が国が生産する81式自動小銃は、リアサイトのウィング部とバックボーン部の間に形成される細長いスリットとフロントサイトガードが快速照準システムを構成し、使用できる。緊急状況下ではリアサイトのガードウィングのスリットをフロントサイトガードに正しく合わせ、目標を重ねるだけで即射撃でき、迅速かつ正確である。今回水中小銃を設計する際にもこの極めて優れた設計が踏襲されたに違いない(頑住吉注: http://www.gunsworld.net/china/rifle/1981/d0951.jpg あるいはこれは三八式を参考にしたものでしょうか)。

水中での特殊な環境ゆえに、通常の小銃弾のライフリング回転による安定原理をもし水中で使えば、弾頭は安定を保持できず、数mの距離しか進めない。このような環境に適応するため、QBS06式5.8mm水中自動小銃は、特別に作った細長い水中小銃弾を発射する。弾頭自体の重量と構造に頼って進む際の安定を保持するのである。そのバレルも通常の小銃とは異なり、この銃のバレルはスムーズボアであり、チャンバーとボアはメッキ処理されてバレルの寿命と対腐食性能が高められている。ロシア製水中小銃同様、この銃のレシーバーもプレス、リベット構造が採用され、構造が簡単でコストが比較的低い。しかも国内で長年生産されている56および81式小銃もまた同じ生産技術を採用しており、経済性が比較的優れている。この他、筆者はこの銃のピストン用シリンダーに多くの小さい穴が開けられていることに注意を向けた。この小さい穴は排水穴に違いない。ボルト前進時、シリンダー内の水を排出し、ボルトの前進抵抗を減少し、ボルトが充分な撃発エネルギーを持つことを保証し、撃発エネルギー不足という現象の発生に至らなくさせるのである(頑住吉注:一番前の穴よりさらに前にある水は排出されず、水は圧縮されないので不完全閉鎖になってしまうのでは。水を全部抜くように穴をあけたらガスも漏れるはずですし。どうなっているんでしょうか)。この銃は同時にガス導入自動適応装置も採用し、異なる水深、あるいは水面の上で使用してもガス導入装置に調節を行う必要はない(頑住吉注:水圧により部品が押し込まれるとガス穴が広がるような仕組みでしょうかね)。

(頑住吉注:原ページのここにある1枚目の画像のキャプションです。「ロシア製APS水中小銃の射撃」、続いて2、3、4、5枚目「QBS06式5.8mm水中自動小銃が水中実験を行っている」)

QBS06式5.8mm水中自動小銃のうち最も奇異なのはあの巨大なマガジンに違いない。このマガジンも細長い水中小銃弾薬を装填可能にするために設計されたものだ。ロシア製水中自動小銃が使用しているのは複合材料とスチール構造を組み合わせたマガジンであるが、国産の水中小銃がどんな種類の材料のマガジンを採用しているのかは目下まだはっきりしていない。弾薬の特殊性ゆえに、マガジンの設計にも新しい工夫がこらされている。ロシア製水中小銃が使用しているのは半分サイズのマガジンスプリングで、マガジンスプリングの前後幅はマガジンの前後幅の半分程度しかない。このような設計は、マガジン内の弾薬が受ける力の不均一を作り出す可能性があり、容易に弾頭が「おじぎ」する現象がもたらされ、したがって給弾の故障が発生する。給弾の信頼性を保証するため、ロシア製水中小銃はマガジン前部に中央隔壁をはめ込んでいる。これでマガジン内の2列の弾薬の弾頭が分かれ、弾薬はマガジン内で終始正確な給弾姿勢を保持することになる。しかし国産の水中小銃が採用しているのはフルサイズのマガジンスプリング設計であり、受ける力が不均一になる現象は存在しないはずであり、中央隔壁の設計はなくしてよい。同時に、マガジンの前後幅が過大なため、マガジンにそれぞれ2つの抱弾口がある。一方通常の小銃には1つだけしかない。2つの抱弾口の設計は、弾薬が長すぎ、給弾ストロークが長すぎるために引き起こされる給弾ルートの不確定が給弾の故障を引き起こすという問題を解決できる(頑住吉注:「抱弾口」はたぶんマガジンリップだと思います)。この巨大なマガジンは給弾以外にもう1つの特殊な機能を持つ。セーフティ機構としての使用である。QBS06式水中自動小銃が採用しているのはオープンボルトの撃発方式であり、射撃前にコッキングハンドルによってボルトを後方に、シアで保持されるまで引いておくことが必須である。射撃時はトリガーを引くだけで即ボルトを解放し、弾薬を撃発することができる。だがもしセレクターがセーフティ位置にある時に射手がボルトを給弾可能な位置まで引くと、シアはセーフティ機構の制限を受けてボルトを保持することができないので、射手が手を緩めたらすぐボルトは前進して弾薬を撃発する。しかも射撃を停止することはできず、必ずマガジン内の弾薬を全部撃ち終わり、それでやっと停止する。これでは射手にとって脅威であるだけでなく周囲の戦友に傷を負わせる可能性もある。このような状況が発生するのを避けるため、設計師はレシーバー内にマガジン遮断板を設計した。これはマガジンと組み合わさってセーフティの作用をする。マガジン遮断板はレシーバー内部、マガジンハウジングの上方に位置し、前後にスライドできる。ボルトが前方位置にある時、マガジン遮断板はマガジン後半部をカバーしている。射手がボルトを後方に引くと、連動してマガジン遮断板が一緒に後退する。マガジン遮断板が後方にスライドする時、徐々に弾薬を定位置に向かわせる。ボルトがコック位置に至ると、マガジン遮断板はやっと弾薬に対する制限を解除する。ボルトが弾薬を前に押して撃発する時、再びマガジン遮断板を連動して復帰させ、再度マガジン後半部分をカバーし、次弾に対するセーフティが形成される。もしセレクターがセーフティ位置にある時に射手がボルトを引こうとしても、後座ストローク不足のためにマガジン遮断板はマガジンをカバーしたままであり、すなわち給弾できない。この時もし射手が手を緩めてもボルトがいっぱいに前進するだけで弾薬を押して撃発することはできない。マガジン遮断板の設計は、セレクターがセーフティ位置にある時に弾薬を押して撃発できなくさせるのと同時に、後退量不足のために引き起こされる暴発も避けられる(頑住吉注:後方から落下させた場合の暴発も防げるわけですね)。

(頑住吉注:原ページにはここに弾薬の画像が複数ありますが、キャプションはありません)

QBS06式5.8mm水中自動小銃は細長い専用の水中弾を採用しており、構造上フレシット弾に類似している。弾頭の長さは約150mmだが重量は28g前後で、5.8mm自動小銃弾2発の重さにほぼ相当する。この弾薬の弾頭の設計も非常に特殊であり、ボディーは細長く、尾端面は比較的小さく、重心は相対的に前寄りである。先端部は直径1.5mmの平面で、このような設計の目的は水中を進む際の安定保持の保証である。弾薬が撃発された後、弾頭はバレル内を出、先端部が平面であることの作用で、水が先端部の平面とテーパー部の過渡部分で突然突然分離し、弾頭周囲に1つの気泡を形成し、弾頭は気泡に包まれる。この時、弾頭頭部が受ける水の抵抗のみあって、水が弾頭を撹乱する作用は相対的により小さいので、弾道が安定する(頑住吉注:ちなみに旧日本海軍の、着水してから水中を進み、敵艦の喫水線より下に命中する九一式徹甲弾も先端が平らでした)。弾頭が目標に命中すると、弾頭の設計が「前が重く後ろが軽い」なので、容易に転倒が発生し、したがって目標に対し巨大な殺傷効果を生み出す。この他、この種の重量の大きいスチール弾頭の貫通力は非常に良好で、厚くて重い防水ヘルメットや潜水用酸素ボンベを貫通するのに充分である。この種の弾薬は同様に水面上でも使用できるが、使用環境の変化ゆえに水面の上での射撃の精度は実はひどいもので、50mを超えるとすぐ目標への命中が難しくなる。同時に、水面の上での射撃は武器の寿命を重大に短縮させ、200発前後とされている(頑住吉注:水の抵抗がないためボルトが過大な速度で後方にぶつかるからでしょう)。もし水中のみで使用すれば、寿命は2000発に達し得る。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「3種の異なる種類の国産5.8mm水中小銃弾薬の弾頭。目下まだどの種類が採用されたかは知られていない。」 特に後の2種は製造コストが高そうです)


QBS06式5.8mm水中自動小銃は我が国のこの1領域の空白を埋めた。当然我々はこの銃の欠点をも見なければならない。まず、この銃は依然として伝統的な鋼板プレス構造を採用しており、皆周知のようにスチールの耐腐食性は比較的悪い。一方水中自動小銃の使用環境はすなわち腐食性が比較的高い海水の中である。必然的に武器の寿命に影響が出るだろう。だが我が国は95銃ファミリーから始まってすでに銃器に耐腐食性を持つ高強度アルミ合金材料を広範に採用しているし、しかもこの材料の使用もすでに成熟したものになっている。それでは何故水中自動小銃に使わなかったのか? 次に、マガジン遮断板は武器のセーフティとしてはもちろん巧妙だが、構造上やや複雑なきらいを免れない。伝統的なオープンボルトの火器の多くが採用しているグリップセーフティの構造はより簡単で、しかも我が国の05式サブマシンガンにも類似のセーフティが採用されている。それなら何故グリップセーフティを水中小銃の設計に取り入れなかったのか?

筆者がこの文章を執筆している時、ロシアも彼らの新世代水陸両用小銃ADSを発表した。名称からすぐにこれは水上と水中の射撃を同時に満足させることができる汎用型の武器であることが分かる。ADSはブルパップ構造の自動小銃で、薬莢を前に投げ出す原理を採用している。こうすれば右利き、左利き射手がいずれも使用できる。注目に値するのは、この銃が採用している新しい水中弾薬系統、すなわち5.45mmx39PSPである。この弾薬は弾頭半露出構造であり、弾頭の大部分が薬莢内に埋没している。充分な弾頭の長さと重さが保証されているし、弾薬が長すぎて操作に影響することもない。ADS水陸両用小銃は世界で初めて水上と水中の使用を同時に保証することができる汎用型小銃であり、水中での威力と精度はAPS水中小銃に全く遜色なく、水面上ではその精度と威力はロシア軍で現役のAK-74自動小銃に迫る。ADS小銃にはレールが装備され、各種スコープやアクセサリーが装備できる。銃本体の下方にはさらにグレネードランチャーが装備でき、サイレンサーやブランクアダプター等も使用できる。ADS水陸両用小銃の出現はQBS06式5.8mm水中自動小銃を明らかに少なからず遅れたものにした。しかし筆者は我が国の軍事工業科学技術人員の努力の下、我々が将来にであってもさらに良好な新型武器を持ち、絶対に世界の潮流から落伍しないであろうことを信じる!

(頑住吉注:原ページのここにある1枚目の画像のキャプションです。「ADS水陸両用小銃」、続いて2枚目「APS水中小銃が使用する弾薬とADS水陸両用小銃が使用する弾薬。後者の体積がはるかに小さいのが分かる。」、続いて3枚目「水中小銃弾の強大な威力」)


 ロシア製水中小銃が公然化した際のエピソード、水中では発射速度が極端に遅くなることなど、本筋以外でも興味深い内容が多かったです。

 「ロシア製水中小銃を参考に同等のものを作ったはいいが、ロシアは次世代の水陸両用小銃を登場させた。遅れず我々も続こう。」というのがこの筆者の大雑把な主張ですが、私はアメリカがこの種の銃を全く作っている様子がないことに疑問を感じます。技術的に不可能ということはないはずで、検討の結果なくても差し支えないと判断したのではないでしょうか。ADSの存在が明らかになってからはまだ間がないので、「これなら使い物になる」と開発を開始している可能性もありますが。ただ水中、水上の環境は大きく異なりますから、両方を満足させるためには大きく妥協せざるを得ない部分が出てくる可能性が高い気もします。ADSは部品の組み換えでAPSのマガジンも使えるようですが、当然バレルも交換しなければならず、戦闘中に行うのは無理でしょう。このため弾頭をプライマー近くまで延長した、全長は通常の5.45x39と大差ない、部品の組み換えなしで発射できる水中弾薬を開発したようですが、それでも弾頭の長さは画像で見たところAPS用の1/3もなく、水中での射程はAPSに大きく劣るはずです。これまで知られていたパテント図と異なる、サボで包んだ細い弾頭の画像が出てきましたが、水の抵抗が減るのと同時に重量も減ってしまい、やはり疑問が残ります。しかも水中ではライフリング回転で安定させることはできないという問題はどうなったんでしょうか。まさか成形炸薬弾を発射する一部の戦車砲のようにライフリング回転を弾丸に伝えない特殊な構造をこんな小さな弾薬に1つ1つ設けるわけにもいかないでしょうし。水の抵抗がない水上でボルトの後退速度が過大になり、使用寿命に影響する問題も根本的な解決は難しいでしょう。

 ともあれ海でつながった強大な隣国が、自衛隊もアメリカ軍も持たない新兵器を装備し始めた事実は一応意識しておくべきでしょう。








戻るボタン